寝具コラム by 石川 恭子2026年8月27日読了目安時間: 5

暑くて寝れない時のためのグッズ5選|体を冷やす方法と寝室環境の整え方

「エアコンの風が苦手で、つけっぱなしにすると体がだるくなる」
「電気代が気になって、暑くても冷房をつけるのをためらってしまう」
「寝室にエアコンがないから、市販のグッズで何とかしたい」

暑くて眠れない夜は、寝室の温度と湿度を整えたうえで、冷感寝具や冷却グッズを補助的に使うのがおすすめです。

接触冷感の敷きパッドや冷却枕、扇風機などを取り入れると、体にこもった熱や寝汗による不快感を抑えられます。ただし、グッズだけでは室温を下げられないため、暑さが厳しい日はエアコンを我慢しすぎないことも大切です。

この記事では、暑くて寝られない夜に役立つグッズ5選をはじめ、背中や頭・首を効率よく冷やす方法、エアコンと扇風機の使い方まで解説します。

お金をかけずにできる工夫や熱中症が疑われるときの対応も紹介するので、自分の状況に合った暑さ対策を見つけてください。

暑くて寝られない夜におすすめのグッズ5選

寝苦しさをやわらげるグッズを、役割ごとに以下の5種類紹介します。

グッズ 主な役割
接触冷感の敷きパッド・枕カバー 触れた面から体の熱を逃がす
冷却枕・保冷グッズ 頭や首まわりを局所的に冷やす
扇風機・サーキュレーター 気流をつくって体感温度を下げる
除湿機・エアコンの除湿機能 湿度を下げて汗を蒸発しやすくする
通気性・吸湿性のあるパジャマと寝具 蒸れとべたつきを抑える

1. 接触冷感の敷きパッド・枕カバー

接触冷感寝具は、肌の熱が生地へ移ることで、触れた瞬間に冷たく感じるアイテムです。体が長く触れる敷き寝具や枕カバーに使うと、涼しさを感じやすくなります。

冷たさの度合いを示す指標が「Q-max値」です。JIS L 1927では室温より10℃高い状態で測定部を当てて測り、同規格の附属書Bには、Q-max値0.100W/cm²以上を接触冷感性がある目安とする評価例が示されています。※1

ただし、温度差20℃で測って0.2以上という独自基準の試験機関もあるため、数値は測定条件とセットで確認しましょう。※2

また、Q-max値は触れた瞬間の熱移動量を示す数値であり、冷たさの持続性や通気性を直接示すものではありません。接触冷感グッズはQ-max値だけで判断せず、素材や吸湿性、洗濯のしやすさもあわせて選んでください。

2. 頭や首を冷やす冷却枕・保冷グッズ

頭や首のほてりが気になる方は、冷却枕や保冷グッズを短時間使ってみましょう。寝入りに熱がこもりやすい部分を冷やすことで、暑さによる不快感を減らせます。

保冷剤を使う場合は、必ずタオルで包んでください。肌へ直接当てたり、同じ場所を長時間冷やしたりすると、凍傷などを引き起こすおそれがあります。

なお、おでこに貼る冷却シートも暑さをやわらげるアイテムですが、室温調整や熱中症対策の代わりにはならない点に注意してください。

3. 扇風機・サーキュレーター

風があるほうが涼しく感じる方には、扇風機が適しています。サーキュレーターは、エアコンの冷気を寝室全体へ循環させたい場合に便利です。

扇風機やサーキュレーターの風が体へ直接当たり続けると不快感や冷えにつながるため、首振り機能を使うか、天井や壁に向けて風を送りましょう。跳ね返ったやわらかい気流を利用すると、温度ムラを抑えやすいです。

ただし、扇風機やサーキュレーターだけでは室温を下げられません。寝室そのものが暑い場合は、無理に我慢せずエアコンと組み合わせてください。

4. 除湿機・エアコンの除湿機能

気温はそれほど高くないのに蒸し暑い夜は、湿度を下げる対策を行いましょう。まずは、温湿度計で寝室の状態を確認してください。

湿度が下がれば寝汗が蒸発しやすくなるため、同じ室温でも過ごしやすくなる場合があります。エアコンの除湿運転は機種によって仕組みが異なるため、室温が下がりすぎたら設定温度を上げましょう。

ただし、除湿機のなかには運転中に室温が上がる製品もあります。室温が高い真夏の夜は、除湿機だけに頼らず、エアコンの冷房または除湿運転と使い分けることが大切です。

なお、マットレスの下に敷く除湿シートは、寝具にたまった湿気を吸収するためのものです。寝室全体の湿度を下げるグッズではないため、目的を分けて使用しましょう。

5. 通気性・吸湿性のあるパジャマと寝具

汗や蒸れが気になる方は、通気性・吸湿性に加え、肌へ張り付きにくいパジャマや寝具を選びましょう。※3

綿は汗を吸いやすく、麻は通気性とさらりとした肌ざわりが特徴です。化学繊維を使った製品には、吸水速乾や接触冷感などの機能を持たせたものもあります。

ただし、素材名だけで決めるのはNGです。生地の織り方や厚み、乾きやすさも確認し、体を締めつけないサイズを選んでください。

なお、夏向けのパジャマについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:夏に使うパジャマの生地は何がいい?素材の特徴と選ぶポイントを解説

暑い夜は背中や頭頸部を局所的に冷やす

暑い環境では、体表面積が大きく熱がこもりやすい背中や頭頸部を局所的に冷やすことで、睡眠の質が改善する可能性が報告されています。※4

ただし、室温を下げる方法との優劣は確かめられていません。局所的な冷却は、寝室の温度を整えたうえでの補助的な対策と考えましょう。

それぞれの部位を冷やす主な方法は、次のとおりです。

  • 背中:接触冷感の敷きパッドや冷却ジェルマットを敷く
  • 頭・首:冷却枕やタオルで包んだ保冷剤を当てる
  • 首の付け根・脇の下:短時間、保冷剤を当てて熱を逃がす

冷やしすぎや凍傷を避けるため、保冷剤を肌へ直接当て続けないでください。心地よいと感じる範囲で、冷やす時間を調整しましょう。

グッズと合わせてやりたい部屋と体の冷やし方

グッズを買わなくてもできる工夫を組み合わせると、効果が上がります。とくに実践したい対策は、以下の3つです。

  1. 日中の日差しを遮って室温上昇を抑える
  2. 就寝1〜2時間前に入浴する
  3. 熱中症の症状があれば体を冷やす

1. 日中の日差しを遮って室温上昇を抑える

夜の寝室を涼しく保つには、日中から窓へ入る日差しを遮っておきましょう。日中に室内に熱が蓄えられすぎると、日が沈んだあとも寝室の室温が下がりにくいです。

すだれや外付けシェードを使える場合は、窓の外側で日差しを遮ると室温上昇の効果が得られます。難しい場合は、遮光・断熱カーテンやブラインドを活用してください。※5

夜に換気するのは、屋外のほうが涼しく、防犯上も問題がない場合に限ります。外も高温多湿なら、窓を閉めてエアコンを使ったほうが寝室を整えやすいでしょう。

2. 就寝1〜2時間前に入浴する

寝つきをよくしたい場合は、就寝の1〜2時間前を目安に入浴しましょう。

ぬるめと感じる湯に浸かると一時的に体温が上がり、その後、手足から熱が逃げる過程で眠気が出やすくなります。熱すぎる湯や就寝直前の長風呂は、体への刺激が強いため避けてください。

暑い日は無理に長く浸からず、体調に合わせて湯温と時間を調整しましょう。湯船に入るのが難しいときは、温かいシャワーを浴びるだけでもかまいません。

3. 熱中症の症状があれば体を冷やす

以下の症状がある場合は、熱中症を引き起こしている可能性があります。

  • めまい
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 大量の発汗
  • 強い倦怠感 など

夜間や室内でも熱中症は起こるため、暑さを我慢してはいけません。熱中症が疑われるときは、次の対応をとりましょう。※6

  • エアコンが効いた室内など、涼しい場所へ移動する
  • 衣服をゆるめ、体にこもった熱を逃がす
  • 首の周り・脇の下・足の付け根を冷やす
  • 意識がはっきりしていれば、経口補水液などで水分を補給する

自力で水を飲みこめない、意識がもうろうとするといった場合は、我慢せずにすぐ救急車を呼んでください

暑くて寝られないのはなぜ?

暑くて眠れない主な原因は、以下の2つです。

  1. 深部体温が下がりにくくなるため
  2. 湿度が高いと汗が蒸発しにくいため

1. 深部体温が下がりにくくなるため

眠気は、体の内側の温度(深部体温)が下がっていく過程で強まります。

気温が高いと、体の熱が外へ逃げにくくなり、深部体温が下がりません。そして寝つきにくくなります。※7

接触冷感寝具や冷却枕は、この熱を逃がすための補助アイテムとして使いましょう。室温そのものが高い場合は、グッズだけで対処せずエアコンを併用するのもおすすめです。

2. 湿度が高いと汗が蒸発しにくいため

汗は、蒸発するときに体の熱を奪います。しかし、寝室の湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、熱を逃がす働きが落ちます。

雨上がりや梅雨時に、気温がそれほど高くなくても寝苦しく感じるのは、湿度が影響している可能性が高いです。

温湿度計で室温と湿度の両方を確認し、蒸し暑い場合は除湿機や、エアコンの除湿運転を試してみましょう

暑くて寝られない夜のエアコン・扇風機の使い方

冷却グッズを使っても寝室が暑い場合は、我慢せずにエアコンや扇風機を使いましょう。グッズは体感的な暑さをやわらげるものですが、室温を直接下げられません。

以下のポイントを踏まえてエアコンや扇風機を使えば、快適な睡眠につなげられます。

  • 設定温度ではなく、温湿度計で実際の室温を確認する
  • タイマーが切れたあとに目が覚めるなら、タイマー設定時間を見直す
  • 冷えが気になる場合は、設定温度を上げて薄手の寝具を足す
  • 風が体へ直接当たらないよう、風向きや寝床の位置を調整する
  • 扇風機やサーキュレーターで冷気を循環させる

風が苦手な方は、エアコンを止めるのではなく、風向きを上向きにするか、扇風機を壁や天井へ向けて間接的な気流をつくりましょう。

電気代が気になる方は、日中の日差しを遮る、エアコンのフィルターを掃除する、扇風機を併用して温度むらを抑えるといった工夫が有効です。

ただし、節電を優先して暑さを我慢することは熱中症につながるため避けましょう。

暑くて寝られない夜はグッズと寝室環境の両方で乗り切ろう

暑くて寝られない夜は、先に寝室の温度と湿度を整え、そのうえで冷却グッズを取り入れるのが基本です。

今夜から対策するなら、次の順番で進めていきましょう。

  1. 温湿度計で寝室の状態を確認する
  2. 冷房や除湿、扇風機で温度と湿度を調整する
  3. 接触冷感寝具や冷却枕で、背中や頭・首の暑さをやわらげる

あわせて、日中に窓からの日差しを遮る、就寝の1〜2時間前に入浴するといった習慣も取り入れてみてください。

なお、グッズを試しても寝苦しさが残るなら、寝具そのものの通気性や寝返りのしやすさを見直しましょう。

たとえば、コアラマットレス公式サイトにはマットレスなど対象商品には120日間のトライアル制度があります。自宅で寝心地を確かめてから判断できるので、安心して試せます。

興味がある方は、ぜひ商品ページから詳細を確認してみてください。

・参考

※1 一般財団法人カケンテストセンター「接触冷感性試験(JIS L 1927)
※2 一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)「
接触冷感性
※3 一般財団法人日本ふとん協会「
ふとんの選び方
※4 厚生労働省「
睡眠|健康増進担当者向けツール
※5 環境省「
外出時の室温上昇を抑えて節約・省エネ!3ステップの工夫でエアコンの負担を減らす
※6 厚生労働省「
熱中症予防のために
※7 厚生労働省「
健康づくりのための睡眠ガイド2023