目次
監修者

五藤 良将
千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。
- 免許・資格
医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、スポーツドクター、日本美容内科学会評議員
日本人の平均睡眠時間7時間22分でOECD33カ国中最下位という事実をご存じでしょうか。※1
最近、毎晩のように夢を見て、朝起きても疲れが取れないと感じることもあるでしょう。実はその背景には、浅い眠りであるレム睡眠が長く続き、脳がしっかりと休めていない可能性があります。
本来、人は毎晩夢を見ていますが、深い眠りであるノンレム睡眠が十分に取れていれば、夢を覚えていないのが普通です。夢を鮮明に記憶している状態が続くのは、ストレスや生活習慣、就寝環境の乱れなどが原因で睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、睡眠の仕組みや浅い眠りを引き起こす要因を科学的根拠とともに解説し、質の高い眠りを取り戻すための実践的な改善方法を紹介します。
心身の健康を守り、朝の目覚めを爽快に変えるヒントを見つけていきましょう。
毎日夢を見る原因|レム睡眠とノンレム睡眠の仕組み概要

私たちは眠っている間に必ず夢を見ていますが、なぜ毎日夢を見るのか、その理由を科学的に解説します。
まず、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という二つの状態があり、それぞれ役割が異なります。
厚生労働省によると、レム睡眠中に目覚めた人の約80%が「夢を見ていた」と報告しており、夢を見る仕組みとしてレム睡眠の存在が重要だとされています。※2
レム睡眠とは、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)が起きている状態で、脳は活発に働いており、鮮明な夢を体験しやすいとされています。
一方、ノンレム睡眠には深い眠りの段階があり、主に身体や脳の疲労回復が起こる時間帯です。
このように、毎日夢を見るという現象は、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルと、脳の活動状態が関係しているからです。
レム睡眠中に夢を見る確率は80%以上
レム睡眠中に人を起こすと、80%以上の人が夢を見ていたと答えます。これはレム睡眠が「夢を見る睡眠」とされるもっとも大きな理由です。
レム睡眠の特徴として、急速眼球運動(REM)と覚醒時に近い脳波のパターンがあり、脳が活発に働いている状態が挙げられます。また、レム睡眠では骨格筋の活動が抑制され、身体を動かさずに脳だけが活発な状態になります。
さらに、睡眠は通常90~120分のサイクルでレム睡眠とノンレム睡眠が交互に訪れることが一般的で、1晩に3~5回程度このサイクルが繰り返されます。※3 この睡眠周期の中でレム睡眠が現れるたびに夢を見ることになります。
毎日夢を覚えているのは眠りが浅いサイン
夢を毎日覚えているということは、浅い睡眠が続いて目覚めやすい状態であることを示している可能性があります。深いノンレム睡眠に移行すると夢の記憶は忘れやすくなりますが、頻繁に覚醒してしまうと夢を記憶しやすくなることがあります。※4
浅い睡眠が続くと、睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下など日常生活にも悪影響が現れる可能性があります。これは「眠りが浅い」「覚醒しやすい」というサインとして、睡眠の質を見直すきっかけになります。
レム睡眠の重要性|認知症リスクとの関係
筑波大学が行ったマウスを対象とする研究によれば、レム睡眠中には大脳皮質の毛細血管に流れる赤血球の数が、覚醒時や深いノンレム睡眠中と比べて約2倍に増加することが明らかになっています。※5
このことは、レム睡眠中に脳の毛細血管で物質交換が活発に行われ、栄養供給や老廃物除去が進んで脳がリフレッシュされる状態であることを示しています。
また、成人でレム睡眠の割合が低い場合には、脳の機能低下や老化が進行し、それに伴って認知症のリスクが高まる可能性が指摘されています。
このように、レム睡眠は単なる浅い眠りではなく、脳のメンテナンスや健康維持において非常に重要な役割を担っていると考えられます。
この研究は林悠教授らによるものであり、今後はレム睡眠時間の割合と認知機能低下や認知症との因果関係の解明、さらにはレム睡眠を増やす介入・治療への応用も期待されています。
関連記事:寝香水でかなえる深い眠りと翌朝の余韻──香り×睡眠を極める完全攻略
「毎日夢を見て疲れが取れない」と感じたら、それは睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
医学的にも、脳の回復には「量」より「質」、特に深いノンレム睡眠が重要とされています。質の低下は、日中の集中力や活力に直結します。
しかし、ご安心ください。睡眠の質は、今日から改善できます。
・生活リズムの調整
・ストレス管理
・そして、毎晩を支える「寝具」の見直し
これらの小さな工夫が、あなたの眠りを確実に深くします。
質の良い眠りは、心身の健康を守るための最も身近なセルフケアです。どうかご自身の睡眠を大切にし、最高の眠りで明日の活力を手に入れてください。
睡眠の質が低下する要因

毎日夢を見るほど眠りが浅い背景には、生活習慣や環境要因が大きく関わっています。自分の生活を振り返ると、思わぬところに睡眠の質を下げる原因が潜んでいることがあります。
喫煙や飲酒、就寝前のスマートフォン操作、過度なストレス、そして寝室環境の乱れは、いずれも深い睡眠を妨げる代表的な要因です。これらが積み重なることで、眠っても疲れが取れにくくなり、夢を覚えている回数が増える傾向が見られます。
ストレスと自律神経の乱れ
日常のストレスは、自律神経のバランスを崩す大きな要因です。交感神経が優位な状態が続くと、脳や体がリラックスできず、深い眠りに移行しにくくなります。
第一三共ヘルスケアの調査によれば、30〜50代男性の主な睡眠妨害要因は「仕事」に関するストレスであり、30代女性では「育児」が大きな要因として挙げられています。※6
さらに、本町整骨院の医療解説によると、自律神経の乱れは浅い睡眠や夜間の頻繁な覚醒と関連し、日中の倦怠感や集中力低下を招くことが報告されています。※7
こうした背景からも、ストレス管理が睡眠の質向上に欠かせないことが分かります。
就寝前のスマホ・ブルーライト
現代人の睡眠の質を低下させる大きな要因の一つが、就寝前のスマートフォンやタブレットの使用です。厚生労働省の調査では、20代の睡眠妨害要因として「就寝前の携帯電話・メール・ゲーム」が最も多く挙げられています。※6
スマホから発せられるブルーライトは、目に入ることで体内時計に影響を与え、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。その結果、入眠が遅れたり、睡眠が浅くなったりする可能性が高まります。快眠を得るには、就寝1〜2時間前からデジタル機器の使用を控える工夫が効果的です。※8
寝室環境の問題
寝室環境は、睡眠の質に直結します。温度・湿度・騒音・光などの条件が適切でないと、深い睡眠が阻害されやすくなります。厚生労働省の公式データによれば、理想的な寝床内環境は温度33℃とされています。※9
しかし、現実には冷暖房や外気の影響、寝具の素材によってこれらの条件が崩れがちです。快適な睡眠を得るために、室温は夏場25〜27℃、冬場18〜20℃程度を目安にし、掛け寝具や敷き寝具で寝床内の温度と湿度を調整しましょう。※10
静かで暗い環境を保つことも、質の高い睡眠を得るための基本条件です。
関連記事:朝早く目が覚める早朝覚醒に困っているあなたへ・・・二度寝できない原因と対策を徹底解説
良質な睡眠を取り戻す5つの改善方法

眠りの質を向上させるためには、生活習慣や睡眠環境を包括的に見直すことが重要です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、規則正しい生活リズムや睡眠環境の最適化、ストレス管理など、複数の視点から改善策を実践することが推奨されています。※11
ここでは、日常生活に取り入れやすい5つの方法を段階的に解説します。
規則正しい生活リズムの確立
安定した生活リズムは、睡眠の質向上に直結します。特に朝の光を浴びることは、体内時計をリセットし、夜の入眠をスムーズにするうえで不可欠です。
専門家によると、起床後1時間以内に太陽光を浴びることで、メラトニン分泌のタイミングが整い、眠気のリズムが安定するとされています。 ※3
また、就寝・起床時間を一定に保つことは、睡眠の深さや効率を高める基本です。さらに、90分の睡眠サイクルを意識して睡眠時間を設定すると、目覚めがすっきりしやすくなります。たとえば、6時間(4サイクル)や7.5時間(5サイクル)といった単位で睡眠を取ることが推奨されています。※4
ストレス管理とリラクゼーション
日中のストレスは、夜間の睡眠にも影響します。交感神経が優位な状態が続くと、入眠しづらくなり、眠りが浅くなる傾向があります。
厚労省によれば、就寝前には自律神経を整えるための休養時間を確保することが望ましいとされています。※11
実践的な方法としては、就寝90分前の入浴が効果的です。ぬるめ(40℃前後)の湯に15分程度浸かることで深部体温が一時的に上昇し、その後の体温低下が入眠を促します。
また、軽いストレッチや呼吸法も副交感神経を優位にし、眠りに入りやすい状態をつくります。こうしたリラクゼーション習慣を毎日取り入れることで、ストレスの影響を軽減し、良質な睡眠につながります。
寝具選びの重要性|体圧分散と温度調整
寝具は、快適な睡眠環境を整えるうえで欠かせない要素です。
厚労省は、保温性・吸湿性・放湿性のバランスが取れた寝具を選ぶことが、睡眠の質向上に有効であるとしています。※11
特に温度調整機能は重要です。早稲田大学の研究によると、適切な寝具は最大8.5℃の温度変化に対応でき、季節や室温の変化にも快適さを保てることが示されています。※14
さらに、クラウドセル™のような体圧分散性に優れた素材は、寝返りを減らし、血流や筋肉の緊張を緩和して深い眠りをサポートします。
関連記事:睡眠の質を向上させるための方法8選
毎日の良質な睡眠で、活力ある毎日を取り戻そう

毎日夢を見ることは、必ずしも悪いことではありませんが、眠りが浅く睡眠の質が低下しているサインである場合があります。
今回の記事では、レム睡眠とノンレム睡眠の仕組み、睡眠の質を下げる生活習慣や環境要因、そして改善のための具体的な方法をご紹介しました。
生活リズムの見直しやストレス管理、寝室環境の最適化などを組み合わせることで、眠りの質は大きく改善できます。特に寝具は、快適な睡眠環境を支える基盤です。
体圧分散性と温度調整機能に優れたクラウドセル™を採用したコアラマットレスは、季節を問わず理想的な寝心地を提供します。120日間のトライアル期間が用意されているため、自宅で安心して体験できるのも魅力です。
良質な睡眠は、日中の活力や集中力を取り戻すための第一歩です。今日からできる改善を少しずつ始め、快適な眠りと充実した毎日を手に入れましょう。
参考
※1【前編】日本人の睡眠は足りていない? | 株式会社NTTデータ経営研究所
※2 レム睡眠(れむすいみん) | 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~
※3 レム睡眠とノンレム睡眠 – 眠りのサイクルを知ると、快眠に一歩近づける! | 西川株式会社
※4 睡眠の質と夢の関係 | パークサイド日比谷クリニック
※5 夢を見るレム睡眠中に脳がリフレッシュ 筑波大、京大がマウス実験で解明 | サイエンスポータル
※6 寝不足を続けるとどんなリスク(影響)があるの?| くすりと健康の情報局 by 第一三共ヘルスケア
※8 Vol.43 睡眠不足とブルーライト | 筑後市立病院
※9 健康づくりのための睡眠指針 2014 | 厚生労働省
※10 寝室の適温は? | 国際ハートスリープクリニック つくば
※11 健康づくりのための睡眠指針 2023 | 厚生労働省
※12 健やかな睡眠は健康に極めて重要―柳沢正史・筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長・教授 | サイエンスポータル










