下痢が止まらないときの原因と対処法は?受診の目安もあわせて解説
睡眠コラム by 松本 恭2026年7月26日読了目安時間: 5

下痢が止まらないときの原因と対処法は?受診の目安もあわせて解説

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

下痢が突然始まり、いつまでも止まらないと、外出の予定や仕事に影響が出てしまい、不安な気持ちになる方も多いのではないでしょうか。このまま様子を見ていいのか、それとも早く病院に行ったほうがいいのかと迷ってしまうことも少なくありません。

実は私も、以前に大切な会議の直前から突然の激しい下痢に見舞われ、何度もトイレに駆け込みながら冷や汗をかいた経験があります。当時は原因が分からずただ焦るばかりでしたが、水分をこまめに補給してお腹を温め、その日はとにかく早く寝て体を休めたところ、翌日にはすっかり落ち着きました。この経験からも、急な体調不良のときこそ焦らずに原因を見極め、適切なセルフケアと十分な休養をとることが回復への近道だと身に染みて実感しています。

下痢が止まらない背景には、感染性の胃腸炎やストレスによる自律神経の乱れ、冷えや食べ過ぎといった生活習慣など、さまざまな原因が考えられます。そこで本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の松本が、下痢が続くときのメカニズムや、胃腸の回復を促すために不可欠な質の高い睡眠環境の整え方について詳しく解説します。

下痢が止まらないときに注意すべきサイン

下痢が続いていても、多くの場合は数日のうちに自然と落ち着いていきます。しかし、なかにはすぐに医療機関を受診したほうがよい下痢もあります。日本臨床内科医会は、経験したことがないような激しい下痢や、便に血が混ざっている場合、下痢以外に吐き気や嘔吐、発熱を伴う場合、排便したあとも腹痛が続く場合、症状が悪化している、あるいは改善する気配がない場合には、すぐに医師の診察を受けるよう呼びかけています。※1

また、一緒に食事をした人も同時に下痢になった場合や、尿が少ない、あるいは出ないといった強い脱水症状や、口が異常に渇く症状がみられる場合も、早めの受診が必要だそうです。小さな子どもや高齢者、心臓病や糖尿病、腎臓病などの持病がある方は、これらの症状が当てはまらなくても、早めに医療機関を受診したほうが安心でしょう。※1

下痢が止まらない原因

下痢が続く原因はひとつではなく、体の外から入ってきたウイルスや細菌によるものから、ストレスや生活習慣によるものまでさまざまです。健康長寿ネットによると、急性の下痢の多くは暴飲暴食や刺激物、アルコールの摂りすぎといった生活習慣の乱れによるものであり、そのほかにウイルスや細菌感染、心理的な要因も関係しているとされています。※2

下痢が止まらないときに考えられる代表的な原因を三つの角度から見ていきましょう。

1. 感染性の胃腸炎

ウイルスや細菌による感染性胃腸炎は、急な下痢を引き起こす原因として多く見られます。日本臨床内科医会の資料でも、O-157やノロウイルスといった細菌やウイルス、あるいは寄生虫が食べ物とともに体内に入り、消化管で増殖して腸を傷めたり毒素を発生させたりすることで、急性の下痢を起こすと説明されています。※1

軽い場合は数日で落ち着きますが、細菌やウイルスの種類によっては血便や吐き気、嘔吐、発熱、脱水などの症状を伴い、抗生物質や点滴による治療が必要になることもあります。

感染性の下痢は、体内のウイルスや細菌、毒素を外に出そうとする防御反応でもあるため、発熱や血便を伴うようなケースでは、市販の下痢止め薬でぜん動運動をむやみに止めないほうがよい場合があります。症状が強いときや長引くときは、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関に相談しましょう。※1

2. ストレスや自律神経の乱れ

ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、腸の働きが過敏になり、下痢が起こりやすくなります。検査をしても異常がみつからないのに下痢が続く場合、過敏性腸症候群が背景にあることも少なくありません。日本臨床内科医会によると、通勤や通学の途中で電車に乗ったときや人と会う前などに、突然お腹が痛くなりトイレに行きたくなるといった症状が特徴で、症状の軽い人も含めると人口の1割以上が罹患しているそうです。※1

原因はまだ十分に解明されていませんが、食事や精神的なストレスの影響で腸のぜん動運動が必要以上に活発になっている状態と考えられており、治療によって症状をコントロールできるようになる方がほとんどです。

3. 冷え・食べ過ぎ・睡眠不足などの生活習慣

お腹の冷えや脂っこいものの摂りすぎ、暴飲暴食、睡眠不足や疲労の蓄積といった生活習慣も、腸の調子を乱す要因になります。日本臨床内科医会によると、食べ過ぎた翌日に起こる下痢は急性の下痢の原因として多く、その大部分は消化不良によるものであり、アルコール飲料の刺激で下痢することもあるのだそうです。

通常は1〜2日程度で落ち着くとされていますが、こうした下痢を繰り返さないためには、日頃から暴飲暴食を避け、お腹を冷やさないようにし、十分な睡眠をとって疲労をためないことが予防につながります。※1

関連記事:【医師監修】寝不足で腹痛が起こる原因は?下痢・便秘の違い、対処法と受診の目安

下痢が止まらないときの対処法

下痢が止まらないときは、原因を見極めながら、体に負担をかけない過ごし方を心がけることが回復への近道です。自宅で今日からできる具体的な対処法を3つの視点から紹介します。

1. こまめに水分・塩分を補給する

下痢が続くと、体内の水分だけでなくナトリウムやカリウムといった電解質も失われやすくなります。日本臨床内科医会は、身近なものとしてスポーツドリンクでの水分補給が適しているとしたうえで、大量に飲むときは少し水で薄めて塩をわずかに溶かして飲むとよいと紹介しています。※1

冷たい飲み物を一度に大量に飲むと、かえってお腹に刺激を与えてしまうことがあります。常温に近い温度でゆっくりと補給することを心がけると、体への負担を抑えやすくなります。経口補水液を利用する場合も、一気に飲むのではなく、少量ずつこまめに口にすることを意識しましょう。

2. 消化のよい食事で腸を休める

下痢が続いているときは、腸に負担をかけない消化のよい食事を選んでください。日本臨床内科医会が示す消化吸収のよい食べ物としては、おかゆや重湯、よく煮込んだうどん、味噌汁、野菜スープ、リンゴのすりおろし、脂肪分の少ないアイスクリームなどがあります。※1

無理に固形物を食べようとせず、消化のよい炭水化物を中心に、少量ずつ回数を分けて食べると、弱った腸への負担を減らせます。食欲がわかないときは無理をせず、水分補給を優先しながら少しずつ体調の回復を待ちましょう。

3. お腹を温めて休養をとる

下痢が続いているときは、お腹を冷やさないよう全身をしっかり休めることも回復を助けます。腹巻きや使い捨てカイロなどでお腹まわりを温めたり、無理のない範囲で湯船に浸かったりすると、血流が促され、腸の緊張がやわらぎます。

あわせて大切なのが、十分な睡眠です。体が回復に集中できるよう予定を詰め込みすぎず、しっかりと睡眠時間を確保して腸を休ませましょう。

下痢のときに控えたいもの

下痢の回復を早めるためには、口にするものにも注意が必要です。日本臨床内科医会が示す消化吸収の悪い食べ物としては、脂肪の多い肉や魚、そば、ラーメン、玄米や赤飯、生野菜や海藻、菓子パンやケーキ、人工甘味料などが挙げられています。※1

これらは腸に負担をかけやすいため、症状が落ち着くまでは控えるようにしましょう。

また、コーヒーや炭酸飲料、アルコール類はお腹に刺激を与えるため、控えることが勧められています。※1

カフェインを含む飲み物や香辛料を効かせた刺激の強い料理、乳製品も、人によっては腸の動きを活発にしすぎてしまうことがあるため、体調が戻るまでは量を控えめにし、消化のよい食事に切り替えることを意識してみてください。

関連記事:【医師監修】朝起きるとお腹が痛いのはなぜ?原因と対処法・受診目安をわかりやすく解説

繰り返す・長引く下痢は医療機関に相談しよう

セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、下痢を何度も繰り返す場合には、別の原因が隠れていることもあります。

千住胃と大腸の消化器内視鏡クリニックによると、過敏性腸症候群や大腸ポリープ、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性の病気など、下痢が長引く背景にはさまざまな病気が考えられるのだそうです。症状が長く続く、あるいは治まっても何度も繰り返す場合には、早急な治療が必要な病気の可能性があるため、できるだけ早く消化器内科を受診するよう勧めています。※3

とくに感染性腸炎では、発熱や嘔吐を伴っていると脱水を起こしやすいため注意が必要です。自己判断でセルフケアを続けるのではなく、繰り返す下痢や長引く下痢がある場合は、早めに専門の医療機関に相談してください。

下痢が止まらないことに関するよくある質問

最後に、下痢が止まらないことについて多く寄せられる質問にお答えします。

Q1. 下痢止め薬は使ってもいい?

感染性の下痢は、体内のウイルスや細菌、毒素を外に出そうとする防御反応でもあるため、下痢止め薬でぜん動運動をむやみに止めないほうがよい場合があります。一方で、そうでない下痢の場合は、体力を消耗し脱水などのより危険な状態を招くこともあるため、薬を適切に使うことも大切です※1

整腸剤で腸内環境を整える選択肢もありますので、症状が強い、あるいは長引くときは自己判断で市販薬を使い続けず、医療機関の受診を検討しましょう。

Q2. 下痢が止まらない病気は?

下痢が止まらない病気としては、感染性胃腸炎や過敏性腸症候群が代表的です。※1※3

多くの場合は数日で落ち着きますが、血便や高熱、強い腹痛を伴う場合や、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病といった病気が背景にあり、長引いたり繰り返したりする場合もあります。※3

気になる症状が続くときは、自己判断で放置せず、消化器内科を受診して原因を確認しておくと安心です。

Q3. お腹が痛くないのに下痢が止まらないのはなぜ?

腹痛を伴わない下痢であっても、ストレスによる自律神経の乱れや、お腹の冷え、食べ過ぎ、体質などが背景にあることも考えられます。過敏性腸症候群のように、痛みが軽い、あるいはほとんど感じないまま下痢が続くケースも見られます。※1

痛みがないからといって軽視せず、下痢が長引く場合や何度も繰り返す場合には、この記事で紹介した受診の目安に沿って医療機関に相談するようにしましょう。

下痢が止まらない時は水分補給と休養を大切に

下痢が止まらないときは、まず激しい下痢や血便、発熱、強い脱水症状といった危険なサインがないかを確認し、当てはまる場合はすぐに医療機関を受診することが何より大切です。危険なサインがなければ、こまめな水分・塩分補給と消化のよい食事、お腹を温めての休養を意識し、腸をいたわりながら回復を待ちましょう。

脂っこいものや生野菜、冷たい飲み物、アルコールなど腸に負担をかけるものは、症状が落ち着くまで控えるようにしてください。下痢止め薬はむやみに使わず、症状に応じて適切に取り入れることも忘れないようにしましょう。

セルフケアを続けても改善しない、あるいは繰り返す下痢がある場合は、早めに消化器内科へ相談することをおすすめします。

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・参考

※1 一般社団法人日本臨床内科医会「わかりやすい病気のはなしシリーズ42 下痢の正しい対処法」
※2 健康長寿ネット「高齢者の下痢」
※3 千住胃と大腸の消化器内視鏡クリニック「下痢」