寝具コラム by 南 茂幸2026年5月24日読了目安時間: 4

枕なしで寝るとどうなる?メリットとデメリットを寝姿勢別に解説

南 茂幸
理学療法士/睡眠コンサルタント

理学療法士の資格を持つ睡眠コンサルタント。睡眠について数名から100名以上の規模でセミナー講師として登壇、他にもコンサルティング、ラジオ出演、睡眠グッズ監修等幅広く活躍。「睡眠の質が人生の質」と捉え、睡眠は自分への投資であると考え、現在出版準備中。

「枕なしのほうが楽に感じるけど、本当に体に悪くないのか不安…」
「首や肩こり、いびきは枕が原因なの?」

このように、枕なしで寝る習慣に疑問を持っている方は少なくありません。実際、枕なしで寝ることにはメリットもあればデメリットもあり、一概に「良い・悪い」とは言えないのが実情です。

大切なのは、寝姿勢・体格・いびきの有無・首や肩の状態などを踏まえて、自分に合っているかどうかを判断することです。

この記事では、

  • 枕なしで寝るとどうなるのか
  • メリット・デメリット
  • 寝姿勢別の向き不向き
  • 注意すべき症状や受診の目安

までを整理し、「自分に合うかどうか」を判断できるように解説していきます。

枕なしで寝るとどうなるか?

枕なしで寝るとどうなるかを一言でいうと、人によって合う・合わないが大きく分かれるというのが結論です。

枕なしは必ずしも悪いわけではありませんが、以下のような傾向があります。

  • 仰向け中心の人 → 違和感が少ないこともある
  • 横向き寝が多い人 → 首や肩に負担が出やすい
  • いびきがある人 → 悪化する可能性がある

つまり、「枕なし=良い」「枕なし=悪い」ではなく、寝姿勢や体の状態との相性が重要です。

枕なしが合う人と合わない人の特徴

枕なしが向いている人・向かない人は、次のような違いがあります。

枕なしが向いている人 ・仰向け寝が中心

・首や肩に違和感が少ない

・今の枕に圧迫感や違和感がある

枕なしが向いていない人 ・横向き寝が多い

・肩こり・首の痛みがある

・いびきが気になる

向いている人

  • 仰向け寝が中心
  • 首や肩に違和感が少ない
  • 今の枕に圧迫感や違和感がある

向かない人

  • 横向き寝が多い
  • 肩こり・首の痛みがある
  • いびきが気になる

ポイントは、「楽かどうか」だけでなく起床時の首・肩の状態で判断することです。

横向き寝といびきがある人は注意が必要

横向き寝の場合、肩幅の分だけ高さが必要になります。枕なしだとその段差を埋められず、首が傾きやすく、首や肩に負担となります。また、いびきに関しても、枕なしでは舌が下がりやすくなるため気道の確保に影響することがあります。

違和感がある場合は、単に「枕なしが合わない」のではなく、高さが合っていない可能性も考える必要があります。

枕なしで寝るメリット

枕なしで寝たほうが楽だと感じる人もいます。枕なしが自分に合っているかどうかはるメリットは、「快適に感じる理由」を理解しておくすることが大切です。

今の枕が高すぎる人は楽に感じることがある

枕なしで楽に感じる人の多くは、現在の枕が高すぎる可能性があります。枕が高すぎると、 頸椎全体的ではなく、局所的に負担になります。※1

その状態から枕を外すことで、一時的に楽に感じるのです。

つまり、「枕なしが良い」というより、枕の高さが合っていなかっただけというケースも多いです。

※1:光弾性法による仰臥位時における枕と頸椎部の力学的関係の実験的検討

仰向け中心なら違和感が少ないケースもある

仰向け寝の場合、比較的フラットな状態でも寝やすい人がいます。特に、次のような人であれば、枕なしでも違和感が出にくいことがあります。

  • 体のラインが自然に保たれる人
  • マットレスとの相性が良い人

枕なしでも違和感が出にくいことがありますが、体格や寝具環境にも大きく左右されます。

枕の圧迫感が気になる人には一時的に快適なこともある

枕による圧迫感や寝ジワが気になる人にとって、枕なしは解放感を得られる場合がありますが、これはあくまで一時的な快適さであり、長時間の寝姿勢では首や肩の支え不足が問題になることもあります。

枕なしで寝るデメリット

デメリットは、単なる不快感ではなく「なぜそうなるのか」を理解することが重要です。

首や肩に負担がかかりやすい

枕なしでは、首のカーブを支えるものがなくなり、頚椎への負担が偏ったり、首や肩こりにつながる可能性があります。寝違えの原因を枕が低いことで神経根を圧迫するためという考え方もあります。※2

重要なのは、「高さがゼロかどうか」ではなく、首が適切に支えられているかどうかです。

※2:頚椎症の臨床 - 頚部痛の原因 -

横向き寝では肩幅の段差を埋めにくい

横向き寝では、肩幅の分だけ高さが必要です。枕なしだと、首が下に傾き、肩や首に圧力が集中する状態になりやすく、朝起きたときの違和感につながります。

「朝だけ首が痛い」「横向きだと落ち着かない」など感じることがあります。

いびきや呼吸のしづらさにつながることがある

頭の位置が低すぎると、舌が下がり気道が狭くなりやすくなる可能性があります。その結果、いびきが増えたり、呼吸がしづらくなるケースもあります。

ただし、いびきの原因は枕だけではないため注意が必要です。

顔のむくみや寝起きのだるさを感じる人もいる

枕なしで頭が低い状態が続くと、体感として顔のむくみや寝起きのだるさを感じる人もいます。血流やリンパ液など体液の流れの影響によるものと考えられています。

【寝姿勢別】枕なしの向き不向き

ここでは寝姿勢別に考えていきましょう。仰向け寝、横向き寝、うつ伏せ寝の3つのパターンに分けて解説します。

仰向け寝の人

仰向け寝では、首の自然なカーブをどう支えるかが重要です。ストレートネックなど枕なしでも違和感がない人もいますが、首が反ってないか、落ち着かない感覚はないかなど注意しましょう。翌朝に首や肩が痛くないか確認することも忘れないようにしましょう。

横向き寝の人

横向き寝は、枕なしが最も合いにくい姿勢です。肩幅があるため、首が傾いたり、肩に負担が集中することが考えられます。肩こりの原因になることもあります。

うつ伏せ寝の人

うつ伏せ寝では、高い枕が逆に負担になることがあります。そのため、枕なしや低い枕のほうが楽に感じることもあります。ただし、うつ伏せ寝は首のねじれや片側への負担には注意が必要です。

関連記事:【医師監修】寝る向き/姿勢の正解は?仰向け・横向き・うつ伏せ別の健康への影響と最適な寝方

こんな症状があるなら枕の問題だけで済ませない

もし「眠れない」「眠っても休養がとれた感覚がない」と感じる方は、枕なしの問題と思っていても、実は別の原因が隠れていることがあります。

大きないびきや呼吸停止を指摘される

以下のような場合は注意が必要です。

  • いびきが大きい
  • 呼吸が止まっていると指摘される

このような症状がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、寝具ではなく医療的な対応が必要かもしれません。

関連記事:【医師監修】睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック方法

起きても疲れがとれない・日中も強く眠い

以下のような場合は、単なる枕の問題ではない可能性があります。

  • しっかり寝ても疲れがとれない
  • 日中の眠気が強い

といった場合も、単なる枕の問題ではない可能性があります。生活習慣を見直しても改善しない場合は、専門医への相談も検討しましょう。

関連記事:寝ても疲労が取れない原因は?対策を生活習慣と病気の両面で解説

枕なしがつらいときの見直しポイント

枕なしで寝てみたものの、首や肩に違和感が出てきた場合は、今使っている寝具との相性に問題があるケースも少なくありません。枕なしがつらいときに、見直したい2つのポイントを紹介します。

まずは今の枕の高さを疑う

「枕なしのほうが楽」と感じたときは、枕が高すぎないかを確認することが大切です。ポイントは、首の角度と朝の状態です。

寝姿勢とマットレスの組み合わせで考える

枕だけでなく、寝姿勢やマットレスの硬さも影響します。柔らかすぎるマットレスでは沈み込みが大きくなるため、枕の高さも変わります。

関連記事:硬めマットレスが合う人はどんな人?自分に合った硬さのマットレスで質の高い眠りを

不調が続くなら無理をしない

首や肩の痛みが続いたり、いびきが悪化するような場合は、無理に枕なしを続ける必要はありません。寝具の見直しや、必要に応じて専門家への相談を検討しましょう。

まとめ:枕なしが合うかは寝姿勢と体の状態による

枕なしで寝ることは、メリット・デメリットがあります。

  • 仰向け寝なら合う人もいる
  • 横向き寝は不向きになりやすい
  • いびきや首肩の不調がある人は注意

また、「枕なしが楽」と感じる場合でも、実際には枕の高さが合っていないだけの可能性もあります。

大切なのは、自分の寝姿勢と体の状態に合っているかどうかで判断することです。

必要に応じて、

  • 自分に合う枕の選び方
  • 寝姿勢別の寝具選び

も見直してみると、睡眠の質の改善につながります。

関連記事:【医師監修】寝すぎると腰が痛い理由|その原因と今日からできる予防・対処法

 

メタディスクリプション

枕なしで寝ると首や肩こりに影響はあるのか、いびきやむくみとの関係は?本記事では仰向け寝・横向き寝などの寝姿勢別にメリット・デメリットを解説。枕が不要なのではなく高さが合っていない可能性や、受診目安となる症状についてもわかりやすく紹介します。