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監修者

石川 恭子
コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。
「これがないと眠れない」と旅先にマイ枕を持参する人もいるくらい、枕に愛着を持つ人は多いようです。でも、今の枕、使って何年目ですか?いろいろ試して納得し、それなりの値段の枕を買ったんだけれど、最近、どうも朝起きた時に肩が凝っている……なんてことはありませんか?
実は枕にも寿命=耐用年数があります。しかも、その寿命は布団よりも短いのです。意外に知られていない枕の寿命について、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が徹底解説。枕の素材から、枕の寿命の見分け方、寿命を過ぎた枕を使うリスク、メンテナンス方法、買い替える際の選び方まで紹介します。
枕の寿命とは?一般的にどのくらい持つのか
冒頭で「枕の寿命は布団より短い」と言いましたが、ずばり、枕の寿命は平均2~3年です。一方、一般的な掛布団の寿命は5年~15年。つまり、布団とセットで同時に購入した枕は、布団よりはるか前に寿命が来てしまうのです。
なぜ枕の寿命は布団より短いのでしょうか。それには以下のような理由が挙げられます。
- 枕は1年365日毎日使用する。使用することで摩耗やへたりが進む。
- 頭の重さにより負荷がかかる。枕は体重の約10%もの重さがある頭部を日々支えている。
- 汗や皮脂の蓄積。頭皮は脳を冷却する役割を担っているため、身体の他の部位に比べ汗が多い。
また、寝心地がよい湿度や気温は、枕の寿命にとって最適かというと必ずしもそうではなく、枕の機能が低下することもあります。枕はカバーごしに頭にぴったりと接触するため汗や皮脂が浸透しやすく、衛生面でも菌やダニが繁殖しやすい状況にあります。
以上のことから、枕は定期的な交換が必要です。枕の素材はさまざまですが、素材によって耐久性や通気性が異なり、枕の寿命も違います。
2~3年と言われる理由
枕が寿命を迎える、とは、「枕が使用できない状態になった」時を指します。つまり、枕の機能面または衛生面に問題が生じた時点が寿命です。
機能維持の問題 | 枕がへたり、型崩れしている |
睡眠中の姿勢を保つことができなくなり、肩こりなどの問題が起きやすくなっている
|
衛生面の問題 | 枕の汚れが除去できない |
枕に菌やダニが繁殖しやすく、アレルギーや皮膚疾患の原因となることもある
|
枕の役割は、首を支え、睡眠中の姿勢を自然に保つことです。日々の頭や首の負担により枕は劣化し、型崩れを起こします。また、皮脂や汗が染み込むことで菌やダニが繁殖しやすくなります。洗濯だけでは内部の汚れは完全に除去できないため、衛生面と機能維持の観点から2~3年での買い替えが推奨されます。
素材によって寿命に差が出るメカニズム
枕の寿命は、毎晩かかる頭部からの圧、湿度、素材の耐久性、お手入れのしやすさによって左右されます。たとえば、そばがらは通気性が高い反面湿気を吸収しやすく、羽毛やウレタンはへたりやすい傾向があります。また、パイプやビーズは圧力によって変形することがあります。次の項で、素材別の特徴と枕の寿命の関係をもう少し詳しく説明していきます。
素材別の枕寿命と特徴
寝具の素材は寿命と寝心地に影響するため、自分に合った選択が重要です。快適な睡眠姿勢を維持できる素材を選び、体格、環境、好みに合わせることで寝心地は向上します。ただし、それぞれの素材に由来するデメリットもあるため、購入前に十分に検討しておきましょう。それぞれの特徴をわかりやすく表にしてみました。
そばがら枕:通気性に優れた伝統素材
そばがら枕は蕎麦の実を原料とした「そばがら」を詰めた枕です。蕎麦の実の部分を取り出して不純物を取り除き、しっかり乾燥させたものが「そばがら」です。
メリット | デメリット | 寿命 | メンテナンス |
通気性が良く夏場は快適。 | 吸湿性が高く、湿度が高いと劣化しやすい。 | 通常1~2年程度 |
・乾燥や天日干しで長持ちする。
・湿気によるカビに注意が必要なため、湿度管理と手入れが重要。 |
羽毛・羽根枕:ふんわり感が長持ちしにくい素材
羽毛枕か羽根枕かは、主に使われている羽根の種類と比率です。羽毛(ダウン)とは、水鳥の胸部に密生しているふわふわとした綿毛で、空気を含み、軽く保温性に優れていますが高価です。一方、羽根(フェザー)は水鳥の腹部や翼などに生えている軸のある羽毛のことです。羽毛(ダウン)を51%以上使用したものを羽毛枕と呼び、それ以下の比率のものを羽根枕と呼びます。
メリット | デメリット | 寿命 | メンテナンス |
ふんわり感が特長で頭を優しく包み込む。 | 湿気や圧力に弱い。 | 使用とともに柔らかさが失われ2~3年でへたりを感じる。適宜買い替えの検討が必要。 |
・定期的な乾燥が必要。
・洗濯は可能だが素材を傷めないよう注意が必要。完全に元の状態に戻すのは難しい。 |
ウレタン(低反発・高反発)枕:適切なお手入れで寿命UP
ウレタンとはプラスティックの一種であり、伸縮性、柔軟性、耐摩耗性、断熱性に優れた素材です。低反発ウレタンと高反発ウレタンの2種類があり、両者を組み合わせたハイブリッドウレタンも存在します。
メリット | デメリット | 寿命 | メンテナンス |
低反発:頭の形に沿ってフィット 高反発:サポート力に優れる |
紫外線、汗、湿気によって劣化しやすい。 | 寿命は約2~3年。枕のへたりや弾力性の低下は買い替えの目安。 |
・天日干しを避け、風通しの良い場所で陰干しする
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ポリエステルわた枕:扱いやすく手頃な万能タイプ
ポリエステルとは石油などを原料として化学的に合成された繊維の一種です。摩耗に強く、耐久性があり、シワになりにくく、速乾性に優れています。
メリット | デメリット | 寿命 | メンテナンス |
手頃な価格、洗濯しやすいので清潔をキープしやすい。 | ふんわり感は持続せず、へたりやすい。 | 寿命は約1~2年。 |
・こまめな手入れで多少は長持ちするものの、大幅な寿命延長は困難。
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パイプ・ビーズ枕:弾力と通気性を両立する素材
ストローをカットしたような形状のプラスチックのパイプビーズが中に入っているのが、「パイプ枕」、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック素材でつくられた非常に細かい形状のビーズが入っているのが「ビーズ枕」です。
メリット | デメリット | 寿命 | メンテナンス |
夏場でも蒸れにくい水洗い可能。弾力や硬さのバリエーションが豊富。 | ビーズは圧力で潰れやすく、パイプも変形や割れてサポート力が低下する可能性が。 | 寿命は通常2~3年。 |
・こまめなメンテナンスで長持ち。
・中身を入れ替えられる製品がおすすめ。 |
ラテックス枕:耐久性が高い天然素材
ラテックス枕とは、天然ゴム、つまりゴムの木の樹液を加工して作られた枕のことです。
メリット | デメリット | 寿命 | メンテナンス |
体圧分散性に優れ、弾力性が高い。天然由来の素材のため、通気性、抗菌性が高い。 | 湿気の多い場所ではカビが発生しやすい。 | 寿命は通常2~3年。 |
・定期的な陰干しと湿度管理が重要。
・適切な手入れを行うことで5年程度使用できる場合も。 |
寿命を過ぎた枕を使い続けるリスク
愛着のある枕を長年使い続けている人はあまり耳にしたくない話かもしれませんが、寿命が過ぎて頭部のサポート力が低下した枕を使いつづけると次のようなリスクを負うことになります。
- 寝姿勢が崩れ、首や肩こりの原因となる。
- 内部に隠れてダニやカビが繁殖。それらがアレルゲンとなり、アレルギーや肌トラブルを引き起こす可能性がある。
この点についてもう少し詳しく説明します。
不衛生な状態が続きやすく健康面にも悪影響
枕はカバーごしとはいえ肌に触れる寝具のため、汗や皮脂が蓄積されやすいのです。枕の寿命を超えると、洗っても汚れやニオイが落としきれなくなります。そうなると、枕の中身素材はダニやカビのかっこうの繁殖場所となり、アレルギー性鼻炎や肌荒れの原因になることも。衛生面でのリスクがあることを考慮しましょう。
睡眠の質の低下と肩こり・首痛の原因に
枕がへたると頭部や首の傾斜が適切に保てず、寝姿勢が悪くなります。その結果、朝目覚めた時にスッキリ感がなく、肩や首に違和感を感じることも。寝ている時に頭を支える部分が不安定になると寝返りが増え、その結果熟睡できず、睡眠の質が低下してしまいます。
枕の買い替えサインを見逃さないポイント
枕のへたりやニオイに注意し、異変を感じたら買い替えを検討しましょう。合わない枕は肩や首の痛み、頭痛、疲労感の原因になることがあります。枕の変化を見逃さないことが、快適な睡眠を得るために大切です。
へたりやボリュームの減少を感じたとき
枕の買い替え時期は、「中綿や素材が劣化し、枕の高さが低くなったと感じたとき」です。頭を乗せた際に底つき感があったり、弾力性の低下を感じたりしたら、交換を検討しましょう。
ニオイ・汚れが取れない場合
枕の寿命が近いサインには、以下の点が挙げられます。
- 洗濯や天日干しをしても、汗の臭いや不快な臭いが取れない
- 黒ずみや黄ばみなどの汚れが目立つ
このような状態は衛生的ではないため、新しい枕に交換し、清潔な睡眠環境を整えることをおすすめします。
朝起きたときに肩こりや首の痛みが続く
しっかり睡眠を取ったのに、起床後肩や首の痛みがむしろ悪化していると感じる場合、枕のサポート不足が考えられます。不安定な寝姿勢は疲労回復を妨げ、日常生活に支障をきたす可能性があります。枕の買い替えを検討しましょう。
枕以外の寝具の選び方が知りたい方はぜひ「【上級睡眠健康指導士監修】寝具のおすすめをプロが解説!快眠につながるマットレス・枕・ベッドフレームの選び方」の記事もチェックしてみてください。
枕の寿命を延ばすお手入れとメンテナンスのポイント
枕を長持ちさせ、快適な睡眠を得るためには、定期的にお手入れをすることが重要です。中身素材に合わせたメンテナンスを行うことで、枕の弾力性や清潔さを長く保てます。特にそばがら枕、羽毛・羽根枕など、吸湿性の高い素材は、こまめな乾燥や洗濯が効果的です。また、中身が洗えない素材の場合、枕カバーやシーツをマメに交換するだけでも、ダニやカビの繁殖を抑えることができます。
定期的に洗濯・干して湿気を飛ばす
洗える枕は定期的に洗濯し、洗えない枕も風通しの良い場所で陰干しすることで、湿気や臭いを軽減できます。湿気はカビの原因となるため、季節に合わせてお手入れしましょう。
カバーやパッドで汚れを防止
枕の清潔さを保つには、取り外し可能なカバーやパッドを頻繁に洗濯することが重要です。最近は特に夏場にさらっとした肌触りを保つことを目的とした枕パッドも人気です。肌触りにこだわりがある人は、自分に合った素材のパッドを選ぶと良いでしょう。
[肌ざわり別おすすめ素材]
- さらっとしたい→麻や麻混紡の素材
- 肌へのあたりが柔らかい→テンセルやシルクなどの天然素材
- 洗いたてを味わいたい→コットン素材
複数の枕を使って長持ちさせる
枕を複数用意し、交互に使うことで、洗濯や乾燥中でも常に清潔な枕を使用できます。枕をローテーションすると、ひとつひとつへの負荷を軽減し、へたりを防ぐ効果があります。長持ちさせるためには、湿度と圧力を連続・集中させないことが重要なので、枕も「お休み」させてあげましょう。
枕を処分する方法と注意点
枕の中身の素材や地域のゴミ分別ルールを事前に確認し、適切に処分しましょう。プラスチックや布など、外側や中身素材によって分別方法が異なり、可燃ごみとして処分できないものもあります。
素材別に分別して捨てるコツ
素材のところで説明した通り、ビーズ枕やパイプ枕は硬質プラスティックであり、こういった素材を処分する際は、中身と生地を分別するルールがある場合があります。それぞれの素材に適した分別区分に従って廃棄してください。自治体の定めるルールを必ず守り、環境に配慮した方法で処分しましょう。
サイズや地域ルールを確認する
小さめの枕は普通ゴミとして処分できますが、大きい枕や特殊な素材の枕は粗大ゴミとなることがあります。枕も「寝具類」として、設けられている布団類の収集日のみに出すよう指定している自治体もあります。自治体によってゴミの分別ルールが異なるため、事前に確認し、それぞれの規定に従って処分してください。
枕を買い替えるときの選び方
自分に合った枕を選ぶには、高さ、硬さ、素材を総合的に考慮し、実際に試して寝姿勢が保てるかどうかを確認することが大切です。睡眠スタイル、首・肩の悩みをサポートしてくれるかどうか、素材のメリット・デメリットを理解し、自分のライフスタイルに合った枕を選びましょう。
高さ・硬さを正しく選び、体に合った寝姿勢を保つ
人それぞれ頭や首の形が違うため、合う枕の高さや硬さも異なります。仰向けと横向きの両方で快適に眠れるよう、肩幅や首のカーブを考慮して枕を選ぶと、寝返りがしやすくなります。
素材別のメリット・デメリットを理解する
枕の素材のところで詳しく説明しましたが、ウレタン枕は優れたフィット感を持つ反面、通気性が低い点が課題と言えます。一方、ポリエステルわた枕は洗濯の容易さが魅力ですが、へたりやすいという欠点があります。こういった素材のデメリットをカバーしメリットを享受できるよう、素材を組み合わせた枕もあります。枕を選ぶ際、自分が日々のメンテナンスに費やせる時間を考慮して素材を選ぶと、枕のお手入れをあまり負担に感じずに済みます。
その点、高温多湿な日本の気候や、日本人のライフスタイルを徹底的にリサーチして開発された「コアラピロー」には、頭部の温度調整効果があります。本体の枕カバーは、なめらかな肌触りと吸湿性・放湿性が特徴の植物由来繊維であるテンセルであり、外して洗濯機で洗うことができます。
詰め物には、適度な弾力性と厚みのある100%ポリウレタンゲルフォームを使用。あらゆる寝姿勢で頭と首をしっかりサポートしてくれるゾーニング製法で、理想的な寝姿勢を保ってくれます。
サイズを意識して寝返りをスムーズに
寝返りをスムーズにするには、肩幅と頭のサイズに合った枕を選ぶことが重要です。枕が小さすぎると頭が落ちやすく、大きすぎると首に不自然な角度が生じやすいため、適切なサイズを選ぶことで睡眠時のストレスを軽減し、疲労回復を促します。
オーダーメイド枕という選択肢
オーダーメイド枕は、個々の首や頭の形状、寝姿勢に合わせてカスタマイズし作製される枕です。その分高価ですが、使用者の満足度は高いとされています。慢性的な肩こりや首の痛みに悩む人にとって効果的であり、カウンセリングと微調整を通じて体にぴったりとフィットしやすいというメリットがあります。
ただ、自分にぴったりの高さの枕を作ったとしても、寝姿勢の好みが変わる・使い方が適切ではない・枕の寿命が来た、などの理由で、自分に合わなくなる場合もあると念頭に置いておきましょう。
たとえば、一時期バスタオルを重ねていって自分の理想の高さにし、枕として使う「タオル枕」がブームとなったこともありましたよね。自分の理想の高さを手軽に試せるのは良い点ですが、寝ている間に頭の圧力や寝返りによる動きなどで形が崩れ、かえって疲れてしまうという意見も多かったようです。
まとめ
枕の平均寿命は2~3年です。快適な睡眠と健康維持のため、素材に合わせた適切な手入れと定期的な買い替えで、体に合った寝姿勢と清潔さを保ちましょう。
寿命が過ぎた枕は健康上のリスクが高くなってしまうため、へたり・臭い・汚れなど、買い替えのサインを見逃さず、定期的にチェックすることが重要です。自分に合った枕を見つけて、質の高い睡眠を実現しましょう。
もし硬めの枕が好きなら、上でちらっと述べた「コアラピロー」をチェックしてみてください。日本人の体形や好みに合わせて理想的な弾力と厚みを追求した枕です。
お客様の声
★★★★★
最高です
もう何年も枕難民をしていましたが、やっとこれだ!と思える枕に出会えました。
私はマットレスの良さに感動してあとから買ったのですが一緒に買って後悔ないと思います!枕難民の方はぜひ試してみてください。
★★★★★
いい枕
しっかりとしていて頭を支えてくれている感じがします。肩の部分を少し乗せて使用するとホールド感が増して、私好みです。カバーをつけて使用していますが、ジップ付きのものだと少し窮屈なので、袋状のタイプの方が余裕がありいいと思います。
★★★★★
睡眠の質を向上するためにはコアラの寝具を!
眠りが浅くなかなか満足のいく睡眠を取ることができていませんでした。そこで今回はコアラピローを購入させていただきました。ちょうどいい硬さと高さが私には合っていたみたいで深い眠りにつくことができています!また、マットレスも購入させていただき、枕とマットダブルで使用することでさらに睡眠の質が向上しています。皆さんもぜひ試してみて欲しいです!