「朝起きると腰や背中が痛い」「寝ても疲れが取れない」「ぐっすり眠れなくなった気がする」
もし睡眠についてこんな悩みがあるなら、マットレスのヘタリが原因かもしれません。
使い古したマットレスや耐久性が悪いマットレスを使い続けていると、ヘタリが発生して睡眠の質を低下させる可能性があります。
この記事では、マットレスのヘタリについて、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が詳しく解説します。
目次
マットレスのヘタリによる睡眠への悪影響とその2つの原因
ヘタリが生じたマットレスで寝ていると、腰や背中の痛みを引き起こしたり、睡眠の質が下がったりすることがあります。
なぜ上記のような睡眠への悪影響があるのかというと、ヘタリが生じたマットレスを使い続けていると、下記のように体に負荷がかかってしまうためです。
【マットレスのヘタリによる悪影響】
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さらに詳しく見ていきましょう。
腰や背中が沈み込んで体に負荷がかかる
体に無理のない理想的な寝姿勢は、立ち姿勢をそのまま横に倒した状態です。このとき、背骨はゆるやかなS字カーブを描いています。
しかし、ヘタリが発生したマットレスを使っていると、腰や背中が沈み込んだ不自然な寝姿勢になり、背骨がS字カーブを描けません。
このような状態では体に無理があるため、腰や背中の痛みが引き起こされることがあります。
寝返りを打ちづらくなり体に負荷がかかる
睡眠中、ずっと同じ姿勢でいると体に負担がかかります。私たちは、それを防ぐために無意識に寝返りを打ちます。寝返りの回数は、多ければいいというわけでなく、体に疲れが残らない適度な寝返りを打つことが大切です。
ヘタリが生じたマットレスでは、スムーズに寝返りを打つことができないため、結果として体への負担が増加します。
さらに、腰の部分が沈み込んだまま、強引に寝返りを打とうと力む(りきむ)ことで、腰の痛みが引き起こされることもあります。
マットレスのヘタリを引き起こす主な原因は「体重による圧力」
マットレスのへたりを引き起こす主な原因は、体圧と睡眠時の寝汗などの湿気です。
日々マットレスを使い続けると、マットレス表面の一部に集中して圧力がかかります。すると、元の形状に戻ろうとする力(復元力)が次第に低下してマットレスがヘタってしまいます。
また、私たちは毎晩寝ている間、およそコップ1杯ほどの寝汗をかくといわれています。マットレスに溜まった湿気をそのまま放置すると、カビやダニの原因となったりして健康に悪影響がある可能性があります。
さらに湿気は、マットレス内部の詰め物やスプリングなどの構造を次第に劣化させます。その結果として、金属製のスプリングであれば錆びて眠りを妨げる音の原因となったり、マットレス上層部が湿気で劣化して、マットレスのヘタリを引き起こしたりします。
ちなみに一般的なマットレスの寿命は以下のとおりです。
【マットレスの寿命(耐久年数)】
素材 | 寿命(耐久年数) | |
ウレタン | 低反発ウレタン | 3~5年程度 |
高反発ウレタン | 6~8年程度 | |
一般ウレタン | 1~3年程度 | |
ハイブリッドウレタン(低反発+高反発) | ~10年程度 | |
コイル | ボンネルコイル | ~8年程度 |
ポケットコイル | ~10年程度 | |
樹脂素材 | ファイバー | 6~8年程度 |
ラテックス | 6~8年程度 |
上記の年数を超えてマットレスを使いつづけている場合、そのマットレスは寿命を迎えていると考えていいでしょう。
ただし、誤ったマットレスの使い方をしたり、お手入れを怠ったりすることで、ヘタリが発生する時期を早めてしまうこともあります。
ヘタリの発生を遅らせるためのマットレスの正しい使い方については、この記事の「マットレスのヘタリの発生を遅らせる3つの予防法」をご覧ください。
マットレスのヘタリを解消する2つの方法
マットレスのヘタリは残念ながら直すことができません。
ヘタリを解消する方法としては、「マットレストッパーを上に重ねる」か「マットレスを買い替える」の2つが考えられますが、そもそもマットレストッパーとは、本来マットレスの寝心地(硬さ)を調整するために使用するものです。
このマットレストッパーをヘタリを解消するために使おうとする人もいますが、マットレスにトッパーを重ねるだけではヘタリを解消できない可能性があります。その理由について見ていきましょう。
マットレストッパーを上に重ねる(ただし効果がない可能性も)
マットレストッパーでヘタリを解消できないのは、土台となるマットレス自体にヘタリが生じていると、その上にマットレストッパーを重ねても、トッパーもヘタリの影響を受けてしまうためです。
多少のヘタリであれば、トッパーによる寝心地の悪さが和らぐケースもありますが、根本的な解決にはつながりません。
また、コストパフォーマンス(マットレスの価格を保証期間で割った1年あたりの価格)を考慮すると、マットレスの買い替えも有効な選択肢の一つと言えるでしょう。
【コストパフォーマンスの比較】
価格 | 保証期間
(寿命) |
コストパフォーマンス
(価格/保証期間) |
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A社のマットレストッパー | 38,500円 | 3年 | 12,833円/年 |
B社のマットレストッパー | 24,980円 | 1年 | 24,980円/年 |
C社のマットレストッパー | 29,800円 | 1年 | 29,800円/年 |
オリジナルコアラマットレス | 69,900円 | 10年 | 6,990円/年 |
上記のとおり、マットレス自体を買い替えたほうがコストパフォーマンスがよいことが分かります。
マットレストッパーに関するさらに詳しい情報については「マットレストッパーは必要?おすすめできない2つの理由とは」をご覧ください。
マットレスを買い替える
このように、マットレストッパーはヘタってしまったマットレスに対する根本的な対策にはなりません。もしもマットレスにヘタリが生じてしまったら、買い替えの検討をおすすめします。
マットレスを買い替える場合は、以下の2つの記事が参考になるはずです。
- マットレスの処分について →「マットレスの処分方法7パターンについて解説!処分しやすいマットレスも紹介」
- マットレスの選び方について →「寝心地がよい快適なマットレスの選び方とは?タイプやサイズ別に徹底解説!」
また、次で紹介する「ヘタリが生じにくいマットレスを選ぶために見るべき指標」も参考にしてください。
ヘタリが生じにくいマットレスを選ぶために見るべき指標
マットレスは高価なものほど品質が良くなり、ヘタリが生じにくくなる傾向があります。しかし、具体的にどのような点がマットレスの耐久性に影響するのでしょうか。
ここでは、ヘタリが生じにくいマットレスを選ぶために見るべきポイントについて、マットレスの素材別に紹介していきます。
【ヘタリが生じにくいマットレスを選ぶために見るべき指標】
マットレスの素材 | ヘタリが生じにくいマットレスの特徴 |
ウレタン | 「密度」が30D以上 /「復元率」が96%以上 |
ファイバー | 「復元率」が93%程度 |
コイル(スプリング) | 「マンガン含有量」が多い |
ラテックス | 「天然ラテックス」の割合が多い |
よくある勘違いとして「硬いマットレスや高反発のマットレスはヘタリが生じにくい」と思われがちですが、それは誤りです。
以下で詳しく見ていきましょう。
ウレタンマットレスは「密度」と「復元率」の数値が高いものを選ぶ
ウレタンマットレスのなかでヘタリが生じにくいものを選ぶには、「密度」と「復元率」という指標がポイントです。
【「密度」と「復元率」とは?】
密度 | ウレタンフォームの体積あたりの重さのこと。密度が高いほど、中身がぎっしり詰まっているため、ヘタリが生じにくい。 |
復元率 | ウレタンフォームの圧縮を繰り返したあと、どのくらい元の形状に戻るかを表した指標のこと。数値が高いほど、ヘタリが生じにくい。 |
密度・復元率と、耐久年数(ヘタリの生じにくさ)をまとめたものが以下の表です。
【密度と耐久性の関係】
密度 | 耐久性(寿命) |
20D前後 | 1~2年程度 |
25D前後 | 3~5年程度 |
30D前後 | 5~8年程度 |
40D以上 | 8~10年程度 |
【復元率と耐久性の関係】
復元率 | 耐久性(寿命) |
95%未満 | 1~2年程度 |
95~96% | 3~5年程度 |
96~98% | 5~8年程度 |
98~99% | 8~10年程度 |
密度は30D以上、復元率は96%以上あると、ヘタリが生じにくいマットレスといえます。
ウレタンマットレスについては「ウレタンマットレスの特徴とは?コイルマットレスとの違いなどについて初心者向けに解説!」の記事でも詳しく解説しています。
ファイバーマットレスは「復元率」が93%程度あるものを選ぶ
ファイバーマットレスのヘタリの生じにくさを測る指標は、ウレタンと同じ「復元率」です。
ウレタンのように「復元率」と「耐久年数」の関係を表したデータはありませんが、実際に製品を見てみると「耐久性が高い」と紹介されているマットレスの復元率は93%前後となっています。
ヘタリが生じにくいファイバーマットレスを選ぶなら「復元率93%」を一つの目安として選んでみてください。
コイル(スプリング)マットレスは「マンガン含有量」が多いものを選ぶ
コイルマットレスの製品の品質表示ラベルには、以下のように記載されているものもあります。
「①SWRH ②70 ③A ④A種」
耐久性に関わるのが③の表記で、ここには「A」か「B」のどちらかが記載されています。
Bのほうがコイルのマンガン含有量が多く、コイルのマンガン含有量が増えると耐久性が高くなる傾向にあります。
※ 平成29年3月30日よりスプリングマットレスの品質表示法が改定され、現在は上記の内容の記載は義務付けられておりません。その場合は公式サイトなどから問い合わせ、確認してみてください。
コイルマットレスについては「スプリングマットレスとは?ウレタンとの違いや種類・特徴・選び方を解説!」の記事でさらに詳しく解説しています。
ラテックスマットレスは「天然ラテックス」の割合が多いものを選ぶ
ラテックスマットレスは、ゴムの木の樹液(天然ラテックス)を原料にして作られています。
そして、天然ラテックスが含まれる割合によって、以下の3種類に分けられます。
【ラテックスマットレスの種類】
ラテックスマットレスの種類 | 天然ラテックスの割合 |
天然ラテックス100% | 100% |
天然ラテックス | 80〜99% |
合成ラテックス | 80%未満 |
天然ラテックスの含有量が多いほど、ヘタリが生じにくくなり、天然ラテックス100%のマットレスには、8年ほど使用できるものがあります。
【応急処置】ヘタリが生じたマットレスを買い替えるまでの対処法2つ
新しいマットレスが届くまでの間、ヘタリが生じたマットレスを使わざるを得ないケースがあるでしょう。
そんなケースでは、以下2つの対処法を試してみてください。
【ヘタリが生じたマットレスを買い替えるまでの対処法】
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マットレスの向きを入れ替える
マットレスの表裏をひっくり返したり、足と頭の部分を180°回転させたりすることで、ヘタリによる寝心地の悪さを軽減できることがあります。
ただし、コアラマットレスのように両面使いできないタイプのマットレスについては、表裏をひっくり返して使うのは避けましょう。
ヘタリが生じている部分にタオルを重ねる
ヘタリが生じている部分にタオルを重ねて、沈み込みを抑える方法もあります。
もし敷きパッドやベッドパッドを持っていれば、タオルを重ねた上から敷くとタオルのずれを防ぐことができます。
マットレスのヘタリの発生を遅らせる3つの予防法
マットレスのヘタリを遅らせるためには、以下の3つに取り組んでみてください。
【マットレスのヘタリの発生を遅らせる3つの予防法】
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マットレスの上に長時間座らない
そもそもマットレスは座ることを想定して作られていません。日常的にマットレスの上に座っているとヘタリが生じる原因となります。
マットレスの上に座って過ごす習慣がある人は見直しましょう。
月に1回マットレスの向きを入れ替える
マットレスを同じ向きで使い続けると、常にマットレスの同じ箇所に圧力がかかるためヘタリが生じやすくなります。
月に1回の頻度で、マットレスの頭と足の部分を180°回転させ、向きを入れ替えましょう。
また、両面使用できるマットレスであれば、表裏を入れ替えるのも効果的です。
月に1回陰干ししてマットレス内部の湿気を取り除く
マットレスのヘタリの間接的な要因として、湿気があります。
例えば、ウレタンとラテックス素材は加水分解される性質を持ちます。また、コイルマットレスの内部にあるスプリングは金属でできているため、湿気や水分により錆びてしまいます。
このように湿気はマットレスの劣化を引き起こし、ヘタリを生じさせやすくなるのです。
私たちは寝ている間にコップ1杯ほどの汗をかいており、その汗がマットレスに吸収されています。汗による湿気を除去するためには、月に1回程度、マットレスを陰干しして湿気を取り除きましょう。
まとめ:マットレスのヘタリは直せないため買い替えの検討がおすすめ
いったんマットレスがヘタってしまうと、もとの形状に戻すことはできません。
対処法としては「マットレストッパーを重ねる」か「マットレスを買い替える」の2つの選択肢が考えられます。
しかし、マットレストッパーではヘタリを解消できない可能性があります。確実に快適な環境で眠るには、やはりマットレスを買い替えることをおすすめします。
もしマットレスを買い替える場合は、これらの記事が参考になるはずです。
- マットレスの処分について →「マットレスの処分方法7パターンについて解説!処分しやすいマットレスも紹介」
- マットレスの選び方について →「寝心地がよい快適なマットレスの選び方とは?タイプやサイズ別に徹底解説!」
睡眠は生活の質・仕事のパフォーマンスを大きく左右する重要な要素です。ヘタリがないマットレスで、快適な睡眠環境を整えましょう。
気分や体調に合わせて自在に「かたさ」が変えられる人気マットレス
お客様からのメッセージ
2024年5月31日
★★★★★
腰痛が無くなったリモートワーク環境の悪さから身体を壊して休職。腰が痛くて朝起きれず痛み止めやコルセットで抑えるという状態でした。休職を機に一念発起してこちらのマットレスを購入し使用したところ、起床時の腰痛がきれいさっぱり無くなりました。復職も無事にできて本当に感謝しています。
2024年5月10日
★★★★★
本物の熟睡元々寝つきもよく中途覚醒もしない方ですが、初めてコアラマットレスで寝た時は朝起きて「あれ?今何時?」と思ってしまったほど、7時間の睡眠があっという間でした。また、その日の体調の良さでこれが熟睡の効果かと実感。
そうしてよくよく思い起こすと、一緒に寝ている家族が起きたことをうっすらと感じたり、自分の寝返りの記憶があったり、これまでマットの振動で睡眠の浅瀬に打ち上げられていたのですね。
朝まで一度も深い睡眠が途切れない、本物の熟睡の心地よさを知ることができて良かったです。
2024年5月31日
★★★★★
コアラマットレス◎二つのメーカーで迷い今回コアラマットレスさんともう一つ購入しましたが、私はコアラさんの方がとても身体にあっている感じがありました!お値段も比較的こちらの方がお安く購入できたのでコスパ最強だと感じてます!QOLも上がり満足しています。今まで朝まで爆睡というのはなかなかなかったのですが、マットレスを変えると熟睡できる意味がわかりました!
体調の変化に合わせて自在に「かたさ」が変えられるベストセラーマットレス
監修者
松本 恭
「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。