「二度寝をやめられない」「目覚まし時計を遠くに置いたり、アプリを使ったりしても効果がない」「二度寝をすると体がだるい……」。もしもこんな悩みがあるのなら、根本的な問題として、十分に睡眠を取れていない可能性があります。
そこで本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、二度寝の根本的な原因と、具体的な解決方法について解説していきます。
二度寝をしてしまう根本的な2つの原因とその解決法
二度寝の根本的な原因として「睡眠時間が足りていないこと」「睡眠の質が悪いこと」の2つが挙げられます。
このどちらかが欠けていると、睡眠が十分だと感じられず、結果的に二度寝を繰り返すことになります。
睡眠時間が足りていない
厚生労働省によると、成人における適正な睡眠時間は、6~8時間程度とされています。
ただし、6時間未満で足りるという人もいれば、8時間以上必要な人もいて、個人差があります。そのため、自分に必要な睡眠時間を把握しておくことが重要です。
【自分に必要な睡眠時間を確認する方法】
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ただし、「睡眠の質」が確保できていないと二度寝に入ってしまい、適切な睡眠時間を確認することができません。睡眠の質を確保した状態で測るようにしてください。
睡眠の質が悪い
二度寝をしてしまう原因のもう一つは、睡眠の質が十分ではないことです。
睡眠の質は主に「睡眠環境」と「生活習慣」に左右されるため、その質を高める方法について解説していきます。
睡眠の質を高める方法
睡眠の質を高める方法は、大きく「睡眠環境を整えること」「生活習慣を整えること」の2つが考えられます。
睡眠環境を整える
睡眠環境を整える際に着目したいのは、次の5つです。
【睡眠環境の5つの要素】
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自分に合った「マットレス」を使う
自分に合ったマットレスを選ぶうえで重要なのは、次の2つです。
【マットレス・敷き布団選びで重要なポイント】
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「体圧分散性」が十分にないと、体の一部に圧力が集中し、深い眠りの妨げとなります。また、「反発力」が足りていないと、腰や背中のあたりが沈み込んだ不自然な寝姿勢になります。
本来、寝ている間も立っているときと同じような姿勢を保つことが理想です。しかし、不自然な姿勢で寝ていると体に負担がかかり、睡りが浅くなることがあります。
これらの要素を満たしたマットレスを使うことで、より良質な睡眠を得ることが期待できます。マットレスの選び方や種類に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
- 「マットレスの選び方」を解説した記事 →「寝心地がよい快適なマットレスの選び方とは?タイプやサイズ別に徹底解説!」
- 「マットレスの種類」を解説した記事 →「マットレス8種類の特徴やメリット・デメリットを解説!後悔しない選び方」
自分に合った「枕」を使う
枕選びにおいて重要なのは「高さ」であり、仰向けと横向き寝の場合でそれぞれ理想的な高さがあります。
【理想的な枕の高さ】
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壁に背中をつけて立ったとき、頭や首の後ろに隙間ができます。仰向けで寝る場合、この隙間を埋める高さの枕が理想です。
また、横向き寝では頭から背骨にかけて一直線の状態を保てる高さの枕を使うと、首や肩への負担が少なく、良質な睡眠を取りやすくなります。
枕選びについては、「上級睡眠健康指導士がおすすめ!枕の選び方」の記事で詳しく解説しています。
また「コアラピロー診断」では、簡単な質問に答えるだけで、自分にぴったりの「コアラピロー」を見つけることができます。
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快適な「温度・湿度」を保つ
快適な温度や湿度を保つことは、良質な睡眠を得るために欠かせない要素です。
厚生労働省の睡眠指針12か条では、理想的な睡眠環境は室温13~29℃の範囲に保つこと、また湿度が高すぎると睡眠に悪影響を及ぼすため、季節に応じて眠りを妨げない程度に調節することが望ましいとされています。
夏の暑い夜は、一晩中エアコンをつけたままにして、快適な温度と湿度を保ちましょう。この際、体が冷えすぎないように風向きを調整したり、掛け布団を活用したりするといいでしょう。
また、冬の寒さも睡眠に影響を与えます。室温が18度程度になるよう、暖房を使って快適な温度を保ってください。電気毛布などで布団の中だけ温めるのは、実は快適な睡眠のためには推奨できません。
寒すぎないように室温を温めるのは、睡眠の質を高めるためにも、またヒートショックや高血圧など、健康上の問題を防ぐためにも重要です。
「音」の少ない静かな環境をつくる
家の外の騒音や、家族やパートナーのいびきといった「音」は、中途覚醒の原因になるといわれています。このような音が生じる環境で寝ている場合は、寝室を変えることや、耳栓の使用をおすすめします。
また、ラジオや音楽が入眠を助けることもありますが、眠りについたあとは静かな状態が理想です。タイマーを使って、音が止まるように設定しておきましょう。
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「光」の少ない暗い環境をつくる
寝ている間の「光」は中途覚醒時間を増加させ、眠りを浅くさせる原因になるといわれています。深い眠りを得るためには、できるだけ暗い環境をつくりましょう。
【寝室の光対策】
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遮光カーテンは「遮光1級」がおすすめです。遮光率が99.99%と高く、外からの光をほぼすべてシャットアウトできるため、朝まで寝室を暗く保つことができます。旅行中などで光が気になる場合は、アイマスクを使うといいでしょう。
生活習慣を整える
睡眠の質を高めるためには、生活習慣を整えることも重要です。
【睡眠の質を高めるための生活習慣】
基本 |
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朝 |
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日中 |
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夜 |
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【基本】毎日の起床・就寝時刻を一定にする
人の体には体内時計と呼ばれる仕組みが備わっていて、ホルモンの分泌量を周期的に調整しています。
しかし、起床・就寝時刻がバラバラだと、体内時計のリズムが崩れます。すると、眠気を誘うホルモンである「メラトニン」が、就寝前に分泌されにくくなってしまいます。
スムーズな入眠のために、毎日の起床・就寝時刻を一定にしましょう。
【朝】起床したら日光を浴びる
朝、日光を浴びると、体内では「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
その後14~16時間経つと、セロトニンを材料にして睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、深い眠りにつきやすくなります。
朝起きたらカーテンを開け、しっかり日光を浴びて目覚めるようにしましょう。
【朝】朝食をとる
体内時計は、24時間より少し長い周期でリズムを刻んでいます。このため、朝食をとらないと、体内時計が後退し、睡眠に悪影響があるとされています。
この体内時計をリセットする効果をもつのが朝食です。朝食をとることで、体内時計の周期が24時間にリセットされます。
【日中】運動を習慣化する
1回の運動でも、睡眠の質を高める効果があるとされますが、習慣化することでより深い睡眠を得られることが分かっています。
あまり運動してこなかった人は、まずはウォーキングやジョギング、家でできるヨガやストレッチを取り入れてみましょう。
ただし、運動する時間帯は寝る3時間ほど前が理想です。寝る直前の運動は体を興奮させ、眠りの質を悪化させる恐れがあるためです。
【日中】昼寝をするなら15時頃まで、30分以内に収める
昼寝のタイミングは午後の早い時間に。目安としては15時頃まで、そして時間は30分以内に収めることがポイントです。1時間以上昼寝してぐっすり寝入ってしまうと、夜の睡眠の質が低下します。
昼寝をする場合は、タイミングと時間に注意しましょう。
【夜】夕食は2~3時間前までに済ませる
胃や腸が働いている状態では、脳の働きを活発にする交感神経が優位になり、深い睡眠を妨げる原因になります。
このため、就寝の2~3時間前までに夕食は済ませましょう。また、寝る直前の軽食も控えることをおすすめします。
【夜】就寝時刻の1~2時間前に入浴する
人は深部体温(体の中心の温度)が低下する過程で眠気を感じ、かつ良質な睡眠を取りやすくなることが分かっています。
入浴で体温を一時的に上げ、就寝時に体温が下がるようにすると、深い眠りを得やすくなります。タイミングとしては、就寝の1~2時間前の入浴が理想です。
【夜】就寝前のデジタル機器の使用を控える
スマホやタブレットなどから発せられるブルーライトは、眠りの質を高めるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。
睡眠の質を高めるためには、夕方以降ディスプレイの明るさを落としたり、寝る1~2時間前からスマホやタブレットの使用を控えることをおすすめします。
【夜】喫煙習慣を見直す
タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、深い眠りを妨げる要因になるとされています。
「ニコチンの血中半減期はおよそ2時間」ともいわれ、喫煙してから2時間経っても体内にはニコチンが残存しています。つまり、就寝の2時間前の喫煙でも、睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があるということです。
寝る直前に限らず、タバコは睡眠の質を低下させる要因になるため、喫煙習慣を見直すことも検討してみてください。
【夜】飲酒の習慣を見直す
アルコールは寝つきを良くする作用があり、睡眠の前半では深い睡眠の割合が増えるといわれています。しかし、睡眠の後半になると眠りの質が悪化し、中途覚醒が増える傾向にあることが分かっています。
そのため、寝つきを良くするための飲酒(寝酒)が、結果的に、睡眠の質に悪影響を与えているといえます。この機会に、飲酒の習慣を見直してみてください。
【夜】眠くなってから寝床に入る
眠くないのに「眠らなければ」と無理に寝ようとすると、かえって眠れなくなることがあります。この状態が続くと、寝床に向かうだけで緊張したり、夜寝るのが憂うつになったりする「不眠恐怖」を引き起こす可能性があります。
眠くなってから寝床に入ることを習慣づけると、入眠がスムーズになり、睡眠の質も向上します。
【夜】寝床は睡眠のためだけに使う
私たちの体には「条件付け」という仕組みが備わっています。これは、特定の環境や状況が繰り返されることで、その環境に対して無意識に反応するようになるメカニズムです。
この条件付けの仕組みを利用して、「寝床=眠る場所」と認識させると、寝床に入るだけで自然と眠気が訪れ、質の高い睡眠を得やすくなります。
逆に、寝床でスマートフォンを使ったり読書をしたりすると、この認識が弱まり、寝つきが悪くなる原因になります。
二度寝による4つの悪影響
最後に、二度寝による悪影響を4つ紹介します。
【二度寝による悪影響】
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日中の集中力が低下する
つい二度寝をしてしまう人のなかには、「日中の集中力が続かない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
二度寝は、睡眠不足のサインといえます。十分な睡眠を取れていれば、二度寝をしたくてもできないからです。
睡眠不足の状態では、脳の前頭葉がダメージを受けている場合があります。すると、集中力や注意力、判断力などの脳機能が低下するといわれています。
肌トラブルの原因になる
肌の再生活動には、成長ホルモンが必要です。
しかし、二度寝をすると体内時計が乱れ、成長ホルモンの分泌量が減ります。その結果、肌の乾燥やくすみ、シミなどの肌トラブルを引き起こす原因になることがあります。
太りやすくなる
二度寝が原因で、太りやすくなることがあります。
【二度寝をすると太りやすくなる理由】
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成長ホルモンの役割の一つは、脂肪の燃焼です。しかし、体内時計が乱れ、成長ホルモンの分泌量が減ることで、脂肪を燃焼する働きも弱まります。
また、睡眠不足の状態では食欲を増進するホルモンである「グレリン」が増加するともいわれています。つまり二度寝をすることで、2つの面から太りやすい体質になってしまう可能性があるのです。
悪循環を起こし、さまざまな病気のリスクが高まる
朝起きて太陽の光を浴びてから14時間~16時間後に、眠気を誘う「メラトニン」が分泌されるといわれています。
しかし、二度寝をするとそのリズムが崩れ、夜に眠気が来ないために眠れなくなってしまいます。すると翌朝、睡眠不足のために二度寝をするという悪循環に陥ってしまいます。
睡眠不足が続くと、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病や、うつや認知症など、さまざまな病気の発症リスクが高まるともいわれています。
まとめ:二度寝を根本的に解消するには、「睡眠時間」と「睡眠環境・生活習慣」を見直そう
二度寝をしてしまう根本的な原因は、主に睡眠時間が足りていないことと、睡眠の質が悪いことです。
自分に適した睡眠時間を確認するためには、以下の方法を試してみてください。
【自分に適した睡眠時間を確認する方法】
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また、睡眠の質を高めるには、以下のとおり「睡眠環境」と「生活習慣」を整えることが大切です。
【睡眠環境の整え方】
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【生活習慣の整え方】
基本 |
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朝 |
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日中 |
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夜 |
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睡眠の問題を放置していると、心臓病や脳卒中、心筋梗塞など、さまざまな病気のリスクを高めることにつながります。
本記事で紹介した内容を、二度寝の解消に役立ててください。また、朝起きられないことが続くようであれば、専門医の受診も検討しましょう。
睡眠の質が悪くて二度寝をしてしまう場合は、マットレスやピローなどの寝具を見直すのもおすすめです。
お客様のメッセージ
2024年8月7日
★★★★★
高さと硬さが丁度よい
なかなか自分に高さが合う枕がなく、現状ではこちらの枕が一番です。
2024年7月23日
★★★★★
睡眠の質が向上しました!
体格にも合っており、深い睡眠を得る事が出来ました。
マットレスの購入も検討したいと思います。
2024年7月15日
★★★★★
コスパの良い枕
かなり柔らかい枕です。
また、想定していたよりも大きめで満足しています。
仰向け、横向き、うつ伏せ、どの体制でもストレスになりません。
オーダーメイドの枕も考えておりましたが、コスパの面を考えるとこちらを選択してよかったと思っています。
満足しています。
監修者
石川 恭子
コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。