睡眠コラム by 松岡 雄治2026年8月25日読了目安時間: 5

夏に眠くなるのはなぜ?日中のだるさ・眠気の原因と今日からできる対策

暑い季節になると、「十分寝たはずなのに眠い」「午後になると体がだるい」と感じる人もいるでしょう。

夏の日中に眠くなる背景には、寝苦しさによる睡眠不足や生活リズムの乱れ、暑さによる疲労などがあります。ただし、強い眠気が続く場合は、夏バテだけでなく、睡眠時無呼吸症候群や貧血などが隠れている可能性もあります。

この記事では、夏に眠くなる原因とセルフチェックの方法、日中の眠気をやわらげる対策を解説します。暑い時期も無理なく生活リズムを整えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

夏に日中眠くなる原因

夏の日中に眠くなる主な原因は、暑さや寒暖差による疲労、寝苦しさによる睡眠不足、食欲低下などが重なる夏バテです。

「自律神経の乱れ」だけで説明せず、睡眠時間や寝室環境、食事、水分補給の状況を振り返りましょう。複数の原因が重なっている場合もあります。

1. 暑さや室内外の温度差で疲労がたまる

高温の屋外と冷房の効いた室内を行き来すると、体は体温や血流を繰り返し調節します。暑い環境での活動も体への負担となり、だるさや眠気を感じる場合があります。

こうした不調は「自律神経の乱れ」と表現されることがあります。ただし、睡眠不足や脱水、栄養の偏りなども自律神経の乱れをさらに悪化させるため、生活全体を見直すことが大切です。具体的には、睡眠不足や脱水、食事量の低下、服用している薬などを見直してみましょう。

眠気が現れた時刻や前夜の睡眠時間、室温、食事、水分摂取量を記録すると、傾向を振り返りやすくなります。涼しい環境でも強い眠気が続く場合は、暑さ以外の原因も考えましょう。

運転中に眠気を感じたら、安全な場所へ停車してください。危険を伴う作業もすぐに中断します。

自律神経の不調と日中の眠気については、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【医師監修】自律神経失調症による日中の眠気|原因と5つの改善方法を徹底解説

2. 熱帯夜で睡眠が浅くなる

寝室の温度や湿度が高いと、寝つきにくくなったり、夜中に目が覚めたりします。汗や寝具内の蒸れによって睡眠が妨げられ、起床時に十分休めたと感じられないこともあります。

睡眠時間が短くなったり、途中で何度も目が覚めたりすると、翌日の眠気や集中力低下につながります。眠った時間だけでなく、中途覚醒の回数や起床時の状態も確認してください。

冷房のタイマーが切れた後に室温が上がり、目を覚ましている可能性もあります。寝床付近の温度と湿度を確認し、朝まで過ごしやすい環境を保ちましょう。

室温を調整しても眠気が強く、大きないびきや無呼吸を指摘されている場合は、睡眠の病気が隠れている可能性があります。

3. 食欲低下や睡眠不足で夏バテになる

暑さで食欲が落ち、十分な食事をとれない状態が続くと、疲労やだるさを感じやすくなります。さらに、発汗による水分不足や夜の睡眠不足が重なると、日中の眠気につながる場合があります。

一般に「夏バテ」と呼ばれる状態は、特定の病名ではありません。頭痛や吐き気、めまい、強い倦怠感がある場合は、熱中症の可能性も考えてください。

体重の減少や発熱、下痢などが続く場合は、夏バテと決めつけず内科へ相談しましょう。暑い場所で活動した後は涼しい場所で休み、水分と食事を無理のない範囲でとってください。

夏バテで夜に眠れないときの対策は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:夏バテで眠れない原因と対策|暑い夜でも睡眠の質を整える方法を解説

 

その眠気・だるさは夏バテのサイン?セルフチェック

夏バテは特定の病名でないため、チェック項目だけで原因を特定することはできません。ただし、夏の生活習慣や体調を見直す目安として、以下を確認してみましょう。

  • 暑くなってから食欲が落ちた
  • 暑さや寝汗で夜中に目が覚める
  • 朝から疲れやだるさが残っている
  • 日中に集中できず、うとうとする
  • 水分をとる回数や尿量が減った
  • 外出や運動をした後、疲れがなかなか取れない

複数当てはまる場合は、睡眠、食事、水分補給、空調をまとめて見直してみてください。ただし、当てはまる数が多くても、夏バテや病気を自己診断することはできません。

暑い環境で頭痛や吐き気、めまいなどが現れたら、セルフチェックを続けず、熱中症を疑って涼しい場所へ移動してください。自力で水分を飲めない場合は速やかに医療機関を受診し、意識や反応がおかしい場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

 

夏に日中の眠気をやわらげる方法

夏の日中の眠気をやわらげるには、食事や水分補給、空調、運動、昼寝を組み合わせます。ただし、強い眠気があるときは、運転や危険な作業を避けることを優先しましょう。

頭痛や吐き気、めまいなどがある場合は、眠気対策を続けず、熱中症を疑って涼しい場所で休んでください。

1. 食事を抜かず栄養バランスを整える

暑さで食欲が落ちても、冷たい麺やアイスだけで食事を済ませると、栄養が偏りやすくなります。主食、肉・魚・卵などのたんぱく質、野菜を、食べられる範囲で組み合わせましょう。

冷たい飲食物をとっただけで、夏バテになるわけではありません。冷たい水が飲みやすい場合は、水分補給に取り入れても構いません。

ただし、一度に大量にとると、胃の不快感につながる人もいます。食事量を分けるなど、無理なく続けられる方法を選んでください。

2. 冷房で室内を過ごしやすい温度に保つ

室内外の温度差を抑えようとして冷房を弱めすぎると、室内でも熱中症になる危険があります。温度差の数字にこだわらず、室温と体調を確認しながら冷房を使いましょう。

冷風が直接当たって寒く感じる場合は、風向きや座る位置を変えます。冷房の効いた施設へ出かけるときは、薄手の羽織りを用意すると調整しやすくなります。

暑さや冷えを我慢せず、屋外から戻った直後は、涼しい場所で休んでから活動を再開してください。

3. こまめに水分と塩分を補給する

のどの渇きを感じる前から、日中を通してこまめに水分をとります。大量に汗をかいた場合は、食事や飲料から塩分を補うことも必要です。

普段どおり食事をとれていれば、毎回ミネラル飲料を飲む必要はありません。経口補水液は脱水が疑われるときの選択肢であり、日常的に大量に飲むものではないため注意しましょう。

尿量が少ない、口が強く乾く、立ちくらみがある場合は、涼しい場所で休みます。心臓や腎臓の病気などで水分を制限されている人は、医師の指示を優先してください。

4. 涼しい時間帯に体を動かす

朝や夕方の涼しい時間帯に散歩や軽い体操をすると、生活リズムが整い、夜の睡眠を支える助けになります。

暑さに体が慣れていない時期や寝不足の日は、激しい運動を避けましょう。外で運動する場合は、環境省が公表する暑さ指数(WBGT)も確認してください。

頭痛や吐き気、めまい、強いだるさなどが現れたら、すぐに運動を中止して涼しい場所へ移動します。疲労が残っている日は、無理に運動せず休むことも大切です。

5. 15〜20分程度の昼寝をする

午後の早い時間に15〜20分程度の昼寝をすると、一時的な眠気を軽減できる場合があります。長くても30分以内にとどめましょう。

長く眠ると、目覚めた後にぼんやりする睡眠慣性が強くなり、夜の寝つきにも影響します。冷房の効いた安全な室内で休み、車内での昼寝は避けてください。

短い昼寝だけで、夜の睡眠不足を完全に補えないこともあるかもしれません。毎日昼寝が必要なほど眠い場合や、十分に寝ても強い眠気が続く場合は、夜の睡眠や体調を見直しましょう。

 

夜の睡眠を整える方法

夏の日中の眠気を減らすには、寝苦しい夜でも必要な睡眠時間を確保することが大切です。空調や入浴、寝具を見直し、暑さや蒸れによる中途覚醒を減らしましょう。

環境を変えた後は、夜中に目が覚めた回数や起床時のだるさを記録すると、自分に合う調整を見つけやすくなります。

1. 就寝中もエアコンで室温を調整する

暑い夜は冷房を我慢せず、就寝中も寝室を過ごしやすい温度に保ちます。エアコンの設定温度と実際の室温は異なる場合があるため、寝床付近の温湿度計で確認しましょう。

快適に眠れる室温は、年齢や体調、湿度、寝具によって異なります。汗をかき続ける、暑くて目が覚めるといった場合は、目安の数値にこだわらず調整してください。

冷風が体へ直接当たらないように風向きを変え、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させます。タイマーが切れた後に室温が上がる場合は、朝まで冷房を運転する方法もあります。

高齢者や乳幼児は暑さを訴えにくい場合があるため、周囲の人も室温や体調を確認しましょう。

エアコンをつけっぱなしで寝ると体に悪いとタイマーをかけて寝る方がいますが、実はこれが夏の睡眠の質を下げる原因になっているケースがあります。夜中にエアコンが切れると室温はあっという間に上がってしまいます。

体は体温を下げようと必死に汗をかき、不快感も手伝って眠りも浅くなってしまいます。さらに、熱中症のリスクもあります。冷風が直接体に当たらないよう工夫し、朝まで快適な環境を保つことが、翌日の眠気を防ぐコツです。

2. 就寝の1〜2時間前に入浴する

体調に問題がなければ、就寝の1〜2時間前に入浴します。40℃程度の湯船へ10〜15分ほどつかることが目安です。

入浴によって上がった体の内部の温度が、その後下がっていくことで、自然な眠気が訪れやすくなります。熱い湯や長風呂はのぼせや脱水につながるため避け、入浴の前後に水分をとりましょう。

頭痛や吐き気、めまいなど、熱中症が疑われる症状がある場合は入浴を控え、涼しい場所で体を冷やしてください。飲酒後や発熱時なども無理に入浴せず、体調を優先します。

3. 通気性や吸湿性のある寝具を使う

夏は、汗や湿気を逃がしやすく、洗濯しやすいシーツや寝衣を選びます。厚手の寝具を重ねすぎず、通気性や吸湿性を確認しましょう。

接触冷感などの冷却寝具も選択肢ですが、室温を下げる代わりにはなりません。冷房と組み合わせ、寝具や寝衣が汗で湿ったら交換して十分に乾かしてください。

寝返りできる広さを確保し、首や腰に負担のかかりにくい寝姿勢を保つことも大切です。

夏に適した寝具の選び方については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:上級睡眠健康指導士監修|夏用寝具について解説!涼しい素材選びからおすすめアイテムまで

 

眠気が長引くときの対処法

十分な睡眠をとっても強い眠気が続く場合や、仕事や学業など日中の生活に支障がある場合は、夏バテ以外の原因も考えます。暑さが和らぐまで待たず、医療機関へ相談しましょう。

大きないびきや睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。突然眠り込む、耐えられないほどの眠気がある場合には、睡眠外来や内科を受診してください。

息切れや動悸、顔色の悪さを伴う場合は貧血、発熱や意図しない体重減少がある場合は、ほかの病気も考えられます。気分の落ち込みや意欲の低下が続くときは、心療内科や精神科も相談先です。

受診時に説明できるよう、次の情報を記録しておくと役立ちます。

  • 就寝時刻と起床時刻
  • 夜中に目が覚めた回数
  • いびきや無呼吸の有無
  • 眠気が強くなる時間帯
  • 服用している薬
  • 月経や体重、体調の変化

また、眠気によって安全を保てない場合は、運転や危険な作業を控えることも大切です。

 

まとめ:夏の眠気は睡眠環境と生活習慣から見直そう

夏の日中に眠くなる背景には、熱帯夜による睡眠不足や暑さによる疲労、食事・水分の不足などがあります。前夜の睡眠や日中の過ごし方を振り返ってみましょう。

夏の眠気を和らげ、日中を無理なく過ごすためのポイントは以下の通りです。

  • 日中はこまめに水分をとり、涼しい時間帯に無理のない範囲で体を動かします。眠気を感じたら運転や危険な作業を避け、午後の早い時間に15〜20分程度の昼寝をするのもひとつの方法です。
  • 夜は冷房で寝室を過ごしやすい温度に保ち、通気性や吸湿性のある寝具を使います。体調に問題がなければ、就寝の1〜2時間前に入浴し、眠りへ切り替えやすい状態を整えてください。
  • 十分に眠っても強い眠気が続く場合や、いびき、無呼吸、息切れなどを伴う場合は、医療機関へ相談しましょう。夏の眠気を暑さだけのせいにせず、睡眠環境と体調の両方を確認することが大切です。

「昼間眠いから」と焦らず、夜の睡眠環境を整えて日中の疲労をしっかりリセットすることから始めてみましょう。

ただし、ご自身で環境を整えても耐えがたい眠気が続く場合や、ご家族にいびきや無呼吸を指摘された場合は、別の病気が隠れているサインかもしれません。このような場合には、無理をせず、医療機関へ相談してみましょう。本記事を参考に、ご自身の体調に合った優しいケアを取り入れて、暑い季節を心地よく乗り切りましょう。