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監修者

田中 貫平
医師・メンター・タッチベースドマインドフルネス/shinsetsu-tion考案者・Gallup認定ストレングスコーチ・インド中央政府公認ヨガインストラクター
2013年英国シェフィールド大学医学部卒。
手稲渓仁会病院にて初期研修後、2020年九州大学病院心療内科に入局。国際医療福祉大学成田病院では緩和ケアチームにも所属。2024年からはフリーランスの医師として活動している。一般の方から学生、経営者、スポーツ選手など幅広い層のクライアントに対して傾聴およびマインドフルネスの実践指導や心理療法を提供、あらゆる病気や未病(不眠症も含む)の治療や予防改善に取り組んでいる。
睡眠の専門家って、さぞかしストイックな眠り方をしているんだろう——そう思いますよね。22時就寝、寝る前はハーブティーと読書、寝室にスマホは持ち込まず…といったように。
ところが、心療内科医・田中先生に「ご自身の睡眠ルーティン、教えてください」と伺っててみたら、出てきた答えは予想のナナメ上。朝シャワー、寝る前YouTube、まさかの”枕なし”。 いわゆる「睡眠の基本」は関係ないようでした笑
しかし、よく聞いていくと——守るところと、ゆるめるところのメリハリが、すごく上手。完璧じゃないからこそ参考になる、田中先生のリアルな1日を公開します。
就寝・起床リズム:「5時台に起きればOK」のゆるさ
まず気になる就寝・起床時間。先生は基本、夜11時ごろに就寝。そして週3回、朝にオンラインのマインドフルネス瞑想会を主催しているため、その日は5時台に起床します。
ポイントは、起床時刻をきっちり決めていないこと。
しかも、ご本人いわく「この前は瞑想会に寝坊しました(主催者なのに)」。専門家でも寝坊する。なんだか安心しますよね。
休日は少しゆるめて、就寝は0〜1時ごろ、睡眠時間は平日より1〜2時間ほど多め。ただし、起き上がる時刻のブレは30分以内にとどめているそう。「寝る時間は遅らせても、起きる時間はできるだけ動かさない」——ここはさすが、押さえるべき基本を押さえています。
ナイトルーティン:寝る前YouTubeは”都市伝説”
「寝る前のルーティンは、特にない」と言い切る先生。それでも、ゆるやかな流れはあります。
夕食を済ませ、就寝の2〜3時間前を確保。そして寝る前は
積ん読、めちゃくちゃ分かります。そして見ているYouTubeの中身がまた個性的で、都市伝説系やサッカー日本代表のワールドカップ系の動画なのだとか。
Youtube動画を見てるんだけど、そんなに内容は入ってこなくて。なんとなく見てる感じなので、あんまり興奮もしないっていう感じですね
夢中になって覚醒してしまう”推し”の動画ではなく、ほどよくどうでもいい、刺激の少ないものを選ぶ。「何を見るか」より「興奮しないか」が、寝る前コンテンツ選びのコツかもしれません。
お風呂は基本、朝シャワー派。湯船は疲れたときに入るくらい。「寝る90分前に入浴」という王道も、先生のスタイルには必ずしも当てはまらないようです。
寝室は”禅”。お香は……買ったけど焚いてない
寝室環境のこだわりを聞くと、これまた潔い答え。
香りで深くリラックスできる人もいれば、動物の動画で癒される人もいる。「人それぞれでいい」としたうえで、先生自身は禅やお坊さんのように、とにかくシンプルにしたいタイプ。部屋もモノが少なく、すっきりしています。
温度や湿度も、特に神経質には管理していないそう。
マットレスは”凪(なぎ)”な感じが自分に合う。そして、まさかの枕なし
先生は弊社コアラの寝具についても少し意見を伺いました。
表層がやわらかく包み込み、下層がしっかり支える——その揺れない感じが、先生のおだやかな”凪”のような気質と重なる、と。
ただし、これは「このマットレスが正解」という話ではありません。寝返りの打ちやすさを重視する人もいるし、人によって合うものは違う。「無理なく、しっくりくるかどうか」で選ぶのが、いちばん大事なポイントです。
10年ほど前、マインドフルネス瞑想に没頭していた頃に読んだヨガの先生の本に「枕を使わない」とあり、以来ずっと枕なし。とはいえ最近は「横向きじゃないと寝つけない」ので、寝はじめは横向きから。専門家でも、自分の身体に合わせて柔軟にアップデートしているんですね。
💡 ここはマネしないで!:枕なしは先生の長年の習慣であって、万人向けの推奨ではありません。合わない枕で首が痛い…という人は、枕を外すより「自分の体格に合う高さに替える」ほうが安全です。
眠れない夜は、いっそ「寝ない」
「今夜は寝つけないな」という日、先生はどうしているのか。
日中に特別なストレスがなく、たまたま眠れないだけなら——いっそ吹っ切れて、映画など動画を見る。 潔い。
一方、緊張して眠れない・仕事を思い出してしまう、という人にはジャーナリングをすすめます。
頭の中にぐるぐる居座る考えを、紙の上に追い出して、物理的に手放す。お金も道具もいらない、今夜から試せるテクニックです。
“やらない”と決めていること
意外と基本を守っていないように見えて、「これはやらない」というラインはしっかり引かれていました。
- お酒(寝酒)を飲まない … 学生時代は飲んでいたものの、今は避けている
- ベッドで仕事をしない
- スマホを寝る場所に置かない(リビングに置く)
- 眠くなってから、はじめて布団に入る
「寝具は眠るためだけの場所」という線引きと、「眠くなってから横になる」というルール。地味ですが、睡眠の質を支える王道です。
モーニングルーティン:ここが本領発揮
夜はゆるめでしたが、朝のルーティンは別人のように一貫しています。
- 起床。カーテンは……開けない(「朝の光を浴びる」の真逆ですが、先生のスタイル)
- 腸の善玉菌のエサになる食物繊維のパウダーを水に溶かして飲む(夜は整腸剤)
- シャワーを浴びる
- 瞑想会がある日はオンラインのマインドフルネス瞑想
- 体が覚えている朝のストレッチ(15分)
- 座布団に座ってマインドフルネス瞑想(5分)。それが終わってカーテンを開く
- 朝食
ストレッチと座っての瞑想は、もう完全に体に染み込んだ”型”。
ただただ座って身体感覚を感じているだけみたいなマインドフルネス瞑想を、5分やります。
そして朝食のラインナップが、地味にすごい。プロテインシェイク、ミックスナッツ、レーズン、ダークチョコ2枚、えごまを加えた納豆、100%ピーナッツバター、りんご半個。調理らしい調理はなし。
睡眠の基本はゆるくても、腸活=食事には本気で投資している。 腸内細菌は、自律神経(迷走神経・副交感神経)を通じて脳とつながっています。腸を整えることは、めぐりめぐってメンタルと眠りを整えることでもあるのです。
ルーティンの正体は「決断を減らす」こと。でも…
スティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていた、という話と同じ。決断の回数を減らせば、頭のエネルギーを大事なことに使えます。
ただし、ここで先生は大切なことも付け加えます。ルーティンが万人に効くわけではない、と。毎日同じ服・同じ食事が「楽でいい」人もいれば、「気分が下がってつらい」人もいる。
つまり、ルーティン化は目的ではなく手段。 自分にとって「ラクや楽しいになる方向」に使うのが正解で、無理に詰め込む必要はないのです。
ちなみに:水分は”常温”、運動は”歩く”だけ
最後に細かいところを2つ。
水分補給は、できるだけ常温。体温に近い温度の飲み物を選ぶのが、身体にやさしいそう(毎回ではなく、ゆるく意識する程度)。
運動はジムに行かず、もっぱら「歩く」。 在宅で時間があれば朝に散歩、仕事帰りはなるべく歩く。日常のなかに自然と運動を溶け込ませるスタイルです。
完璧じゃない。むしろ「睡眠の教科書」から見たら、ツッコミどころもある。それでも田中先生がちゃんと眠れているのは、守るところ(起床リズム・寝酒・腸活・寝室=眠る場所)と、ゆるめるところ(カーテン・寝る前YouTube・お香)のメリハリが効いているから。
そして何より、以前の記事で語られた通り、「日中を満足して過ごす」ことが、いちばんの睡眠習慣なのです。
睡眠の基本を全部守れていない自分を、責める必要はありません。今日から1つ、自分に合いそうなものだけ、ゆるっと真似してみてください。
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(本記事は心療内科医・田中先生への対談取材をもとに構成しています。記載の習慣は先生個人のもので、効果には個人差があります。睡眠の不調が続く場合は医療機関にご相談ください。)











