産後に眠れないのはなぜ?原因と今すぐできる休み方、相談目安を解説
睡眠コラム by 石川 恭子2026年5月26日読了目安時間: 8

産後に眠れないのはなぜ?原因と今すぐできる休み方、相談目安を解説

目次

監修者

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

「やっと赤ちゃんが寝てくれたのに、目が冴えてしまって眠れない」「疲れ果てているはずなのに、布団に入ると緊張して寝つけない」——。産後のお母さんたちが直面するこの「眠れない」悩みは、決してあなたの自己管理不足ではありません。

私自身、産後の友人や同僚から「夜間授乳のあとに再入眠できず、朝が来るのが怖い」という切実な声を何度も聞いてきました。出産という大仕事を終えた直後、体はホルモンの激流にさらされ、心は「赤ちゃんを守らなければ」という本能的な緊張状態にあります。いわば、体と心がフル稼働の『戦闘モード』にあるため、隙を見つけて休もうとしても、うまくスイッチが切れないのは生物学的にとても自然な反応なのです。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、産後に眠れなくなる本当の原因を、ホルモンや自律神経、生活リズムの変化から紐解きます。そのうえで、「眠れなくても横になるだけでOK」という考え方や、夜間授乳後のスムーズな再入眠のコツ、そして家族や地域を頼るための具体的な方法についてお伝えします。

産後に眠れないのはよくあること

石川 恭子
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産後に眠れないと聞くと、「育児がつらくて眠れないのかな」「体が弱いのかな」と思いがちですが、実はそうではありません。

産後の不眠は、赤ちゃんの睡眠リズムや授乳、産後の心身の変化によって起こりやすい状態
であり、多くの産後のお母さんが経験していることです。

厚生労働省が2023年に発表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、生まれたばかりの赤ちゃんは数時間おきに寝たり起きたりを繰り返し、授乳や夜泣きへの対応で養育者の睡眠も細切れになりやすいと説明されています。※1

つまり、産後に眠れないのは「お母さんの努力が足りないから」ではなく、赤ちゃんの生体リズムに合わせた育児環境によって起こることが多い状態なのです。

眠れない自分を責めなくていい

産後に眠れない状態が続くと、「もっと上手に休めるはずなのに」と自分を責めてしまうお母さんも多くいます。しかし、眠れない状態は性格の弱さや気合いの問題ではなく、出産後の体と生活環境の変化によって起こりやすい反応です。

出産は体への大きな負担を伴うイベントです。その直後からホルモンバランスが急激に変化し、赤ちゃんのお世話で睡眠リズムが崩れ、初めての育児への緊張や不安が重なります。眠れないのは、それだけ体と心が育児に一生懸命対応しているサインでもあります。「眠れなくても当然の状況にいる」と認めることから始めましょう。

赤ちゃん中心の生活では睡眠が細切れになりやすい

新生児期の赤ちゃんは、昼夜の区別をまだ持っていません。2〜3時間おきに目を覚まして授乳やおむつ替えを必要とし、夜中でも泣き声で親を呼びます。赤ちゃんの物音や気配にも敏感になるため、眠りが浅くなり、一度起きるとなかなか再入眠できないことも珍しくありません。

育児期は、長くまとまった睡眠を取るよりも短い休息を積み重ねる発想が現実的です。赤ちゃんが寝た隙に少し横になる、夜間授乳後はできるだけ刺激を少なくして布団に戻るなど、「ちゃんと眠ること」よりも「体を休めること」に目標を切り替えてみてください。

産後に眠れない主な原因

石川 恭子
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産後不眠には複数の原因が重なっていることが多いケースがほとんどです。

代表的な4つの原因を取り上げ、それぞれがどのような「眠れなさ」につながるのかを整理します。自分の状態がどのパターンに近いかを把握するのに役立ててください。

1. 夜間授乳や赤ちゃんのお世話で目が覚める

夜間授乳やおむつ替え、抱っこのために一度目が覚めると、その後に気持ちが高ぶって眠れなくなることがあります。授乳中にスマートフォンを見たり、部屋の照明をつけたりすると、脳が「起きている状態」と認識してしまい、布団に戻っても目が冴えたままになりがちです。

また、赤ちゃんの泣き声や物音、寝息に敏感になることで、眠りが浅くなることもあります。「何か異変があったらすぐ気づかなければ」という緊張感が、深い睡眠を妨げている場合もあります。夜間対応のたびに完全に覚醒してしまうため、「寝る機会はあるのに眠れない」という悩みを抱えやすいのが産後の特徴です。

2. ホルモンバランスや自律神経の変化で眠りが浅くなる

妊娠中は高い水準を保っていたエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが、出産後に急激に低下し、気分の揺れや緊張感、寝つきにくさにつながることがあります。ホルモンバランスの変化は自律神経にも影響を与えるため、体が「眠れる状態」に切り替わりにくくなるのです。

また、授乳をしている間はプロラクチンというホルモンが分泌されます。このホルモンは母乳の分泌を促す一方で、覚醒しやすい状態をつくることにも関連があると考えられています。体の変化によって睡眠の質が下がっていると捉えることが大切です。

3. 産後ハイや育児への不安で頭が冴える

出産直後は、赤ちゃんが無事に生まれた安堵感と興奮が入り混じり、気持ちが高ぶった状態が続くことがあります。いわゆる「産後ハイ」と呼ばれる状態で、疲れているにもかかわらず眠気を感じにくくなることがあり、個人差はありますが3か月程度続くケースもあると言われています。

また、「赤ちゃんを守らなければ」「ちゃんとお世話できているだろうか」という育児への不安も、頭を冴えさせる原因のひとつです。布団に入っても考え事が止まらない、やるべきことが頭の中で繰り返されるという状態は、緊張感から自律神経が休まらないために起こりやすいものです。産後ハイや不安の程度は人それぞれ異なりますが、頭が冴えて眠れない日が続くときは、後述する対策を試してみてください。

4. 体の痛みや授乳姿勢の負担で休みにくい

産後の体は、会陰の傷や痛み、帝王切開の切開部位、後陣痛など、出産による物理的なダメージを抱えています。寝返りを打つたびに痛みで目が覚めたり、楽な姿勢を取りにくくてリラックスできなかったりすることが続くと、深い睡眠に入りにくくなります。

授乳姿勢による腰や肩のこり、張った乳房の不快感なども、眠りを妨げる要因です。「眠れない」「疲れが取れない」という訴えの背景に体の痛みが隠れているケースは少なくないため、痛みが強い場合は産院や産婦人科に相談してみましょう。

関連記事:【医師監修】眠れないときの原因5つと改善方法7選

産後の不眠はいつまで続くのか

石川 恭子
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産後の不眠に悩んでいる時は、「一体いつになれば眠れるようになるの?」と気になりますね。

一般的には、新生児期から生後3か月頃が最も眠りにくい時期とされています。この時期は授乳回数が多く、赤ちゃんの昼夜のリズムも整っていないため、お母さんの睡眠が特に分断されやすいです。心身も産後の回復途中であることが多く、「今が一番つらい時期かもしれない」と感じているなら、それはある意味で正しい認識と言えます。生後半年頃になると、赤ちゃんの睡眠リズムが少しずつ整い、夜間授乳の回数が減るケースも増えてきますから、お母さんもまとまって眠れる時間が増えていくことが多いです。

生後半年以降も個人差がある

「生後半年を過ぎればまとめて眠れる」という話をよく聞きますが、実際にはすべての家庭が同じように改善するわけではありません。夜泣きが続く赤ちゃんもいれば、体調の変化で再び夜間対応が増える時期もあります。また、第二子以降の育児や仕事復帰、引越しなどの環境変化が重なると、お母さんの睡眠が影響を受けることもあります。

「何か月になれば必ず眠れるようになる」と焦る必要はありません。目安はあくまで目安です。つらさが長引いていると感じる場合や、眠れない状態に加えて強い不安や落ち込みがある場合は、一人で抱え込まず、家族や地域の支援を活用することを検討してください。

今日からできる産後の眠れない時の対策

石川 恭子
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産後の睡眠対策を考えるとき、「長く眠ること」を目標にするよりも、「短く休む」「再入眠しやすくする」「夜間対応の負担を減らす」という方針で工夫するほうが現実的です。

ここでは、今日から試せる対策を紹介します。なお、以下に紹介する内容は医療行為ではなく、日常生活の工夫として参考にしてください。

1. 眠れない時は横になるだけでも休息と考える

「赤ちゃんが寝ている今のうちに眠らなければ」と焦るほど、かえって眠れなくなることがあります。眠ることへのプレッシャーが頭を冴えさせてしまうのです。そんなときは、「眠れなくてもいい、横になって目を閉じるだけでも体を休めている」と発想を切り替えましょう。

完全な睡眠でなくても、横になって目を閉じることで体への負担は軽減されます。「今日は眠れなかった」と罪悪感を持つ必要はありません。赤ちゃんが寝た隙に、少しでも横になる時間を作ることが大切です。

2. 夜間授乳後はスマホや明るい照明を避ける

夜間授乳や夜泣き対応のあとに、時間をつぶすためにスマートフォンを手に取ってしまうことはよくあることです。しかし、スマートフォンの画面から出るブルーライトや強い照明は、脳を覚醒状態に引き込みやすく、再入眠を難しくします。スマートフォンは布団から手の届かない場所に置いておくとよいでしょう。

また、夜間の授乳やおむつ替えをスムーズに終えて布団に戻るためには、あらかじめおむつ、おしりふき、授乳グッズなどを手の届く場所にまとめておくと便利です。部屋の照明は間接照明や授乳ライトなど、暖色系で暗めのものを使うことで、赤ちゃんも眠りやすく、お母さんも再入眠しやすい環境を整えられます。

3. 一人で抱え込まず、信頼できる人を頼る

産後の生活リズムは、赤ちゃんの授乳・泣き・眠りに左右されるため、自分の意志だけで整えることは難しいものです。「もっと規則正しく過ごさなければ」と思っても、夜泣きや体調の変化でうまくいかないことがほとんどです。大切なのは、生活リズムをひとりで整えようとすることよりも、休める時間を誰かに助けてもらうことです。

パートナーや両親、友人に頼れる環境があるなら遠慮せずお願いしましょう。ベビーシッターや産後ヘルパーなどのサービスを利用するのも有効な選択肢です。また、日中に少しでも短時間の外気や自然光に触れることは、夜の眠りを助ける体内時計のリズムを整える助けになるため、外出が難しい日でも、カーテンを開けて日光を取り入れてみてください。

4. 寝室の環境を「再入眠しやすい状態」に整える

夜間に何度も起きることが前提の産後だからこそ、「起きたあと戻りやすい寝室」を整えておくことが重要です。室温が高すぎる、低すぎる、部屋が明るすぎるといった環境では、授乳やおむつ替えのあとに再入眠しにくくなります。夏は冷房を26〜28℃に設定し、冬は毛布や寝具で足元を温めるなど、体感温度の不快感を減らす工夫をしてみてください。湿度も50〜60%程度を目安に保つと、呼吸が楽になり眠りを妨げにくくなります。

また、産後は腰や肩の痛み、傷の痛みで寝返りが打ちにくいことがあります。寝具の硬さや沈み込みが体の痛みを悪化させている場合は、枕の高さや敷き布団の見直しが助けになることもあります。蒸れにくい素材の寝具を使うことで体温調節がしやすくなり、眠りの質が改善することもあります。

家族や産後ケアを頼ることも大切

セルフケアや環境の工夫と同じくらい重要なのが、「頼ること」です。産後の睡眠不足を母親一人で抱え込んでいると、心身の回復が遅れるだけでなく、育児へのゆとりも失われていきます。家族や地域の支援を積極的に活用することが、母親にとっても赤ちゃんにとっても大切です。

国立成育医療研究センターの調査では、生後1歳未満の子どものいるふたり親家庭3,514世帯を対象に分析した結果、父親の11.0%、母親の10.8%がメンタルヘルス不調のリスクありと判定され、夫婦が同時期に不調リスクありと判定されたケースも3.4%(推計で年間約3万組)いたことが報告されています。※2

産後は母親だけでなく、父親やパートナーを含めた世帯全体で睡眠と健康を守る視点が求められています。

家族には作業ではなく休める時間を作ってもらう

パートナーや家族に「手伝ってほしい」と伝えるとき、「洗濯をお願いしたい」「掃除を頼みたい」という家事の依頼が多くなりがちです。もちろんそれも大切ですが、お母さんの睡眠回復という観点では、「作業を頼む」よりも「横になれる時間を作ってもらう」依頼が効果的です。

たとえば「今日の朝9時から1時間、赤ちゃんを見ていてほしい」「夜間授乳を1回交代してほしい」など、具体的な時間を示すと周囲も協力しやすいです。家族に頼ることは決して弱さではなく、母親と赤ちゃん双方の健康を守るための合理的な選択です。罪悪感を持たずに、具体的に伝えてみてください。

自治体の産後ケアや相談窓口を確認する

身近に頼れる家族がいない場合や、サポートだけでは心身の回復が難しい場合は、自治体の産後ケア事業の活用を検討してください。

こども家庭庁の「産前・産後サポート事業及び産後ケア事業ガイドライン」によると、産後ケア事業は、母親の身体的回復と心理的安定、セルフケア能力の育成、適切な授乳のためのケア、育児相談、家族等の支援者との関係調整、地域資源の紹介などを目的とした事業です。※3

助産師や保健師が専門的な立場から相談に応じてくれますから、しっかり利用しましょう。

産後ケア事業の内容や利用条件は自治体によって異なるため、「(お住まいの市区町村名)産後ケア」で検索するか、母子健康手帳に同封されているガイドや自治体の公式サイトを確認してください。産後健診の機会に保健師へ相談するのも一つの方法です。

相談した方がよい産後不眠のサイン

石川 恭子
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産後の睡眠不足の多くは、赤ちゃんの成長とともに少しずつ改善していきます。

しかし、一部の状態については、セルフケアだけで様子を見るのではなく、早めに産院や保健師、医療機関に相談することが大切です。ここで紹介するサインはあくまで参考であり、医療的な診断を代替するものではありません。「もしかして…」と思うことがあれば、気軽に相談窓口を使ってみてください。

1. ほとんど眠れない日が数日続く

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、著しい睡眠不足や夜間の中途覚醒が多い状態が産後うつのリスクと関連することが指摘されています。※1

また、国立成育医療研究センターの資料によると、ほとんど寝られていない状態が数日続くと幻聴や妄想のような症状が出現することもあるそうです。※4

「細切れでも合計すれば数時間は眠れている」という状態ではなく、ほとんど眠れない状態が数日間続いている場合は、早めに相談しましょう。「眠れていない状態」は本人が思う以上に体と心に影響を与えるため、産院、かかりつけ医、自治体の保健師への相談を早めに行うことが、母親と赤ちゃん双方を守ることにつながります。

2. 涙が止まらない、強い不安、混乱がある

眠れないことに加えて、気づくと涙が出てしまう、何に対しても不安や恐怖を感じる、気持ちが沈んで何も楽しめない、考えがまとまらないという状態が続く場合は、産後うつやメンタル不調のサインである可能性があります。厚生労働省のデータでは、女性の10〜20%が産後うつを経験するとされており、決して珍しいことではありません。※1

「弱いから泣いてしまう」「頑張れていないから不安なんだ」と自分を責めないでください。体のホルモン変化、睡眠不足、育児へのプレッシャーが重なったときに起こりやすい状態です。家族に状況を伝えたり、かかりつけ医や産婦人科、保健師に相談したりすることを検討してみてください。

3. 幻聴や妄想のような症状がある

誰もいないのに声が聞こえる気がする、「赤ちゃんに何かしてしまいそうで怖い」という思いが繰り返し出てくる、現実感がない・自分が自分でない感覚がある、強い混乱や錯乱がある——こうした症状がある場合は、できるだけ早く産婦人科や精神科・心療内科、あるいは救急へ相談することを強くお勧めします。

こうした症状はまれですが、放置すると母親自身だけでなく赤ちゃんの安全にも関わる可能性があります。本人が気づきにくい場合もあるため、家族や周囲の人が変化に気づいたら、本人に代わって相談窓口に連絡することも大切です。

産後に眠れない時のよくある質問

石川 恭子
石川 恭子
検索でよく見られる疑問を中心に、よくある質問をまとめました。

Q1. 入院中に眠れないのはおかしいですか?

おかしいことではありません。病院内は夜間も検温や見回りが定期的に行われるほか、他の入院患者の物音、慣れない照明、赤ちゃんへの意識などで眠りにくい環境であることも多いです。出産直後の産後ハイや興奮状態が続いていることも、眠れない理由の一つです。

「入院中なのに眠れない」と感じたら、担当の助産師や看護師に相談してみましょう。休める時間の確保や、環境調整について一緒に考えてもらえます。眠れないことを一人で抱え込まず、入院中のうちに話して良い方法を教えてもらっておくと、退院後の生活でも生かせます。

Q2. 授乳後に眠れない時はどうすればいいですか?

授乳後に眠れない場合は、まず「眠れなくても休めている」と気持ちを切り替えましょう。眠ることだけを目標にすると焦りが生まれますが、目を閉じて横になるだけでも体は休まります。

再入眠しやすくするためには、授乳中はスマートフォンを見ない、部屋の照明を暗めに保つ、授乳に必要なものをあらかじめ手元にまとめておいて動線を短くする、授乳後はすぐ家事をせずに布団に戻るといった工夫を試してみましょう。「素早く布団に戻れる環境」を整えておくことが、再入眠のポイントです。

Q3. 睡眠薬を使ってもよいですか?

睡眠薬や市販の睡眠補助薬、サプリメントの使用については、授乳中のお母さんは成分が母乳を通じて赤ちゃんに移行する可能性があるため、自己判断での使用は避けてください。かならず医師や薬剤師に現在の授乳状況を伝えたうえで相談しましょう。

「眠れなくて本当につらい」という状況は、医師に正直に伝えて構いません。授乳中でも使用できる薬を提案してもらえます。「薬に頼ることへの抵抗感」があっても、母親の健康を守ることが赤ちゃんのためにもなるという視点を持ってくださいね。

産後に眠れない時は一人で抱え込まないことが大切

産後に眠れない状態は、赤ちゃんの睡眠リズム、夜間授乳、ホルモンバランスの変化、育児への不安、体の痛みなど、さまざまな要因が重なって起こりやすいものです。それは母親の努力不足でも弱さでもなく、産後の体と育児環境がつくりだす自然な状態です。

眠れないときは「眠れなくても横になるだけでいい」と発想を切り替えましょう。そして、夜間授乳後は刺激を減らして早く布団に戻ること、信頼できる人に頼って休める時間を確保することが、日常の中でできる工夫です。家族や自治体の産後ケア、保健師などの支援を積極的に使ってください。

強い不安や涙が止まらない状態、幻聴・妄想のような症状、数日ほとんど眠れていない状態が続く場合は、早めに産院や医療機関、自治体の相談窓口に連絡しましょう。赤ちゃんのためにも、まずあなたが休める環境にいることが大切なのです。

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・参考

※1 健康づくりのための睡眠ガイド2023 | 厚生労働省

※2 乳幼児をもつ夫婦のメンタルヘルスに関する調査結果 | 国立成育医療研究センター

※3 産前・産後サポート事業及び産後ケア事業ガイドライン | こども家庭庁

※4 改訂版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル | 国立成育医療研究センター