睡眠コラム by 南 茂幸2026年6月24日読了目安時間: 5

頭痛と眠気が起こる原因は?女性に多い理由と対処法を解説

南 茂幸
理学療法士/睡眠コンサルタント

理学療法士の資格を持つ睡眠コンサルタント。睡眠について数名から100名以上の規模でセミナー講師として登壇、他にもコンサルティング、ラジオ出演、睡眠グッズ監修等幅広く活躍。「睡眠の質が人生の質」と捉え、睡眠は自分への投資であると考え、現在出版準備中。

「しっかり寝たはずなのに眠い」「頭が重くて仕事や家事に集中できない」「休日に長時間寝ても疲れが取れない」と感じたことはありませんか。頭痛と眠気が同時に続くと不安になりますよね。

頭痛や眠気は単なる睡眠不足だけでなく、睡眠の質の低下や生活習慣の乱れ、女性ホルモンの変化などが関係している場合があります。また、生理前のPMSや更年期障害、貧血、甲状腺の不調など女性に多い症状が背景に隠れていることもあります。特に「寝ても寝ても眠い」「朝から頭が重い」と感じる場合は、睡眠時間だけではなく睡眠の質にも目を向けることが大切です。

この記事では、頭痛と眠気が同時に起こる原因や女性に多い理由、受診を考えたい症状のサイン、今日からできる対処法まで詳しく解説します。

 

頭痛と眠気が同時に起こる主な理由

頭痛と眠気の原因を考えるとき、多くの人は「睡眠時間が足りないのでは?」と思うでしょう。

しかし実際には、睡眠時間だけでなく睡眠の質、特に睡眠休養感(朝、目覚めた時に感じる休まった感覚)が大切です。睡眠休養感が低下している場合は、睡眠不足だけでなく、ストレスや生活習慣などが大きく関係しています(※1)。

特に女性はホルモンバランスの変化を受けやすく、睡眠の状態も変化しやすいため、頭痛と眠気が同時に現れることも少なくありません。

※1:健康づくりのための睡眠ガイド2023

1. 睡眠不足と睡眠休養感の低下

睡眠不足によって頭痛や日中の眠気が起こることはよく知られています。しかし近年は、「何時間寝たか」だけでなく、「どれだけ休めた感覚があるか」という睡眠休養感が重要視されています。

例えば、7〜8時間寝ているのに眠い、朝起きても疲れが残る、夜中に何度も目が覚める、眠りが浅いと感じる、起床時に頭痛があるなどがある場合は睡眠休養感の低下が考えられます。

睡眠時間が十分でも睡眠の質が低いと、脳や身体が十分に回復できません。その結果、朝の頭痛や日中の強い眠気につながることがあります。

2. 生活習慣の乱れとストレス

生活習慣の乱れも頭痛と眠気の大きな原因です。例えば、次のような習慣は睡眠リズムを乱し、睡眠の質を低下させます。

  • 就寝・起床時間が毎日違う
  • 夜遅くに食事をする、朝食を抜く
  • 運動不足である
  • 寝る直前までスマホを見る
  • ストレスが多い

また、ストレスが続くと自律神経が乱れ、頭痛や倦怠感、眠気などの不調が現れやすくなります。

病気を疑う前に、まず生活習慣を振り返ってみることも大切です。

 

女性に多い頭痛と眠気の原因

女性の頭痛と眠気は、女性ホルモン特有の影響を受けることがあります。女性ホルモンは日中の眠気や睡眠に影響を及ぼし、月経、妊娠・出産、閉経など女性ホルモンが大きく変動するライフイベントで眠気などが起こります(※2)。

月経周期やPMS、更年期など、ライフステージごとの変化及び貧血や自律神経に合わせて眠気の原因を解説します。

※2:健康日本21アクション支援システム女性の睡眠障害

1. ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンは睡眠や体温調節に深く関わっています。

月経前症候群(PMS)

生理前になると、頭痛、眠気、むくみ、イライラ、気分の落ち込みなどの症状が現れることがあります。PMS(月経前症候群)では、生理前の1〜2週間に症状が出現し、生理が始まると軽くなるのが特徴です。出現頻度は、数%〜約80%と様々です(※3)。

毎月同じ時期に頭痛と眠気が出る場合は、月経周期との関係を確認してみましょう。

※3:こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)こころの病気 解説

更年期

40代後半から50代にかけては、更年期による女性ホルモンの急激な変化が起こります。更年期障害では、頭痛、眠気、ホットフラッシュ、発汗、動悸、疲れやすい、不眠などの症状がみられます。

「寝ても寝ても眠い女性」の中には、更年期による睡眠の質の低下が関係しているケースもあります。

関連記事:【医師監修】更年期で眠れない女性へ|不眠症状の原因と今夜からできる5つの改善法

2. 貧血や睡眠に関する疾患

鉄欠乏性貧血

女性は月経による出血の影響で貧血になりやすい傾向があります。鉄欠乏性貧血になると、全身へ十分な酸素が運ばれにくくなり、頭痛、眠気、めまい、疲れやすい、動悸などが現れることがあります。

特に月経量が多い人は注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に呼吸が止まる病気です。男性に多いイメージがありますが、女性にも起こることがあり、朝の頭痛や日中の強い眠気、いびき、夜中に目が覚める、集中力低下などが主な症状です。

睡眠時間は確保しているのに眠気が改善しない場合は、睡眠の質に問題がないか確認する必要があります。

関連記事:【医師監修】睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック方法

3. 自律神経の乱れ

自律神経は睡眠や体温、血圧などを調整しています。ストレスや不規則な生活が続くと自律神経のバランスが崩れ、頭痛、眠気、めまい、倦怠感、肩こりなどが起こりやすくなります。

特に更年期はホルモン変化によって自律神経も乱れやすいです。

 

注意したい病気と受診を考えるサイン

頭痛と眠気の多くは生活習慣やホルモン変化と関係していますが、中には医療機関への相談を検討するケースもあります。

1. 睡眠時無呼吸症候群

次のような症状がある場合は注意しましょう。

  • 大きないびき
  • 家族から無呼吸を指摘された
  • 朝起きると頭痛がある
  • 日中に強い眠気がある
  • 夜中に何度も目が覚める

このような症状があり、睡眠時間が十分でも眠気が改善しない場合は、専門医への相談を検討してください。

2. うつ病や抑うつ状態

心の不調が睡眠や頭痛に影響することもあります。気分の落ち込み、意欲の低下、集中力の低下、食欲の変化、眠れない、寝すぎてしまうなどのような症状が続く場合は注意が必要です。

無理をせず、医療機関や相談窓口へ相談しましょう。

3. その他のサイン

次のような症状がある場合は早めの受診を検討してください。

  • 突然の激しい頭痛
  • 手足のしびれ
  • ろれつが回らない
  • 発熱、嘔吐、意識がぼんやりする

これらの症状や急激に悪化する場合は、脳梗塞などの重大な病気が隠れている可能性もあるため、早めに受診しましょう。

 

自分の状態を見分けるセルフチェック

頭痛と眠気の原因を見つけるには、症状を記録すること(頭痛ダイアリー)が役立ちます(※4)。

以下の内容を2〜4週間記録してみましょう。

  • 頭痛が起きた日時
  • 頭痛の症状
  • 痛みの強さ
  • どのくらい続くか
  • 他に症状はあるか
  • 何があると頭痛がしやすいか
  • 服薬状況
  • 月経周期
  • 睡眠時間
  • 起床時の回復感
  • 日中の眠気
  • ストレス状況
  • いびきの有無
  • 居眠りの有無

記録を続けることで、PMSや更年期との関連、睡眠不足の傾向などが見えてくるだけでなく、受診時に医師に相談する際にも役立ちます。

※4:頭痛の診療ガイドライン2021

 

頭痛と眠気を軽くするために今日からできる対処法

睡眠休養感を作るためには、ストレスや食生活、運動など生活習慣の見直しが必要です。

1. 睡眠リズムと寝室環境を整える

頭痛と眠気を改善するには、睡眠の質を高めることが重要です。

具体的には、次の点を意識してみましょう。

  • 起床時間を一定にする
  • 朝日を浴びる
  • 寝る前のスマホを控える
  • 寝室を暗く静かにする
  • 室温と湿度を整える
  • 自分に合う寝具を選ぶ

睡眠環境を整えるだけでも、朝の頭痛や日中の眠気が改善することがあります。月経前や更年期の時期で無理をできない場合は、睡眠環境を整えることを意識するといいかもしれません。

関連記事:自分に合うマットレスは柔らかめ?硬め?上級睡眠健康指導士がじっくり解説!

2. 食事・運動・ストレス対策を見直す

生活習慣の改善も重要です。優先順位としては、朝食を食べる、夜遅い食事を避ける、軽い運動を習慣化する、カフェインやアルコールを見直す、ストレス解消の時間を作るがおすすめです。

一度にすべて変える必要はありません。できることから少しずつ取り組んでみてください。

 

頭痛と眠気に関するよくある質問

Q1. 寝ても寝ても眠いのは更年期のせいですか?

更年期の年齢の場合は、更年期が関係している可能性はあります。しかし、更年期だけでなく、PMS、睡眠不足、睡眠休養感の低下、睡眠時無呼吸症候群、貧血、甲状腺機能低下症なども考えられます。

40代・50代だからといって更年期だけで判断せず、ほてりや発汗、動悸、むくみ、体重増加などの症状も確認しましょう。

Q2. 頭痛と眠気があるときに市販薬を飲んでもよいですか?

市販薬で一時的に症状が軽くなることはあります。ただし、薬によっては眠気を強める成分を含むものもあったり、頻繁に服用すると薬物乱用頭痛の原因になる場合もあります。

症状が長引く場合や薬が効きにくい場合は医療機関へ相談しましょう。

 

頭痛と眠気が続く女性は原因を記録しながら早めに整えよう

頭痛と眠気が同時に起こる原因は、睡眠不足だけではありません。睡眠の質の低下や生活習慣の乱れに加え、PMS、更年期、鉄欠乏性貧血、甲状腺機能低下症、睡眠時無呼吸症候群、自律神経の乱れ、心の不調などさまざまな要因が関係します。

特に女性はライフステージによるホルモン変化の影響を受けやすいため、「寝ても眠い」「頭痛が続く」と感じたら月経周期や睡眠状態を記録してみましょう。生活習慣や睡眠環境の改善で軽減することもありますが、症状が長引く場合や危険なサインを伴う場合は早めの受診を検討することが大切です。

 

メタディスクリプション

頭痛と眠気が続く女性に向けて、睡眠不足や睡眠の質の低下、生理前のPMS、更年期、貧血、甲状腺の不調、睡眠時無呼吸症候群など考えられる原因を解説。受診を検討したい症状のサインや、今日からできる対処法、睡眠環境の整え方も紹介します。