寝具コラム by 松岡 雄治2026年8月25日読了目安時間: 5

枕を洗う頻度はどれくらい?カバー・本体の目安とお手入れを解説

毎日使う枕について、「カバーはどのくらいの頻度で洗うべき?」「枕本体も洗濯機で洗える?」と迷う人もいるでしょう。枕カバーは週1回を目安に洗い、汗や皮脂汚れが気になる場合は交換回数を増やすとうまく管理できます。

一方、枕本体を洗えるかどうかや、適切な洗濯頻度は、素材や製品によって異なります。洗濯表示や取扱説明書を確認してからお手入れしましょう。

この記事では、枕カバーと本体を洗う頻度の目安や、素材に合った洗い方、乾かし方を解説します。正しいお手入れ方法を知り、枕を傷めず清潔に使い続けましょう。

 

枕カバー・本体を洗う頻度の目安

枕カバーは肌に直接触れるため、枕本体よりこまめに洗いましょう。枕本体には共通の洗濯頻度がなく、素材や製品によって異なります。

カバーは週1回をひとつの目安にし、汗や汚れの状態に応じて頻度を調整してください。枕本体は、洗濯表示と取扱説明書に記載された方法を優先します。

枕カバーは週1〜2回

枕カバーは、週1回を目安に洗いましょう。環境再生保全機構も、ダニ対策として寝具のカバーやシーツを週1回洗濯する方法を紹介しています。

ただし、適切な頻度は季節や使用状況によって変わります。汗をかきやすい夏や、皮脂、よだれ、整髪料などの汚れが気になる場合は、週2回程度に増やしてもよいでしょう。

必ずしも毎日洗う必要があるわけではありません。洗濯の負担を減らしたい場合は、替えのカバーを複数用意し、こまめに交換してからまとめて洗う方法もあります。

※出典:環境再生保全機構「小児ぜん息Q&A Q4-5 寝具はどのようにしたらよいのでしょうか?

枕本体は製品表示に従う

枕本体を洗う頻度には、すべての製品に共通する基準がありません。洗える素材や推奨される洗濯頻度は製品ごとに異なるため、洗濯表示と取扱説明書を確認してください。

汗を多くかいた、飲み物をこぼした、においや汚れが気になるといった場合は、製品表示の範囲で早めにお手入れします。洗える製品であっても、頻繁に水洗いすると中材が傷む可能性があるため注意が必要です

枕本体への汚れを減らすには、枕プロテクターを使用する方法もあります。プロテクターも製品表示を確認し、枕カバーと同様に定期的に洗いましょう。

同じ寝具でも、シーツを洗う頻度については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:シーツを洗う頻度はどれくらいが正解?週1が理想でも続く目安と洗い方

 

枕にはどんな汚れがたまる?

枕には、睡眠中の汗や皮脂、よだれ、フケ、整髪料、化粧品などが付着します。顔や頭に長時間触れるため、見た目がきれいでもカバーや本体に汚れがたまっていることがあります。

汗や皮脂を放置すると、黄ばみやにおいの原因になります。また、枕に湿気が残った状態が続くと、カビが生えやすくなるため注意が必要です。

寝具には、ダニの死骸やふん、ほこりなどのアレルゲンも蓄積します。ただし、枕を洗うだけですべて取り除けるわけではありませんが、カバーの洗濯、枕本体の乾燥、床やベッド周辺の掃除を組み合わせることでアレルゲンを大幅に減らすことが期待できます。

カバーを外したときは、枕の表面だけでなく、縫い目や裏側も確認してください。落ちない汚れやカビが疑われる斑点がある場合は、製品の取扱方法を確認し、必要に応じて買い替えを検討します。

朝の鼻水やくしゃみ、せきなどが続く場合は、寝具だけで対処せず医療機関へ相談しましょう。

ダニの死骸やフンは、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患の強力な引き金(アレルゲン)になります。寝ている間は枕に顔を近づけて呼吸をしているため、枕を含む寝具の清潔さは非常に重要です。

カビとダニが増殖しやすい環境は近く、温度20~35℃、湿度70%以上といわれています。洗えない素材の場合でも、定期的に外に干して日光に当てて湿気を逃がしたり、乾燥機にかけたりしましょう。また、掃除機(布団クリーナー)で表面を吸うことでも、アレルゲンの吸入リスクを下げることが期待できます。 

※出典:アレルギーポータル「室内環境の整備について

 

洗える枕・洗えない枕の見分け方

枕を洗う前に、製品へ縫い付けられた洗濯表示と取扱説明書を確認しましょう。洗濯おけの記号は、家庭での洗濯方法を示しています。

洗濯おけの中にある数字は、洗濯に使用できる水温の上限です。記号の下にある線は弱い洗濯処理が必要なことを表し、線の本数が増えるほど弱い処理が求められます。洗濯おけにバツ印がある場合は、家庭では洗濯できません。

ポリエステルわたやパイプなどには洗える製品もありますが、同じ素材でも構造や加工によって洗濯方法が異なります。低反発ウレタンや羽毛なども、素材名だけで洗濯の可否を判断せず、製品ごとの表示を優先してください。

中材を取り出せる枕は、側生地だけ洗える場合や、中材と側生地でお手入れ方法が異なる場合があります。中材を取り出す前に取扱説明書を確認しましょう。

洗濯機で洗える製品でも、枕の大きさが洗濯機の対応容量を超える場合は使用できません。また、洗う前に乾燥方法の表示も確認し、洗濯から乾燥までの手順を確かめておくことが大切です。

※出典:消費者庁「洗濯表示

 

枕の洗い方と乾かし方

枕が洗えることを確認したら、洗濯表示と取扱説明書を見て、洗濯機と手洗いのどちらが適しているかを判断します。乾燥機や天日干しが可能かどうかも、洗う前に確認しておきましょう。

枕に破れや縫い目のほつれがある場合は、中材が飛び出すおそれがあるため、そのまま洗濯しないでください。また、枕は乾くまで時間がかかるため、天気を確認し、交換用の枕も用意しておくと安心です。

1. 洗濯機・手洗いの手順

洗濯機で洗う場合は、枕カバーを外し、枕本体を大きめの洗濯ネットへ入れます。製品表示に従って洗剤とコースを選びましょう。

枕が洗濯槽へ収まらない場合や、水へ浮いて正常に洗えない場合は、無理に押し込まないでください。脱水中に大きな偏りや異音が生じた場合も、洗濯機を止めて枕の位置を確認します。

手洗いの場合は、大きな容器へ水と製品に適した洗剤を入れ、枕全体を押すように洗います。中材が偏る可能性があるため、強くもんだりねじったりしないようにしましょう。

洗剤が残らないよう十分にすすいだら、枕を押して水を切ります。乾いたタオルで挟むように水分を吸い取ると、乾燥時間を短縮できます。漂白剤や柔軟剤は、製品説明で使用できる場合に限って使ってください。

2. 乾かないときの対処と干し方

洗った枕は、内部まで十分に乾燥させる必要があります。表面だけが乾いていても、内側に水分が残っていると、においやカビの原因になります。

洗濯表示に従って形を整え、風通しのよい場所で干しましょう。平干しの表示がある場合は、平干しネットなどへ寝かせ、途中で上下を返します。扇風機やサーキュレーターで風を当てることも、効率よく乾燥させる方法です。

乾燥機の使用や天日干し(直射日光に当てること)は、製品表示で認められているか事前に確認しましょう。触ったときに湿り気がある、洗う前より重いといった場合は使用せず、引き続き乾かします。

自宅で十分に乾かすことが難しい場合は、枕を扱えるクリーニング店へ相談しましょう。コインランドリーを利用する場合も、枕の洗濯が可能な店舗・機器であることと、製品側が洗濯機や乾燥機に対応していることの両方を確認してください。

素材別の洗い方や干し方については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:枕の洗い方:洗濯機・手洗い・素材別のお手入れと干し方

 

洗えない枕のお手入れと買い替えの目安

水洗いできない枕は、取り外せる枕カバーや枕パッドを使い、本体へ汚れが付着するのを防ぎましょう。カバーは週1回を目安に洗い、枕本体は製品表示に従って干したり、表面の汚れを拭き取ったりします。

掃除機を使用できる製品は、表面を傷めないよう弱い設定でほこりを取り除きます。強くたたくと生地や中材を傷める可能性があるため、避けてください。

除菌スプレーや消臭スプレーを使う場合は、枕の素材に使用できる製品か確認しましょう。また、スプレーは除菌や消臭には有効ですが、しみこんだ皮脂汚れを分解して綺麗にするわけではないため、皮脂などの汚れを落とせるわけではありません。使用後は水分が残らないよう、十分に乾燥させてください。

枕の寿命は一般的に2〜3年が目安とされています。ただし、実際の買い替え時期は素材や使用状況、お手入れの方法によって異なります。年数だけで判断せず、次のような変化が見られた場合は買い替えを検討しましょう。

  • 枕の高さや形が元に戻らない
  • 弾力が低下し、頭や首を支えにくくなった
  • においや汚れが取れない
  • 起床時に首や肩の違和感が続く
  • 生地の破れやカビが見られる

メーカーが耐用年数を示している場合は、その案内も参考にしてください。新しい枕を選ぶときは、使用年数だけでなく、現在の体格や寝姿勢に合う高さかどうかを実際に確認しましょう。

枕を買い替える年数の目安については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:上級睡眠健康指導士監修|枕の寿命の目安ってどれくらい?買い換える時の留意点についても解説!

朝起きたときに首や肩にこりや疲れを感じるようになったら、買い替えを検討しましょう。枕の本来の役割は、首とマットレスの間の『すき間(一般的に1〜6cm)』を埋めて、自然な立ち姿勢のまま頭を支えることにあります。枕の弾力が失われると、このすき間を正しく支えられなくなり、首や肩の筋肉に大きな負担がかかります。また、寝返りを打つための反発力もなくなってしまいます。ご自身の首や肩を守るためにもぜひ、今の身体にあった枕を新調しましょう。

※出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠のためのテクニック

 

枕の洗濯に関するよくある質問

枕カバーを毎日洗う必要があるか、赤ちゃんの寝具はどう扱えばよいかについて回答します。

Q1. 枕カバーは毎日洗うべき?

枕カバーを毎日洗う必要はありません。週1回を基本にし、汗や皮脂、よだれなどの汚れが気になる場合は、交換回数を増やしましょう。

毎日交換したい場合は、洗い替えを複数用意すると洗濯の負担を減らせます。枕へタオルを敷く場合も、タオルをこまめに交換してください。

肌荒れが続く場合は、寝具以外に原因がある可能性もあります。枕カバーを清潔にしても症状が改善しないときは、皮膚科へ相談しましょう。

Q2. 赤ちゃんの枕はどうする?

0〜1歳頃の赤ちゃんを寝かせるときは、柔らかい枕を使用しないようにしましょう。顔が寝具へ埋まると、口や鼻がふさがれて窒息するおそれがあります。

寝床には硬めで平坦な敷布団やマットレスを使い、顔の近くに枕やぬいぐるみ、タオルなどを置かないことが大切です。

汗や吐き戻しなどでシーツが汚れた場合は交換し、製品表示に従って洗濯してください。洗った寝具は、内部まで十分に乾かしてから使用します。

向き癖や頭の形が気になる場合も、自己判断で柔らかい枕を置かず、小児科や助産師へ相談しましょう。

※出典:こども家庭庁「窒息・誤飲事故

 

まとめ:清潔な枕で睡眠の質を守ろう

毎日頭を乗せて休む枕は、見た目以上に汗や皮脂などの汚れが溜まりやすいものです。清潔な枕で眠ることは、お肌や頭皮のトラブルを防ぐだけでなく、心地よい安心感から睡眠の質の向上にもつながります。

本記事で紹介したお手入れのポイントは、以下の3つです。

  • 枕カバーは「週1回」を目安に洗う(洗い替えがあると便利です)
  • 枕本体は洗濯表示を確認し、洗えるものは中までしっかり乾かす
  • 洗えない素材は、陰干しや布団クリーナーで湿気とほこりを逃がす

「毎日洗わなきゃ」と気負う必要はありません。ご自身のライフスタイルに合わせて、まずは週末にカバーを替えるなど、無理なく続けられるペースを見つけてみてください。

もし、洗ってもにおいが気になったり、買った時よりペチャンコになって首が疲れたりするようであれば、それは新しい枕へ買い替える良いタイミングかもしれません。

清潔でご自身にぴったり合った枕と一緒に、毎日のぐっすり心地よい眠りを実現しましょう。