寝具コラム by Koala Sleep Japan2025年1月23日読了目安時間: 8

ファイバーマットレスの特徴とは?メリットデメリット、選び方を解説

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

高温多湿な気候ゆえに清潔を保つことが大事な日本では、「そのまま丸洗いできる」という言葉、とても魅力的な響きです。ふとんも枕同様マットレスも丸洗いしたい派の人から注目を集めているのが、ファイバーマットレス。ファイバーマットレスとはどんなマットレスなのでしょうか。

 

上級睡眠健康指導士でKoalaマットレス社員の石川が、ファイバーマットレスの特徴、選び方、メリット/デメリットを解説します。

ファイバーマットレスとは?

ファイバーマットレスの「ファイバー」とはプラスチック樹脂の繊維のことを指します。ファイバーマットレスの中身は、プラスティック樹脂の繊維で作った高反発のスポンジのようなもの、と考えていただければわかりやすいかもしれません。

樹脂でできた繊維が複雑に編み込まれている

 

ファイバーマットレスの素材である繊維には大きく分けて2つの種類があります。

・ポリエチレン

・ポリエステル

です。

 

ポリエチレンは、身近なところでは食品用ラップや冷凍食品のパッケージ、釣り糸などにも使われている素材です。このことからわかるように、安価で軽量かつ耐寒性があります。しかし、素材そのものが熱に強くありません。

 

ポリエステルは、非常に細かい繊維として製造され、生地などに使用されることが多い素材です。耐熱性に優れており、耐久性・防汚性もあります。

 

それぞれをマットレス素材としたときの特徴を、以下の表にまとめてみました。

ポリエチレン素材のマットレス ポリエステル素材のマットレス
よい点 きしみ音が小さい ポリエチレンより耐熱性が高いが、製法によって耐熱温度が異なる。
考慮点 熱に弱い素材なので、ふとん乾燥機や電気毛布の使用には要注意。 きしみ音が気になりやすい。

 

ファイバーマットレスのメリット

それでは、ファイバーマットレスの特徴やメリットとは何でしょうか。

マットレスの中身の素材には主に次のような種類があります。これらのマットレスとファイバーマットレスを比較してみましょう。

ウレタン
低反発ウレタン
高反発ウレタン
一般ウレタン
ハイブリッドウレタン(低反発+高反発)
コイル
ボンネルコイル
ポケットコイル
樹脂素材
ファイバー
ラテックス

コイルマットレスの中身

通気性が良い

ファイバーマットレスの中身はプラスチック。プラスチック自体には吸湿性はありません。したがって、他の素材に比べて通気性に優れていると言えます。人は就寝時、一晩でコップ1杯もの寝汗をかくため、マットレスの通気性はとても重要です。

 

通気性が良い、ということは、睡眠時の熱もうまく逃がしてくれるということです。したがって高温多湿な夏でも蒸れにくい、という特徴があります。

匂いがしない

ファイバーマットレスの素材であるポリエチレンやポリエステルは無臭です。それが天然の香りであってもニオイはないほうがいい、という方にはおすすめです。

反発力が高い

ファイバー素材は反発力にも優れています。わかりやすく説明するため、他の素材と比較してみます。低価格のマットレスによく使用されている「一般ウレタン」だと、体重を支えきれずすぐに底付きしますが、ファイバーマットレスなら、その心配はありません。

多方向に反発する

これも、中にスプリングコイルが敷き詰められているコイルマットレスと比較して説明します。ばねを想像していただくとわかりやすいのですが、ばねを上から押さえつけると、上方向のみに反発します。スプリングコイルも同じで、上から体重をかけると、上のみに反発します。

 

しかしファイバー素材は、長い樹脂が網目のようにいろいろな方向に編まれた素材なので、上から体重をかけても、多方向に反発するのです。

 

硬くて反発するため、寝返りが打ちやすいのが特徴です。

水洗い可能

ファイバーマットレス最大の魅力ともいえるのが、「丸洗いできる」という点です。プラスチックは水分を吸収しにくい素材なので、マットレスカバーを外せば、自宅のシャワーなどで簡単に丸洗いできます。ペットがベッドでおもらししたり、あるいはドリンクをこぼしたりしても、安心、というわけです。

ただし、マットレスに湿気は厳禁のため、丸洗いの後はしっかり水気を切り、乾燥させる必要があります。乾いた布で乾拭きし、半日以上陰干しさせてください。

アレルギー対策もできる

水洗いできること、通気性が良いこととも関連するのですが、ファイバーマットレスには湿気がたまりにくいため、カビやダニが発生しづらい、というメリットがあります。定期的に水洗いすることで、ハウスダスト対策にもなります。

 

ぜんそくなど、アレルギーに起因する疾患があり、ダニやカビ、ハウスダスト対策が必要な場合は、ファイバーマットレスの導入を考えてみても良いかもしれません。

硬さが変わりにくい

ファイバーマットレスは「硬さの保持率」が高い傾向があります。これは、マットレスのヘタリとはまた別で、身体で感じる「硬さ」が変化しない、という意味です。硬いマットレスを好む方はこの点を覚えておいてもいいかもしれません。

軽いため手入れが簡単

他の素材のマットレスに比べると軽いので、マットレスの設置も、日々のお手入れも楽です。模様替えや引っ越しで運んだり、動かして掃除機をかけたり、洗って干して手入れしたり、が簡単にできます。

廃棄しやすい

各自治体によって捨て方や費用は大きく異なります、マットレスは重いため、運び出して処分場所に持っていくだけでも大変です。しかしファイバーマットレスは比較的軽くて薄いものが多いため、動かしやすく、また、はさみで小さく裁断もできます。小さくすれば、家庭ごみとして捨てることができる自治体もあります。

マットレスの捨て方・処分方法を徹底解説

 

ファイバーマットレスのデメリット

ここまでファイバーマットレスのメリットを説明してきましたが、もちろんデメリットもあります。

体圧分散性が悪い

メリットのところで「多方向に反発する」ので寝返りはしやすいと言いましたが、実はファイバーマットレスのような”硬い”マットレスに寝ると、マットレスと腰の間にすき間ができてしまいがちです。

 

硬い床の上に横たわった状態のことを想像してください。肩や腰など体の突出した部分だけが床に触れており、背中はアーチ状に浮き上がっていますが、これが体圧が正しく分散されていない状態です。体圧を適切に分散するためには、柔らかいマットレスを使う必要があります。

 

身体に良いマットレスの硬さをチェック

耐久性が低く、へたりやすい

ファイバーマットレスは「硬さの保持」は優れているのですが、「復元率」があまりよくありません。「復元率」とは、圧縮を繰り返したあと、どのくらい元の形状に戻るかを表した指標のことです。この数値が高いほど、ヘタリが生じにくいのです。

 

ヘタリやすいと言われているウレタン素材でも最低の復元率は95%からですが、ファイバーマットレスの場合、「耐久性がある」という製品でもその復元率93%以上、と設定値が低くなっています。

揺れやすく、きしみ音がしやすい

多方向に反発する特徴を持つファイバーマットレスですが、逆にいうと、横への衝撃も伝わりやすいのです。夫婦でダブルベッドの場合や、お子さまに添い寝する場合、相手の寝返りの揺れで目が覚めてしまうこともあり得ます。

 

また、特にポリエステル素材のファイバーマットレスの場合、マットレスの中で素材同士がぶつかると、「ギシギシ」という独特のきしみ音も出やすいようです。

高温や直射日光に弱い

ファイバーマットレスはプラスチック樹脂のため、熱に弱い素材です。したがって、冬場は電気毛布が欠かせない人、布団乾燥機でふとんを温めて使いたい人は、使用に注意が必要です。製品によって耐熱性はまちまちですが、温度が70度~90度になると、溶ける可能性があります。

寝心地の好みがわかれる

現在マットレス業界で多くの人に「寝心地が良い」と支持されている製品は、ある程度の柔らかさを備えているものがほとんどです。しかしファイバーマットレスは寝心地が硬めのものが多いため、「寝心地が悪い」と感じる人も少なくありません。

 

加えて、「揺れやすい」にもつながるのですが、一緒に寝ている人が寝返りを打ったり、トイレに立った時などに、振動が相手に伝わってしまい、寝心地の悪さにつながる可能性があります。

構造上、水分を通しやすい

ファイバーマットレスは、プラスチック樹脂の繊維を編んだ網目状の構造のため確かに水分を吸収しませんが、水分がマットレスの下まで浸透しやすい一面もあります。

 

ドリンクをこぼしたり、おねしょをするなど、大量の水分がマットレスの上にかかった場合、マットレスを貫通してベッド本体に到達してしまうことも。ベッド本体を水分で損なわないために、通気性を備えた耐水性カバーをセットで使うのをおすすめします。

 

熱帯夜も快眠、耐水加工のベッドのプロテクター

冬は寒さに対策が必要

通気性が非常に良いため夏場は快適ですが、逆に冬は寝ていると身体が冷えやすくなってしまいます。他の素材のマットレスと比較すると「寒い」と感じてしまうかもしれません。

 

ファイバーマットレスの選び方

以上のようなメリット・デメリットを考慮しつつ、ファイバーマットレスを選ぶには、どんな点に注意すればいいでしょうか。気を付けたいのは次の6点です。

硬さ調整が可能か

寝心地に直結する「硬さ」。基本的に硬いものが多いファイバーマットレスでも、硬さ調節可能なモデルもあります。これは中のブロックをひっくり返すことができたり、好みの硬さのものに入れ替えたりすることで、硬さを変えられる、というものです。

熱への耐性の有無

プラスチック由来の樹脂ゆえに、ファイバーマットレスは熱に弱い素材です。しかし、ポリエステル素材のほうがより熱に強い傾向があります。ベッドの近くでは高温のヒーターなどを使わない、電気毛布の使用は避けるなど、基本的な対策も必要です。購入前に商品サイトでしっかりと確認しましょう。

適切な厚みを選ぶ

比較的薄手の商品が多いファイバーマットレスは、マットレスの上に重ねる「マットレストッパー」として使う人も。一枚で使う/トッパーとして使う場合は、望ましい厚さも違います。使う人の体型や使い方に合わせて、厚みを選びましょう。

マットレストッパーって必要?

耐久加工がされているか

ファイバーマットレスに使われている繊維は、柔軟性があるもののちぎれやすいという特徴があります。ちぎれた箇所がマットレスの劣化の原因となるのです。そこで、選ぶ際にちぎれにくい加工がされているものを選びましょう。

ヘタリが生じにくいファイバーマットレスを選ぶには「復元率93%」を目安として選びましょう。

折り畳むことが出来るか

折り畳みができるものは、収納する際も省スペース。クローゼットから別の部屋への持ち運びも簡単です。三つ折りになるタイプのものは、中身素材も3つに分かれているため、お手入れもしやすく、陰干しなどもサッと行えます。

ただし、折り畳めないタイプのものに比べると耐久性が低く、寝そべった時に、折り目の部分に底付き缶が出やすいというデメリットもあります。どのように使いたいかをよく考えてみましょう。

衛生加工が施されているか

マットレスには衛生加工が施されているものもあります。特にアレルギー対策やニオイ対策としてファイバーマットレスの導入を考えている方は、「目的の衛生加工があるかどうか」をチェックしましょう。衛生加工とは、防菌・防臭・防ダニなどの加工のことです。

 

ファイバーマットレスのメンテナンス方法

比較的お手入れのしやすいファイバーマットレスですが、他のマットレス同様、週1回は掃除機をかけ、月に1~2回は通気させるよう縦にして干す必要があります。

ファイバーマットレスならではのお手入れ方法は以下のとおりです。

カバー

マットレスカバーは基本的に洗濯機で。素材により使用できる水温、洗剤が異なるため、洗濯前に品質表示ラベルを確認する。

マットレスの中身のファイバー(芯材)

40℃以下のぬるま湯のシャワーで洗い流してから、陰干しする」というメンテナンス方法が一番多い。水気をよく切ってから乾いた布で拭き、半日以上陰干しして内部までしっかり乾燥させる。

 

ファイバーマットレスの寿命は?

製品によって異なりますが、ファイバーマットレスの寿命は平均して3年~5年、長いものは6年~8年と言われています。

ただし、これはあくまで耐用年数であり、マットレスのヘタリはまた別問題です。ファイバーマットレスは他の素材に比べて「復元率が低い」、つまりヘタリやすいことに注意が必要です。

ファイバーマットレスと他の素材を比較

ここで、ファイバーマットレスと他の素材を比較し、特徴がわかるように表にしてみました。どの素材も一長一短がありますが、自分が何を重要視してマットレスを選ぶかの参考にしてみてください。

素 材 通気性 耐久年数 手入れのしやすさ 体圧分散
ウレタン
低反発ウレタン 3~5年程度
高反発ウレタン 6~8年程度
一般ウレタン 1~3年程度
ハイブリッドウレタン
(低反発+高反発)
~10年程度
コイル
ボンネルコイル ~8年程度
ポケットコイル ~10年程度
樹脂素材
ファイバー 3~5年程度
ラテックス 6~8年程度

 

寝心地重視のマットレスを選ぶなら体圧分散性に注目

ファイバーマットレスの特徴について、その他の素材のマットレスと比較するなどして、あらゆる側面から見てきました。ファイバーマットレスは比較的低価格帯のものが多く、お手入れが簡単で軽量なのもあり、購入を検討しやすいマットレスと言えます。

ただ、マットレス本来の目的という点から見てみてはどうでしょうか。そう、マットレスは「眠る」場所。寝心地についてです。

寝心地がいい、と多くの人が感じるマットレスは

・体圧分散性が高い

ものなのです。体圧を適切に分散するには、ある程度身体の形に添う柔らかさが必要なのですが、ファイバーマットレスは素材が硬めのため、あまり体圧分散できない=寝心地が良くない、となりがちです。

もし、「快適な睡眠」をマットレスで追求するのであれば、他の素材のマットレスの購入を検討することも考えてみてください。体圧分散性の高いマットレスなら、「ちょうどよい寝心地」という望みをかなえられるはずです。先ほどご紹介した表にあるとおり、体圧分散性の高い素材は「ハイブリッドウレタン」「ポケットコイル」です。

体圧分散性を追求したマットレスならコアラマットレス

あまり耳慣れない「ハイブリッドウレタン」とはどんな素材かというと、低反発素材と高反発素材を組み合わせた素材です。

たとえば、Koalaの「オリジナルコアラマットレス」の場合、3層のウレタンを組み合わせて、理想の寝心地を実現しています。

上層部には、やわらかい低反発とほどよい弾力の高反発の長所を生かした通気性のある独自素材を使用。中間層は、振動をバランスよく吸収する硬めのクッション。下層部は、寝返りを打ちやすい高反発で体をしっかりサポート。ほどよく体圧が分散され、思った通りの寝姿勢を保てます。

人気 オリジナルコアラマットレスはちょうどいい硬さのベーシックモデル

実際のお客様からも、寝心地について多くの感想が寄せられています。その一部をご紹介します。

 

お客様の声

 

2025年1月22日

★★★★★

探していたもの!

関節リウマチもあって、起床時の全身強ばり&痛みが酷かったのですが、コアラマットレスを使用した翌朝から 起床時の痛が激減しましたし、夜中の寝返りの際痛みで目が覚めることもなくなりました。

 

2025年1月22日

★★★★★

泥のように眠り、すっきり目覚められます。

コアラマットレスに変えてから、睡眠の質が明らかに向上しました。腰を痛めるような仕事にもついているため不安でしたが、寝初めてからは腰の痛みも消え、本当にいい買い物をしたと思います。120日間のお試しもあるので、しばらく使ってみて決めるのもありです。

 

2025年1月21日

★★★★★

夜も朝も最高です

このマットレスは包まれてる感じで寝ることが出来ます。朝は今までの腰の痛みが無く、スッキリ起床出来ます

 

ファイバーマットレスはメリットデメリットをよく考えて選ぼう

ファイバーマットレスについて、多方面から詳しくみてきました。ファイバーマットレスは通気性が高く、丸洗いできるなど、メリットも多い一方、マットレスが硬く寝心地に不満が出る場合がある、ヘタリが生じやすい、いうデメリットもありました。

一日の1/3の時間を過ごす、マットレス。寝心地や耐用年数を考えたら、少しお値段は張るかもしれませんが、ハイブリッドウレタン素材のマットレスもおすすめです。コアラマットレスにはすべて10年間の保証が付いています。

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