睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年2月23日読了目安時間: 6

睡眠の質を向上させるための方法8選

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

睡眠の質と重要性について知る

睡眠の質はもちろん身体を休めるために必要ですが、脳を整理して免疫機能を維持するためにも重要です。

平日は規則正しく起きるのに、休日は寝だめをしてしまうといったことありませんか?朝日を浴びる時間が遅くなり、体内時計が遅れてしまいます。そして睡眠リズムが乱れることによって、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)になる可能性が高まります。

ソーシャル・ジェットラグは学術用語で「平日と休日の就寝・気象リズムのズレ」のことを言います。この状態が長期間続くと、生活全般に影響が出てしまいます。もちろん仕事のパフォーマンスが落ちてしまうことも。

深い眠りとレム睡眠の両方をしっかり確保すると睡眠の質が高まり、体力の回復だけでなく、ストレスや精神的疲労が軽減されると考えられています。

 

睡眠の質を低下させる原因5つ

では睡眠の質を低下させる原因は何なのでしょうか。睡眠の質を左右する要因には、食生活や運動不足などの生活習慣、そして寝室の温度や湿度といった環境条件が挙げられます。

たとえば、スマホやパソコンのブルーライトを夜間に長時間浴びることは、体内時計を乱しやすいと言われています。これらの問題が複合的に絡み合うことで、十分な睡眠時間を確保していても朝に疲れが残るような状態に陥るケースは多々あります。

問題だった点を振り返り、習慣を変えることで睡眠の質は上げられます。睡眠の質を低下させる原因を5つに分けて説明します。

不適切な生活習慣とその影響

夜更かしや食事の時間が不規則になると、体内リズムが狂い、睡眠の質が下がります。夜更かしが習慣になってしまうと、睡眠の質が下がるだけでなく、将来肥満や生活習慣病のリスクも高まります。

毎日同じ時間に食事をとることはとても大切。なぜなら胃腸ホルモンやインスリン分泌にも24時間リズムがあるからです。

①カフェインやアルコール摂取の問題

睡眠の質を下げるカフェインやアルコールにも要注意!コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、覚醒作用があるため就寝前の摂取は避けるほうが望ましいです。

アルコールはいったん眠気を誘うように感じることがありますが、実際には睡眠を浅くして睡眠の質を落とす要因になることも。アルコールを飲んでから寝るのを習慣にしてしまうと、慢性的な睡眠不足になり得るのでやめましょう。

寝酒による悪影響は寝酒とは?寝る前のお酒のメリットデメリットを解説で詳しく説明しています。

②スマホ利用やブルーライトの影響

現代、スマホやPCを利用する時間が増えたことが睡眠の質にも大きく影響しています。スマホやタブレット、パソコンなどの画面が発するブルーライトは脳を刺激して覚醒状態を保ちやすくしてしまいます。

ブルーライトは紫外線に近く、およそ380~495nmの波長のため、人間の目で見える光の中では最も波長が短く強いエネルギーを発します。

睡眠環境の要因と改善点

睡眠の質を下げる要因には、環境条件もあります。寝室の温度や湿度、光量などは、睡眠の質に直接影響を与えます。

たとえば、暑すぎる部屋や乾燥した空気は、深い眠りを妨げます。暑すぎると、入眠するときの体温低下が妨げられるので肌寒い冬よりも猛暑の夏の方が寝付きづらいと言われます。

③部屋の温度、湿度、光の調整方法

快適な睡眠を得るには、18〜22度程度の室温と50〜60%前後の湿度を目安にしましょう。室温と温度について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

夏や冬に快適に寝られる温度ってどれくらい?暑がりと寒がりが一緒に寝るとき、快適に過ごすための3つのポイント

眠るときは光を遮断するのが大切。テレビや電気をつけたまま寝るのはやめましょう。そのまま寝落ちすると睡眠に悪影響を及ぼします。

夜に明るい照明をつけたまま眠ると、質のいい睡眠がとれなくなるだけでなく、心拍数が増加し、自律神経が活性化します。また、インスリンの作用にも悪影響があるため、糖尿病リスクが上昇します。

また、カーテンを通して入ってくる光も睡眠に影響します。カーテンや照明を調整して朝日が入りすぎないようにしたり、反対に日中はしっかり日光を取り込んで体内時計を正常化することも重要です。

④いびきと睡眠の質の関係性

いびきは睡眠の質を下げる代表的な原因の一つであり、鼻づまり、肥満など様々な要因によって引き起こされます。

いびきでお困りの方は、枕を適切な高さに調整したり、いびき対策グッズを使って睡眠を改善させることが可能です。

いびきが特にひどい場合は、睡眠時無呼吸症候群を発症していることもあります。睡眠中に何度も呼吸が止まったり、呼吸が浅くなったりすることで体が低酸素になる状態のことです。医師と相談をし、必要に応じてEPAPを使うといった対策ができます。

ストレスや精神的な要因

仕事や人間関係のストレスが高まると、交感神経が優位になり寝付きにくい状態が続く場合があります。

交感神経は身体が興奮状態になっているため、副交感神経を休息モードにさせていく必要があります。この交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、睡眠の質が低下し、不眠にもつながることがあります。

⑤多忙な生活やストレスが及ぼす影響

仕事や家事、育児で忙しい現代人は、就寝時間や起床時間が不規則になりがちです。息抜きがなく、リラックスする時間がないときは交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすいです。

 

睡眠の質を向上させる具体的な方法8選

睡眠の質を低下させる原因が分かったところで、次は睡眠の質を向上させる方法について触れていきましょう。具体的な方法を8つに分けて説明しています。

生活習慣の見直し

睡眠の質を大きく変える方法は生活習慣の見直し。毎日のルーティンを見直すことから始めませんか?毎朝決まった時間に起きる習慣を続けることで体内時計がリセットされ、夜になると自然と眠気が促されるようになります。

①規則正しい就寝時間と朝日を浴びる習慣

就寝と起床のタイミングが安定すると、ホルモン分泌のリズムも整います。英心臓病財団による大規模な研究によると、午後10時から11時の間に眠るのが最も理想的であると言われています。

また、朝日を浴びる習慣を持つことは、体内時計をリセットするのに効果的です。朝に散歩をしたり、ジョギングしたりするとさらに効果的な睡眠につながるでしょう。

②適度な運動とそのタイミング

適切なタイミングで運動すると、睡眠の質も向上します。運動は体温を上げ、汗をかくことでリラックス効果を高める副交感神経の働きを促進します。

運動によって血液の循環が活性化され、質のいい睡眠が得られるということも示されています。ただし、就寝直前に激しい運動を行うと交感神経が刺激され、逆に寝付きが悪くなる場合があるので注意です。午前中または午後に運動するのが良いでしょう。

快適な寝室環境を整える

寝室環境を整備することは、睡眠の質を上げる上で重要なことです。以下に寝具の選び方から部屋の光や音の調整など、さまざまなポイントを整理します。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

子どもの健康に大切なのは睡眠環境!わが家が心がけている3つのポイント

③寝具の選び方と最適な利用法

マットレスは体をしっかり支える硬さと、適度に沈み込む柔らかさのバランスが大切です。

コアラマットレスの体圧分散マットレスは、柔らかすぎず、硬すぎず、ちょうどいいマットレスなので理想の寝姿勢で睡眠をとることができます。

また、硬さや通気性、特徴を比較した表で自分に最適なコアラマットレスを確認できます。

睡眠の質を上げるには、枕も重要です。枕は首のカーブを保つ高さを選ぶことで、呼吸気道を確保しやすくします。適切な高さのある枕を選ぶことは、いびき対策にも役立ちます。

さらに、季節や体調に合わせて布団やシーツの素材を選ぶことも大切です。通気性の良い素材を選ぶだけで、体温をためこむことなく快適な睡眠が得られます。

④温度と湿度の適切な管理

冷暖房と加湿器を適切に活用することで、睡眠環境を整える方法もあります。室温を18〜22度程度にすることが快適な睡眠を得ることにつながります。

しかし真夏の時期にクーラーを低く設定しすぎると電気代が高くなります。夏でも快適に過ごせる温度は26〜28度なので、エアコンをこの温度に設定するのもよいでしょう。

それから50〜60%前後の湿度が快適だとされています。加湿器を使う場合、この湿度をキープすることがおすすめです。

⑤光や音を遮断する工夫

寝る場所の環境は睡眠に大きく影響します。たとえば、大都会の騒音によって睡眠の質が左右されることも。外からの騒音はできるだけ遮断することが大切です。騒音がひどいときは寝室を移動したり、引っ越しを考えることも1つの方法です。

さらに寝るときは部屋を暗くし、光をできるだけ遮断することが望ましいとされています。テレビや電気を消してから寝ることが重要です。

早朝ゆっくり睡眠がとりたい場合は、クリップを使って光漏れを防止したり、遮光カーテンに変えたりして工夫しましょう。

効果的な食事習慣

食事内容やタイミングを見直すことで、睡眠の質を大きく向上できる可能性もあります。毎日食事の時間を一定に保つことで、体内リズムが整います。体内リズムは消化管と肝臓、膵臓も含みますので、臓器の代謝をよくするためにも必要なことです。

さらに、食事のタイミングを同じにすることで肥満を防ぐことにつながります。膵臓のインスリンには、消化器官(腸)の体内時計を調整し、消化吸収を効果的にする働きがあります。そのため、血糖値の上がりにくい食事を決まった時間に食べることで体内リズムを整え、睡眠の質を上げることができます。

⑥睡眠の質を高める食事と飲み物

睡眠の直前に食事をとることはおすすめできません。就寝の2〜3時間前までに食事を済ませるのが理想的です。上で説明したように、腸と膵臓は睡眠にも直接関わってきます。

睡眠の質を上げる食事は、消化しやすい食材とカロリーの低いものです。詳しい食材や料理はこちらの記事:寝る前の食事は良くないの?食べて良いおすすめの料理や食材を紹介 をお読みください。

睡眠の質を上げる食べ物10選 もぜひ参考にしてみてください。

一方で飲み物についてはどうでしょう。寝る前にアルコールやカフェインをとることは睡眠の質を下げてしまいます。睡眠におすすめの飲み物はこちらの記事:睡眠の質を上げる飲み物なんてあるの?おすすめ10選を紹介 をお読みください。

リラクゼーション習慣の導入

質のいい睡眠には、リラクゼーションが欠かせません。入浴と呼吸法は身体を休ませるためにも効果的です。

⑦入浴によるリラックス方法

寝る1〜2時間前にお風呂に入ると、上がった体温が下がるタイミングで寝付けるのでおすすめです。体温が下がると自然と眠気が生まれ、副交感神経が優位になります。そのため、リラックスしたまま入眠できるという効果があります。

良い睡眠のために推奨されるのは、ぬるめのお湯です。熱いお風呂の場合、交感神経が優位になるためです。寝るときに必要な副交感神経を優位にするためにも、39〜40度に設定しましょう。また、長時間よりも10〜15分がおすすめ。

⑧呼吸法によるリラックス方法

深呼吸を意識した呼吸法を取り入れると、副交感神経がより活性化してリラックスモードに入りやすくなります。深呼吸をすると、息を吸う時間よりも吐く時間を長くするので副交感神経を高めることができます。

お腹に空気をためる腹式呼吸をして、息をゆっくりと吐くようにします。このとき肺にたまった空気も吐くようにします。

深呼吸には、心拍数や血圧を下げ、ストレスホルモンのコルチゾール分泌を抑える効果があります。深呼吸にはメリットしかありません!日常的に何回か深呼吸を取り入れてみましょう。

リラクゼーション習慣の導入には「初心者向け!快眠に繋がる睡眠時におすすめのアロマの香りTOP3」の記事も参考にしてください。

 

新しい習慣で睡眠の質を上げよう

睡眠の質を向上する方法をぜひご活用ください。寝具を整え、寝るときの環境に注意を払うことももちろん大事。しかし、生活習慣を見直すことが睡眠と健康を改善する大事なステップになります。

これら8つの方法を実践し、適切な食事と運動、リラックス法を新しい習慣として取り入れてみてください。