睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年2月26日読了目安時間: 6

眠れないときの原因5つと改善方法7選

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

眠れない時ってしんどいですよね。忙しい日常と情報過多で休む暇もなく、うまく寝付けない、質の良い睡眠がとれないと感じたこともあるかもしれません。しかし、睡眠は人間にとって必要不可欠なもの。身体を休め、脳を整理するためにも重要です。

眠れない日が続くと、体力を消耗してしまい、脳が働かなくなるため日々の生活に支障をきたしてしまいます。仕事でのパフォーマンスもうまく発揮できないかもしれません。

本記事では、眠れない時の原因と対処法について上級睡眠健康指導士の松本が詳しく解説します。睡眠でお困りの方やストレスで眠れない方は、ぜひ快適な睡眠を得るための参考にしてみてください。

 

眠れない原因を知る

人間は眠ってこそ体力と脳を回復します。しかし、眠れないという状態は健康に大きな影響をきたします。眠れないという状態は単に寝つきが悪いだけでなく、夜中に目覚めてしまう、朝早く起きてしまうなど多面的な症状があります。睡眠問題は奥が深く、自分の状態と眠れない原因を特定しなければなりません。

まずは大まかな分類として、ストレスなどの心理的要因、生活リズムの乱れ、飲食物の影響といった項目に当てはめ、さらに環境的・身体的な原因を洗い出してみることで、自分の状況を客観的に把握しやすくなります。この記事を通して睡眠に悪影響だった原因を突き詰めることができれば、改善への道は開くでしょう。

ストレスや心理的要因

いやな出来事を思い出し、ついそのシーンを思い出してしまって眠れないということはありませんか。同じことを繰り返し考えてしまって眠れない・・。眠れない理由としてとても大きな要因であるストレスは、寝付きに大きく影響します。日々の仕事や人間関係から受けるストレスが原因で、脳が興奮状態からなかなか抜け出せず、寝つきが悪くなることがあります。データでわかる!睡眠と仕事の生産効率の関係性を見れば、作業処理スピードの違いが一目瞭然です。

対策としては、寝る前に日記やメモで思考を整理したり、軽いストレッチや呼吸法を取り入れて心を落ちつかせるなど、精神的不可を軽減する工夫が効果的です。ストレスがあるままベッドに入ることで、寝付きにくくなるだけでなく、睡眠の量と質にも悪影響になってしまします。

生活リズムの乱れ

普段から就寝・起床時間が不規則の場合、体内リズムがうまく整わなくなります。夜中まで起きている日が続いたり、平日と休日で大きく寝る時間が変わると、身体のリズムは混乱してしまいます。仕事が忙しかったあとの休日の寝だめもよくありません。一度ずれてしまった体内リズムを元に戻すことは簡単ではないからです。週始めの月曜日はだるくなり、日中眠くなってしまいます。

規則正しい就寝時刻と起床時刻を定めるだけでも、体内時計がリセットされやすくなります。夜になれば自然と眠くなる流れを作り出すので、質のいい睡眠をしっかりとり、朝はスッキリという理想的なサイクルにつながります。

カフェインやアルコールの影響

普段の生活でカフェインやアルコールが欠かせない人は要注意。これらをとりすぎると脳に影響があるのでもちろん睡眠にも影響します。カフェインを過剰に摂取しすぎると、中枢神経系が刺激されるので興奮や不安、震え、不眠につながります。アルコールの場合は、深い睡眠と浅い睡眠が交互に動くサイクルが乱れてしまい、深い睡眠が必要以上に得られず、疲労感が残ってしまうというデメリットがあります。寝酒のデメリットについて寝酒とは?寝る前のお酒のメリットデメリットを解説でさらに詳しく知ることができます。

カフェインやアルコールといった飲み物を摂取するタイミングや量を見直すことで、不必要な覚醒を招かずに眠りやすさを高めることができます。健康な成人においては、コーヒー1日2、 3杯であれば健康に悪くないとされています。では適切なカフェイン量はどのくらいなのか。目安となる1日のカフェイン上限摂取量を参考にしてみてください。

一日のカフェイン摂取目安量
子ども 2.5mg/kg(体重40kgで約100mg)
4-6歳 45mg
7-9歳 62.5mg
10-12歳 85mg
健康な成人 400mg
妊婦 300mg

睡眠環境の問題

あまり注意をしないかもしれませんが、寝室の環境も一つの要因になります。たとえば、暑すぎる部屋、明るい部屋だと寝付きづらくなります。できるだけ寝室を静かで快適に保ち、光を最小限に抑えるなどの対策を行いましょう。そうすると心身ともにリラックスしやすい就寝環境を作れます。

適切な室内温度について知りたい方はこちらの記事 夏や冬に快適に寝られる温度ってどれくらい?暑がりと寒がりが一緒に寝るとき、快適に過ごすための3つのポイント もおすすめです。

体調不良や健康問題

眠れない理由の一つとして、健康問題が隠れているかもしれません。慢性的な痛みや呼吸器系のトラブルなど、身体的な疾患があると眠ろうとしても何度も目が覚めたり、そもそも寝付けなくなる場合があります。

体調不良だったり身体に違和感を覚えたりした場合は注意が必要です。こうした身体的要因が疑われる場合は、早めに医療機関を受診して根本原因を特定し、適切な治療やアドバイスを受けることが大切です。

 

眠れない時の対処法7選


眠れないときはさまざまなことを試されるかもしれません。身体が疲れていても眠れないときは特にしんどいですよね。どの対処法が適切なのか以下で解説します。

リラクゼーションや深呼吸

ストレスで眠れない時はリラクゼーションが足りていない場合があります。呼吸をゆっくり行うと副交感神経が刺激され、心拍数が下がりリラックスモードに入りやすくなります。なぜ深呼吸がいいのかというと、息をしっかり外に吐き出すからです。お腹と肺にたまった空気を吐き出しましょう。ゆっくりと深呼吸するだけで、心が落ち着くのが感じられます。

深呼吸は寝る前だけでなく、日常的に習慣にすることでさらに効果を期待できます。たとえば、仕事中の息抜き、育児中ふとした時、散歩中など。深呼吸をすることを覚えておくだけで交感神経と副交感神経のバランスを維持できるようになるでしょう。リラクゼーションをさらに高めるアロマに興味ある方は、初心者向け!快眠に繋がる睡眠時におすすめのアロマの香りTOP3も参考にしてみてください。

ストレス解消のための筋弛緩法

また、ストレス解消におすすめなのが筋弛緩法です。筋肉と心の緊張をほぐし、ストレスを減らすというリラックス法です。身体のこわばりや全身の筋肉に緊張がある場合は試すと良いでしょう。一回につき、5〜10分程度にしておきましょう。筋弛緩法で使える手順はこちらです。

  1. 体の特定の部分に70~80%程度の力を入れる
  2. 力を入れて5~8秒キープする
  3. すーっと力を抜く(10秒以内)

筋肉に力を入れたときと緩めたときの違いにフォーカスするようにしましょう。筋弛緩法は覚えやすく場所も選ばないため、就寝前以外にも日中のリフレッシュとして取り入れることもできます。

入浴で体を温める

入浴も効果的なリラックス法です。おすすめは寝る1〜2時間前に少しぬるめのお湯で入浴することです。就寝直前だと体がまだ熱くほてっている場合があるのでおすすめしません。1~2時間前の場合、体温が下がるタイミングで寝付けるので最適です。理想の温度は39〜40度で、熱い温度は避けましょう。

ツボ押しでリラックス効果を得る

ツボを押すことでリラックス効果も得られます。実は足裏だけでなく、身体中に不眠に効くツボ(※)はいくつかあります。心地よい程度の圧力で1回につき数分間ツボ押しをしましょう。リラックス効果が得られると言われるツボを紹介します。

  • 失眠(しつみん):足裏のかかとの中心にあるツボ
  • 百会(ひゃくえ):耳と鼻の延長線が交わる頭の頂点にあるツボ
  • 神門(しんもん):手のひらを上にした手首のしわの小指側にあるくぼみ
  • 内関(ないかん):手首の内側、手首のしわから指3本分したにあるツボ
  • 足三里(あしさんり):ひざのお皿の下、指4本分ほど下にあるツボ
  • 丹田(たんでん):おへその下3~5cmあたりにあるツボ
  • 労宮(ろうきゅう):手を握ったときに中指の先があたるところ
  • 安眠(あんみん):耳の後ろにある出っ張った骨から指1本分下のところ

(※)不眠症を改善するためのツボ押し

快適な睡眠空間を作るポイントと音や光の調整

部屋の明るさや音は、寝つきや睡眠の深さに大きな影響を及ぼします。寝るときは部屋をなるべく暗くし、窓から光が入らないようにします。どうしても光が漏れる場合は、クリップなどを使用して光漏れを防止するなど工夫しましょう。また、騒音はなるべく遮断することで睡眠の質を向上できます。音がない静かな環境を作ることでよりリラックス効果が得られます。

寝る前のストレッチとリラクゼーション

ストレッチは心と体の疲れを癒す最適なリラックス法です。ストレッチ中に行う呼吸法や簡単な瞑想を組み合わせると、より深いリラクゼーションを得られます。身体全体をストレッチすることで、筋肉のこわばりや緊張をゆるめることができます。ストレッチ中は必ず深く呼吸をしましょう。腸が動き、脳の副交感神経が優位になるなど、眠れない人にとってはメリットしかありません。

音楽やボイスアプリを利用する

上で音を遮断して静かな環境で寝ることの重要さについて触れました。とはいえ、人によっては音があるほうが寝付きやすくなることもあります。自然音やヒーリングミュージックを流しながら寝るようにすると、リラックスして自然に寝付きやすくなることもあります。自然音の例:雨の音や鳥のさえずり、波の音や木々のこすれる音など。寝る前にうってつけの音です。さらに、眠りをサポートするボイスアプリを活用する人も増えてきています。癒しの声で眠りに導いてくれる音声を聞けば、脳をリラックスできるかもしれません。

 

長期的に改善するための生活習慣

生活リズムの整え方

眠れない人は生活習慣を見直してみましょう。快適な睡眠を得るには、朝決まった時間に起きることが何より大切です。休日に寝だめをしたり、大幅に寝坊しすぎると平日のリズムに戻りづらくなるため、平日と休日の差をなるべく小さくするのがポイントです。

日中の運動とその効果

平日と休日の差をなくすために、朝の習慣を取り入れてみればいかがでしょう。たとえば、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動。身体にほどよい疲労感を与え、夜の深い眠りをサポートします。

しかし、過度な運動はかえって神経を高ぶらせることがあるので、負担にならない範囲から始めましょう。激しい筋トレはさけ、血液が全身を巡るようなウォーキングだけでも効果があります。朝のスッキリ感と夜の上質な睡眠、両方のメリットを期待できます。

正しい飲食習慣と気を付けるポイント

就寝の2〜3時間前までに食事を済ませるのが理想的。なぜなら夕食を遅い時間に食べると、消化のために内臓が活発になり、寝るタイミングで休息モードに入りづらくなるからです。カフェインやアルコールについてはすでに触れましたが、睡眠の質を上げる飲み物もあります。

睡眠は腸とも直接関係するので、消化にいいものやトリプトファンを摂取して睡眠をとりやすくする方法もあります。飲食習慣を見直すだけで腸内環境が整い、寝付きやすくなったり深い質のいい睡眠を得たりできるでしょう。

体内時計を整える方法

体内時計を整えるには、朝起きたらすぐに太陽の光を浴びるようにしましょう。毎朝リセットさせて、夜になると自然に眠くなるように体内時計を調整できます。とはいえ、早起きは誰でも簡単にできるものではありません。早起きする方法と習慣化するコツも見てみましょう。一方で、夜は強い光を浴びないようにすることも大切です。

日記やメモを活用した気持ちの整理

感情や深刻な悩みが頭の中でぐるぐる回っていると、ベッドに入る頃には余計な考えが巡ってしまいます。日中に起こった出来事や心の動きをノートやアプリに書き出すことで、気持ちをアウトプットし、脳を回復することができます。日記は自律神経のバランスを整える効果があると研究で言われています。頭の中の考えや気持ちを一度外へ出し、気持ちを整理しましょう。

デジタル機器の使用時間を制限する

就寝前のスマホやPCの使用は、多くの場合ブルーライトによって脳を刺激し、眠気を抑えてしまうのでNGです!どうしても使用する必要がある場合は、画面の明るさを落としたり、ナイトモードを利用するなどしてブルーライトを軽減する工夫をしましょう。デジタル機器の使用をやめ、日記に切り替えるだけで翌朝に脳の回復を実感できるでしょう。

 

まとめと快眠のためのアドバイス

眠れない人はそのことでストレスを抱え、睡眠に対して苦手意識を持ってしまうかもしれません。ただし正しい対処法で生活習慣を見直せば、本来の快適な睡眠を取り戻すことができます。ストレスをためずにリラックス法を取り入れて自分の体を大切にしていきましょう。

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