睡眠コラム by 松本 恭2026年8月27日読了目安時間: 5

生理前に暑いのはなぜ?体温が上がる理由と寝苦しい夜の対処法

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

「生理前になると、体が熱っぽくてぼんやりする」
「日中に体温を測ったら37℃台。もしかして風邪か妊娠?」
「夜も暑くて何度も目が覚めて、日中もだるさが残る」

生理前に暑く感じる主な理由は、排卵後に分泌が増える黄体ホルモンによって、基礎体温が上がるためです。仕組みがわかれば、必要以上に不安にならずに対処できます。

この記事では、生理前に暑くなる理由と妊娠・風邪との見分け方、日中と夜それぞれの対処法を解説します。

受診を考えたい目安もあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

生理前に暑い・熱っぽいと感じる理由

生理前に暑さを感じる理由として、押さえておきたいのは以下の2点です。

  1. 黄体ホルモンの影響で高温期に入る
  2. 基礎体温が低温期より0.3〜0.5℃上がる

1. 黄体ホルモンの影響で高温期に入る

排卵後は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌にともなって基礎体温が上がり、月経が始まるまで高温期が続きます。※1

28日周期の場合、高温期は一般に12〜14日ほどです。月経が始まると低温期へ戻るため、生理前は体温が高い時期にあたります。※1

ただし、周期の長さや体温の変化には個人差があります。自分の周期を把握しておくと暑さを感じやすい時期を予測しやすいでしょう。

2. 基礎体温が低温期より0.3〜0.5℃上がる

日中の体温は、活動や食事、室温の影響も受けます。日中に37℃だったというだけでは正常な高温期かどうかを判断できないため、体温の変化を確認したい場合は、朝目覚めて体を動かす前に舌の下で測る体温である基礎体温で判断します。

基礎体温は、目盛りが細かく設定してある基礎体温計を使い、朝目覚めた直後、体を起こす前に測るのが正しい方法です。

生理前(高温期)の基礎体温は、低温期より0.3〜0.5℃ほど高くなります。※1

微妙な温度差ですから、単発で測定したのではほぼ変化が分かりません。2~3周期ほど毎日基礎体温を測り、グラフ化すると上昇が把握しやすいです。

生理前の暑さに伴うことがあるPMSの症状

月経前の暑さや熱っぽさに心身の不調が重なる場合は、PMS(月経前症候群)の可能性も捨てきれません。PMSの主な症状には、以下のようなものがあります。

  • のぼせ
  • 眠気
  • だるさ
  • イライラ
  • 気分の落ち込み

PMSは月経前に3〜10日ほど続き、月経が始まると次第に治まっていきます。※2

症状が月経周期と連動しているかどうかが、見分けるポイントです。

ただし、症状がひとつあるだけでPMSと決まるわけではありません。生活に支障が出ている方は、無理せず産婦人科へ相談しましょう

生理前の暑さと妊娠・感染症を判断する目安

生理前や妊娠初期はさまざまな症状が重なるため、体感だけでは、風邪と区別できません。症状の経過や検査、基礎体温の記録から判断してください。

それぞれの傾向は、次のとおりです。

状態 体温・経過 主な症状
生理前(高温期) 基礎体温の高温期が12〜14日ほど続き、月経開始とともに軽快 熱っぽさ・眠気・だるさ
妊娠初期 基礎体温の高温期が16日以上続く場合があり、月経が来ない 熱っぽさ・眠気・だるさ
風邪など 体温計で測ると発熱することがあるが、発熱しない場合もある 咳・喉の痛み・鼻水

ただしこの表は、あくまで傾向を整理したものです。以下3つのポイントを押さえつつ、確認していきましょう。

  • 妊娠初期は症状だけでは判断できない
  • 発熱や咳が続く場合は感染症も考える
  • 基礎体温と症状を記録する

妊娠初期は症状だけでは判断できない

生理前と妊娠初期は、似たような熱っぽさや眠気、だるさなどの症状が重なります。そのため、このような症状が出ているからといって、妊娠しているとは断定できません。

基礎体温を継続して測っている場合、高温期が16日以上続くことが妊娠を考える目安になります。※1

ただし、高温期の長さだけで妊娠が確定するわけではありません。月経が遅れている場合は、妊娠検査薬の説明書に記載された時期に検査しましょう。※3

また、検査結果にかかわらず、気になる症状がある場合は速やかに産婦人科へ相談してください。

発熱や咳が続く場合は感染症も考える

PMSにともなう症状は、月経が始まると治まっていくのが一般的ですが、発熱や咳などが続く場合は別の原因も考えられます。

  • 体温計で測った発熱が続く
  • 咳や喉の痛みなどをともなう
  • 月経が始まっても体調が戻らない

症状だけで、PMSと風邪を確実に見分けることはできません。とくに、月経が始まっても体調が戻らない場合は、周期の影響だけと判断せず医療機関へ相談しましょう。

基礎体温と症状を記録する

基礎体温と症状の記録は、月経周期と不調の関連を確認するための判断材料です。以下の4点を、2〜3周期にわたって記録しましょう。

  • 基礎体温
  • 暑さやほてりを感じた日
  • 眠気や気分の変化
  • 月経開始日

2〜3周期ほど続けると、症状が月経周期と連動しているか確認しやすくなるでしょう。※1 ※2

記録は、受診時の説明にも役立ちます。具体的な情報を医師へ伝えられるため、相談をスムーズに進められます。手書きでもいいですが、最近は便利なアプリがあるので活用するとよいでしょう。

生理前の暑さ・ほてりをやわらげる方法

生理前の日中における暑さやほてりをやわらげるために、取り入れやすい対処法は以下の3つです。

  1. 脱ぎ着しやすい服装にする
  2. 飲みやすい水分をこまめにとる
  3. 日中に光を浴びて生活リズムを整える

1. 脱ぎ着しやすい服装にする

薄手の衣類と羽織りものの重ね着は、暑さや急な冷えに合わせて体感を調整しやすい服装です。

高温期は、暑さと急な冷えの両方を感じやすい時期です。1枚の衣類で調整するより、すぐに脱ぎ着できる重ね着のほうが快適に過ごせます。

締め付けの強い服は避け、自分が心地よいと感じる服装を選びましょう。職場に薄手のカーディガンを置いておくのも一つの方法です。

2. 飲みやすい水分をこまめにとる

暑さを感じる時期の水分補給は、水分が不足しないよう無理のない量をこまめに飲むことが基本です。

飲み物の温度は、体調や好みに合わせて選びましょう。冷たい飲み物が飲みたいときに、常温の飲料や白湯を無理に飲む必要はありません。汗をかいたときや喉が渇いたときは、意識して水分をとる機会をつくってください。

3. 日中に光を浴びて生活リズムを整える

月経前は、日中に太陽光を浴びましょう。日光を浴びれば、昼夜のメリハリをつけて生活リズムを整えられます。※4

起床後にカーテンを開けるなど、できる範囲で明るい環境に出ることから始めてみてください。生活リズムが整ってくれば、睡眠の質の改善につながります

また、同時に睡眠や眠気の変化も記録しておくと、不調が起こりやすい時期を把握しやすくなるでしょう。

生理前の寝苦しさをやわらげる寝室環境と寝具

生理前は基礎体温が高くなり、体の内側の体温(深部体温)の変化が乏しくなります。この変化によって、月経前に睡眠が浅くなったり、日中の眠気が強くなったりすると考えられています。※4

その中でも寝苦しさをやわらげるには、寝室の温度・湿度や寝具を、自分が眠りやすい状態に整えることが重要です。

具体的な方法としては、次の3つです。

  1. 暑い時期は寝室を涼しく保つ
  2. 吸湿性・放湿性のある寝具を選ぶ
  3. 入浴は就寝の1〜2時間前に済ませる

1. 暑い時期は寝室を涼しく保つ

夏の暑い時期は寝室を、エアコンなどを使って眠りやすい温度に調整しましょう。※5

快適に感じる温度には個人差があるため、冷やしすぎによる不快感がない範囲で調整してください。とくに生理前の高温期は普段より暑く感じやすく、設定温度を低めにしたほうが良いことがあります。

加えて、明け方の冷えに備えて、薄手のかけ寝具を1枚用意しておくと安心です。

2. 吸湿性・放湿性のある寝具を選ぶ

高温期に使う寝具は、寝汗や湿気がこもりにくい吸湿性・放湿性を持つものを選びましょう。寝床内の環境は、温度33℃・湿度50%がひとつの目安です。※6

高湿度な環境であれば、吸湿性・放湿性があるものを選べば、快適に過ごしやすくなるでしょう。麻やガーゼ、綿など吸湿性の高い素材のシーツやかけ寝具を選ぶのがおすすめです。

3. 入浴は就寝の1〜2時間前に済ませる

寝つきを良くしたい方は、就寝の1〜2時間前を目安に入浴してください。※7

就寝の1〜2時間前に入浴すれば、深部体温が下がる流れが生まれるため、眠りに入りやすくなります。入浴後もほてりが続く場合は湯温を下げるなど、うまく調整しましょう。湯船に入るのが難しい日、シャワーだけで済ませたい日は、足元だけを温める方法もおすすめです。

生理前の暑さで受診を考えたい目安

以下2つの内容のいずれかに当てはまる方は、産婦人科など、医療機関への相談をおすすめします。※2

  • 毎月の暑さ・のぼせ・眠気・気分の変化で、仕事や学校、日常生活に支障が出ている
  • 症状が重く、自分では対処しきれない

月経が遅れていて妊娠の可能性がある場合は、妊娠検査薬や産婦人科で確認します。※3 月経が始まっても発熱や体調不良が続く場合や、咳や喉の痛みなどがある場合は、内科への相談も検討しましょう。

我慢して毎月やり過ごすのではなく、症状の記録を持って相談することが大切です。

生理前の暑さは体温変化を確認して対処しよう

生理前に暑いと感じるのは、排卵後に分泌が増える黄体ホルモンによって基礎体温が上がるためです。基礎体温と症状を都度記録し、日中と夜の環境を整えて対処すると体調管理がしやすいです。

とくに押さえておきたい知識をまとめました。

  • 高温期の基礎体温は、低温期より0.3〜0.5℃高くなる
  • 基礎体温と日中の体温は測定条件が違うため、「37℃=異常」とは限らない
  • 症状だけでは、妊娠初期や風邪と見分けられない
  • 高温期が16日以上続く場合は妊娠の可能性を考え、月経予定日の1週間後を目安に検査する

また、夜の寝苦しさには、寝室の温度・寝具・入浴のタイミングを整えることが有効です。寝室を涼しく保ち、吸湿性のある寝具を使い、入浴を就寝の1〜2時間前に済ませましょう。

まずは、基礎体温と症状を2〜3周期記録することから始めます。記録がたまると、自分に合ったリズムを把握しやすいです。

もし、生理前の寝苦しさをきっかけに寝具を見直したい方は、コアラマットレス公式サイトも参考にしてください。マットレスなどの対象商品には120日間のトライアル制度があり、自宅で寝心地を確かめてから判断できます。

関連記事:暑くて寝苦しい夜の対処法は?眠れない原因と寝る前の習慣・寝具選びについて

・参考

※1 女性の健康推進室ヘルスケアラボ「基礎体温
※2 公益社団法人日本産科婦人科学会「
月経前症候群(PMS)
※3 厚生労働省「
一般用検査薬
※4 厚生労働省 e-ヘルスネット「
女性の睡眠障害
※5 厚生労働省「
健康づくりのための睡眠ガイド2023
※6 厚生労働省 e-ヘルスネット「
快眠のためのテクニック
※7 厚生労働省 e-ヘルスネット「
快眠と生活習慣