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監修者
松本 恭
「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。
夜勤明けに布団へ入っても頭が冴えて眠れない、昼間に眠ろうとしても何度も目が覚めてしまう。
看護師や工場勤務、介護職などシフト制で働く方にとって、こうした睡眠の乱れは決して珍しいものではありません。日本では夜勤・交代勤務者の3割以上が睡眠障害を抱えていると報告されており、単なる寝不足では片付けられない深刻な問題となっています。※1
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、夜勤による体内時計の乱れを科学的に解説するとともに、今日から取り入れられる実践的な快眠法を紹介します。さらに遮光カーテンやアイマスクによる環境調整、仮眠やカフェイン摂取の工夫、光やブルーライトのコントロールなど、研究データと最新ガイドラインに基づいた方法もお伝えします。
夜勤前・夜勤中・夜勤明けそれぞれのシーンに応じた具体的な対策を知って、仕事のパフォーマンスを高めつつ健康を守る第一歩を踏み出すヒントにしてください。
夜勤で寝れない5つの主な原因|体内時計の乱れから睡眠障害まで

夜勤で眠れない背景には、単に「昼に寝る時間が少ない」という事情だけでなく、複数の要因が重なっていることが少なくありません。
医学的な観点から、夜勤で眠れなくなる代表的な仕組みを5つに分けて整理してみます。
1. 体内時計の乱れによる睡眠障害
人間の体には「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼ばれる約24時間周期のリズムがあり、体内時計によって生み出されています。概日リズムは光や暗闇、食事、活動の時間などで微調整されますが、夜勤や交代勤務による不定期な睡眠時間によって大きくずれることがあります。
特に朝や昼間に強い光を浴びると、睡眠に関わるメラトニン分泌が抑えられるため、本来の夜間の睡眠準備が難しくなるといわれています。※2
2. 睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌異常
暗くなると自然に分泌が高まる睡眠ホルモン・メラトニンは、夜勤中に人工照明を浴びたり、夜勤明けにスマートフォンやパソコンからのブルーライトにさらされたりすると分泌が抑制されやすくなります。
その結果、昼間の睡眠時に適切な眠気が得られにくくなり、寝つきの悪さにつながるのです。※2
3. ストレスホルモン「コルチゾール」の増加
夜勤による肉体的・精神的ストレスは、コルチゾールというホルモンの分泌を高める要因になると考えられています。コルチゾールは覚醒を促す性質を持つため、勤務の緊張やシフトの不安によって分泌が高止まりすると、昼夜を問わず眠りの質に影響を及ぼす可能性があるのです。
夜勤や交代勤務による慢性的なストレス状態も、免疫力の低下など健康全般に影響を与えやすいといえるでしょう。※2
4. 交代勤務睡眠障害(SWD)の発症リスク
夜勤や交代勤務が恒常的に続く生活を送っていると、「交代勤務睡眠障害(Shift Work Sleep Disorder:SWD)」と呼ばれる状態につながりやすいです。睡眠と覚醒のリズムが持続的に乱れるため、必要な睡眠が確保できない、日中に強い眠気が続くなどの症状が現れます。
週1回以上、あるいは月4回以上の夜勤で発生リスクが高まるとされ、診断基準も国際的に定められています。※3
5. 生活リズムの不規則化による慢性的な睡眠不足
日勤と夜勤を繰り返す働き方は、生活リズムが一定しにくいため「社会的時差ボケ」と呼ばれる状態に近づきやすいといわれています。シフトに合わせて睡眠時間が前後すると睡眠負債が少しずつ蓄積し、慢性的な睡眠不足につながりやすいのです。
日本の調査では、6時間未満の睡眠しか取れていない人が約4割にのぼるとの報告もあり、疲労感や集中力低下と関連していると考えられます。※4
関連記事:上級睡眠健康指導士監修|仮眠で起きれない人必見!原因と対策を徹底解説
夜勤前・夜勤中・夜勤明けの時間帯別対策法

夜勤の仕事をしているから日中の眠気や不調は避けられない、そう感じる方もいるかもしれません。しかし、時間帯ごとに工夫することでこうした症状を軽減できる可能性があります。
夜勤前・夜勤中・夜勤明けに分けて、実践しやすい方法を整理します。
夜勤前の準備|15~20分の戦略的仮眠の取り方
夜勤に入る前の数時間をどのように過ごすかは、その後の覚醒度に大きな影響を与えます。特に、開始の2時間ほど前に15~20分のパワーナップを取ると、夜勤中の眠気をやわらげる効果が期待できるでしょう。※2
仮眠後に軽く体を動かす習慣も、眠気をリセットしやすくなる効果が高いです。
光の調整も配慮しましょう。夕方以降は室内の照明を抑え、スマートフォンやパソコンを使う場合はブルーライトカット機能を使うのがおすすめです。カフェインの摂取は夜勤開始の1~2時間前までにとどめ、夜勤後のスムーズな入眠につなげましょう。
夜勤中の覚醒維持|分割仮眠vs連続仮眠の効果
夜勤中に眠気が強くなる場面では、仮眠の取り方を工夫すると有効です。広島大学の研究では、90分+30分の分割仮眠が120分の連続仮眠と同等の効果を示し、睡眠効率はそれぞれ96.2%と99.1%であることが確認されました。※5
つまり、分割仮眠は実用的な対策になり得ると考えられます。
加えて、仮眠後や休憩中に軽いストレッチを取り入れて自律神経の切り替えを促すと眠気軽減につながりやすいでしょう。夜勤中の照明は、やや明るめに保ちつつブルーライトを抑えた光源を選ぶと、覚醒維持がしやすくなります。
夜勤明けの過ごし方|睡眠環境を整える5つのポイント
夜勤を終えた後の時間は、いかに質の高い睡眠を取れるかが大切です。遮光カーテンで部屋を暗く保つ、室温をやや低めに調整する、耳栓やアイマスクを活用するといった方法は眠りやすくなる可能性を高めます。※6
朝外出する場合はサングラスを着用し、日光刺激をコントロールしましょう。体内時計の乱れを抑え、眠気対策として有効です。
さらに、寝る前の瞑想やホットアイマスクによるリラクゼーションもストレス軽減に役立ちます。昼寝は30~60分程度にとどめ、長時間になりすぎないように意識すると夜の睡眠に影響しにくいです。
関連記事:分割睡眠でも日中パフォーマンスを落とさない方法と寝具環境の最適解
厚生労働省推奨|6時間以上の睡眠時間を確保する方法

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、成人(20〜59歳)における適正な睡眠時間は6〜8時間とされています。※1
夜勤や交代勤務に従事する人であっても、この目安を意識して睡眠を確保することが、健康維持の観点から望ましいです。6時間以上の睡眠時間を確保する方法をいくつか紹介します。
勤務間インターバル制度の活用方法
勤務と勤務の間に一定以上の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」は、十分な睡眠時間を確保するための有効な仕組みです。夜勤の後から次の勤務までに休息を取れるため、疲労回復や体内時計の安定につながる可能性があります。※1
勤務間インターバル制度が導入されている職場に勤めているなら積極的に利用しましょう。制度が導入されていない場合でも、自主的に休息時間を取るよう意識することが大切です。
睡眠負債を解消する週末の過ごし方
平日の睡眠不足を週末にまとめて補ういわゆる「寝だめ」は、一見睡眠負債の解消に有効に見えますが、実は普段より2時間以上長く眠るとかえって体内時計が乱れるといわれています。※1
週末に睡眠時間を調整する場合は、平日との差を1〜2時間程度にとどめましょう。昼寝を取り入れるなど柔軟に調整しながら、睡眠負債を溜め込みすぎない工夫が必要です。
食事・運動・カフェイン摂取のタイミング調整
生活習慣の調整も、睡眠時間を確保するために重要な要素です。例えば夜勤明けには消化に負担のかかる食事を避け、軽めの食事を意識するといった習慣を続けると、スムーズに入眠しやすくなります。
就寝前の数時間はカフェインを控える、軽い運動やストレッチを日常に取り入れる等の習慣も睡眠の質を高めやすい方法です。体内時計のリズムを整え、睡眠負債を解消する手助けになるでしょう。※2
夜勤による健康リスクと早期対処の重要性

夜勤による睡眠不足や睡眠障害は、一時的なストレスにとどまらず、長期的に健康へ影響を及ぼす可能性があると考えられています。
日本人の睡眠実態調査では、6時間未満の睡眠しか取れていない人が全体の約4割に達しており、慢性的な睡眠不足が生活習慣病やメンタル不調と関連していることが指摘されています。こうした背景を考えると、睡眠不足への早めの対処が望ましいです。※4
睡眠不足が引き起こす5大健康リスク
慢性的な睡眠不足は、さまざまな健康リスクと関連してきます。代表的なものを以下に挙げます。※4
- 肥満:睡眠不足により食欲を調整するホルモンのバランスが崩れ、過食につながりやすいです。
- 高血圧:交感神経が過剰に働きやすくなり、血圧上昇を招く可能性があります。
- 糖尿病:インスリンの働きが低下しやすくなり、血糖コントロールに影響が出ることがあります。
- 心疾患:血圧や血糖の上昇が続き、動脈硬化や心臓への負担につながると考えられます。
- うつ病:睡眠不足は神経伝達物質の乱れと関係し、抑うつ症状が強まるリスクが高まります。
医療機関を受診すべきタイミングと症状
夜勤による不眠や強い眠気が続くなら、早めに専門機関へ相談しましょう。目安として、以下のような状態が2週間以上続くときは受診が必要です。※3
- 日中に強い眠気があり、業務や日常生活に支障を感じる
- 集中力や意欲が低下している
- 気分の落ち込みや不安感が強まっている
- 生活習慣の工夫や仮眠調整だけでは改善が難しい
こうした場合には、睡眠外来や専門クリニックでの相談が有効です。自己判断や放置は避け、医師による診断を受けてください。生活習慣の見直しだけでは得られにくい改善策を得られる可能性があります。
関連記事:うたた寝の効果を最大化する方法|15分で疲労回復する昼寝のコツと理想的な寝具選び
まとめ|夜勤の睡眠問題は適切な対策で改善できる
夜勤で眠れない悩みには、体内時計の乱れやホルモンバランスの変化、交代勤務睡眠障害など、複数の要因が関わっていると考えられています。一方で、夜勤前の戦略的な仮眠や勤務中の分割仮眠、夜勤明けの睡眠環境の整備といった対策を組み合わせれば、少しずつ改善の兆しが見えてくるでしょう。
厚生労働省が推奨する「6〜8時間の睡眠確保」を目標に、生活リズムを整えることが望ましいです。※1
遮光カーテンやアイマスクの活用、快適な寝具選びなどが役立ちます。特に体を支えるマットレスなどの質にこだわることも有効でしょう。
大切なのは、こうした工夫を一度だけで終わらせず、継続的に取り組むことです。小さな工夫を積み重ねることで、睡眠の質向上につながる可能性が高まります。必要に応じて専門医に相談しながら、無理のない形で調整してみてください。
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・参考










