睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年12月30日読了目安時間: 3

【医師監修】寝正月で風邪は治る?悪化する?正月に寝込んだときの正しい過ごし方

本多 洋介
Myクリニック本多内科医院院長

群馬大学医学部卒業。
伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院(いずれも循環器内科)を経て、Myクリニック本多内科医院院長。

  • 免許・資格

総合内科専門医、循環器内科専門医、日本心血管インターベンション学会専門医、軽カテーテル的大動脈弁植え込み術指導医(Sapienシリーズ、Evolutシリーズ)

こんにちは♪今回の記事では「寝正月」と「風邪」をテーマに、正月に体調を崩してしまったとき、どう過ごすのが本当に正解なのかをわかりやすく解説します。

「せっかくのお正月なのに、風邪で寝てばかり…」
「寝正月なんて、だらけている気がして自己嫌悪」
そんなふうに感じていませんか?

でも実はその罪悪感、まったく必要ないかもしれません。
正しい寝正月は、風邪の回復にとって“かなり理にかなった過ごし方”なのです。

この記事では、医学的な考え方と生活習慣の視点から、
・寝正月は本当に風邪に良いのか
・逆に悪化させるケースはどんなときか
・正月に風邪を引いたときの現実的な過ごし方
を丁寧にお伝えします。

1. 正月に風邪を引きやすいのはなぜ?

「毎年、正月になると体調を崩す気がする」
実はそれ、気のせいではありません。

正月は、風邪を引きやすい条件が一気に重なります。

まず大きいのが生活リズムの乱れです。
夜更かし、朝寝坊、寝る時間が日によってバラバラ。これだけでも自律神経は乱れ、免疫力は下がりやすくなります。

次に食生活の変化
おせち料理は保存性が高く、味付けが濃いものが多いため、塩分過多・野菜不足になりがちです。アルコールの摂取量も増えやすく、体は知らず知らずのうちに疲弊します。

さらに、
・初詣や帰省での人混み
・屋外と室内の寒暖差
・暖房による空気の乾燥

これらが重なることで、喉や鼻の粘膜が弱り、ウイルスが侵入しやすくなるのです。

つまり、**正月に風邪を引くのは「だらしないから」ではなく「環境的に起こりやすい」**ということ。
まずはこの事実を知るだけでも、気持ちは少し楽になるはずです。

2. 風邪の回復に「睡眠」は本当に効果がある?

結論から言うと、あります。かなり重要です。

風邪の原因の多くはウイルス感染ですが、薬で直接ウイルスを殺すことはできません。
最終的に回復させるのは、あなた自身の免疫システムです。

睡眠中、体では次のようなことが起きています。

・免疫細胞が活発に働く
・炎症を調整する物質が分泌される
・体力の消耗を最小限に抑える

風邪を引くと強い眠気やだるさを感じるのは、体が「今は休め」とサインを出している状態。これはとても自然な反応です。

ここで重要なのは、
「何時間寝たか」よりも「どれだけしっかり休めたか」。

浅い睡眠で何時間も横になっているより、
安心できる環境でぐっすり眠れるほうが回復には効果的です。

本多洋介 医師
本多洋介 医師
正月に風邪で寝込んでしまった方へ。記事で説明されているように、寝正月は決して怠けではなく、免疫システムが働くための理にかなった回復法です。
正月は生活リズムの乱れ、食生活の変化、人混み、寒暖差、乾燥など風邪を引きやすい条件が重なります。風邪を治すのは薬ではなくあなた自身の免疫力であり、睡眠中に免疫細胞が活発に働きます。
ただし重要なのは「何もしない」ではなく「整えながら休む」ことです。こまめな水分補給、消化の良い食事、無理のない範囲での入浴を心がけてください。
高熱が数日続く、息苦しさがある、水分が取れない、意識がぼんやりする場合は、正月でも遠慮なく医療機関を受診してください。体を守ることが最優先です。しっかり休んで、元気に一年をスタートさせましょう。

3. 寝正月はアリ?ナシ?メリット・デメリット

寝正月のメリット

まず、メリットから見ていきましょう。

・体力を温存できる
・無理な外出で悪化するリスクを避けられる
・睡眠時間を十分に確保できる

特に、発熱や強い倦怠感があるときは、予定をキャンセルして寝正月に切り替える判断は正解です。

寝正月の落とし穴

一方で、注意点もあります。

問題になるのは「寝ていること」そのものではなく、
寝ている間のケア不足です。

・水分をほとんど取っていない
・食事を抜き続けている
・一日中まったく起き上がらない

これが続くと、脱水や体力低下を招き、かえって回復が遅れることも。

つまり、寝正月は「何もしない」ではなく「回復のために整える休み方」が大切なのです。

4. 風邪を引いた正月の正しい過ごし方チェックリスト

ここからは実践編です。

睡眠・休養

・眠くなったら我慢せず寝る
・昼寝をしてもOK(夕方以降は短めに)
・無理に通常リズムへ戻そうとしない

水分補給

・喉が渇く前に少しずつ
・白湯、常温の水、スープがおすすめ
・アルコールは控える(脱水を助長)

食事

・食欲がなければ無理しない
・おかゆ、雑炊、スープなど消化の良いもの
・おせちは「食べられるものだけ」で十分

入浴・シャワー

・体力に余裕があれば短時間で
・寒気が強い日は無理しない
・湯冷め防止を最優先

外出・初詣

・高熱や強いだるさがあるなら見送る
・どうしても行くなら短時間+完全防寒
・「元気になってから行く」も立派な選択

5. 子ども・高齢者の「寝正月」で特に注意すべきこと

子どもの場合

・脱水が起きやすいので水分はこまめに
・食事量が少なくても水分が取れていればOK
・元気がない、呼吸が苦しそうなら早めに受診

高齢者の場合

・喉の渇きを感じにくい → 定期的な声かけ
・食事量低下が続く場合は注意
・「いつもと様子が違う」は重要なサイン

6. こんな症状があれば要注意|病院を考える目安

次のような場合は、正月でも医療機関への相談を検討してください。

・高熱が数日続く
・息苦しさがある
・水分がほとんど取れない
・意識がぼんやりしている
・症状がどんどん悪化している

「正月だから我慢しよう」は不要です。
体を守ることが最優先です。

7. まとめ:寝正月は悪じゃない。正しく休めば回復の味方

寝正月は、決して怠けでも失敗でもありません。

・体が休養を必要としているサイン
・無理をしない賢い選択
・一年を健康に過ごすための調整期間

そう考えてみてください。

しっかり休んで、整えて、回復してから動く。
それこそが、長い一年を元気に過ごすための最高のスタートです。

どうか今年の寝正月は、体を労わる時間にしてくださいね。