睡眠コラム by Koala Sleep Japan2024年12月26日読了目安時間: 6

【上級睡眠健康指導士監修】寝酒とは?寝る前のお酒のメリットデメリットを解説

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

「ああー疲れたー」という一日の終わりには、リラックスして明日に備えたい。そんな気持ちから、寝る前にワインやビールなどのお酒を一杯飲もう、となるのは自然と言えます。

しかし、実際には寝酒は想像以上に睡眠の質に影響を与えることをご存知でしょうか。上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が詳しく解説します。

 

寝酒とは?

寝酒は別名ナイトキャップ(Nightcap)とも呼ばれており、就寝前にお酒を飲む行為や、その時飲むお酒そのものを指します。「ナイトキャップ」という名前のカクテルも実は存在しますが、寝酒として飲まれるお酒は蒸留酒からワイン、熱燗、健康酒までいろいろです。

つまり、寝酒かどうかはお酒の種類ではなく、

  • 目的 = 眠りに就くためにお酒を飲む
  • タイミング = 寝る数時間前までに飲む

この2つで決まります。たとえば、「寝酒を飲もう」と言って晩酌したとしても、それが就寝3時間以上前なら、厳密な意味では寝酒ではないと言えます。

かつて寝酒が大人のカッコいい生活習慣であった時代がありました。たとえば、夜型の職業である作家には、寝酒愛好家が多かったようです。古くは明治の文豪・夏目漱石の『吾輩は猫である』にも、寝酒の描写があります。加えて、寝る前にお酒を飲むカッコいいシーンが登場する映画…となると、山のようにあるはず。

 

しかし、最近は世界的にアルコール離れが進んでいます。寝酒に対しても、その真価を検証する動きが出てきたのです。つまり「寝酒って本当にメリットある?」という疑問です。

 

メリットある?寝る前にお酒を飲む効果

「お酒を飲むとスッと眠れる」と、寝酒をちびちび飲むのが習慣になっている人もいるかもしれません。

しかし、結局のところ、お酒は睡眠に悪影響を及ぼします。寝酒の習慣がある人は、寝酒を始めた頃のことを思い出してみてください。その頃より、酒量が増えていないでしょうか?

寝酒を飲むと、最初のうち、寝つきがよくなったと感じることがよくあります。また、少量であれば、心身をリラックスさせる作用があるとも知られています。

しかし実はこのメリットは、本当に最初のうちだけなのです。夜定期的にお酒を飲む人の約90%が、睡眠関連の問題を報告しています*。就寝前の数時間で飲むお酒は、酒量が適量であったとしても、睡眠を妨げ、翌日に疲れを感じさせる可能性があります。

 

sleepfoundation.orgの調査による

どうしても飲みたい場合は、少なくとも就寝する3時間前には飲酒を控え、アルコールの分解が進んだ状態になっておくのがベストです。就寝時間が11時なら、8時にはお酒をストップしましょう。

ただし、

  • 短時間にお酒をちゃんぽんにして飲む
  • すきっ腹にお酒を飲む
  • お酒に弱い体質
  • 睡眠不足
  • 抗うつ剤や抗アレルギー剤など、お酒の影響が出やすい薬を服用中

こんな場合は、3時間以上前にお酒を飲むのをストップしましょう。

 

寝酒のデメリットと睡眠の質への影響

お酒が好きな人にとっては聞きたくない話かもしれませんが、寝酒が睡眠の質に及ぼすデメリットは少なくとも5つあります。

 

睡眠が浅くなりやすい

睡眠の質とは、睡眠時間の長さではありません。いかに深い眠り=ノンレム睡眠を実現するかが、最も大事なこととなります。そのためには90分から120分ごとにレム睡眠→ノンレム睡眠を繰り返すことが大事です。眠りの深さは4段階に分類され、浅い眠りから深い眠りへと続き、その後浅い眠りからレム睡眠へと移行します。

レム睡眠 脳は起きていて、体は眠っている。急速眼球運動(Rapid Eye Movement)があることから、レム睡眠(REM)と呼ばれる。夢を見るのはこの睡眠中。
ノンレム睡眠 脳が眠っている状態のこと。夢はほとんどみず、筋肉は働いている。

ところが、寝るときに飲んだお酒のアルコールが血流に含まれていると、身体はアルコール分解を行うため、このサイクルが乱れてしまいます。そのため頻繁に目が覚め、睡眠が断片的なものとなってしまうのです。

睡眠は量より質

 

イビキをかきやすくなる

 

いびきをかく人は飲酒するといびきが悪化する傾向があるようです。これは、アルコールが舌や喉の筋肉を弛緩させる影響があるからだ、と言われています。また、いびきとも関係が深い睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に繰り返し呼吸が止まる病気)の人は、その症状が悪化する可能性がある、というレポートも。

利尿作用の促進

アルコールには利尿作用があることは、よく知られています。そもそも就寝直前に利尿作用がある水分を取ることで、排尿量が増加し、トイレに行くために何度も起きることになります。

質の高い睡眠を実現するには、朝まで熟睡できるのが理想形です。夜中に尿意で目覚めてしまうことで断片的な睡眠になってしまうと、身体にも影響が出てしまいます。

 

二日酔いのおそれ

二日酔いは、肝臓がアルコールのアセトアルデヒドを分解しきれないことで起こる症状です。このアセトアルデヒドが、二日酔いの症状である頭痛や吐き気などを引き起こします。卵が先か鶏が先か、のような話になりますが、寝酒を飲んで寝てしまい、そのことで睡眠の質が下がってしまうと、二日酔いの症状がさらに悪化してしまう、というループに陥る可能性があります。

 

寝酒が習慣化になる懸念

寝付けないときに寝酒を飲むと、最初はよく眠れる、という成功体験があることは最初にお話しました。その成功体験のため、「お酒を飲むと眠れる」と信じてしまいがちなのですが、アルコールの作用としては実は真逆で、かえって睡眠が浅くなり、目覚めることが多くなってしまいます。

そのため、「寝酒の量が足りなかった」「飲まないと眠れない」ものとなり、徐々にアルコール摂取量が増える傾向が知られています。寝酒が習慣化すると、むしろ睡眠の質が低下するため、脳も身体も休めず、細胞にとって必要なメンテナンスが終わらなくなるため、健康上の問題につながる可能性があります。

 

睡眠の質を上げる方法

それでは、寝つきをよくし、睡眠の質を上げるための正しい方法には、どんなものがあるのでしょうか。

 

適度な運動をする

仕事や家事で「オン」の状態を「オフ」の状態にするスイッチとして寝酒をたしなむ代わりに、身体と心を落ち着かせる代替手段を検討しましょう。おすすめは、就寝前に軽いストレッチをすることです。寝る前の軽いストレッチは身体の緊張をほぐす効果があります。

現代人は特に、スマホの操作で肩や背中、腰回りの筋肉が張る傾向があります。深呼吸をしながらゆっくり背中を伸ばしてみましょう。コリをより強く感じる方は、テニスボールやマッサージボール、あるいはストレッチフォームローラーを使って、肩甲骨周りをほぐしてみましょう。

 

ストレスを取り除く

「オン」の状態を「オフ」の状態にするには、考えるのをストップするのが一番です。瞑想や深呼吸など、マインドフルネスの方法で、自分に合った方法を取り入れてみましょう。

たとえばこのような呼吸法です。

  1. 椅子に背筋を伸ばして座り、肩の力を抜く。
  2. 目を軽く閉じる。
  3. ゆっくり自然なリズムで呼吸を繰り返す。呼吸をコントロールしようとせず、ただ自分が呼吸する方法を観察する。

 

呼吸法を音声でガイドしてくれるアプリには無料のものもあるので、音声に合わせて呼吸を行うのもおすすめです。たとえば、マインドフルネス瞑想の研究センターとして有名なカリフォルニア大学マインドフルネス教育センターのアプリ(ページは英語のみ、アプリは日本語)には日本語音声のガイドもあります。

 

睡眠環境に配慮する

寝室の環境を整えましょう。睡眠に快適な環境を表にまとめてみたので、ご自身の環境と比べてみてください。

 

寝室の温度 夏場は25~26℃、冬場は16~20℃。
暑すぎると寝返りが増え、寒すぎると身体を丸めた姿勢になり、睡眠が乱れる。
照明の色 暖色系の照明にすると、身体がリラックスモードに入りやすく、自然に眠気を感じるようになる。副交感神経が優位に働きやすくなる。
デジタルツール スマートフォンやタブレット、テレビの青白い光は覚醒を促してしまうので、就寝1時間前には使用を控える。
寝室の音 音も重要な要素。ドアをきちんとしめ、厚手のカーテンを掛けてみる。気になる場合は、スマートフォンのアプリなどで計測を。

 

快適な寝具を選ぶ

枕とマットレスは睡眠の質を上げるために非常に重要です。自分の身体や寝方、好みに合ったものを選ぶことで、寝つきがよくなり、深い睡眠ができるようになるため、心身の健康状態や仕事のパフォーマンスが上がります。

 


  • 硬さ、高さ、素材の3ステップで選びます。枕を選ぶ際は、まず最初に自分がどんな姿勢で寝ているか考えることが必要です。横向き寝なのでしょうか、それとも仰向き寝なのでしょうか。最適な枕の高さは、横たわった時に顔が天井と平行になる高さです。今使っている枕の高さがちょうどいいかどうか、チェックしてみてください。一般的な枕の素材としては、羽毛(ダウン)、綿(コットン)などの天然素材と、低反発ウレタン(メモリーフォーム)、ポリエステル、ジェル、マイクロビーズなどの人工(合成)素材があります。自分に合ったものを選ぶことが大事です。

自分に合った枕の選び方

 

  • マットレス
    いつでも自分の好みの寝心地にできるマットレスなら、快適な睡眠が約束されます。コアラマットレスシュプリーム SUPREME なら、季節や体調に合わせていつでも「ちょうどいい」寝心地にできます。コアラ独自のリバーシブルのトッパーレイヤーなら、ファスナーを開いて、クラウドセル™のコンフォートレイヤーをひっくり返すだけで、「ふつう」と「かため」の2種類から好きな硬さを選べます。振動吸収性も高く、高密度のウレタンフォームが寝返りなどの振動を吸収、体の各部位ごとにサポート。極上の寝心地を追求したマットレスです。

毎日の目覚めを変える、ラグジュアリーな寝心地「コアラマットレスシュプリーム」

 

 

寝酒に頼るのは避けた方が良さそう!

眠るために飲む寝酒が、実は睡眠の質を下げていたことに驚くかもしれません。睡眠に関する研究はどんどんアップデートされています。夜お酒を飲むなら、

  • 就寝3時間前までに
  • 適量を

楽しみましょう。

もし睡眠の質を上げること自体に興味があるなら、このほかにも、次の記事が参考になるはずです。

快眠につながるマットレス・枕・ベッドフレームを選ぶコツ

睡眠の質を上げる食べ物

 

お客様からのメッセージ

2024年10月8日
★★★★
雲のような寝心地
初めてコアラマットレスを購入させていただき、体験してわかったことは、こんな寝心地があるんだ!!という驚きと感動。睡眠の質も上がった気がします。カスタマーセンターの方に問い合わせた際にも、迅速に対応していただき、高い買い物で購入するか迷いましたが、すごく得した気分になれました。

2024年10月1日
★★★★★
ホテルの高級ベッドのような包み込まれる感覚に感動!
コアラマットレスを使用して、毎晩の睡眠が格段に快適になりました。まず、厚みがしっかりとしており、まるでホテルの高級ベッドのような包み込まれる感覚に感動!程よい硬さが体をしっかり支えながらも、同時に包まれるような柔らかなフィット感が気に入りました。また、寝返りしたときにバウンド感がないというのが心地よく。どんな体勢でも受け止めてくれる感じ。お陰で夜中目覚めることがなく朝までぐっすりと寝られています。

2024年10月1日
★★★★★
長時間寝ていても疲れが残らず、睡眠の質の向上を実感
使用したマットレスはトッパーにより硬さの調整が可能で、私は「かため」で使用しています。硬さはちょうど良く、しっかりとした支えがありながらも、体にフィットし包み込まれるような心地よさを感じます。長時間寝ていても疲れが残らず、睡眠の質の向上を実感し、とても満足しています。皮膚科医として普段から肌の健康に気をつけていますが、良質な睡眠が肌に与える影響は大きいです。このマットレスを使い続けることで、肌にも自信がつきそうです。

 

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