ふとんとマットレス
寝具コラム by 石川 恭子2026年5月26日読了目安時間: 6

布団とマットレスはどっちがおすすめ?選び方と併用する際のポイントを解説

「布団とマットレス、どちらを選べばいいんだろう」と一度は悩んだ方は多いのではないでしょうか。引っ越しや新生活のタイミングで寝具を揃える時、種類が豊富すぎて判断しにくいですよね。実は、おすすめの寝具は住環境や体の悩み、使い方、予算などによって異なります。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、布団とマットレスの違いや向いている人、さらに併用する際のポイントを詳しく解説します。

布団とマットレスの違い

石川 恭子
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布団とマットレスはどちらも「寝るための敷き物」ですが、構造や使い方には大きな違いがあります。

どちらが自分に合うかを判断するためにも、まずはそれぞれの特徴を整理しておきましょう。以下の比較表をご覧ください。

項目 布団(敷き布団) マットレス
構造 綿・ポリエステルなど繊維素材を重ねたもの ウレタンフォームやスプリングなどで体を支える
厚み 約 5〜10cm 約 10〜30cm
体圧分散 比較的低い(素材による) 高い(特に高反発・ポケットコイル)
収納性 折りたたんで押し入れに収納できる 基本的に折りたたみ不可(三つ折りタイプを除く)
メンテナンス 天日干しが可能 ローテーションや立て掛けが中心
寿命の目安 3〜5年程度 5〜10年程度(素材による)
価格帯 3,000円〜3万円程度 1万円〜10万円以上

このように、布団とマットレスはそれぞれ異なる強みを持っています。

違い1. 構造・厚み・体圧分散

布団(敷き布団)は、綿やポリエステル、ウレタンなどの繊維素材を重ねて作られており、厚みは5〜10cm程度が一般的です。柔らかい素材で体を包むような感覚が特徴ですが、厚みが薄い分、フローリングに直接敷いた場合は床の硬さを感じやすいです。また、体の重みが特定の部位に集中しやすく、腰や肩への負担が出やすい点は要注意です。

一方、マットレスはウレタンフォーム(高反発・低反発)やスプリング(ポケットコイル・ボンネルコイル)など、さまざまな構造を持つ寝具です。厚みは10〜30cm前後のものが多く、しっかりした反発力で体全体を支えます。

寝返りのしやすさという観点では、高反発マットレスが有利です。適度な反発力が体の動きを助けるため、就寝中に自然な寝返りを打ちやすくなります。布団でも質の良い素材を使えば寝返りはできますが、体の沈み込みが大きいものは寝返りに余分な力が必要になることがあります。

比較項目 布団 マットレス(高反発)
厚み 5〜10cm 10〜30cm
体圧分散 △(素材による)
床つき感 出やすい ほとんどない
寝返りのしやすさ
寝姿勢の保持 ○〜◎

違い2. 耐久性・メンテナンス・収納性

寝具を長く使うためには、耐久性とメンテナンスのしやすさも重要なポイントです。布団・マットレスそれぞれの特性を把握して、日々のお手入れのイメージも含めて選びましょう。

布団の寿命は素材にもよりますが、一般的に3〜5年程度とされています。綿布団は打ち直し(中綿の入れ直し)によって長く使えますが、ポリエステル素材は数年でへたりが出てくることが多いです。天日干しで湿気を飛ばすことができるメリットがある一方で、フローリングに敷きっぱなしにすると湿気がたまりやすく、カビが発生するリスクがあります。

マットレスの寿命は種類によって大きく異なります。ボンネルコイルは5〜8年、ポケットコイルは7〜10年、高反発ウレタンは5〜8年が目安です。定期的にローテーション(上下・表裏の入れ替え)を行うことで、特定の部位だけが劣化するのを防ぎ、寿命を延ばすことができます。マットレスは天日干しが難しいため、壁に立て掛けて風を通したり、除湿シートを活用したりするとよいでしょう。

収納性は布団の方が圧倒的に優れています。三つ折りにして押し入れやクローゼットへ収納できるのは大きなメリットです。マットレスは基本的に敷きっぱなしが前提で、一部の三つ折りタイプを除けば毎日の収納は現実的ではありません。

比較項目 布団 マットレス
寿命の目安 3〜5年 5〜10年(素材による)
天日干し できる 難しい(立て掛けが基本)
ローテーション 特になし 定期的に推奨
収納性 高い(折りたたみ可能) 低い(三つ折りタイプを除く)
カビ・ダニ対策 天日干しで対応可能(※軽減はできるものの防止にはならない) 除湿シート・通気が重要

違い3. 費用感

布団の価格帯は幅広く、ポリエステル素材の手頃なものであれば3,000円〜1万円程度で購入できます。羽毛布団や綿布団になると2〜5万円以上になることもありますが、初期コストは比較的抑えやすいです。

マットレスは素材や構造によって価格が大きく異なります。ウレタン1枚タイプの薄型マットレスなら1〜3万円程度から、ポケットコイルや高反発の上位モデルは4〜8万円、ラテックス素材や高級スプリングを使ったものは10万円以上になることもあります。

ただし、購入時の価格だけで判断するのは避けてください。たとえば、1万円の布団を3年ごとに買い替えるとすると10年間で約3.3万円かかりますが、5万円のマットレスが10年持てば1年あたりのコストは5,000円です。長期的な視点でコスパを考えると、品質の良いマットレスの方が割安になることも少なくありません。安価なマットレスは1〜2年でへたりが出ることも多いため、毎日使うメインの寝具としては「購入価格 ÷ 想定使用年数」で1年あたりのコストを計算して選びましょう。

関連記事:マットレスの種類や選び方のポイントを徹底解説!自分に合うマットレスはどれか探してみよう

布団とマットレスはどっちがおすすめ?

「布団とマットレスの特徴の違いは分かったけれど、結局自分に合うのはどちらかが判断できない」と思う方もいるでしょう。

石川 恭子
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そこで、ライフスタイルや住環境によって向いている人の特徴をまとめました。
タイプ こんな人に向いています
布団 和室中心の暮らし、部屋を広く使いたい、来客用に兼用したい、コストを抑えたい
マットレス 腰・肩の負担が気になる、毎日の上げ下ろしが面倒、長く使いたい、ベッドフレームと組み合わせたい
布団+マットレスの併用 フローリングで湿気が心配、布団の肌触りとマットレスの体圧分散を両立したい

布団が向いている人

布団の最大の魅力は、その軽量さとコンパクトさにあります。使わないときは折りたたんで収納できるため、部屋を広く使えるのが特徴です。

和室が中心の暮らしなら、畳の上で使いやすい布団が使いやすいでしょう。来客が多い家庭では、普段は押し入れにしまっておいて必要なときだけ出せる布団の収納性が重宝します。部屋が狭く、昼間は布団を上げて広く活用したいという一人暮らしの人にも布団は適しています。まずは低コストで寝具を揃えたいなら、布団の方が気軽に始められるでしょう。

ただし、フローリングに直接敷く場合は湿気対策が必須です。すのこや除湿シートを活用しないと、布団の裏側にカビが発生しやすくなる点は注意しましょう。

マットレスが向いている人

マットレスは、体圧分散性の高さ毎日のメンテナンスの手軽さが大きな魅力です。

腰や肩への負担が気になる人には、体圧を均等に分散してくれるマットレスがおすすめです。特に高反発タイプは、適切な反発力で腰が沈み込みすぎるのを防ぎ、自然な脊椎のS字カーブを維持しやすいとされています。毎日の布団の上げ下ろしが面倒と感じている人や、ベッドフレームと組み合わせてすっきりとした寝室を作りたい人にも、マットレスはぴったりです。

また、寝具にできるだけ長く投資したいという人にもマットレスが向いています。品質の良いマットレスは7〜10年の使用に耐えるものも多く、長期的なコスパの観点でも優れています。

併用が向いている人

布団とマットレスを重ねて使う「併用スタイル」は、それぞれのメリットを組み合わせた選択肢です。マットレスの体圧分散力と布団の吸湿性・肌触りを両立できるため、どちらか一方を完全に諦めたくない人に向いています。

特に、フローリングで生活していて床の冷たさや硬さが気になる人には効果的です。マットレスが床からの冷気や硬さを遮断し、上の布団が汗を吸収してくれるという役割分担ができます。布団派からマットレスへの移行を検討しているけれど、まだ踏み切れないという人にとっても、まず薄型マットレスを布団の下に敷いてみるという形で試しやすいでしょう。

布団とマットレスを併用するときのポイント

石川 恭子
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布団とマットレスの併用は、寝心地と肌触りの両方を妥協しない選択肢として魅力的です。

ただし、敷き方を間違えると寝姿勢が崩れたり、湿気がこもってカビの原因になったりすることもあります。正しい使い方のポイントを2つ解説します。

重ねる順番|マットレスの上に敷布団が一般的

布団とマットレスを併用するときは、基本的にマットレスの上に敷布団という順番で敷きます。

マットレスを下に置くことで、床からの硬さや冷気を遮断しつつ、スプリングやウレタンの体圧分散機能を最大限に活かせます。その上に敷布団を重ねることで、布団の吸湿性と肌に触れたときの柔らかさや温かみが加わり、快適な寝心地が得られます。

マットレスを布団の上に重ねるとマットレスの体圧分散機能が正しく発揮されないだけでなく、安定性も低下して寝返りのたびにズレやすいです。

なお、最近は、敷布団の代わりにトッパー(薄型のマットレスパッド)を使う方法も人気があります。トッパーは5cm程度の薄型マットレスで、既存のマットレスの上に重ねることで寝心地を微調整できます。布団よりも体圧分散に優れており、洗いやすい素材のものも多いため、清潔に保ちやすい点もメリットです。

湿気・カビ対策

人は1晩の睡眠中にコップ1杯分(約200ml)の汗をかくといわれており、代謝がよい人や夏場は500〜800mlに達することもあります。その水分がマットレスや布団に吸収され、特にフローリングに直接敷いている場合は水分が下へ逃げ場を失い、マットレスの底面や床との間にカビが発生する原因になります。

湿気やカビのリスクを抑えるために最も手軽な方法は、除湿シートをマットレスや布団の下に敷くことです。除湿シートは余分な水分を吸収してくれるので、カビ発生のリスクを大幅に下げます。吸湿センサー付きのものを選ぶと、干すタイミングがひと目でわかって便利です。

すのこを床とマットレスの間に挟む方法も効果的です。床面との間に空気の通り道ができるため、湿気がこもりにくくなります。折りたたみ式のすのこを使えば、布団と一緒にコンパクトに収納できます。

週に1〜2回はマットレスや布団を立て掛けて風を通す習慣をつけましょう。天気の良い日に天日干しできる布団なら、午前10時〜午後3時の間に両面をそれぞれ2〜3時間干すのが効果的です。朝起きたときに寝室の窓を開けて換気するだけでも、室内の湿度を下げるのに役立ちます。これらの対策を組み合わせることで、湿気によるトラブルを防ぎながら長く快適に使い続けることができます。

関連記事:敷布団の上にマットレスを重ねていいの?マットレスや敷布団の2枚重ねはOK?寝心地が悪い場合の対処法をご紹介

布団とマットレスに関するよくある質問

布団とマットレスについて、よく寄せられる疑問にお答えします。

石川 恭子
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購入前に気になっている点があれば、ぜひ参考にしてください。

Q1. マットレスがあれば敷布団はいらない?

基本的にはマットレス単体で寝心地は完結するため、敷布団は必須ではありません。現代のマットレスは体圧分散・寝返りのサポート・通気性など、寝具としての機能を1枚で備えていることがほとんどです。

ただし、肌に直接触れる素材の肌触りや、汗の吸収を重視するなら、マットレスの上に薄手の敷きパッドや敷布団をシーツ感覚で重ねるのもひとつの方法です。この場合、厚手の敷布団ではなくトッパーや敷きパッドの方が寝姿勢への影響が少なく、お手入れもしやすくなります。

Q2. 布団派からマットレスに切り替えるときの注意点は?

長年布団で寝てきた人がいきなり厚手のマットレスに替えると、寝心地のギャップで違和感や体の痛みを覚えることがあります。これは、体が新しい寝具の硬さや反発感に慣れていないためです。

布団の感覚に近い寝心地から始めるなら、三つ折りタイプや薄型(5〜10cm)のマットレスから試してみてください。折りたたんで収納できるため、布団感覚で使えます。また、購入時には返品保証やお試し期間の有無を確認しておくと、万が一合わなかった場合も安心です。トライアルや返金保証を設けているブランドも増えていますから、お試し感覚で使ってみるのもよいでしょう。

Q3. 安いマットレスでも問題ない?

来客用や短期間の使用、サブ寝具としての利用であれば、1万円以下の低価格帯マットレスでも十分なケースが多いです。

ただし、毎日メインで使うマットレスとして長期間使うつもりなら、安価なマットレスは素材の密度が低いことが多く、1〜2年でへたりが出て寝心地が急激に悪化することがあるため注意が必要です。結果的に2〜3年ごとに買い替えることになり、長期的なコストパフォーマンスはよくありません。「購入価格 ÷ 想定使用年数」で1年あたりのコストを比較して、判断しましょう。

Q4. 腰痛持ちの場合、布団とマットレスどちらがおすすめですか?

腰痛がある場合は、体圧分散性の高いマットレス、特に高反発タイプが選ばれやすい傾向があります。高反発マットレスは適切な反発力で腰が深く沈み込むのを防ぎ、脊椎の自然なS字カーブを維持しやすいため、腰への負担を軽減する効果が期待できます。

布団は比較的薄く、フローリングに直接敷いた場合は床の硬さが体に響きやすいため、腰の負担が気になる人には長期使用は難しいかもしれません。ただし、畳の上に厚手の布団を敷いたり、布団の下に薄型マットレスを重ねたりすることである程度は改善できます。腰痛が深刻な場合は、整形外科や睡眠の専門家への相談も検討してみてください。

まとめ|ライフスタイルに合わせて布団やマットレスを選ぼう

本記事では、布団とマットレスの違いや向いている人、併用する際のポイントを解説してきました。

どちらが「正解」かは一概には言えません。住環境・体の悩み・使い方・予算など、ご自身のライフスタイルや優先順位に合わせて選ぶことが何より大切です。フローリングで収納スペースが限られているなら布団が合うかもしれませんし、腰の痛みが気になるなら高反発マットレスへの投資が長い目で見て得策かもしれません。

また、「布団かマットレスか」という二択にこだわらず、薄型マットレスを下に敷いて布団と組み合わせる「いいとこ取り」のスタイルも選択肢のひとつです。

まだどちらを選ぶか迷っているなら、返品保証やお試し期間のある商品を選ぶのがおすすめです。実際に使ってみてから判断できるので、失敗のリスクを減らしながら自分に合う寝具を見つけられます。良質な睡眠は毎日の生活の質を大きく左右しますので、ぜひ自分にぴったりの寝具で快適な眠りを手に入れてください。

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