目次
監修者

松本 恭
「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。
「また眠れないまま朝を迎えてしまった」という経験はありませんか。
眠れないまま朝を向けると、頭がぼんやりとして集中力や意欲を失いがちです。仕事や学校など、日中の活動に大きな支障が出るため、早めに対処しましょう。
原因はストレスや生活リズムの乱れ、体内時計の乱れ、食品、タバコ、アルコール、寝室環境の影響など多岐にわたります。症状が長引くほど、身体のリズムは乱れて心身の不調を招き、不登校や欠勤につながるリスクが高まります。
本記事では、眠れないまま朝になったときの具体的な対処法に加え、長期的に改善を図るための生活習慣やアプローチを上級睡眠健康指導士の松本が詳しく解説します。最後に「実はこれはやってはいけなかった!?」という眠れない時によくある”まさか”の落とし穴についても解説します。
少しずつ取り入れて眠れないまま朝になった時にも安心して過ごせるようにしましょう。
朝まで眠れなかった場合の対処法5選
朝まで睡眠を十分にとれなかったときに有効な対処法を紹介します。
徹夜に近い状態で朝を迎えると、体は疲労や倦怠感を感じ、気持ちも落ち込みやすくなります。しかし、焦りすぎるとさらなるストレスを招き、パフォーマンスの低下につながる恐れがあります。まずは落ち着いて自分の体調を見極めながら、できる範囲で体をリセットする方法を試してみましょう。
①眠れないまま朝になってしまったときに仕事や学校を乗り切る方法
仕事での商談や学校でのテストや発表など重要な日ほど徹夜明けはつらいものです。少しでもパフォーマンスを高めるためには、タスクの優先順位をつけ、集中力が必要な作業を先に済ませる工夫が大切です。理想は午前中に集中力が必要な作業をおわらせましょう。短時間でも休憩を挟みこまめに水分補給をしながら、自分の体調管理をしながら、集中力が必要なことを最優先に行動してください。
②朝日を浴びることで体内時計をリセット
朝起きたらできるだけ早めに太陽光を浴びましょう。太陽光を浴びることは、体のリズムを整える大きなポイントになります。太陽光は体内時計をリセットする働きがあり、ホルモン分泌のバランスを整えて日中の覚醒度を高めやすくします。可能であればベランダや窓際に移動し、数分でも自然光を十分に取り入れるように心がけましょう。
③短時間の仮眠をとる際の注意点
どうしても眠気が強い場合は、昼休みや休憩時間を利用して20分程度の仮眠をとると効果的です。短い仮眠は脳をリフレッシュし、午後の集中力を取り戻すきっかけになります。ただし、仮眠時間が長すぎると夜の睡眠に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。眠る場所や眠る時間がなくても目を閉じて深呼吸するだけでも脳や心を休めることができるので是非やってみてくださいね。
④軽い運動やストレッチで体をリフレッシュ
徹夜や極端な睡眠不足の状態では、体を軽く動かすことがかえって疲れをとる手助けになります。ストレッチやウォーキングで血行を促進し、筋肉のこわばりをほぐすことで全身へ酸素が行き渡り、眠気をやわらげやすくなります。就寝時間の約3時間前には終わるように注意して、無理のない範囲で体を動かし、リフレッシュを心がけてください。
⑤適度なカフェインで集中力を補う
コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物は、眠気を緩和して一時的な覚醒状態を得るのに役立ちます。ただし、飲み過ぎると胃に負担をかけたり、夜の寝つきが悪くなる恐れがあるため注意が必要です。午後3時以降の摂取は避け、午前中や仮眠前など適切な時間帯に少量を取り入れることで効果を最大限に活かしましょう。
眠れない原因を理解する
眠れないまま朝を迎えてしまう背景にはさまざまな原因が存在します。
根本的な要因を理解しないまま対処法だけ試していても、同じことを繰り返してしまいがちです。ストレスや不安、環境的要因などを洗い出すことが長期的には効果的な解決策となります。改善できる部分を一つずつクリアにしていきましょう。
ストレスや不安による影響
心理的ストレスが高い状態では、脳が興奮を続けてなかなかリラックスできません。仕事や対人関係の悩みなどが頭から離れないと、交感神経系が活発に働き、入眠しようとしても眠れない状況を引き起こしてしまいます。こうした場合はストレス緩和の工夫を優先的に取り入れることが重要です。
心配事や精神的負担が引き起こす問題
寝る直前まで悩み続けていると交感神経が優位になり、心身が休まる状態から遠のきます。その結果、脈拍や呼吸が早まり、頭が過剰に働いたまま夜を過ごしてしまうかもしれません。深刻な不眠が続く場合は、遠慮せずにカウンセリングなど専門家へ相談を検討することも大切です。
生活リズムの乱れと体内時計のズレ
深夜までスマホを操作してSNSや動画を見るなど昼夜逆転の生活を送っていると、体内時計が乱れて自然な眠気が起こりにくくなります。就寝時間と起床時間がバラバラだと、ホルモン分泌のサイクルに乱れが生じ、結果として朝まで目が冴えてしまう原因になります。
カフェインやアルコールの摂取習慣
寝る前にコーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを飲む習慣があると、覚醒作用の影響を強く受けてしまい、入眠を阻害する要因となります。一方でアルコールは一時的に眠気を誘うこともありますが、睡眠の質を下げるため夜中に目が覚めてしまうことも多く、結果的に朝まで眠れない事態につながりがちです。
睡眠環境の問題
部屋が暑すぎたり寒すぎたり、光や音が気になる状態では深い眠りに入りづらくなります。ベッドや枕、寝具が身体に合っていない場合も同様で、体に余計な負担がかかりリラックスを妨げてしまいます。
寝室環境を整えるコツ
静かで暗い部屋を保ち、体感温度が快適になるよう温度や湿度を調整しましょう。また、快適で自分に合った寝具を選ぶことが大切です。遮光カーテンや耳栓、除湿・加湿など、必要に応じたツールを活用しながら睡眠環境を最適化しましょう。小さな調整の積み重ねが、大きな睡眠改善へとつながります。
寝具の選び方と最適な利用法
マットレスは体をしっかり支える硬さと、適度に沈み込む柔らかさのバランスが大切です。コアラマットレスの体圧分散マットレスは、柔らかすぎず、硬すぎず、ちょうどいいマットレスなので理想の寝姿勢で睡眠をとることができます。また、硬さや通気性、特徴を比較した表で自分に最適なコアラマットレスを確認できます。
睡眠の質を上げるには、枕も重要です。枕は首のカーブを保つ高さを選ぶことで、呼吸気道を確保しやすくします。適切な高さのある枕を選ぶことは、いびき対策にも役立ちます。さらに、季節や体調に合わせて布団やシーツの素材を選ぶことも大切です。通気性の良い素材を選ぶだけで、体温をためこむことなく快適な睡眠が得られます。
睡眠障害や不眠症の可能性
自己対処を続けても症状がまったく改善しない、日常生活に支障をきたすほどの不眠がある場合は、専門家に相談することを検討しましょう。医療機関で原因を特定し、薬物療法や認知行動療法など適切な治療を受けることで、長期的な改善を目指せます。
快適な睡眠を促すアプローチ
良質な睡眠を得るために、普段から意識・実践できるアプローチをまとめます。
睡眠の質を高めるためには、夜の過ごし方やリラックスできる環境づくりが欠かせません。自分のライフスタイルや好みに合った方法を少しずつ取り入れ、継続することで習慣となり、自然と深い眠りへ導かれます。是非身につけて心身ともに休まるようにしてくださいね。
入眠前のリラックスルーティンを作る
毎晩決まったルーティンを行うことで、脳に「これから休む時間だ」という合図を送りやすくなります。ストレッチや軽いヨガ、読書など、体と心を落ち着かせる習慣を定着させると、入眠しやすい状態を作りやすくなります。
深呼吸や瞑想の活用
ゆっくりと深呼吸を繰り返すことで、副交感神経が優位になりリラックスしやすくなります。瞑想やマインドフルネスを取り入れるのも効果的で、頭に浮かぶ考えを整理して穏やかな心境をつくりやすくしてくれます。
リラックス効果のある音楽や香り
ヒーリング系の音楽や安らぎを感じる香りを取り入れると、脳を落ち着かせて眠りに導く手助けになります。ラベンダーなどのアロマオイルはリラクゼーション効果が高いとされており、就寝前の環境づくりに取り入れやすい方法です。
寝る前の入浴で体を温める
体温が下がるタイミングで眠気が高まるため、寝る1〜2時間前に湯船に浸かるのがおすすめです。入浴で温まった体が徐々に冷えていくプロセスはリラックスしやすい状態へ導くため、入眠をスムーズにしてくれます。
スマホやブルーライトを避ける
就寝前にスマホやパソコンを長時間見ると、脳がブルーライトを浴びて覚醒モードを続けやすくなります。どうしても使用する場合は、ブルーライトカット機能をオンにし、画面の明るさを落とすなどの工夫をして、少しでも刺激を減らしてください。
サプリメントを活用する
サプリメントは睡眠薬ではなく、健康栄養補助食品という扱いです。つまり、栄養素の補給が目的となります。有名なプロテインもサプリメントの一つです。睡眠のために作られたサプリメントがあり、これらには科学的に睡眠の質を高めると研究によって示されたものも存在します(機能性表示食品)。どうしても寝れない時や不安や悩みが強い時などは活用してみるのも方法です。
避けるべきNG行動
睡眠を妨げる原因となりうる、やってはいけない行動を把握しましょう。
よかれと思ってやっている行動や、ついやってしまうクセが逆に睡眠を遠ざけている場合があります。以下のような行動を避けることで、夜にしっかりと休むための準備を整えられます。
焦って眠ろうとする
ベッドに入ってすぐに眠ろうと強く意識すると、脳が逆に興奮を続けてかえって寝つきが悪くなることがあります。音楽を聴いたり呼吸を整えたりしながら副交感神経を高めることで、自然と睡眠へ移行しやすくなるでしょう。
カフェインやアルコールの過剰摂取
カフェインは眠気を抑える反面、過度な摂取は寝つきに大きく影響します。アルコールは一時的にスムーズに寝付けるように感じますが、睡眠の質を低下させ、深い睡眠を妨げる原因にもなりかねません。
昼間の過度な睡眠
長時間の昼寝や夕方以降の仮眠は、夜に眠れなくなる一因となります。眠気が強いときは短めの仮眠でリフレッシュするほうが夜の睡眠リズムを崩しにくいです。昼寝は15〜30分で、15時までに終わらせるようにするのが理想です。
寝る前の仕事やスマホやテレビ操作
就寝直前まで仕事に取り組んだり、ゲームや動画などの刺激を受けると、眠りにつこうとする脳を興奮させ続けることになります。気づかないうちに夜更かしにもつながり、結局深夜まで寝付けないという悪循環を招きがちです。
眠れない状態を長期的に防ぐための生活習慣4選
日常生活の中で習慣を改善し、長期的に眠りやすい状態を作るコツを紹介します。
根本的に睡眠の問題を解決するには、継続して取り組める生活習慣の見直しが欠かせません。毎日のちょっとした行動が積み重なり、体内時計や睡眠の質、ストレスコントロールに大きな影響を与えます。
①規則正しい睡眠時間を設定する
起床時間と就寝時間をできる限り一定に保つと、体に自然なリズムが生まれやすくなり、自然な入眠に繋がります。平日だけでなく休日も同じパターンを維持することで、睡眠の質が安定し、朝目覚めたときのすっきり感が高まるでしょう。特に朝起きる時間を一定にして、朝起きたら日の光を浴びることを意識しましょう。体内時計が整い、夜に自然な眠気をもたらすための「メラトニン」という睡眠ホルモンを分泌してくれます。
②栄養バランスの取れた食事をとる
朝食にタンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することで、身体機能とホルモン分泌をサポートし、睡眠トラブルを回避しやすくなります。スムーズな寝つきのためには「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌される必要があります。メラトニンが分泌されるおかげで脳が眠気を覚えるようになります。このメラトニンの材料になる栄養素がトリプトファンというアミノ酸です。メラトニンが分泌されるためには、15〜17時間かかるため、朝食にトリプトファンを含む食事を摂ることを意識しましょう。また、寝る直前に食べ過ぎると消化が追いつかず、眠りにくくなることがあるため、夕食は就寝時間の2〜3時間前に終わらせましょう。
③適度な運動やストレッチを日常に取り入れる
ウォーキングや軽い筋トレなど、無理のない範囲での運動習慣は睡眠の質を向上させるとされています。身体を動かすことでストレス発散になるだけではなく、適度な肉体的疲労感は夜スムーズに眠りにつきやすくしてくれます。
④ストレス管理とメンタルケア
自分を追い詰めすぎず、リラクゼーション法や趣味の時間を確保してメンタル面を整えることが、良い睡眠には欠かせません。必要に応じて専門家のサポートを受け、適切なストレスコントロールを心がけるようにしましょう。
実はやってはいけない!?どうしても寝れない時のよくある落とし穴
「ベッドに入ってもなかなか寝れない」こんな時どうしますか。
①とにかくベッドで横になり眠くなるのを待ち続ける
②一度ベッドから出てしまう
正解は②です。ベッドに入っても中々寝れない時は、いっそのことリビングなどに移動してリラックスすることが大切です。おおよそベッドに入っても30分以上寝れない、眠気がこない時は移動しましょう。ベッドから出る理由は2つあります。
脳に正しく認識してもらう
スムーズな眠りには、脳に「ベッドは眠る場所」と認知してもらう必要があります。ベッドに入っても眠れないでいると、脳は「ベッドは眠らない場所」と間違って認識してしまう可能性があります。
不安を和らげる
ベッドに入っても眠れないでいる日が続くと、「今日も寝れなかったらどうしよう」と寝る前から不安が強くなってしまい、余計に眠りにくくなります。しかし、「眠れなかったらまた起きてもいい」と自分を許してあげることが不安を和らげてくれます。
注意点
リビングなどへ移動した時の過ごし方が大切です。電気は調光や暖色へ変更するなど明るすぎないように調整しましょう。またスマホやテレビなど脳を興奮させて覚醒させるようなことはやめましょう。リラックスできる音楽やアロマ、深呼吸などでゆっくり過ごし、眠気が来るタイミングで再びベッドに行きましょう。
まとめ|眠れない日々の原因を知り適切な対策を取ろう
今回の記事の内容はいかがでしたか?眠れずに朝を迎えてしまう要因を知り、効果的な対処法と生活習慣の改善を心がけることで、質の高い睡眠を保つことが可能です。この記事が少しでも眠れない辛さの軽減をするお役に立てれば幸いです。
一時的に眠れない日々が続くときは、まずは適切な対処法を試しつつ、自分の生活習慣や睡眠環境を振り返ってみるのが第一歩です。長期的な不眠に悩む場合は専門家へ相談し、必要に応じて治療やカウンセリングを受けることも検討しましょう。原因を正しく理解して行動を変え、朝をすっきりと迎えられる健康的なサイクルを取り戻しましょう。