いびきの原因と改善方法|日本人の48.5%が悩む睡眠問題を徹底解説
睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年12月1日読了目安時間: 9

【医師監修】いびきの原因と改善方法|日本人の48.5%が悩む睡眠問題を徹底解説

後平 泰信

医療法人徳洲会札幌もいわ徳洲会病院(名称変更) 病院長 現職。

【研究分野】睡眠全般、睡眠時無呼吸症候群、内科全般、循環器内科、スポーツ医学、遠隔医療、地域医療

明るくハキハキとした話し方で、専門的な内容もわかりやすく伝える。特に睡眠医療の分野で多数の講演・メディア出演歴があり、CPAP治療やいびき・睡眠負債など、広く深い見識から生活に密着したあらゆる話題にも柔軟に対応。寝具などスリープテック領域の開発や監修にも多数関わった実績あり。

数年前、家族旅行で泊まったホテルの朝食の席で、「昨日の夜、電車が通っているみたいないびきだったよ」と子どもに笑いながら言われたことがあります。

自分ではぐっすり眠ったつもりだったので最初は冗談だと思っていましたが、その一言がきっかけで試しに睡眠記録アプリを使ってみると、夜の間ずっとゴーッという音が続いていて、胸のあたりがすっと冷えるような感覚を覚えた経験があります。

いびきが眠りの質や健康に与える影響が気になっている方は少なくありません。フランスベッドが行った2025年の最新調査では、日本人の48.5%が「いびきで悩んだ経験がある」と答えていることが分かりました。※1

いびきは単なる生活音ではなく、肥満や加齢、飲酒、骨格や鼻づまりなどさまざまな原因が積み重なった結果として現れるサインです。放置したままだと高血圧や心疾患といった健康への悪影響に加えて、日中の強い眠気による事故リスクなどQOLの低下につながりかねません。

一方で、いびきの仕組みと自分のタイプを理解し適切な対応を取っていけば、症状が大きく改善するケースも多くあります。私自身も、就寝前の飲酒を控えたり枕の高さを調整したりすることで、アプリに記録されるいびきの時間が少しずつ短くなり、朝の目覚めが楽になっていく変化を実感しました。

本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、いびきのメカニズムや単純性いびきと病的いびきの違い、セルフチェックのポイントを解説し、生活習慣の見直しやいびき防止グッズ、外科的治療といった改善策を医学的根拠に基づいて整理していきます。

いびきのメカニズムと種類

いびきのメカニズムと種類

いびきが生じる背景には、睡眠中に気道で起こる変化が深く関わっています。どのような仕組みで音が発生するのかを理解し、自分のいびきがどのタイプに該当するのかを把握していくことから始めましょう。

睡眠中に気道が狭くなる仕組み

人は眠りに入ると、全身の筋肉の緊張が自然に解けます。舌や喉まわりの筋肉も同様に緩むため、上気道が狭くなります。呼吸のたびに空気が狭い通り道を通過した時に粘膜が振動し、生じる音がいびきです。

つまりいびきが起きるかどうかは、睡眠時の筋肉の働きが大きく影響していると言えます。

筋肉の緩みやすさには個人差があります。鼻炎による鼻づまりや下あごの小ささ、加齢による筋力低下、飲酒や喫煙といった生活習慣などがあると、気道の狭窄をさらに助長し、いびきが悪化しやすくなる傾向が高まります。※2

複数の要因が重なることで、いびきが慢性化しやすくなるという点が重要です。

単純性いびきと病的いびきの違い

いびきの種類には、一時的に起こる単純性いびきと、健康への深刻な影響を伴う病的いびきに大きく分けられます。単純性いびきは疲労や飲酒、睡眠姿勢などの一時的な状況が引き金となり、生活習慣を整えることで改善しやすいという特徴があります。

一方で、睡眠時無呼吸症候群(OSA)に関連する病的いびきは、睡眠中に呼吸が何度も止まる状態が続き、酸素不足が全身に負荷をかけます。睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受けずに放置すると高血圧や心血管疾患、日中の強い眠気による事故リスクなどが高まります。

眠っても疲れが取れない、集中力が続かないと感じる場合、単なるいびきと判断せず、病的いびきの可能性を考慮することが重要です。

単純性いびきと病的いびきの違いを理解することは、自分に合った改善方法を見極める手がかりになるいびき対策の第一歩です。

いびきの5大原因|あなたはどのタイプ?

いびきが続く背景には複数の要因が組み合わさっています。自分がどのタイプに当てはまるのかを知ることは、より効果的な改善につながるため、医学的な根拠によるいびきの原因を理解しておきましょう。

ここからは代表的な5つの原因を一つずつ解説し、いびきを引き起こすメカニズムをより深く掘り下げていきます。

1. 肥満と内臓脂肪の蓄積

肥満は、いびきの発生に最も強く関わる要因の一つです。BMI値が25を超えるあたりから上気道周囲の脂肪が増え、空気の通り道が圧迫されやすくなります。特に首周りの太さは気道狭窄のリスクを反映しやすく、男性で43cm以上、女性で41cm以上になると気道が狭くなっていびきの発生率が顕著に上昇します。

また、内臓脂肪が多いと睡眠中の呼吸に負担がかかりやすくなる点も見逃せません。※3

体型の変化は気道の状態にも影響を与えるため、体重管理はいびき改善の中心的なアプローチとして重要です。

2. 加齢による筋力低下

年齢を重ねるにつれて、喉まわりの筋肉は徐々に衰えていきます。40〜50代を境にいびきが増える理由には、筋力低下によって気道の保持が難しくなるという生理的な変化の影響も少なくありません。筋肉がゆるみやすくなると舌根が喉の奥へ落ち込みやすくなって空気の通り道が狭くなるため、睡眠中に振動音が生じやすい状態になります。

女性の場合は、更年期に差し掛かる時期から女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、筋力低下が進みやすいです。その結果、これまでいびきがなかった人でも急に発生しやすくなります。※4

加齢とともに変化する身体の状態に合わせたケアが必要になるため、日常の習慣がいびき予防に役立つと考えましょう。

関連記事:女性のいびきの治し方6選|原因から即効対策まで解説

3. アルコール・喫煙・ストレス

生活習慣の影響も、いびきの発生と密接に関係しています。飲酒には筋肉を弛緩させる作用があるため、寝る直前にアルコールを摂取すると喉の支えが弱まり、気道が狭くなりやすいです。喫煙は気道粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、腫れによって空気の通りを悪化させ、いびきの発生率を高めます。

ストレスの継続にも要注意です。ストレスを受け続けると睡眠のリズムが乱れ、深い睡眠に入りにくくなります。筋肉の緊張が適切に保たれない状態が続いて気道が狭まりやすくなった結果、いびきが増えやすいです。

4. 日本人特有の骨格的要因

日本人を含む東アジア人は、欧米人に比べて下顎が小さく、顔の奥行きが短いという骨格的な特徴を持っています。そのため気道が狭くなりやすく、肥満でなくてもいびきをかきやすいと言えます。実際に、日本人の約4割が骨格的な理由でOSA(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)になりやすいとされており、肥満かどうかというだけでは必ずしも判断できません。

顎の小ささは気道を支えるスペースを減らし、舌が後方へ落ち込みやすくなるため、睡眠中の上気道閉塞が起こりやすいです。ただし、骨格的な要因は生まれつきの部分が大きいものの、姿勢改善や専門的な治療によって対処できるケースもあります。

5. 鼻づまりと睡眠姿勢

鼻の通りが悪くなると、無意識のうちに口呼吸が増え、舌の位置が後方にずれやすくなります。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、花粉症などの季節性アレルギーによる鼻づまりは、気道を狭める大きな要因になり得ます。鼻が詰まった状態だと無意識に口で呼吸するようになり、舌根が喉の奥に落ち込みやすくなっていびきの発生率が高まるのです。

舌根沈下を引き起こしやすいのは寝姿勢が原因の場合もあります。仰向けで眠ると気道の確保が難しくなりますが、横向き寝や枕の調整によって舌の位置が安定すると、気道の通りが改善され、いびきが軽減される可能性が高いです。睡眠姿勢は簡単に見直せるポイントですから、鼻づまりの治療と同時に対策するとより効果が期待できるでしょう。

いびきの健康リスク|放置すると危険な理由

いびきの健康リスク|放置すると危険な理由

いびきを生活音のひとつや癖として片づけてしまうと、体の中で進む変化に気づけません。いびきは睡眠中に気道が狭くなるサインであり、長期間続くと全身にさまざまな負担が蓄積する危険性がある点を理解しておけば、早期に適切な対策や治療を受けることができます。

ここでは、特に注意すべき健康リスクについて順を追って整理していきます。

心血管疾患と生活習慣病のリスク

睡眠時無呼吸症候群が疑われるいびきの放置は、体内で酸素不足が何度も繰り返されるという状態の継続を意味します。酸素不足が続くと自律神経が乱れ、心臓や血管に強い負荷がかかってしまいます。

国内外の調査では、睡眠時無呼吸症候群の人は高血圧を発症するリスクが約1.9倍に上昇し、血管の状態が悪化することで脳卒中のリスクも約1.5倍に達すると報告されています。※5

また、酸素不足と睡眠の分断によって起こるのは、インスリンの働きを妨げることによる糖代謝のバランスの乱れです。その結果、糖尿病を発症するリスクが2.2〜2.7倍に高まり、生活習慣病全体のリスク増加につながります。

いびきが続くと全身の臓器が影響を受け、健康全体が徐々に損なわれていく可能性があることを理解しましょう。

日中の生活への影響

いびきによって睡眠の質が下がると、翌日のコンディションにも反映されます。夜間に繰り返される呼吸の中断によって深い睡眠を維持できなくなるため、強い眠気が日中に残り、集中力の低下や判断力の鈍化が起こりやすくなるのです。そのほか、感情が不安定になりやすい点も問題として挙げられます。

眠気と集中力の低下は安全性にも直結します。交通事故のリスクは約2.4倍、労働災害のリスクは約2.18倍に増加するというデータがあるように、いびきによる睡眠の質低下は社会生活にも影響を及ぼすのです。※5

いびきがもたらす影響が生活へと広く波及することを理解しておくと、改善へ向けた一歩をどう踏み出すか正しい判断がしやすいでしょう。

いびきのセルフチェック方法

いびきは自分自身では気づきにくいため、知らないうちに症状が進んでいることが少なくありません。睡眠の状態を客観的に把握することは、早期に異変へ気づくきっかけになります。ここでは、自分の睡眠の質を見極めるためのチェック方法と、医療機関を受診するべきタイミングについて具体的に解説します。

8つのチェックポイント

睡眠中のいびきに気づくためには、日中と夜間の両面から状態を確認することが大切です。

まず、日中に強い眠気を感じる場合は、夜間に十分な休息が得られていないために睡眠の質低下の可能性があります。朝起きたときに口が乾いている状態が続く場合は、口呼吸が増えていたことを示し、気道が確保されにくい睡眠が続いている兆候です。

熟睡感が得られにくい日が増えたり、夜間にトイレが近くなる夜間頻尿が増えたりする場合も、睡眠の分断が起きている可能性があります。さらに、集中力が続かない日が多いなら、脳への酸素供給が不足しているかもしれません。高血圧が指摘されている場合はいびきとの関連が深いため、特に注意が必要です。

一緒に寝ている人がいる場合は、いびきの大きさやリズムの乱れ、呼吸が止まるような瞬間があるかを観察してもらうと、より具体的な状態を把握しやすくなります。パートナーから「呼吸が止まっているように見えた」と伝えられたことがあるなら、無呼吸が起こっている可能性が高いでしょう。

これらのチェックポイントに複数該当する場合は、睡眠中の呼吸が安定していない可能性が高く、次に示す受診タイミングを検討することが重要です。

関連記事:いびきがうるさい人を止める方法!今すぐできる7つの対策と根本改善法

医療機関受診の目安

睡眠中に10秒以上呼吸が止まる様子が見られたり、1時間あたり5回以上の無呼吸が疑われる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。※6

こうした状態を放置すると心血管疾患や生活習慣病のリスクを押し上げるため、早期の検査が推奨されます。日中の強い眠気で仕事や生活に支障が出ている状態も、受診を検討すべき重要なサインです。

受診先としては、睡眠外来、耳鼻咽喉科、呼吸器内科が適切です。専門的な検査によって、無呼吸の有無や重症度を正確に判定できます。鼻づまり、骨格、筋力低下など症状の背景や要因を知ることが、最も効果的な治療への近道です。

自分では把握しづらい症状だからこそ、早めのチェックと適切な受診が、健康な睡眠を取り戻すために重要なのです。

いびきを改善する5つの対策|今日から始める

いびきを自力で改善していくためには、原因に合わせて複数のアプローチを組み合わせる姿勢が欠かせません。医学的に根拠のあるセルフケアの方法を5つの視点から順に整理し、今日から取り組める改善ステップを紹介します。

1. 横向き寝と睡眠環境の改善

体重が増加している人や寝酒の習慣がある人は、気道が狭まりやすいため、仰向けを避け横向きで眠ることを意識しましょう。横向きで眠ると喉の奥のスペースを確保しやすく、いびきの音が軽減されやすいです。特に姿勢依存性のいびきを持つ人は横向き寝が改善に直結しやすいため、試してみる価値が十分にあります。

睡眠環境も気道の状態の改善に有効です。呼吸しやすいよう、室温を18〜22℃、湿度を40〜60%の範囲に保ってください。乾燥が続くと鼻づまりが悪化し、口呼吸につながりやすいため、適切な湿度管理が重要です。

さらに、身体を無理なく支えるマットレスの使用も効果的です。寝返りがしやすくなり、自然な姿勢で眠れるため、気道の確保につながります。

2. 体重管理と生活習慣の見直し

気道の周囲に脂肪が増えると、気道を圧迫するため空気の通るスペースが狭くなり、いびきの発生率が高まります。肥満がいびきの主原因になっている人だと、数キロの減量でも改善されやすいです。

飲酒は喉の筋肉を緩ませ、気道を支える力を弱めるため、就寝前の飲酒は控えましょう。気道の粘膜に炎症を起こす要因となりやすい喫煙も、できれば避けたい習慣です。完全禁煙が難しい場合は、喫煙量を減らす努力をしてみましょう。こうした生活習慣の積み重ねが、睡眠中の呼吸を支える土台となります。

3. 鼻呼吸トレーニング

生活習慣を整えながら、呼吸の質を高める取り組みも並行して行うと、改善効果が高まりやすいです。鼻呼吸を習慣づけると、気道の自然な加湿・加温・浄化が働き、いびきの悪化を防ぎやすくなります。日中から意識的に鼻で呼吸する練習を続けましょう。吸うときにゆっくり鼻を通し、吐くときに自然に鼻へ空気を戻す練習を重ねると、睡眠中も鼻呼吸が維持されやすくなります。

口テープの使用は睡眠中の口呼吸を抑える助けになりますが、医学的なエビデンスは限定的です。鼻づまりがある人には不向きなため、無理のない範囲で使ってください。

一方、鼻腔拡張テープは外側から鼻腔を広げ、空気の流れを改善しやすくするため、軽度の鼻づまりには効果が期待できます。

鼻呼吸の安定に取り組んで気道が確保されやすくなったら、次に紹介する舌の筋力トレーニングを加えるとより効果的です。

4. 舌筋トレーニング

舌の筋力が低下すると、舌が喉の奥へ落ち込みやすくなっていびきが生じます。舌の位置を安定させ、気道の閉塞を起こりにくくするために、あいうべ体操のような口周囲の筋肉と舌を鍛える簡単なトレーニングを続けましょう。舌を大きく動かす動作を習慣化すると、筋肉の緊張が改善され、睡眠時の舌根沈下を予防できます。

日常のちょっとした時間に取り入れられるトレーニングなら、継続が簡単な上に効果も表れやすいです。

5. いびき防止グッズの活用

市販されているいびき対策の商品は、気道の確保を助けたり、睡眠姿勢を整えたりするのに有効です。下あごを前方に軽く誘導し、気道を広げる働きがあるマウスピースは、専門医で検査を受けた上で製作してもらうと効果が高いです。市販品のマウスピースは顎にフィットしない場合もあるため、違和感があるなら無理に使用しないようにしましょう。

こうしたグッズは補助的な役割を果たすものですが、生活習慣の改善や筋力トレーニングと組み合わせると、総合的ないびき対策として効果的です。自分の体質や生活環境に合った方法は何か、複数の方法を試しながら見つけていきましょう。

医療機関での治療法

医療機関での治療法

生活習慣の見直しやセルフケアで十分な改善が得られない場合は、医療機関での専門的な治療を受けることで症状が大きく軽減される可能性があります。睡眠時無呼吸症候群を含むいびきの治療は、原因に応じて複数のアプローチが選択されるため、自分に適した方法を医師と相談しながら進めていくことが重要です。

マウスピース療法(保険適用あり)

スリープスプリントと呼ばれる口腔内装置は、下顎をわずかに前へ誘導することで気道の幅を確保し、睡眠中の空気の流れを改善します。歯科で検査結果をもとに作ると、顎の位置や噛み合わせに合わせて少しずつ調整しながら使用するため、既製品よりも高い効果が期待できるでしょう。

医師の診断で睡眠時無呼吸症候群が確認されると、マウスピース療法は保険適用の対象となります。継続的な使用で症状が安定しやすいため、軽症から中等症の人に有効とされ、いびき対策だけでなく睡眠の質の改善にもつながります。

マウスピース療法は装着感に慣れるまで時間が必要な場合も多いですが、体に負担を与えないため幅広い層に使われる治療法です。

CPAP療法(重症例に有効)

睡眠時無呼吸症候群の診断指標であるAHIが20以上の場合、CPAP(持続陽圧呼吸療法)は保険適用の対象です。※7

専用の機器が一定の圧力を気道に送り続け、眠っている間も気道がつぶれるのを防ぐため、無呼吸がほぼ完全に抑えられます。重症例に対して最も確立された治療法であり、適切に使用すると日中の眠気や血圧の安定など、多くの改善効果が確認されています。

治療は月1回の通院と機器の管理を組み合わせて進められ、継続することが重要です。睡眠が劇的に改善したという声は多く、医療ガイドラインでも標準治療として推奨されています。

外科的治療の選択肢

構造的な問題がいびきの根本原因になっている場合は、外科的治療が選択されることもあります。扁桃肥大が原因の場合には扁桃摘出術が行われ、気道の物理的な狭さを改善することで症状を緩和させる治療法です。

軟口蓋をレーザーで整える治療や、口蓋周囲の組織を調整する手術が行われるケースもあり、いずれも骨格や組織の形態を直接改善するアプローチが用いられます。

外科的治療は即効性がある一方で、個々の状態によって適応が異なるため、専門医による判断が欠かせません。セルフケアや機器による治療では改善が難しい場合の選択肢として検討されます。

後平 泰信 医師
後平 泰信 医師
こちらの記事はいびきの原因から対策まで非常によくまとまっています。またいびきが重要なサインとなる睡眠時無呼吸症候群についてもよく書かれていますので是非ご一読ください。引用されているフランスベッドの調査にもコメントさせていただきましたが、いびきは男性だけではなく女性も多く悩まれており、ベッドパートナーの睡眠の質も低下し海外では離婚の原因にもなっています。いびき対策をしてみて改善がない場合は病院を受診しましょう。

よくある質問

いびきについて疑問を持つ人は多く、正しい知識を持つことで不安を減らし、適切な行動につなげることができます。ここでは、読者が特に気になりやすいポイントに対して医学的な視点から回答していきます。

病院は何科を受診すべき?

受診する科は自分の症状から判断すると選びやすいです。鼻づまりや扁桃肥大、喉の違和感など構造的な問題が疑われる場合は耳鼻咽喉科が適しており、鼻腔や咽頭の状態を詳しく調べることができます。

睡眠時無呼吸症候群が疑われるときは呼吸器内科での検査が一般的です。簡易検査や精密検査(PSG)を行い、無呼吸の回数や重症度を正確に測定した上で治療を進めます。

より総合的に評価したい場合は睡眠外来がよいでしょう。鼻・喉・呼吸・睡眠の全体像を踏まえて治療方針が決められます。迷う場合は、まず耳鼻咽喉科または呼吸器内科を受診すると安心です。

子供のいびきは大丈夫?

子どものいびきは、アデノイド肥大や扁桃肥大が原因であることが多く、成長や発達への影響が懸念されます。学習能力の低下、注意力の問題、成長ホルモン分泌への影響などが指摘されており、長期間放置することは望ましくありません。

数週間以上いびきが続く、呼吸が苦しそうに見える、寝相が極端に悪いといった兆候がある場合は、耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。構造的な問題がある場合、治療によって劇的に改善するケースも多いため、早期発見が大切です。

まとめ:いびきは適切な対策で改善できる

いびきは生活習慣の見直しや睡眠環境の調整、適切な医療介入を組み合わせることで改善につながります。自分のいびきの原因を正しく理解し、セルフケア・専門治療・生活習慣の調整を段階的に進める姿勢が、快適な睡眠を取り戻す鍵です。

また、睡眠の質を高めるためには寝具選びにもこだわりましょう。身体の負担を減らすマットレスは安定した姿勢を保ちやすく、いびき対策としても有効です。

質の高い睡眠を得るために、いびき対策から健康的な毎日への一歩を踏み出してみませんか。

・参考

※1 「いびきに悩んだことがある」48.5% | フランスベッド調査
※2 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS) | 日本呼吸器学会
※3 肥満は大きなイビキの原因になります | 阪野クリニック
※4 女性のいびきの原因は?ホルモンの影響と対処法を解説 | 横浜弘明寺呼吸器内科クリニック
※5 いびきの原因と解決策~今すぐできるセルフチェックと改善法~ | 東京メディカルクリニック
※6 いびき・睡眠時無呼吸症候群 |  浅香耳鼻咽喉科クリニック
※7 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS) | 日本呼吸器学会