仕事中に眠気で意識が飛ぶ原因と対策|マイクロスリープの危険性と改善方法
睡眠コラム by 石川 恭子2025年9月25日読了目安時間: 6

仕事中に眠気で意識が飛ぶ原因と対策|マイクロスリープの危険性と改善方法

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

昼下がりの会議で、ふと気づけば話の内容を聞き逃していた――そんな経験はありませんか。

私自身も以前、書類を入力していたはずなのに、気がついたら数行分が誤入力されていたことがありました。

どうやら一瞬だけ意識が途切れる「マイクロスリープ」が起きていたようです。わずか数秒でも脳がシャットダウンすると、仕事の効率や安全性に直結してしまいます。

本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、マイクロスリープの仕組みや危険性、そしてすぐに実践できる眠気対策や根本的な改善方法までを、医学的知見や調査データをもとにわかりやすく解説します。

仕事中に眠気で意識が飛ぶ「マイクロスリープ」とは

仕事中に眠気で意識が飛ぶ「マイクロスリープ」とは

マイクロスリープは、わずか数秒から15秒未満の短い睡眠状態に陥る現象とされ、瞬眠とも呼ばれます。本人に自覚がないまま脳が一時的に休止し、会議中に話を聞き逃したり、作業入力を誤ったりする症状が起きやすいです。その理由として、脳が過度の眠気に耐えきれなくなり、防御反応のように強制的なシャットダウンを起こしているためと考えられています。※1

こうした現象は仕事の効率や安全性に直結するため、注意が必要といえるでしょう。

マイクロスリープの定義と発生メカニズム

医学的には「15秒未満の短い睡眠状態」と定義され、脳波検査で確認されます。

慢性的な睡眠不足や睡眠負債が蓄積すると、脳が覚醒を維持できなくなり、意識しないうちにマイクロスリープが発生するのです。まるで脳の機能が強制終了するかのように、覚醒と睡眠の切り替えが起きるとされています。※2

マイクロスリープの3つの兆候

広島大学の研究では、マイクロスリープに関連する行動は大きく3つに分けられています。

第一に「抗眠気行動」と呼ばれるもので、顔を触ったり首を振ったり、繰り返しあくびをするような動作が観察されます。第二に「マイクロスリープ行動兆候」として、頭がカクンと落ちたり、瞬きの回数が極端に増えるといった変化が見られることがあります。第三に「車両挙動異常」として、運転中に蛇行が起きたり、ブレーキの反応が遅れるといった行動が見られ、危険な状況につながる可能性があります。※1

通常の眠気との違いと危険性

一般的な眠気は意識的に我慢できるのに対し、マイクロスリープは本人が自覚しないまま意識が途切れてしまうのが大きな違いです。

運転中や機械操作時に発生すると重大事故のリスクが高まります。交通事故事例の調査では、実際に52件のケースが関連していたとの報告もあるのです。※1

厚生労働省も、強い日中の眠気は睡眠障害の可能性があるとして警告を出しており、日常生活だけでなく安全面への配慮も求められます。

関連記事:上級睡眠健康指導士監修|午前中の眠気の原因とは?今日からできる対策5選

仕事中に意識が飛ぶ5つの主な原因

仕事中に意識が飛ぶ5つの主な原因

突然の強い眠気の背後には、生活習慣の乱れや病的要因など複数の原因が関わっていると考えられています。

たとえば不規則な生活やストレス、過労による心身の影響が重なり、仕事中に意識が途切れるような状態につながることもあるようです。仕事中に意識が飛ぶ代表的な5つの要因について解説します。

1. 慢性的な睡眠不足と睡眠負債

日本では、確保できる睡眠時間が6時間未満という人が男性で38.5%、女性で43.6%にものぼると報告されています。 ※9

短時間睡眠が続くと脳の覚醒度は下がり、日中に強い眠気を感じやすくなります。いわゆる「睡眠負債」が蓄積し、集中力や判断力にも影響が及ぶ可能性が高いのです。

2. 睡眠の質の低下

眠る前のスマホ利用や精神的ストレス、寝具の不適合などは睡眠の質を下げる要因になりやすいです。ただし、年代ごとの調査では、睡眠を妨げる要因は年齢層によって異なると報告されています。※6

質の良い睡眠が得られないと深い眠りに到達できません。それだけでなく、日中に意識が飛ぶリスクも高まってしまいます。

3. 睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が繰り返し止まり、脳が酸素不足で覚醒を余儀なくされる病気を睡眠時無呼吸症候群と呼びます。

無意識のうちに睡眠が分断されるため、いびきや起床時の疲労感、強い日中の眠気が発生しやすいです。適切な診断を受けないまま放置すると、高血圧や心疾患のリスクにつながる可能性が指摘されています。※3

4. ナルコレプシー・特発性過眠症

突然眠ってしまう「睡眠発作」や、笑った拍子に力が抜ける「情動脱力発作」が見られる場合、ナルコレプシーの可能性があるとされています。

一方、情動脱力発作は伴わず、長時間の睡眠にもかかわらず強い眠気が続くのは特発性過眠症の特徴です。どちらも神経系に関わる睡眠障害であり、早期の診断が望ましいです。※2

5. ストレス・過労による影響

長時間労働や強い精神的ストレスは、自律神経の乱れを招きやすく、睡眠の質を下げる要因になり得ます。

特に30〜40代の男性では「仕事」が睡眠を妨げる最大の要因とする調査結果も示されており、過労や精神的疲労が昼間の強い眠気に結びつく可能性が指摘されています。※6

関連記事:一日中眠い・だるい原因と対策|睡眠環境から生活習慣まで徹底解説

今すぐできる!仕事中の眠気対策5選

今すぐできる!仕事中の眠気対策5選

短時間でできる行動や環境調整によって、集中力を取り戻せる可能性が高まります。強い眠気を感じたときには、その場でできる工夫を取り入れてみましょう。

科学的知見に基づいた仕事中の眠気対策として、おすすめの方法を5つ取り上げます。

1. 10〜15分のパワーナップ(仮眠)の活用

10〜15分程度の短い仮眠は、脳のパフォーマンスを回復させやすいといわれています。昼休みや休憩時間に取り入れると眠気が軽くなりやすいです。

仮眠前にコーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物を飲んでおくと、カフェインの各精査用で目覚めがよりスムーズになりやすいとの報告もあります。※5

2. 眠気覚ましのツボ押し

首の後ろの「風池」、頭頂の「百会」、手の甲の「合谷」といったツボを軽く押すと、眠気がやわらぐことがあります。

ツボ押しは血流促進による体温上昇やリフレッシュ効果が期待されるため、オフィスで簡単に取り入れられる方法といえます。※7

3. 軽いストレッチと体操

デスクワーク中に首や肩を回す、立ち上がって全身を伸ばすといった簡単な動きも、眠気対策として効果的です。

血流が改善されることで脳に酸素が行き渡り、意識がはっきりしやすくなります。長時間座り続けて同じ姿勢を取らない工夫も大切といえるでしょう。※7

4. 適切な水分補給と栄養摂取

脱水や血糖値の乱高下は、眠気の原因になりやすいと考えられています。

こまめな水分補給に加えて、昼食でバランスよく栄養を摂るとよいでしょう。タウリンやGABAといった成分は覚醒度を保つ働きに寄与する可能性があります。※6

5. 作業環境の調整

明るさや室温、空気の入れ替えなどの環境調整は、集中力を維持する上で重要です。

室内の照明を明るめに設定する、室温を快適に保つ、こまめに換気を行うなどの工夫により集中して作業が進められます。パソコンやスマートフォンのブルーライトを意識的に利用して覚醒度を高めるのも一つの方法でしょう。※4

関連記事:医師監修 | 見過ごされがちな睡眠障害:ナルコレプシーの早期発見と対処法

根本的な睡眠改善のための4つのステップ

根本的な睡眠改善のための4つのステップ

一時的な眠気対策だけでなく、生活習慣や環境を見直すことで長期的に睡眠の質を高められる可能性があります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」でも、規則正しい生活リズムや環境調整などが推奨されています。※4

根本的な改善につながる4つのステップを紹介します。

1. 規則正しい睡眠リズムの確立

起床や就寝の時間を毎日ほぼ一定にする習慣をつけると、体内時計が安定しやすくなります。週末の「寝だめ」は体内リズムを乱す要因となりやすいためできるだけ避けましょう。

成人では6〜8時間程度の睡眠が推奨されていますので、無理のない範囲で睡眠時間を確保するよう意識してみましょう。※4

2. 就寝前の習慣改善

寝る直前のスマートフォンやPCの使用は、睡眠を妨げる要因になりやすいといわれています。20代の多くは就寝前にスマートフォンを使用しており、睡眠の質に影響を及ぼしているという調査結果もあります。※6

その他にぬるめのお湯での入浴や軽いストレッチ、リラックスできる読書などを取り入れると、眠りに入りやすくなるでしょう。

3. 睡眠環境の最適化

寝室の温度・湿度管理や遮光・防音の工夫は、深い睡眠につながりやすいとされています。公的ガイドラインでも、環境を整えることの重要性が示されています。※4 

寝具、特に体を支えるマットレスや重量のある頭の位置を決める枕を見直すと、快適な眠りを得やすくなるでしょう。

4. ストレス管理と運動習慣

ストレスがたまると自律神経が乱れ、眠りにも大きな影響を及ぼします。

有酸素運動やヨガ、瞑想などを日常に取り入れて、ストレスを緩和させましょう。リラックスできるだけでなく睡眠の質も向上しやすくなります。生活習慣病に関する調査でも、運動習慣を持つ人の方が睡眠の質が良好である傾向が示されています。※9

関連記事:上級睡眠健康指導士監修|仮眠で起きれない人必見!原因と対策を徹底解説

医療機関を受診すべきタイミング

医療機関を受診すべきタイミング

強い眠気が続くなら、単なる疲労ではなく病気が背景にある場合も考えなければいけません。睡眠外来など専門機関で相談し、早期に原因を把握できると安心です。

受診の目安と受診すべきかどうかのセルフチェック方法を紹介します。

危険なサインと受診の目安

毎日のように意識が途切れる、運転中に居眠りの危険を感じるといった症状は、早めの受診が推奨される重大なサインです。仕事や生活に支障が出ている場合も同様で、事故や怪我に遭う前に対策を取る必要があります。※5

気になる症状が続く際には、早めに医師に相談することが望ましいです。

睡眠障害のセルフチェックリスト

自分の眠気や睡眠の質を客観的に評価する方法として活用されているのが、エプワース眠気尺度(ESS)やアテネ不眠尺度です。

ESSでは「座って読書をしているとき」「会議中」などの場面ごとに眠気の強さを自己評価します。アテネ不眠尺度では、入眠のしやすさや夜間の中途覚醒の有無などを点数化し、不眠の傾向を把握します。※8

エプワース眠気尺度( Epworth sleepiness Scale;ESS )

参照:エプワース眠気尺度( Epworth sleepiness Scale;ESS ) | あおぞら成城駅前クリニック

受診する診療科と検査内容

睡眠に関する相談や受診は、睡眠外来のほか呼吸器内科や神経内科が適切です。症状によって確定診断に必要な検査が提案されます。

脳波や呼吸、心拍などを記録したデータから眠気の原因を調べる終夜睡眠ポリグラフ(PSG)が代表的な検査です。※3 

まとめ:仕事中の眠気は放置せず適切な対策を

仕事中に強い眠気で意識が途切れる状態は、マイクロスリープや睡眠障害など、単なる寝不足以外の要因が関わっている可能性も捨てきれません。

短期的にはパワーナップやストレッチなどの眠気対策を取り入れることで改善が見込めますが、根本的な改善には生活習慣や睡眠環境の見直しが不可欠です。また、日常生活や仕事に支障が出ている場合には、医療機関で早めに相談することが望ましいといえます。

良質な睡眠を確保するために睡眠改善の方法を実践して、健康と仕事のパフォーマンスを改善しましょう。

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・参考

※1 マイクロスリープに関する研究結果|広島大学

※2 マイクロスリープとは|阪野クリニック

※3 睡眠時無呼吸症候群について|長良内科クリニック

※4 睡眠対策 健康づくりのための睡眠ガイド2023|厚生労働省

※5「仕事中に眠気で意識が飛ぶ」ことはありませんか?医師が原因・対処法について解説!|Medical DOC

※6 睡眠と生活習慣に関する調査(2024年)|大正製薬

※7 眠気対策のツボとストレッチ|四国医療専門学校

※8 今年も1万人の睡眠実態を大調査『nishikawa 睡眠白書 2024』を9月3日「秋の睡眠の日」に発表 | nishikawa

※9 統計(睡眠・生活習慣関連のまとめ)|生活習慣病.com