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監修者
松本 恭
「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。
枕を探すとき、「高めがいいのか低めがいいのか」「肩こりや首の痛みに合う枕はどれか」「横向き寝や仰向け寝には何を選ぶべきか」など、判断基準が多くて迷いますね。特に男性の場合、体格や肩幅が大きい傾向があることに加え、寝汗・においの悩みやいびきが気になるケースも少なくなく、人気の枕が自分に合うか不安に感じることもあるでしょう。
本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の松本が、男性が枕を選ぶときに確認すべき高さ・硬さ・素材・形状・寝姿勢といった基本ポイントをわかりやすく整理しました。男性に多い悩みに沿って、どのような枕が合いやすいのかを解説します。
男性が枕で抱えやすい悩み
市販の枕の多くは標準的な体格を前提に設計されており、体格や肩幅が大きい男性には高さや支え感が合わない場合があります。睡眠中の寝汗やにおいなど、男性特有の悩みへの対処も加わって、枕選びは意外に悩ましいものです。男性が枕を選ぶうえで直面しやすい悩みを3つ取り上げて説明します。
1. 体格に高さが合わない
男性の場合、肩幅が広く首が短い人が多く、標準的な枕の高さが合わないケースは珍しくありません。仰向けでは頭だけが支えられて首が浮いてしまう、横向きでは肩の幅に対して枕が低すぎて頭が傾いてしまうといった状況が生じます。
適切な枕の高さは、体格というよりは首から背骨にかけての自然な角度を維持できるかどうかで判断することが必要です。使っているマットレスの硬さや沈み込みも枕の高さの感じ方に影響するため、本体だけを見て合うかどうかを判断するのは困難です。
2. 寝汗やにおいがこもる
男性は就寝中の発汗量が多い傾向があり、枕カバーや枕本体に湿気や熱がこもりやすいです。汗をかきやすい体質だと寝汗が枕内部に染み込みやすいため、洗えない素材の枕だと衛生面の問題も生じます。
加えて、加齢臭やにおいが気になる場合は枕の消臭機能や抗菌性能、通気性も重要です。長期間快適に使い続けるには、洗えるカバーや取り外しやすい内材など、メンテナンス性の高さがポイントになります。
3. 横向き寝やいびきが気になる
仰向けで寝ると舌根が下がり、気道が狭くなりやすいため、横向き寝に切り替えることでいびきが軽減するケースがあります。ただし、横向き寝に適した高さの枕でなければ首が傾いてしまい、かえって不快感が増すことにもなりかねません。
横向き寝では仰向けよりさらに高さが必要ですが、肩幅に対して枕が低すぎると首が落ちてしまうという問題が生じます。大きないびきや就寝中の呼吸の乱れが気になる場合は、枕の見直しだけでは解決しない可能性もあるため、医療機関への相談も視野に入れましょう。
男性に合う枕を選ぶポイント
男性の体格や寝姿勢、悩みは一人ひとり異なります。「男性向け」と表記された枕でも、体格や寝姿勢によって合う・合わないは変わるため、スペックをしっかり確認して選ぶことが大切です。自分なりの判断基準を確定できるよう、男性が枕を選ぶときに必ず押さえておきたい5つのポイントを整理します。
1. 高さは仰向けと横向きで確認する
枕の高さ選びで最も大切なのは、仰向けと横向きの両方の姿勢で首が自然な角度になるかどうかです。仰向けで寝たとき、首が反り返らず、あごが引きすぎず、背骨と頭が自然なカーブでつながっていることが理想です。横向きで寝たときは、頭から背骨が水平に近い状態になり、肩が圧迫されていないことを確認します。
男性は肩幅があるため、横向き寝では高めの枕が必要になりやすいです。一方で、国立循環器病研究センターが2024年に発表した研究では、高さ12cm以上または15cm以上の枕を使用していることと特発性椎骨動脈解離の発症との関連が示され、高すぎる枕も問題があるといえます。※1
「男性だから高め一択」とせず、自分の体格と寝姿勢に合った高さを選ぶことが重要です。
2. 硬さは支え感と寝返りのしやすさで選ぶ
枕の硬さは、頭と首をしっかり支えながら寝返りを妨げないものを選ぶことが基本です。柔らかすぎる枕は頭が深く沈み込んでしまい、首が不自然な角度に曲がることがあります。反対に硬すぎる枕は首や後頭部に圧迫感を与えやすく、寝心地の悪さから目が覚めることもあります。
男性は頭が重い傾向があるため、適度な支え感があり、なおかつ寝返り時に頭をすばやく動かせる硬さが適切です。枕内部の素材によって硬さや弾力の感じ方は大きく異なりますから、実際に触れてみて、頭を乗せたときの沈み込みと押し返す感覚を確かめることをおすすめします。
3. 素材は通気性とメンテナンス性も見る
枕選びでは、寝心地だけでなく通気性と洗いやすさも確認することが大切です。寝汗が多いなら、熱や湿気を逃がしやすい素材やカバーを検討しましょう。洗濯機で丸洗いできる枕や、カバーを取り外して頻繁に洗えるタイプは、清潔を保ちやすく長く快適に使えます。
さらに、素材によってへたりやすさが異なるため、長期間の使用で枕の高さや形状が変わることも考慮して比較検討しましょう。
4. 形状は首の支え方と寝姿勢で選ぶ
枕の形状は、どのように首を支えるかに大きく影響します。波型・くぼみ型・中央部が低く両サイドが高い形状など、さまざまな設計があり、寝姿勢や首のカーブに応じて合いやすい形状は異なります。仰向け寝が多い人には首のカーブを自然にサポートする形状が、横向き寝が多い人には肩の高さに対応できるよう両サイドが高めに設計されたタイプが役立ちます。
ストレートネックが気になる男性なら、頸椎のカーブを意識した形状の枕がおすすめです。ただし、日中の姿勢や生活習慣の見直しも並行して行うことが大切です。
5. 高さ調整できる枕は失敗しにくい
自分に合う高さがわからない人には、高さ調整ができる枕を検討しましょう。中材を抜き差しできるタイプや、シートを重ねて高さを調整できるタイプであれば、寝方やマットレスの硬さに合わせて微調整できます。国内の研究では、頸椎・胸椎のアライメントを考慮した枕に変えることで、起床時の首肩のこりの自覚症状が有意に低下した結果が報告されており、「体に合った支え方」が重要であることが分かります。※2
購入後に「もう少し高くしたい」「低くしたい」と感じた場合でも対応できるため、初めて自分向けの枕を探す男性におすすめです。
関連記事:枕の種類を徹底比較!素材・サイズ・高さで失敗しない選び方と快眠への近道
悩み別に見る男性向け枕の選び方
枕の選び方は、一人ひとりの悩みや症状によって変わります。男性に多い悩みのタイプ別に、枕選びで確認すべきことを整理しましたので、枕を選ぶ際の参考にしてください。
1. 肩こりが気になる
厚生労働省の2022年「国民生活基礎調査」では、男性が訴える自覚症状の上位に腰痛と肩こりが挙げられています。※3
就寝中に首や頭が不自然な角度に保たれることで、首・肩の筋肉に過度な負荷がかかりやすくなることを考慮すると、枕選びは慎重に行うことが必要です。
ただし、肩こりの原因は枕だけではありません。日本整形外科学会によると、肩こりは首や背中が緊張する姿勢、猫背・前かがみ、運動不足、精神的なストレス、長時間同じ姿勢を続けることなど、複合的な要因で起こるようです。※4
枕を変えれば肩こりが必ず解消されるというよりは、寝姿勢を整える道具として選ぶのが正解です。
肩こりが気になる男性には、首のすき間をしっかり支え、頭が沈み込みすぎない硬さと高さの枕を選んでください。仰向けで寝たときに首が浮かないか、横向きで頭の位置が安定しているかを確認することが大切です。
2. いびきが気になる
仰向けで枕が高すぎると頸部が屈曲し、気道が狭くなりやすい場合があるため、いびきが気になる男性は、仰向けで顎が引きすぎず、首が圧迫されない高さの枕を選ぶことが重要です。気道の確保がしやすい横向き寝をサポートする枕を使うのもよいでしょう。
ただし、いびきの原因は体重や気道の形状、アレルギー、睡眠時無呼吸症候群など多岐にわたるため、枕選びとは別に原因を把握しておくことが大切です。特に、いびきが大きい、日中に強い眠気がある、睡眠中に呼吸が止まると指摘されたことがある場合は、根本的な改善のためにも医療機関への相談を優先してください。
3. 横向き寝が多い
横向き寝が多い男性が使う枕には、肩の高さ分だけの厚みが必要です。横向き寝は、枕が低すぎると仰向け寝よりも頭が下に傾き、首の筋肉に負担がかかりやすくなります。逆に高すぎると頭が上に押し上げられて首が傾く原因になるため、頭から背骨までができるだけ水平に近い状態になる高さを選びましょう。
横向き専用に設計された枕や、両サイドが高めになっている枕は、肩の厚みを考慮した設計になっています。枕と肩の位置のバランスを見ながら選ぶのがおすすめです。
4. 寝汗やにおいが気になる
寝汗やにおいが気になる男性には、通気性の高い中材・洗えるカバー・抗菌・消臭機能を持つ枕が適しています。パイプやファイバー素材は通気性に優れており、熱や湿気を逃がしやすい特徴があります。ポリエステルわたや一部のウレタン素材は通気性が低めで、汗をかきやすい男性にはあまり向いていません。
毎日使う寝具として、洗いやすさや乾きやすさも重要な条件になるため、カバーの取り外しやすさも重要です。清潔に長く使い続けられるかどうかを、商品選びの基準の一つに加えてください。
枕の素材別メリットと向いている人
枕の素材は、寝心地・通気性・洗いやすさ・耐久性に大きく影響しますが、どの素材がいちばん良いかという絶対的な答えはありません。自分の寝心地の好みや体格、悩みに合った素材を選べるよう、男性向け枕でよく使われる代表的な3つの素材タイプの特徴と、どのような人に向いているかを解説します。
1. 低反発枕はフィット感を重視する人向け
低反発素材は頭や首の形に沿って沈み込むため、包み込まれるようなフィット感が特徴です。ゆっくりと形が変わる性質上、寝ている間のポジション変化に静かに対応します。ただし、沈み込みすぎると首の角度が不自然になる場合があるため、復元性も確認してください。
また、通気性が低めの素材だと寝汗が多い男性は使いづらさを感じやすいです。フィット感を求める、寝汗が少なめの人向きの枕といえます。
2. 高反発枕は寝返りと支え感を重視する人向け
高反発素材は頭を適度に押し返す力があり、寝返りをサポートしやすい特徴があります。しっかりと支えられる感覚があるため、頭が深く沈む感覚を好まない男性や一晩で何度も体の向きを変える男性に向いています。
横向き・仰向けどちらの寝姿勢にも対応しやすい素材として、男性に選ばれることが多いタイプですが、注意したいのは、素材の硬さが合わないと後頭部や首への圧迫感につながることです。実際に頭を乗せてみて、支えられる感覚があるかどうかを確認しましょう。
3. パイプやビーズは通気性や調整性を重視する人向け
パイプ素材は通気性が高く、熱や湿気を逃がしやすいため、清潔さを重視する男性や蒸れが気になる男性に向いています。また、中材のパイプを抜き差しして高さを調整できる商品が多く、自分の体格や寝姿勢に合わせた微調整がしやすい点も特徴です。
ビーズ素材は体のカーブに沿って動きやすく、柔らかくフィットする感覚が特徴です。一方でパイプ素材は使用時に音が気になる場合もあるため、寝返りが多い人は事前に確認しておきましょう。
枕を比較するときに見るべき項目
枕を選ぶ最終段階で複数の商品を比較するときは、価格やブランド名だけで判断するのではなく、自分の寝姿勢や悩みに合った項目を軸に比較することが重要です。
商品を比較する際に見ておくべき3つの観点を整理します。
1. 比較表には高さと対応する寝姿勢を入れる
商品を比較するときは、高さ・硬さ・素材・洗濯の可否・向いている寝姿勢や悩みを整理した比較表を活用しましょう。特に高さと対応寝姿勢(仰向け向け・横向き向け・両方対応)は、男性が枕選びで最も迷いやすいポイントであるため、必ず確認しておくことが大切です。商品説明に「適した高さ」や「対応寝姿勢」が明示されているかどうかも、信頼できる商品かどうかの判断材料になります。
2. 口コミは悩みとの一致度を見る
口コミを参考にするときは、評価の高さよりも自分と似た体格や悩みを持つ人がどう感じているかに注目してください。肩こりや首の痛み、いびき、寝汗、高さの合う合わないに関するレビューは、実際の使用感を知る上で参考になります。高評価でも「体格が大きい自分には低かった」「横向き寝には向いていなかった」といったレビューがあれば、商品選びのヒントにするとよいでしょう。
3. 返品の可否や高さ調整のしやすさも確認する
枕は実際に寝てみないと合うかどうかが判断しにくく、購入後に「合わなかった」と感じることもあります。そのため、試用期間や返品・交換ポリシーが設けられているかどうかも、購入前に確認しておきましょう。
高さ調整ができる枕であれば、購入後に微調整が可能なため失敗のリスクを減らせます。特に男性は体格差が大きく、同じ商品でも個人によって合う高さが異なるため、返品の可否の確認は重要な保険になります。
枕と一緒に見直したい睡眠環境
枕を新しくするだけで睡眠の質がすぐに上がるとは限りません。枕と組み合わせて使うマットレスの硬さや体圧分散の性質、寝室の温度・湿度・光・音など、睡眠環境全体を整えることが快眠につながります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、十分な睡眠時間の確保に加え、食生活・運動・寝室の環境を見直して睡眠休養感を高めることが推奨されています。※5
枕とあわせて見直したい睡眠環境のポイントをまとめました。
1. マットレスの沈み込みで枕の高さは変わる
枕の適切な高さは、マットレスの硬さや体圧分散の特性によっても変わります。柔らかいマットレスでは体が沈み込む分だけ枕との間の高さが変化するため、硬いマットレスで寝る場合として選んだ枕の高さでは合わない可能性があります。使用するマットレスと組み合わせて確認することが理想的です。
マットレスを新しくした際には枕の高さも改めて確認し、必要であれば調整しましょう。枕とマットレスをセットで見直すことで、より首・肩への負担を軽減しやすい寝環境を整えられます。
2. 睡眠休養感を高める寝室環境も整える
枕やマットレスといった寝具の選択に加えて、寝室の温度・湿度・光・音・寝具の清潔さも快眠に影響します。室温や湿度、明るさの管理とあわせて、就寝前のスマートフォン使用といった習慣の見直しも必要です。
そして、枕やマットレスの清潔さを保ちましょう。枕カバーの洗濯頻度を上げる、除湿シートを使うなど、日常的なメンテナンスを習慣にすることで、長く快適な睡眠環境を維持できます。
男性におすすめの枕は体格・寝姿勢・悩みに合わせて選ぼう
男性向けの枕選びは、「高めがよい」「硬めがよい」といった単純な基準だけでは判断できません。体格・肩幅・寝姿勢・睡眠の悩み・使用するマットレスとの相性を総合的に確認することが、自分に合う枕を見つける近道です。
肩こりが気になる人は首のすき間をしっかり支える高さと硬さを確認し、いびきが気になる人は横向き寝に対応した高さを検討してみてください。横向き寝が多い男性は肩幅に見合った高さを優先し、寝汗やにおいが気になる人は通気性と洗いやすさを重視した素材を選ぶことをおすすめします。
高さ調整ができる枕を選ぶと、購入後の微調整もしやすくなります。また、枕だけでなくマットレスや寝室環境もあわせて見直すと、睡眠全体の質を高めやすいです。自分の悩みや体格に合った枕を見つけて、朝起きたときにしっかり休めた実感のある睡眠を目指してください。
・参考
※1 高い枕の使用と特発性椎骨動脈解離の関連 | 国立循環器病研究センター
※2 頸椎胸椎アライメントを考慮した枕と首肩のこり・睡眠感の関係 | 日本睡眠環境学会
※3 2022年 国民生活基礎調査の概況 | 厚生労働省
※4 肩こり | 日本整形外科学会
※5 健康づくりのための睡眠ガイド2023 | 厚生労働省











