寝具コラム by Koala Sleep Japan2025年1月22日読了目安時間: 8

すのこにマットレスってどうなの?下に敷くおすすめも紹介

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

すのこの上にマットレスを敷く、つまり目線の低い位置にベッドをしつらえるインテリアは、ナチュラルなスタイル、アジアンスタイルとして世界でも定番となっています。

高さのあるテーブルや椅子に座らず床に座るライフスタイルは「床座」(ゆかざ)と呼ばれ、日本の伝統的な暮らし方でもあります。「すぐ横に慣れるし、リラックスできる」と、インテリアに取り入れている人も多いでしょう。

この記事では、すのこにマットレスを使うスタイルについて、そのメリットやデメリットに触れながら、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が解説していきます。

 

マットレスの下に敷くのはすのこだけで良い?

まず、マットレスの下にすのこを置くスタイルが人気なのは、次のようなメリットがあるからでしょう。

  1. 安い・・・すのこ自体も安いが、家具が少なくて済むインテリアスタイルのため総額も安く済む
  2. 低視線・・・目線が低くなり天井までの距離が遠くなるため、部屋が広く感じられる
  3. 移動が簡単・・・軽量のため、引っ越しや模様替えの際に移動しやすい

和のスタイル「床座」だと、視線が低く部屋が広く見える

 

つまり、新たに生活を始める新入生や新社会人、ワンルームやステューディオタイプの部屋に住む人、転勤族の人にもうってつけ、というわけです。

 

日本の伝統的な寝具である和ふとんにも同じメリットはありますが、ふとんの上げ下ろしやふとん干しがめんどう。その点ベッドなら、出しっぱなしでいいのです。

 

畳の上にそのまま敷けるマットレスとは

 

ただし、「マットレスの直置きはNG」です。これはマットレス設置の際の基本なのですが、20cm以上の厚みのあるベッドマットレスは床に直接置くべきではありません。なぜかというと、人は寝ている間、一晩で約コップ1杯分もの汗をかくからです。そのため、マットレスを床に直接置くとカビが発生しやすくなります。直置きする場合、和ふとんと同じように毎日干すことが必要となってくるですが、ベッドマットレスは15kg以上あるものが多く、非常に身体への負担がかかる家事となってしまいます。

 

参考 マットレスの直置きは基本NG?フローリングに寝る場合、おすすめの対策とは?

そこで、カビの発生を予防するため、湿気を逃がし風通しを良くする何かをマットレスの下に敷く必要があるのです。マットレスの下に日本ならではのすのこを敷く、というアイディアも、カビへの対策として出てきたものでしょう。

 

ただ、すのこは湿気をある程度逃がすことはできますが、「すのこだけ」ではカビを防ぐことは難しいのです。すのこの高さは通常2.5cmと床にかなり近く、湿気もほこりも滞留しやすいためです。したがって、カビや埃が溜まるのを防ぐためには、

・すのこ下のこまめな掃除

・週1ペースでのマットレス干し

が必須となります。こういった手入れが手間だな、と感じる場合は、床から少し高さのあるすのこベッドを選べば、湿気対策となります。

 

マットレス下に隙間がないと掃除も苦痛に

マットレスの下にすのこを敷くのが、ベッドフレームや和ふとんとどのように違うかを簡単に表にまとめてみました。

マットレス+すのこ マットレス+ベッドフレーム 和ふとんのみ
通気性 床から2.5cmの通常のすのこは通気性はあるが、湿気が滞留しやすく、カビ対策が必要 ベッドフレームは床から遠く、通気性を考慮した素材で作られているものが多い 就寝中の湿気はすべてふとんに
お手入れの頻度 週1のマットレス干し+すのこ下のこまめな掃除が必要 マットレス干しを月1程度 敷きっぱなしはNGなので毎日ふとんの上げ下ろしが必要。またふとんの素材によるが、週1くらいの頻度でふとん干し
重さ すのこ自体は軽い、マットレスは15kgほど 素材によるが、頻繁な移動を考慮していないため重い 素材によるが、敷ふとん約4kg、掛布団1~3kg
価格 安い 素材によりさまざま 素材によりさまざま

参考 マットレスの下に敷くもの4選と長持ちさせる設置方法とは

 

それでは、マットレスの下にすのこを敷く場合、どんなものを選べば良いか、見ていきましょう。

 

すのこの素材

すのこに使用されている素材には、杉、ひのき、桐、松(パイン材)、合成樹脂(プラスチック)があります。それぞれの素材にはそれぞれの良さがあるので、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

たとえば桐は和箪笥に使用されることが多い高級感のある素材であり、素材自体に「虫よけ」効果があることで知られています。ベッドフレーム素材として人気の高いパイン材には「フィトンチッド」と呼ばれる針葉樹特有の香りがあり、リラックス効果があると言われています。

いずれも湿気には強い素材ですが、それぞれの特徴をまとめてみました。

軽い ・湿気に強い
・加工がしやすい
値段は安価
ひのき 軽い ・湿気に強い
・「ヒノキチオール」という癒し効果が期待できる香り
・長持ちする
値段が高い
とても軽い ・抗菌作用に優れる
・熱伝導率が低く、断熱効果が高い
・湿気に強い
値段はやや高め
松(パイン材) 軽い ・柔らかい
・湿気に強い
・「フィトンチッド」と呼ばれる針葉樹特有の香りがあり、リラックス効果が期待できる
値段は中程度
合成樹脂(プラスチック) 重さはさまざま。移動しやすい機能付きなどもある ・他の素材と組み合わせやすく、形状に工夫ができる素材のため、色・デザインが豊富 値段は安価なものが多い

 

すのこベッドの種類

マットレスの下に敷くすのこの種類は大きく分けて2つあります。

・床置き型すのこ

・ベッド型すのこ

です。それぞれの特徴について説明します。

床置き型すのこ

床置き型すのことは、その名のとおり、直接床におく使用方法のすのこを指します。

すのこの形状によって、次の3つがあります。

1.ロール式

通常は樹脂製で、巻きすのように丸めた形状で保管し、使用する際に床に広げて使用。薄い折りたたみ式マットレスや和ふとんとの使用を想定した製品であり、ベッドマットレスとの使用は想定されていない。

 

2.折りたたみ式

広げるとシングルベッドの大きさになるすのこを横に三つ折りできる。コンパクトに収納できるが、薄い折りたたみ式マットレスや和ふとんとの使用を想定した製品であり、ベッドマットレスとの使用は想定されていない。

 

3.分割式

「すのこにマットレスを敷く」と聞いて最初に思い浮かべるような形状。パレット状のすのこを結合して固定し、マットレースのベースとして使用する。パレット型の場合、湿気はある程度逃がすが、すのこ下に空気は通らない。折りたたみ式マットレスや和ふとんだけでなく、通常のベッド用マットレスと共に使用することも想定しているが、日常的に解体・収納するような使用は想定されていない。

 

床置き型すのこは安い価格帯のものが多く、導入しやすいのがメリットです。しかし、床からの距離が近すぎたり、すのこの下の掃除がしにくかったりなど、すのこをマットレスの下に敷く一番の理由=通気性の確保、ができないものが多いようです。

 

フローリングに寝る場合、おすすめの対策とは?

ベッド型すのこ

「ベッド型すのこ」とは、すのこベッドのことです。つまり、

・床面がすのこ状になっているベッド

・フレーム内の床板には均等なすき間が空いている

ものを指します。

 

ほとんどのベッド型すのこは、フロアからの距離もほどよく開いており、ベッドの脚も通気をさえぎらない形状のため、風通しがよく、湿気がこもらない構造です。ベッド型すのこであれば、湿気対策・ほこり対策ができる、と言えます。

 

床置き型すのことベッド型すのこを比較してみました。

 

床置き型すのこ ベッド型すのこ(すのこベッド)
フロアからの距離 2.5~5cm程度。非常に近い 10cm~35cm。調整可能な脚を備えているものも
通気性 低い。空気の流れがなく、湿気が滞留 高い
お手入れ ベッドマットレスとの使用を想定していない造りのため、週1頻度のマットレス干しが必要。またすのこ下に掃除道具が入らないため、ほこりの掃除にも手間がかかる マットレス干しは月1頻度でOK。すのこ下に掃除ロボットやワイパーが入れられる
その他 主に和ふとんでの使用を想定している 少量なら収納スペースにできる

 

マットレスの下にすのこベッドを置くメリット・デメリット

ここまで「マットレスの下にすのこを敷くなら…」という話をしてきましたが、その結果「単なるすのこでは通気性が低いので、マットレス干しや掃除が大変になる」

「すのこ的なものを置くなら、すのこベッドが優れている」

という結論がだんだん見えてきました。

 

でも「そもそもベッドを置ける状況ならベッドを置く。できないからすのこで代用したい。安いすのこで意味がないならマットレスを直置きにするよ」という声もあるでしょう。

 

しかし、マットレスの直置きは、

・睡眠環境が悪化し、健康上の問題につながる可能性がある

・睡眠の快適性が妨げられる場合がある

・マットレスの寿命に影響する

 

という3つの点からおすすめできません。

繰り返しになりますが、最大のデメリットは「湿気・カビが発生しやすい」ということです。就寝時の体の熱がフロアに伝わりやすくなり、その温度差でマットレスとフロアの設置綿に結露が発生します。この現象は冬によく見られるのですが、カビが生えやすくなってしまいます。

加えて、フロアに近い位置で寝るため、ほこりやハウスダストを吸い込みやすくなります。これがアレルギーの原因となる場合もあるのです。

それでは、マットレスの下にすのこベッドを置いた場合のメリット、そしてデメリットは何でしょうか?

マットレスの下にすのこベッドを置くメリット6つ

マットレス直置きと比較し、マットレスの下のすのこベッドを置くメリットは以下のとおりです。

1.通気性が良い

すのこベッドはフロアから10㎝~35㎝程度の高さにあり、空気の通り道が確保できます。したがって、就寝中にかいた汗で生じた湿気もうまく逃がしてくれます。

2. 折り畳める場合は省スペース

すのこベッドの中には、折りたためるようになっているタイプもあります。そういった製品に折りたためるふとんタイプのマットレスを合わせて使えば、ワンルームでもベッドを収納することができ、スペースを効率的に使えます。

3. 夏に涼しく快適

猛暑の夏、一日熱されたフローリングが暑いことがありますが、すのこベッドならフロアの熱を拾うことなく快適に過ごせます。

4. 香りによるリラックス効果も期待できる

ひのきやパインなど、癒し効果のある素材のすのこベッドでその香りに包まれて就寝すれば、癒し効果も抜群でしょう。

5. 床からの冷気を軽減できる

フローリングは熱伝導率が高いため、体温が奪われがちです。寒い冬、直置きマットレスからは冷気を感じてしまいますが、すのこベッドならフロアの底冷えの影響はあまり受けません。

6. 掃除がしやすい

高さのあるすのこベッドなら掃除ロボットやワイパーが入る余裕が十分にあるため、掃除もスムーズに行えます。

 

マットレスの下にすのこベッドを置くデメリット3つ

では、すのこベッドのデメリットとは何でしょうか?よく耳にするのが次の3つですが、ご安心ください。解決できないデメリットではありません。

1. きしむことがある

すのこ状の床板は、複数の細い板でマットレスを支えるその形状から、板になっているものやウッドスプリングに比べてきしみやすい、と言われています。

解決法きしみはマットレスの厚みで緩和できます。自分に適したマットレスの厚さの選び方はこちら

マットレスの厚みで改善できる

2. 底付きする場合がある

すのこベッドで床からの高さが低いものは、極端に過重を一点にかけると、ベッドがフロアに触れる場合があります。   

  解決法 底付きもマットレスの厚みで体重分散し、緩和できます。体重との相関関係はこちら

3. メンテナンスが必要

すのこベッドでもマットレスやベッドのお手入れやメンテナンスをまったくしなくていいわけではありません。

解決法通常の掃除の際(週に1度程度)弱い吸引力で掃除機をかけ、木材部分のほこりを払います。マットレスの干し方についてはこちら

マットレスの下はすのこだけではなくすのこベッド!

すのこベッドなら、通気性を実現できる

「すのこにマットレスってどうなの?」という疑問について、まとめてみましょう。

・マットレスの直置きはカビの発生につながる可能性があるのでNG

・「すのこにマットレス」では、カビの原因となる通気性の問題を解決できない

 

これら2つの課題をきちんと解決できるのは

・すのこベッド

という結論になりました。

 

ちなみにマットレスブランドのKoalaのマットレスは10年保証ですが、保証の対象が「床から7cm以上高さのあるベットベースと合わせての使用」と定められています(詳細)。やはりそれだけカビの問題はマットレスにとって深刻だということです。

 

すのこベッドは通気性に優れたベッドですが、信頼のおけるマットレスブランドで自分に合った分厚いマットレスを選び、セットで使うことが大事です。そうすることで、ちょっとしたデメリットを解説して、心地よい睡眠を体感することができます。

 

これからすのこベッドを検討してみよう、という方、マットレスとの相性を確認しながら購入できるマットレスブランドのすのこベッドをご紹介します。

 

マットレスの下におすすめの【すのこベッド】

マットレスに定評があるKoalaには、2つのすのこベッドがあります。ひとつめはこちら「ミライカスタムフレーム」です。

ライフステージの変化に寄り添うベッドフレーム

 

「ミライカスタムフレーム」はご覧のとおり、すのこ形状の床板に3通りの長さに調節できる脚を備えたベッドフレームです。たとえば、子どもが小さいうちはベッドの高さを低くして使用し、成長したら高くしてベッド下の収納スペースを確保することもできます。

 

パイン材(FSC®認証済み)の木目の美しいフレームにシンプルな形状なので、さまざまなインテリアに柔軟にマッチします。

 

お客様の声

2025年1月14日

★★★★★

立ち上がりが楽になりました

今まで簡易的なすのこの上にコアラマットレスを置いていました。それでも睡眠の質は別売りのコアラマットレスのおかげでだいぶ良くなったのですが、高さがないので起きて立ち上がる際に辛そうでした。

年齢のこともあり今後起床時の足腰の負担を少しでも軽減させたいと思い、ベッドフレームを購入しプレゼントしました。最初は高さに慣れず寝ながら落ちないか不安だったようですが、そんな心配はすぐなくなり、今現在は立ち上がりがすごく楽になったと喜んでいます。

 

2024年12月26日

★★★★★

思い切って買ってよかったです。

引越しを機に、背の低いベッドを探していました。賃貸ですが、将来を見越してフレキシブルに対応できるもの、あまり部屋を圧迫しなくて、小上がりとしても使いたいな〜とか…。そんな希望にぴったりでした!

 

2024年12月15日

★★★★★

オススメの商品です

 

生涯使える汎用性の高さがとても良い。

デザインも丸みを帯びてて痛くないし、フォルムがとても可愛い。

足の高さも変えられて、不要なパーツはベッドフレームに備え付けれる便利さ。

また引っ越しする時には簡単に組立てられるのも良し。

 

状況の変化に応じて対応できるすのこフレーム

 

もうひとつのすのこベッドが「コアラアーバンベッドフレーム」です。

和でも北欧風でも合う、シンプルなデザイン

床板部分は耐久性に優れたアッシュ材とポプラ合板のすのこ板を使用。強度の高いベッドフレームなので、寝返りによるきしみや揺れを気にせずゆっくり休息できます。

 

人生に寄り添うベッドフレーム

 

お客様の声

2024年3月23日

★★★★★

おしゃれな部屋にぴったり

天然木の質感がとても良く、北欧風の部屋にしようとしている自分にぴったりでした。

組み立ても1人で出来るように簡単なものになっていました。

 

2024年2月28日

★★★★★

気持ちのよい朝を迎えられてます

ベッドが来てから睡眠の質が変わり、いままでは夜中に変な時間に起きてしまっていましたが、朝すっきり目覚められて毎朝気持ちが良いです。

 

2024年12月15日

★★★★★

良い商品です。

マットレスの買い替えに伴い購入しました。組み立て自体はとても簡単で、あっという間に組み上がります。フレームも頑丈で歪み等はなく、軋むような事も今の所ありません。デザインもシンプルで、どのようなお部屋にも合わせやすいかと思います。

 

人生に寄り添うベッドフレーム