目次
監修者

小川 和雅 医師
【経歴】医師/医学博士。予防医療・睡眠専門医。野村病院予防医学センター@東京、吉祥寺。
・健康診断、人間ドック等の予防医療業務
・産業医や健康経営エキスパートアドバイザーとしての企業の健康経営顧問
・学術研究・教育・講演会等による睡眠や予防の重要性の啓蒙活動
等を通じてwell-beingな社会の実現に注力しています。
自身が重症の無呼吸でcpap治療を受けており、患者の気持ちも分かる専門医として活動しています。
夏の猛暑がようやく峠を越えたと思ったのに、9月に入っても「残暑」がしっかり残っています。昼間はまだまだ暑く、夜になっても寝苦しい日が続く――そんな経験、今年も多いのではないでしょうか。
特に2026年の夏は「酷暑日」が過去最多クラスを記録し、西日本を中心に厳しい暑さが続きました。その影響が9月上旬まで尾を引いている状況です。気温が少しずつ下がり始めているとはいえ、湿度が高く、体がなかなかクールダウンしにくい。結果として、睡眠の質が大きく左右されやすい時期なのです。
・就寝前のクールダウン入浴、エアコンと扇風機の併用、遮熱・遮光、寝具の季節調整など寝室を涼しく保つ実践的工夫
・通気性・放熱性、温度調節のしやすさ、回復をサポートする快適さなど、この時期にマットレスが重要な理由
・寝室環境と寝具を少しずつ整えることで、残暑から秋の快適な睡眠へスムーズに移行できると結論 ・寝室環境と寝具を少しずつ整えることで、残暑から秋の快適な睡眠へスムーズに移行できると結論
なぜ残暑は睡眠を妨げるのか
人は深い眠りに入るために、深部体温を自然に下げる必要があります。ところが残暑の時期は、
- 夜になっても気温が十分に下がらない
- 湿度が高く、汗が蒸発しにくい
- エアコンをつけっぱなしだと冷えすぎる、切るとすぐに暑くなる
といった条件が重なり、体温調節がうまくいきません。寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたり、朝起きても疲れが残ったりしやすくなります。
熱中症のリスクも完全には消えていないため、睡眠不足が続くと日中の体調にも影響が出やすくなります。この時期こそ「寝室の環境」を意識的に整えることが大切です。
寝室を涼しく保つ実践的な工夫
エアコンだけに頼るのではなく、少しの工夫を組み合わせるのがポイントです。
1. 就寝前の「クールダウン」を意識する
入浴はぬるめのお湯(38〜40℃程度)で短めに済ませ、上がった後は少し時間を置いてから布団に入りましょう。体の表面温度を下げてから眠ると、入眠がスムーズになります。
2. エアコンと扇風機・サーキュレーターの併用
エアコンの設定温度は26〜28℃前後を目安に。直接風が当たると体が冷えすぎるので、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると、部屋全体が均一に涼しくなります。タイマー機能を上手に使うのもおすすめです。
3. 遮熱・遮光を徹底する
昼間のうちにカーテンやブラインドで日差しをシャットアウトしておくと、夜の室温上昇を抑えられます。遮熱効果のあるカーテンがあるとさらに効果的です。
4. 寝具を季節に合わせて調整する
掛け布団は薄手のものに替え、敷きパッドやシーツは吸湿速乾性のある素材を選ぶと快適です。枕も通気性の良いものを使うと、頭の蒸れを防げます。
5. 加湿器・除湿器の活用
湿度が高いと体感温度が上がり、寝苦しさの原因になります。除湿機能を活用するか、適度に換気をして空気を入れ替えましょう。
なぜ「マットレスと寝具」がこの時期に特に重要なのか
エアコンや扇風機で部屋を冷やしても、体が直接触れるマットレスや寝具の状態が悪いと、快適な睡眠は得られにくくなります。
残暑の時期に特に大切なのは次の3点です。
- 通気性と放熱性
熱や湿気がこもりにくい構造のマットレスは、寝ている間の蒸れを軽減します。体圧分散がしっかりしていると、同じ姿勢で長時間いても熱が溜まりにくくなります。 - 温度調節のしやすさ
季節の変わり目は「暑すぎる・寒すぎる」の両方が起こりやすいです。通気性が良く、寝返りが打ちやすいマットレスは、体温の変化に柔軟に対応しやすくなります。 - 回復をサポートする快適さ
残暑で疲れた体をしっかり休ませるには、体にフィットしつつ負担をかけない寝心地が欠かせません。朝起きたときの「疲れが残らない感覚」は、日中のパフォーマンスにも直結します。
特に夏から秋への移行期は、寝具を一気に冬仕様に切り替えるのではなく、「涼しさを保ちつつ、徐々に温かみを足せる」バランスが大切です。マットレス本体の通気性が良ければ、シーツやパッドの組み合わせだけで季節に合わせやすくなります。
まとめ:残暑を乗り越え、秋の眠りへスムーズに移行するために
9月上旬は「まだ暑いのに、秋の気配も感じ始める」微妙な時期です。無理に我慢せず、寝室の温度・湿度・寝具を少しずつ整えていくことで、睡眠の質は確実に改善できます。
- 就寝前のクールダウン
- エアコンと空気循環の工夫
- 通気性の良いマットレスと寝具の見直し
この3つを意識するだけでも、寝苦しさはかなり軽減されるはずです。
残暑が続く今こそ、自分に合った「眠りの土台」を見直す良いタイミング。快適な睡眠は、これからの秋をより元気に過ごすための大切な準備になります。
今夜からできる小さな工夫を、ぜひ取り入れてみてください。
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