睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年7月28日読了目安時間: 7

【医師監修】あなたの睡眠知識は何点?楽しく学べる睡眠クイズ!

田中 貫平
icam取締役 / 医師(現職:Sleep Rest Clinic幕張、いずみ医院 溝の口、AL CLINIC)

医師・メンター・タッチベースドマインドフルネス/shinsetsu-tion考案者・Gallup認定ストレングスコーチ・インド中央政府公認ヨガインストラクター

2013年英国シェフィールド大学医学部卒。

手稲渓仁会病院にて初期研修後、2020年九州大学病院心療内科に入局。国際医療福祉大学成田病院では緩和ケアチームにも所属。2024年からはフリーランスの医師として活動している。一般の方から学生、経営者、スポーツ選手など幅広い層のクライアントに対して傾聴およびマインドフルネスの実践指導や心理療法を提供、あらゆる病気や未病(不眠症も含む)の治療や予防改善に取り組んでいる。

睡眠は、人の体と心を休ませる重要な時間です。翌日の活動をスムーズに行うために欠かせません。  多忙な現代社会であるからこそ、睡眠の基礎知識や習慣を見直すことには大きな意味があります。

本記事では、睡眠に関する基本的なメカニズムをおさらいしながら、クイズ形式で理解を深めていきます。 クイズを通じて、読者の皆様の睡眠に必要なことや見直しのポイントがみえてくるでしょう。

睡眠中に「記憶の整理」が行われるとされるのは、どの睡眠段階?

人の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの段階があります。日中の出来事や学習内容を整理し、記憶として定着させる働きがあります。この働きが特に活発になるのは、どの睡眠段階でしょうか?

 

  • A.レム睡眠
  • B. ノンレム睡眠
  • C. うたた寝
  • D. 半覚醒状態

 

正解:A. レム睡眠 B. ノンレム睡眠 

答えと解説

一般の夜間の睡眠において、人は入眠するとまずはノンレム睡眠が出現します。ノンレム睡眠には「深さ」があり、浅い睡眠(N1とN2)から始まり、時間とともに深い睡眠(N3)に移行していきます。そしておよそ90分のノンレム睡眠後、レム睡眠に移行します(10〜60分)。この2つをセットにしたサイクルを4−5回の間、夜間に繰り返します。サイクルを重ねて明け方になるにつれ、ノンレム睡眠の時間は短くなり、レム睡眠の時間が長くなっていきます。※1

レム睡眠の名称は、その特徴的な生理学的反応に由来します。閉じたまぶたの下で眼球が動く「急速眼球運動(Rapid Eye Movement: REM)」を伴う睡眠だからです。夢を見ることで有名なレム睡眠ですから、記憶の整理や定着にも関連していると考えられた人たちも多いかもしれませんが、現在は、記憶される内容によってノンレム睡眠・レム睡眠どちらも重要であるという考えになっています。

いわゆる事実や経験など言葉で表現できる宣言的記憶(例 昨日カレーを食べた、数学の方程式の解き方)はノンレン睡眠時の深い睡眠(N3)が担い、言葉では表現できない非言語的記憶(例 自転車の乗り方 記憶に伴った感覚や楽しい・悲しいなどの感情)はレム睡眠が担います。※2

「寝て忘れろ」とよく言われたりもするかもしれませんが、必ずしもそうではない部分もあるかもしれません。楽しいことがあった時には、その後にしっかりと寝ることが、そのような感情や感覚を定着させるために効果的な可能性があります。一方で何か辛いことがあった時には、身近な人に(今でしたらAIも)、そしてカウンセラーなど専門職の人たちにも頼って自分の感情処理は早いうちに済ませておきましょうね。

 

「ブルーライト」が睡眠に悪影響を及ぼす主な理由は?

スマートフォンなどのブルーライトは、睡眠に悪影響があることで知られています。睡眠に悪影響を及ぼす主な理由は、次のうちどれでしょうか?

 

  • A.目が疲れるから
  • B. 暗所での視力が落ちるから
  • C. メラトニンの分泌を抑えるから
  • D. 脳の温度が上がるから

 

正解:C. メラトニンの分泌を抑えるから

答えと解説

ブルーライトが睡眠に悪影響を及ぼすとされる最大の理由は、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制するためです。※3

メラトニンは、脳の奥深くにある松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンです。体内時計を調整し、自然な眠気を誘う重要な役割を担っています。通常、メラトニンは夕方から夜にかけて分泌量が増加し、私たちを眠りへと導きますが、夜間にスマホなどからブルーライトを浴びると、脳は「まだ昼間だ」と勘違いします。その結果、メラトニンの分泌が妨げられ、体内時計が乱れてしまうのです。

さらに、就寝時刻の1時間前にブルーライトを浴びると、深い眠りの割合が低下するという研究結果もあります。※4

体内時計とも呼ばれる概日リズム(サーカディアンリズム)の乱れは、自律神経のバランスを崩し、結果として以下のような様々な心身の不調を引き起こす可能性があります。

  • 日中の疲労感
  • 集中力の低下
  • イライラ
  • 抑うつ

質の良い睡眠のためには、対策が必要です。就寝の2〜3時間前からは、ブルーライトを発する機器の使用を控えましょう。どうしても使用する必要がある場合は、以下の方法を取り入れてみてください。

  • ブルーライトカット眼鏡を使用する
  • デバイスのナイトモード機能を活用する

ブルーライトに対しての感受性は個人差があります。変化を視覚化したい人は、睡眠日誌などのモニタリングを通じて、ある一定期間(1週間〜1ヶ月程度)対策を取って変化を確認しましょう。

 

子どもの成長ホルモンが最も分泌されるのはいつ?

「寝る子は育つ」といいますが、子どもの成長に欠かせない成長ホルモンがあります。その成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、次のうちいつでしょうか?

 

  • A.朝起きた直後 
  • B.昼食後 
  • C.眠り始めの最初の深い睡眠時(N3)
  • D.起床前の浅い睡眠時

正解:C. 眠り始めの最初の深い睡眠時

答えと解説

成長ホルモンは、その名の通り子どもの成長に不可欠です。しかし、実は大人にとっても重要な役割を果たしています。成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、寝付いてから約1〜2時間後に訪れる最初の深いノンレム睡眠の時(N3)だとされています。※5

一晩の睡眠では、約90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れますが、成長ホルモンの分泌は最初のノンレム睡眠時に集中的に行われます。成長ホルモンには、子どもの身長を伸ばすだけでなく、体にとって多くの重要な働きがあります。大人にとっても、疲労回復や肌も含めた体の新陳代謝に関わるため、「若返りホルモン」と呼ばれたりもします。

成長ホルモンの主な働き※6

  • 筋肉の発達と骨の強化
  • 脂肪の分解促進
  • タンパク質の合成
  • 新陳代謝の活性化
  • 免疫力の向上

このように、質の良い睡眠を確保することの重要性がよくわかります。特に子どもの場合、夜更かしをせず決まった時間に就寝することが大切です。

 

朝の目覚めをスムーズにするコツとして正しいものはどれ?

世界一の寝不足大国と言われる日本ですから、すっきり目が覚める方法を知りたい人も多いのではないでしょうか。心地よい目覚めに効果的な方法が実はあるんです。それは、次のうちどれでしょうか?

 

  • A.起きたらすぐカフェインを摂る
  • B. 朝起きたらカーテンを閉じて暗くする
  • C. 朝日を浴びる
  • D. 二度寝をする

 

正解:C. 朝日を浴びる

答えと解説

朝日を浴びることは、スムーズな目覚めのための非常に効果的な方法の一つです。太陽の光には、体内時計をリセットする強力な作用があると考えられ、これが、一日のリズムを整える鍵の1つです。※7

朝日を浴びると、脳内でセロトニンという神経伝達物質の分泌が促進されると考えられています。※8

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心身を活動的な状態へと導いてくれます。同時に、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、目覚めに自然と移行できるのです。 カーテンを少しだけ開けておくと、外が明るくなるにつれて、部屋に少しずつ光が入り自然に目覚めることができるので、ぜひ試してみてください。

気持ちの良い目覚めのために、うるさい目覚まし音も心地よい音に変えてみるのもおすすめです。朝日の力と心地よい目覚ましの音で自然で心地よい朝を迎える準備をしてみてはいかがでしょうか。

すっきり目覚める方法

  • カーテンを開けて朝日を取り入れる
  • 優しい目覚まし音を使う

朝に光を浴びて体内時計をリセットすると、約14〜16時間後にメラトニンの分泌が始まります。※9

例えば朝7時に朝日を浴びれば、夜9〜11時頃に自然な眠気が訪れます。これにより、規則正しい睡眠リズムを作りやすくなるのです。起きたらカーテンを開けて、朝の光を浴びる習慣を始めてみたくなりませんか?

 

夜ぐっすり眠るために良い方法は?

質の良い睡眠は、日中の過ごし方や生活習慣と深く関わっています。夜ぐっすりと眠るために効果的な方法は、次のうちどれでしょうか?

 

  • A.寝る前に冷たいシャワーを浴びる
  • B. 日中に適度な運動を取り入れる
  • C. 朝はギリギリまで寝て、夜型リズムをキープする
  • D. 昼寝を2時間以上する

 

正解:B. 日中に適度な運動を取り入れる

答えと解説

日中の適度な運動は、夜の良質な睡眠を得るための効果的な方法の一つです。運動には、身体的な疲労を適度に蓄積させるだけでなく、体温リズムを整え、ストレスを軽減する効果があります。週5回以上の習慣的な運動習慣がある人は寝つきが悪いなど、睡眠に関する困り事が少なくなります。ただし、寝る直前の激しい運動はかえって眠気を遠ざけてしまう研究結果もあります。※10

運動で上昇した体温が下がるときに自然な眠気が訪れます。※11 

おすすめの運動は、ウォーキング、軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなどです。「気持ちよく汗をかく程度」がちょうど良い運動の目安です。「運動習慣なんて、そもそも時間なんて作れないよ」という読者も多いかもしれません。スポーツのイメージがある「運動習慣」などではなく、まずは「生活活動」と捉え直して小さく始めてみてはいかがでしょうか?

日常生活の中に取り入れやすい生活活動

  • 階段を使う
  • 一駅手前の駅で降りて歩いて帰る(公園があれば、立ち寄って緑を感じる)
  • 昼休みに建物の外に出て、数回深呼吸をする
  • 座った状態で両足のつま先を上げたり下げたりする(1回5~10秒、3~5セットほど)

4点以上で睡眠マスター!

睡眠クイズは楽しんでいただけましたか?ここでは、得点に応じた睡眠知識のランキングを発表します。ぜひ読者の皆様のランキングをご確認ください。

 

1点:睡眠知識ビギナー
今回のクイズが少し難しく感じた読者の皆様は、睡眠知識ビギナーです。もしかしたら、初めて睡眠について困り事を感じて調べてみた読者の皆様もいるかもしれません。新しい学びは、誰かに話したり、クイズを出したりすると覚えやすいので、ぜひ試してみてください。

2点:睡眠博士見習い
睡眠や健康について日頃からアンテナを立てている読者の皆様ではないでしょうか。多くの情報の中から確かな情報を見つけるためにも知識が必要になることがあります。今回のクイズのように、睡眠や健康の学びを楽しんでください。

3点:睡眠博士
睡眠について平均以上の知識をお持ちです。もしかしたら睡眠の困りごとと日頃から向き合っている読者様かもしれません。クイズでありながら、信頼できる情報を解説していますので、参考にしていただければ嬉しいです。

4点:睡眠エキスパート
素晴らしい結果です!読者の皆様は、睡眠に関する知識が非常に豊富で、まさにエキスパートと呼ぶにふさわしいレベルです。豊かな知識を実践し暮らしの中でアップデートしていってください。

5点:睡眠マスター
お見事です!全問正解、まさに睡眠マスターの称号にふさわしいです。読者様の豊富な知識と深い理解は、ご自身だけでなく、周りの方にも大いに役立ててください。

 

まとめ:質の高い睡眠のために今日からできること

この記事では、楽しく学べる睡眠クイズをご紹介しました。ぜひクイズの中から、取り組みやすいことを見つけて試してみてください。

おすすめのスモールアクション

  • デバイスのナイトモードを機能を活用する
  • カーテンを少し開けて寝る
  • 生活活動を1つ追加する

ほんの小さな工夫でも、実際に取り組んで継続していると変化を感じるかもしれません。自分ができそうなことから、少しずつ取り組んでみましょう。

参考

  1. 髙木 眞莉奈, 林 悠(2017)レム睡眠のメカニズムと生理的意義 Journal of Japanese Biochemical Society 89(6): 911-916
  2. Ackermann, S., & Rasch, B. (2014). Differential effects of Non-REM and REM sleep on memory consolidation? Current Neurology and Neuroscience Reports, 14(2)
  3. Brainard, G. C., Hanifin, J. P., Greeson, J. M., Byrne, B., Glickman, G., Gerner, E., & Rollag, M. D. (2001). Action spectrum for melatonin regulation in humans: Evidence for a novel circadian photoreceptor. Journal of Neuroscience, 21(16), 6405–6412
  4. Ishizawa, M., Uchiumi, T., Takahata, M., Yamaki, M., & Sato, T. (2021). Effects of pre-bedtime blue-light exposure on ratio of deep sleep in healthy young men. Sleep Medicine, 84, 303–307.
  5. Van Cauter, E., & Plat, L. (1996). Physiology of growth hormone secretion during sleep. The Journal of Pediatrics, 128(5), S32–S37
  6. Olarescu, N. C., Gunawardane, K., Hanson, T. K., Møller, N., & Jørgensen, J. O. L. (2025, April 18). Normal physiology of growth hormone in normal adults. Endotext – NCBI Bookshelf.
  7. Schobersberger, W., Blank, C., Hanser, F., Griesmacher, A., Canazei, M., & Leichtfried, V. (2018). Impact of a single, short morning bright light exposure on tryptophan pathways and visuo- and sensorimotor performance: a crossover study. Journal of PHYSIOLOGICAL ANTHROPOLOGY, 37(1)
  8. Lambert, G., Reid, C., Kaye, D., Jennings, G., & Esler, M. (2002). Effect of sunlight and season on serotonin turnover in the brain. The Lancet, 360(9348), 1840–1842
  9. Kryger MH, Roth T, Dement WC. Principles and Practice of Sleep Medicine. 6th edition,
  10. Alnawwar, M. A., Alraddadi, M. I., Algethmi, R. A., Salem, G. A., Salem, M. A., & Alharbi, A. A. (2023). The Effect of Physical activity on sleep quality and sleep Disorder: A Systematic review. Cureus
  11. https://www.hopkinsmedicine.org/health/wellness-and-prevention/exercising-for-better-sleep?utm_source=chatgpt.com(参照  2025-07-19)