マットレスを探していると、「いいマットレス」の条件として「体圧分散性」という言葉をしばしば目にしませんか？でも、「体圧」を「分散」ってどういうことなのか、なぜそれが高く評価されるのか、いまひとつわかりにくいですよね。

 

上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、「体圧分散マットレス」について解説します。

 

体圧分散（体圧分散性）って何？

マットレスに仰向けに寝そべった時のことを考えてみましょう。身体の背面（マットレスと接している部分）に、自分の体重がかかっていますよね。体圧とは、この接触している部分それぞれにかかっている重さ＝圧力のことを指します。

 

では、なぜ「体圧」がマットレスの性能を考える上で、重要となるのでしょうか。マットレスの上に横向きに、頬杖をついて寝そべっていると想像してみましょう。 

自分の体重は身体の側面、そして付いている肘にグーッとかかりますよね。マットレスと身体が接している部分の面積が仰向けに寝そべっている時よりも狭いため、肘や身体の側面にはけっこうな重みを感じるはずです。つまり、身体の1か所に重み（＝体圧）が集中してしまうと、そこが痛くなってしまったり、寝心地が悪くなって睡眠が浅くなったりしてしまうのです。

 

マットレスに備わった、こういった重さ＝圧力を分散する力のことを、体圧分散（体圧分散性）と表現します。

 

体圧	敷布団やマットレスの上に寝たとき、体重がかかる部分や体の一部分にかかる圧力のこと
体圧分散	寝そべったとき、体重がかかる部分や体の一部分にかかる圧力を分散する力のこと

 

体圧分散は、その人の体型や寝姿勢にも大きく左右されます。また、体圧分散性は、マットレスの硬さとも密接に関係しています。マットレスの好みの硬さは個人によって異なるため、すべての人が快適だと感じる絶対的な体圧分散性というのは、残念ながら存在しません。

 

しかし、体圧分散性に優れたマットレスは、身体の曲線に沿って寝姿勢を整え、肩や腰など、よく接触する部分への圧力を軽減するのに役立つ、と言えます。

 

体圧分散マットレスの特徴

体圧分散マットレスの特徴について、もう少し詳しく見てみましょう。体圧分散マットレスには次の5つのメリットを期待できます。

• 理想的な寝姿勢
• 速やかな入眠
• 寝返りしやすい
• 腰や肩への負担を軽減
• 床ずれを軽減

では、それぞれについて解説していきます。

理想的な寝姿勢で快適に寝れる

理想的な寝姿勢とは、体に負担をかけず快適に眠れる姿勢のことです。人は立っているとき、頭から腰にかけて背骨がゆるやかなS字のカーブを描いています。寝るときもこの立っているときの姿勢をそのまま横に倒した状態が理想的なのです。

体圧分散マットレスは身体の曲線に沿って、背中とマットレスの間にすき間を作らず、身体にぴったりと沿います。ゆるやかなS字カーブの背骨はそのままの形に保たれ、腰など痛めやすい部位もリラックスできます。そのため、快適な睡眠が得られます。

 

理想的な寝姿勢とは？

速やかな入眠が期待できる

体圧分散マットレスで寝ると身体は均等に沈み、あたかも優しく包み込まれるような感覚が得られます。圧力を身体全体に分散してくれるため、どこか一部分に違和感を感じることがありません。そのため、眠りにつきやすい、と言われています。

寝返りをサポートしてくれる

心地よい睡眠のためには、適度に寝返りを打てることがとても重要。しかし、柔らかすぎるマットレスだとなかなか寝返りを打てないものなのです。

体圧分散性に優れたマットレスは、ただ柔らかくて沈み込むマットレスではありません。マットレスの表面は身体のラインに沿いつつも、その下の層はしっかりを身体をサポートするような作りになっているものが多いのです。

マットレスの「しっかり身体をサポートする」力を反発力、と言います。反発力のある体圧分散マットレスなら、寝返りをサポートしてくれます。

腰や肩への負担が少ない

体圧分散性が高いマットレスのうち、上位モデルの中には、マットレスの上層と下層で異なる構造を採用しているものもあります。まず上層は身体にぴったりフィット。寝そべった時、肩や腰など身体の特定の部位に過重がかかるのを分散してくれます。そのため、負担が軽減されるのです。

一方下層は身体をしっかりサポートする反発力を備えています。先ほど触れたように「寝返りを打ちやすい」というメリットもあるため、長時間同じ姿勢で寝てしまって朝起きたら身体がカチカチで痛い……なんてことも避けられます。

腰痛にも有効？なマットレスの構造について

床ずれを軽減できる

寝る人の体重をより広い接触面に分散させることができる体圧分散マットレスは、患者の床ずれの予防にも有効、という研究レポートもあります。床ずれは専門用語で「褥瘡（じょくそう）」といいますが、日本褥瘡学会によると「体圧分散寝具の使用により、褥瘡発生率を低下させることが可能」とのことです。

 

体圧分散マットレスのデメリット

さて、腰痛軽減や寝つきの向上などメリットがたくさんあり、身体や睡眠にいいことばかりの体圧分散マットレス。一方、デメリットはライフスタイル面に限られますが、2つほどあります。

高額になる傾向がある

体圧分散マットレスはマットレスメーカーが開発した高機能な製品が多く、高額となる傾向があります。「体圧分散性」「通気性」「反発力」「振動吸収性」といった一見相反する機能を1つのマットレスで実現するため、各社が技術の粋を詰め込んでいる分、お値段が張る、というわけです。

ただ、値段は高くても長持ちするので、体圧分散性の高いマットレスを選ぶと、結果的にはコストパフォーマンスが高くなります。ある調査によると、日本では約8割の人が「30,000円以下」のマットレスを使用している一方、マットレスメーカー21社が販売するマットレスの価格の中央値はシングルで「75,000円」と大きな差があります。

 

これらのマットレスの値段の差は、ずばり「寝心地」と「耐久性」に現れます。75,000円クラスのマットレスだと、耐久年数が10年近い製品もあります。詳しくは「マットレスの価格差って実際どうなの？」の記事をご覧ください。

重たいことが多い

圧力を分散する素材は高密度の場合が多いため、体圧分散マットレスは重い傾向があります。中身がスカスカふわふわでは、体圧の分散もできませんし、体重に対して反発もできないからです。したがって、掃除をするときなど、頻繁にマットレスを動かす必要がある場所に設置すると、負担を強いられているような気持ちになることも。

 

たとえばラテックス素材のマットレスの寝心地はとても快適で、体圧分散性にも優れていますが、重すぎて一人ではベッドの模様替えができないという問題も。

 

とはいえ、マットレスの重さは必ずしもネガティブな要素ではなく、逆に考えれば「ある程度の強度が必要＝長持ちする」ということでもあります。

 

体圧分散マットレスの種類

では、体圧分散性に優れたマットレスにはどんな種類があるのでしょうか。注目すべきは「マットレスの中身素材」です。

ポケットコイルマットレス

ポケットコイルマットレスは、コイルが入ったマットレスの1つであり、体圧分散性に優れたマットレスです。内部のコイル（バネ）がひとつひとつ、独立した状態で敷き詰められているのが特徴です。そのコイルひとつひとつが身体にフィットして、寝そべった時に理想的なS字カーブをサポートしてくれます。

よく、同じくコイルを使ったボンネルコイルマットレスと間違えられやすいのですが、ボンネルコイルは内部のコイルが連結されており、「面」で身体を支えるため、寝そべった時に全体が沈みます。つまり、こちらのほうは体圧分散性があまりないのです。ボンネルコイルのほうが手を出しやすいお値段ですが、体圧分散性でマットレスを選ぶなら、ポケットコイルの方を選びましょう。

 

	ボンネルコイル	ポケットコイル
体圧分散性	△	◎
反発力	◎	〇
通気性	〇	〇
横ゆれ・きしみ音	△	〇
価格	リーズナブル	高価

 

ラテックスマットレス

ラテックスマットレスは中にラテックス（ゴム素材）を使用しているため、柔らかく弾力もある独特の寝心地です。ただしラテックスという素材自体の特徴として通気性がなく、重いため、マットレスとしても通気性が悪く重い仕上がりになっています。

低反発ウレタン

低反発ウレタンは、身体に非常にフィットする素材です。体圧分散性が高く、包み込まれるような寝心地ですが、半面、身体が沈み込みやすく、寝返りを打ちにくい、というデメリットもあります。素材自体に耐久性があまりなく、3～5年程度と言われています。

ハイブリッドウレタン

ハイブリッドウレタンは、低反発ウレタン（身体にフィット）と高反発ウレタン（身体を支える）など、異なる素材を配合して、それぞれのメリットを引き出した素材です。身体にやさしくフィットして包み込むような柔らかさがありながら、しっかりと体重を支える反発力を兼ね備えた「いいとこどり」の素材とも言えます。

 

たとえば、コアラマットレスの「オリジナルコアラマットレス」でマットレスの上層部に使用されているのが独自開発のハイブリッドウレタンフォーム、クラウドセル™です。低反発と高反発素材の長所を兼ね備えており、通気性に優れ、低反発素材の難点とされてきたムレによる不快感を解消しています。10年保証が付いているのは、スプリング製マットレスよりも高い耐久性を持つという、ブランドの自信の表れでしょう。

3層構造で抜群の快適さとサポート力のオリジナルコアラマットレス

マットレスの素材についてさらに詳しく知りたい場合は、「通気性の良いマットレスの素材や特徴とは？今すぐできるカビ対策についても解説」の記事も参考になるはずです。

 

体圧分散マットレスの選び方

では、自分に合った体圧分散マットレスを選ぶには、どんなところをチェックすべきでしょうか。

次の点で自分に合っているかどうかを考えてみましょう。

• マットレスの硬さ：寝姿勢や体重に合う
• サイズ：睡眠スタイルに合う
• 種類：自分がマットレスに求めるもの、ライフスタイルに合う

 

1. マットレスの硬さが自分に合っているかどうかは、寝てチェックします。

• 仰向けで寝て、腰の下に手の平を入れてみる。手のひらが抵抗なく入る場合は硬すぎる可能性がある
• 横向きで寝て、肩や腰の位置を確認する。深く沈み込んでいる場合は柔らかすぎる可能性がある
• 寝起きの体の状態をチェックする。腰痛や肩こりがある場合は、硬さが合っていない可能性がある

2. サイズは身体の大きさや一緒に寝る人数を考慮して選びます。ゆったり寝たい人やパートナーと一緒に寝る人は、下のサイズよりもゆとりのあるサイズを選ぶと、満足度が高まります。

シングル	幅：95 cm 長さ：195 cm	1人用
セミダブル	幅：120 cm 長さ：195 cm	1人用（ゆったり） 1人＋子ども
ダブル	幅：140 cm 長さ：195 cm	2人用 2人で寝て寝返りを打つと窮屈に感じることも
クイーン	幅：160 cm 長さ：195 cm	2人用（ゆったり） 2人＋子ども
キング	幅：190 cm 長さ：195 cm	2人用（ゆったり） 2人＋子ども

3. 種類を検討する際には、自分の予算とマットレスに何を一番求めるか、ライフスタイルの変化（引っ越しが多いなど）を考慮します。マットレスの構造別の表を参考にしてみてください。

種類	硬さ	耐久性	通気性	寝姿勢	価格帯	特徴
ポケットコイル	中程度～柔らかめ	～10年程度	〇	仰向け 横向き	★★★	体圧分散性に優れる 動きが伝わりにくい
ラテックス	中程度	6～8年程度	△	仰向け	★★★★	弾力があり柔らかい
低反発ウレタン	柔らかめ	3～5年程度	△	横向き	★★★	体圧分散性に優れる 寝返りが打ちにくい
ハイブリッドウレタン	中程度	～10年程度	△～〇	全ての寝姿勢	★★★★	高反発と低反発のメリットを兼ね備える

※表はあくまで目安です。製品によって差があります。

 

詳しくは、「自分に合ったマットレスの選び方」を参考にしてみてください。

 

自分に合った体圧分散マットレスで快適な睡眠を

体圧分散マットレスは身体に沿い、体重が身体の1か所にかからないように分散してくれる機能を備えたマットレスであり、健康にも、睡眠にも、さまざまなメリットがあります。

 

・理想的な寝姿勢で快適に寝れる

・速やかな入眠が期待できる

・寝返りをサポートしてくれる

・肩や腰への負担が少ない

・床ずれを軽減できる

 

主なデメリットは高めのお値段であることと、重いことですが、これらのデメリットは「耐久性がある」「コストパフォーマンスが高い」ことの裏返しでもあります。

 

長い目で見るとコストパフォーマンスが高い体圧分散マットレスを探している方には、10年の長期製品保証、そしていいとこどりのハイブリッドウレタンを使用したオリジナルコアラマットレスがおすすめです。

 

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柔らかすぎず、硬すぎない。「ちょうどいい」かたさの体圧分散マットレス

 

これまで口コミでも多くの5つ星を獲得しているオリジナルコアラマットレスは、体圧分散に加え、どんな衝撃でも瞬時に吸収するクラウドセルフォームによる「ゼロ ディスターバンス®」技術も備えています。速やかな入眠を誘い、自分やパートナーの寝返りによる振動の影響を受けず、朝までぐっすり。ゾーニングレイヤーサポートが理想の寝姿勢を整えます。

マットレスの下層部では、理想的な寝姿勢をつくるゾーニング製法を採用してかたさを部分調節。かための中央部が腰をしっかり支え、肩と足の部分はやわらかめで、心地よく朝までぐっすり。

「まるで雲の上で眠っているみたい！」とファン続出の理想の寝心地のコアラマットレス

 

お客様の声

2025年1月28日

★★★★★

起床時の背中の痛みがなくなりました

 

以前使っていたマットレスがだいぶ古かったため、買い換えました。最近は朝起きた時に背中の痛みを感じていましたが、コアラマットレスに変えてから背中の痛みなどの違和感がなくなりました。普段の背中の硬さも取れているようです。アプリで熟睡できた日をカウントしたところ、明らかに熟睡の頻度が上がりました。購入してよかったです！

 

2025年2月5日

★★★★★

私にはちょうど良いかたさ

 

厚みもあるので硬さがちょうど良いです。

スプリングと違い突き上げもないのでしっかりと支えてくれる感じがしています。

とても良いマットレスと思います。

 

2025年2月2日

★★★★★

今のところ快適

 

座っても沈まない。上向きでも横寝でも体が痛くならないのがいいね。

 

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