ベッドの高さは何cmが最適?低め・高め・標準の目安と失敗しない決め方
寝具コラム by 松本 恭2026年3月25日読了目安時間: 7

ベッドの高さは何cmが最適?低め・高め・標準の目安と失敗しない決め方

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

ベッドの高さは、部屋の印象を決めるデザイン性だけでなく、毎日の立ち上がりや掃除のしやすさを左右する非常に重要な要素です。 カタログに記載されているフレーム自体の高さだけで選んでしまうと、実際にマットレスを載せた際に「想像より高くて足が届かない」「低すぎて腰がつらい」といった後悔につながりかねません。

実は、睡眠健康指導士として日々お客様へアドバイスをしている私自身も、かつては見た目の好みだけでロータイプのベッドを選び、冬場の床冷えや立ち上がりの負担に悩まされた経験があります。 

本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、理想的なベッドの高さを導き出すための具体的な計算方法や、低め・標準・高めといった各レンジのメリットとデメリットを詳しく解説します。 

ベッドの高さで暮らしはどう変わるのか

ベッド選びにおいて、デザインや寝心地と同じくらい重要な要素が「高さ」の設定です。この高さをどのように決めるかによって、日々の動作の快適さや部屋の居心地、さらにはベッド下の掃除にも影響します。

自分にとって最適な高さを導き出すためには、まず「高さが変わることで生活の何に影響が及ぶのか」という評価軸を明確に整理しておく必要があります。購入後に後悔しやすいポイントとあわせて、優先順位を判断するための具体的な基準を解説します。

立ち上がりやすさと出入りのしやすさ

一般的に、腰掛けた際に膝が90度よりも深く曲がってしまうような低いベッドは、立ち上がる瞬間に体重を支えるための強い筋力が必要となり、腰や膝に不安を抱える方にとっては大きな負担になりかねません。一方で、腰の位置に対して座面が高すぎると、足が床にしっかりと届かないため、就寝前後の動作に不安定さや恐怖心を感じる原因となります。

スムーズな動作を実現するために、また転倒防止という安全を確保するために、自分の体格に合わせた適切な「足つき」の良さを確保する必要があります。「座る・立つ・寝る」という一連の動作をいかにスムーズに行えるかを最優先項目として検討しましょう。

収納力と掃除のしやすさがもたらす家事効率

ベッドの下に生まれる空間をどのように扱うかは、住まいの収納計画に直結します。床面からベッドフレームまでの高さが十分に確保されているハイタイプであれば、デッドスペースになりがちなベッド下を活用して衣装ケースや季節物のラグ、大型のスーツケースなどを収納できます。クローゼットなどの収納スペースが狭い場合、収納力を高められるため非常に便利です。ただし、ベッド下に物を収納しすぎると空気の流れが滞り、湿気やほこりが蓄積しやすくなるため、アレルギー対策の観点からも適切な配慮が求められます。

ベッド下に物を収納しない場合は、ロボット掃除機や掃除機のヘッドが奥までスムーズに届くようになり、掃除のストレスを大幅に軽減できます。ロボット掃除機の導入を検討している場合は、通過に必要な高さを事前に確認し、機械の動きを妨げない高さのベッドを選びましょう。

圧迫感のコントロールと寝室の空間演出

ベッドは寝室の中で最も大きな面積を占める家具です。その高さは視覚的なボリュームとなって部屋の印象を決定づけます。床に近いローベッドを採用した場合、一般的な高さのベッドよりも天井までの距離が広がるため、視界が抜けて開放感が生まれ、部屋全体を広く見せる効果が期待できます。

対照的に、高さのあるベッドは重厚感やラグジュアリーな雰囲気を演出できます。ベッドスプレッドなどを使ってベッド周りをおしゃれに演出する楽しみも体験できますが、狭い寝室に配置すると圧迫感が強まり、部屋をより狭く感じさせてしまいます。ベッドの高さ選びは、部屋の広さや天井の高さ、他の家具とのバランスを考慮しましょう。インテリアとしての美しさと部屋全体に対するサイズ感のバランスを正しく見極めることが、後悔のないベッド選びにつながります。

高さの目安は「低め・標準・高め」の3レンジ

ベッドの最適な高さを検討する際は、床面からマットレス上面までの総高さを重視しましょう。ベッドフレーム本体が低くても、その上に厚みのあるマットレスを載せれば総高さは高くなります。

一般的に流通している主なベッドの総高さ3種類の特徴について解説します。

低めの高さ(30cm以下)が向く人と注意点

総高さが30cm以下の低めのベッドは、視線を低く保つことができるため、圧迫感を抑えて部屋を広く開放的に見せたい方に適しています。万が一の転落時も怪我のリスクを低減できるため、小さなお子様と一緒に眠る場合も安心です。また、和室の雰囲気を壊さずにベッドを導入したい場合や、基本的に床座で過ごす場合にも適しています。

一方で、立ち上がる際に深く膝を曲げて踏ん張る必要があるため、下半身への負担が大きくなりやすいです。さらに、床面に近い分、床や部屋の隅にたまったハウスダストを吸い込みやすい環境になるため、アレルギー体質の方は避けた方がいいでしょう。

標準的な高さ(35cmから45cm)が向く人と注意点

35cmから45cm程度の高さは一般的な椅子の座面に近く、多くの日本人にとって立ち座りがスムーズに行えます。腰掛けた際に足の裏がしっかりと床に着くため、起床時や就寝前の動作に安定感が生まれます。市販されている多くのベッドフレームとマットレスを組み合わせると自然にこの範囲に収まることが多く、選択肢が豊富である点も大きなメリットです。

ただし、使う方の身長や組み合わせるマットレスの厚みによっては、高めになるケースがゼロではありません。例えば、小柄な方が厚手のソフトマットレスを選ぶと、数値上は標準でも足が浮いてしまい、乗り降りが不便に感じるケースもあります。購入時にはフレームの数値だけでなく、実際に使用するマットレスの厚みを加算して検討することが重要です。

高めの高さ(50cm以上)が向く人と注意点

総高さが50cmを超える高めのベッドは、ベッド下を収納スペースとして使いたい方や、立ち上がりの動作を極限まで楽にしたい方に最適です。腰を深く曲げずに腰掛けることができるため、膝や腰に痛みがある方にとっては、立ち座りの負担を大幅に軽減できます。ホテルのような豪華で重厚感のある寝室を作りたい場合にも、この高さだと視覚的な高級感を演出しやすいでしょう。

一方で、高さがある分だけ部屋への圧迫感は強まり、空間が狭く見えやすくなる点には注意が必要です。加えて、寝相が悪い方や小さなお子様が使用する場合は、転落した際の衝撃が大きくなるという安全面のリスクも考慮しなければなりません。家族構成や自身の寝姿勢を振り返り、手すりの設置や衝撃を和らげるラグの配置など、安全性を確保するための工夫とセットで検討することが推奨されます。

関連記事:【上級睡眠健康指導士監修】寝具のおすすめをプロが解説!快眠につながる選び方

失敗しない決め方は「総高さの計算」と「端座位チェック」

ベッドの高さをなんとなく選んでしまい、いざ使い始めたときに後悔するというケースは少なくありません。カタログスペック上の数値に惑わされず、自分の体格と生活動線にジャストフィットする数値を見つけ出すための、具体的かつ確実な3つのステップを解説します。

総高さの出し方:フレーム高とマットレス厚

多くの通販サイトやカタログでのベッドフレームの販売ページに記載されている数値は、ベッドフレーム自体の床板までの高さです。この高さにマットレスの厚みを加算する必要があります。

失敗を防ぐために、必ず以下の計算式で「総高さ」を算出してください。

【計算式】フレームの床板高 + マットレスの厚さ = 総高さ

たとえば、高さ25cmのベッドフレームと、厚さ25cmのポケットコイルマットレスを組み合わせると、総高さは50cmです。一般的には高めのサイズに相当しますので、慎重が低めの方にとっては使いにくさを感じるかもしれません。マットレスをもう少し薄手にするなどの工夫が必要です。

購入を検討しているマットレスの厚みを忘れずに加算して、総高さが自分に合っているかをミリ単位でシミュレーションしておきましょう。

端座位チェックで決める:膝・足裏・安定感

最も確実な判断基準は、ベッドの縁に腰掛けた状態、つまり「端座位(たんざい)」での安定感を確認することです。福祉用具の選定基準においても、立ち上がり動作のしやすさは「足裏の接地」と「足の引きやすさ」に大きく左右されるとされています。

チェックの際は、以下の3点に注目してください。

  • 足裏が床にしっかり着くか:かかとまで床に接地することが理想です。つま先立ちになるほど高いと、起床時のふらつきや転倒の原因となり危険です。
  • 膝裏の当たり具合:座ったときに膝裏がマットレスの角に強く当たって圧迫されないかを確認しましょう。圧迫が強いと血行を妨げ、足の運びがスムーズにいきません。
  • 膝の角度:腰掛けた際、膝の角度が90度、あるいは腰の位置が膝よりもわずかに高い状態がベストです。この角度であれば、上体を前傾させるだけで自然に体重が足元へ移動し、楽に立ち上がることができます。

身体に合う高さが見えてきたら、最後に部屋全体との調和を点検しましょう。

部屋と生活動線の最終確認

高さが決まったら、ベッド単体ではなく周囲の家具との関係性もチェックしましょう。特に見落としがちなのが、ナイトテーブルや照明スイッチとの位置関係です。例えば、低すぎるベッドの横に背の高いテーブルを配置してしまうと、寝ながらスマートフォンを取ったり、コップを置いたりする動作がしにくく、圧迫感も増します。

また、掃除ロボットを使ってベッド下を掃除したいなら、ベッド下の空間にある程度の高さが必要です。「高さ」という垂直の視点と「動線」という水平の視点を掛け合わせることで、寝室全体の利便性を高めましょう。

家族構成で変わる安全性:乳幼児と高齢者の視点

ベッドの高さ選びにおいて、身体能力が未発達な乳幼児や、身体機能が低下し始めた高齢者がいる家庭では、「事故リスクの回避」が利便性を超える最優先事項です。公的な調査データや専門的な基準に基づいた、安全な寝室環境を整えるための注意点を整理していきます。

乳幼児がいるなら転落と窒息のリスク回避を優先

消費者庁の報告によると、0歳から1歳児が大人用ベッドから転落し、重大な事故につながるケースが後を絶ちません。大人用ベッドは子どもが寝返りを打って移動することを想定していないため、高さがあるほど転落時の衝撃は強まります。※1

乳幼児がいる環境では、可能な限り高さを抑えたベッドを選択し、物理的な落差を小さくすることが有効な対策の一つです。また、高さだけでなく「隙間」にも細心の注意を払ってください。ベッドと壁の間にわずかな隙間があると、そこに頭や首が挟まってケガや窒息につながりかねません。高さ選びと同時に、壁にぴったりと密着させる、あるいは十分な距離を離すといった配置の工夫が不可欠です。

高齢者は「立ち座りしやすさ」と「転倒」を同時に考える

高齢者の場合、低すぎるベッドは立ち上がりの際に大きな筋力を必要とするため、一般的には「立ち座りしやすいやや高め(40cm前後)」が推奨されます。しかし、夜間にトイレへ立つ際のふらつきを考慮すると、「足の裏が完全に地面に着く安定感」が欲しいですね。

高くすれば立ち上がりは楽になりますが、万が一ベッドからずり落ちた際は怪我をしやすくなります。本人の筋力やバランス感覚に合わせて、手すり(サイドレール)の設置を検討したり、足元に滑り止めマットを敷いたりして、高さ調整以外のサポートも組み合わせましょう。

隙間と手すりの注意点

介護ベッドの安全基準(JIS T 9254)の改正プロセスからも学べる通り、ベッド周りでの事故の多くは「隙間への挟み込み」によって発生しています。※2家庭用ベッドに手すりやサイドガードを後付けする場合、ガードとマットレスの間に頭や首が挟まらないか、あるいはフレームと壁の間に危険なスペースがないかを厳しくチェックしてください。

目的別に選ぶ:収納・掃除・見た目

自分に合う高さのレンジが分かっても、まだ迷いがある場合は、日々の生活で「何を一番に優先したいか」というこだわりから逆算してみましょう。ベッドは一度設置すると長く使う家具だからこそ、譲れないポイントを明確にすることが納得感のある買い物につながります。ここでは、収納力、家事のしやすさ、そしてインテリア性の3つの視点から、最適な選択肢を導き出します。

まずは、限られたスペースを有効活用したい方に向けた基準から確認していきましょう。

ベッド下収納を最大化したい場合

部屋の収納スペースが不足しており、ベッド下を貴重な保管場所としてフル活用したいのであれば、総高さが45cmから55cm程度のハイタイプが第一候補となります。この高さがあれば、厚みのある衣装ケースや大容量の収納ボックスもスムーズに収めることが可能です。季節外れの衣類やラグ、予備の寝具などを一箇所に集約できるため、居住空間をすっきりと保てるメリットがあります。

ただし、収納量を優先してベッド下を隙間なく埋めてしまうと、空気の通り道が失われて湿気がこもりやすくなる点には注意が必要です。また、視覚的なボリュームが増すため、狭い部屋では圧迫感が生じる可能性もあります。こまめな換気や除湿対策が欠かせないため、仕事などが忙しい人はかえってストレスに感じるかもしれません。

掃除をラクにしたい場合

寝室の清潔さを重視し、掃除の手間を最小限に抑えたいのであれば、床面とフレームの間に十分な隙間があるものを選びましょう。特にロボット掃除機の導入を考えている、あるいは既に使用している場合は、フレーム下の空きスペースが10cm以上確保されていることが必須条件となります。この高さがあれば、多くの最新機種が入り込んでベッドの奥まで自動で清掃してくれるため、ほこりが溜まりやすいベッド下の悩みから解放されます。

手動の掃除機やフロアモップをメインで使う場合も、ヘッドが無理なく入る高さがあるだけで腰への負担が大きく変わります。一方、隙間が数センチメートルしかない中途半端な低さだと、掃除機やモップが十分に届かず、ホコリが放置されてアレルギーの原因になるかもしれません。

部屋を広く見せたい場合

寝室に足を踏み入れたときの開放感を追求したいなら、総高さが20cmから35cm程度の低めなスタイルが理想的です。家具の重心が低いため、天井までの空間が広く感じられ、落ち着いた印象の空間を演出できます。

一方で、毎朝の立ち上がりに予想以上の筋力が必要だった、収納スペースが確保できなかったなどの不便さを感じる可能性も高いです。「端座位チェック」を忘れずに行い、自分の筋力や生活動線で無理なく使いこなせるかどうかを冷静に判断してください。

関連記事:シングルベッド2つのサイズとは?メリットや連結方法を徹底解説!

高さを変えたい人向け:調整方法と買い替え前の対策

「今のベッドが微妙に高すぎる」「腰が悪くなって立ち上がりがつらくなった」といった悩みがあっても、すぐに買い替えるのは難しいという悩みを持つ方もいるでしょう。状況に合わせて高さをコントロールする具体的なアイデアをご紹介します。

高さ調整ができるベッドの見極め

これから新しくベッドを購入するなら、脚の長さを付け替えたり、床板の位置を変更できたりする「高さ調整機能付き」の製品を選択肢に入れましょう。脚部を交換して数段階の高さに調節できるタイプなら、「購入当初は収納重視で高く設定し、年齢を重ねて足腰に不安が出たら低くして安全性を高める」といったアレンジが可能です。

選定時には、調整幅が自分の使いやすい高さをカバーできるか、調整作業が自分一人で安全に行える構造かを確認しましょう。一度組み立てると変更が困難なモデルもあるため、将来の自分の姿を想像しながら、可変性の高いデザインを選ぶことが長期的な満足につながります。

生活動作と安全の対策で負担を減らす

現在のベッドの高さが合わず、動作に負担を感じている場合は、寝具の構成を見直すだけでも改善の余地があります。例えば、ベッドが高すぎて足がつかないときは、厚みのあるマットレスから薄型の高機能マットレスへ変更し、総高さを下げましょう。逆に低すぎて立ち上がりがつらい場合は、厚手のベッドパッドを重ねて沈み込みを抑え、腰の位置を高く保つ工夫が効果的です。

高さそのものを変えるのが難しい環境なら、ベッドの横に安定した手すりを設置したり、足元に滑り止めのステップを置いたりと動作をサポートできるアイテムを活用しましょう。特に高齢者や小さなお子様がいる家庭では、「いかに安全に動けるか」を重視してください。

まとめ:ベッドの高さは「総高さ」で決める!

ベッドの高さ選びで後悔しないための重要なポイントを、最後にもう一度おさらいしましょう。

  • 目安を知る:標準的な使いやすさを求めるなら、35cmから45cmのレンジが最も失敗の少ない選択肢です。
  • 足し算を忘れずに:カタログのフレーム高だけでなく、マットレスの厚みを足した「総高さ」で最終判断をしてください。
  • 腰掛けて確認:実際に座ったとき、足の裏がしっかりと床に着き、膝の角度に無理がないかをチェックするのが確実です。
  • 安全第一:乳幼児や高齢のご家族がいる場合は、転落リスクや壁との隙間にも十分な配慮を払いましょう。

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・参考

※1 Vol.530 身の回りの製品を点検しましょう! | 消費者庁
※2 介護ベッドの安全基準(JIS T 9254)の改正 | 厚生労働省