睡眠コラム by 松岡 雄治•2026年10月26日•読了目安時間: 5 分

生後8か月の赤ちゃんが寝ないのはなぜ?後追いが強まる時期の原因と対処法

生後8か月になって夜中に起きることが増えると、以前との違いに戸惑うこともあるでしょう。生後8か月ごろは、ハイハイやつかまり立ちを始めたり、後追いが強まったりする時期です。また、成長の過程で眠りが不安定になることもあります。

この記事では、生後8か月の赤ちゃんが寝ない理由と、場面に合わせた対処法を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

 

生後8か月の赤ちゃんに起こる変化

生後8か月ごろは、ハイハイやつかまり立ちなど、体の動きに変化が見られる時期です。保護者の姿が見えなくなると、泣いたり後を追ったりすることも増えてきます。

1. ハイハイやつかまり立ちが始まる

ハイハイやつかまり立ちが始まると、赤ちゃんが自分で動ける範囲が広がります。気になるおもちゃに近づいたり、家具につかまって立ち上がったりと、起きている間の過ごし方も変わっていきます。

こども家庭庁の調査によると、生後8〜9か月未満でハイハイができる赤ちゃんの割合は67.4%、つかまり立ちは61.2%です。発達の進み方には個人差がありますが、この時期は新しい動きが見られるようになります。

ハイハイを始める時期には、眠り方にも変化が見られることがあります。赤ちゃんを追跡した研究では、ハイハイの開始時期と、夜中に長く目を覚ます時期が重なる傾向が報告されています。日中にできる動きが増える一方で、夜は目を覚まして過ごす時間が一時的に長くなる場合もあるのです。

2. 後追いが激しくなる

生後8か月ごろは、いつもそばにいる保護者と、ほかの人との違いがわかるようになってきます。保護者の姿が見えなくなると、不安になって泣いたり後を追ったりする「後追い」が強まる時期です。

ハイハイで移動できるようになると、別の部屋へ行く保護者についていこうとする姿も見られます。家事などで少し離れただけでも泣いて呼ぶため、そばを離れにくいと感じることもあるでしょう。

保護者と離れる不安は、夜にも表れることがあります。赤ちゃんが夜中に目を覚ましたとき、保護者がそばにいないと不安になり、泣いて呼ぶ場合もあります。離れることへの不安が強い赤ちゃんほど、夜中に起きている時間が長い傾向も報告されています。

ハイハイや後追いが始まる時期に眠りが不安定になる流れについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【医師監修】睡眠退行とは?赤ちゃんの睡眠リズムへの影響と対策

Q. なぜ急に寝なくなるのか?

生後8か月ごろに急に寝なくなるのは、多くの場合「睡眠退行」と呼ばれる一時的な現象です。昨日まで朝まで寝ていた赤ちゃんが、夜中に何度も起きるようになります。この時期はハイハイやつかまり立ちなど、運動機能と脳が急激に発達します。日中に得た膨大な刺激を脳が処理するため、睡眠中も興奮状態になりやすいのが理由です。育て方や寝かしつけの問題ではないため、発達の過程と捉えて見守ってあげましょう。

 

生後8か月の赤ちゃんが寝ないときの対処法

生後8か月の赤ちゃんが寝ないときは、夜中に遊びだす、寝ぐずりがひどい、昼間に寝ないなど、場面に合わせて対応を変えましょう。発熱や嘔吐など、いつもと違う様子があるときは、寝かしつけを工夫する前に体調を確かめてください。

1. 夜中に起きて遊びだすケース

夜中に起きて遊び始めたら、部屋を明るくしたり一緒に遊んだりせず、静かに見守りましょう。機嫌よく動いているなら、すぐに抱き上げず、少し様子を見ます。泣きだしたときや、おなかがすいている、おむつが汚れているときは、そのつど対応してください。

子どもは大人よりも光の影響を受けやすく、夜中に部屋を明るくすると、もう一度寝つくまでに時間がかかることがあります。照明は消したままにし、授乳やおむつ替えで明かりが必要なときも、手元が見える程度の明るさにとどめましょう。声をかけるときも小さな声で話します。

つかまり立ちが始まったら、転落を防ぐため、木製ベビーベッドは次の状態に整えましょう。

  • 床板を最下段に下げる
  • 柵を上げておく
  • 足がかりになる物を中に置かない

大人用ベッドに取り付けるベッドガードは、生後18か月未満の赤ちゃんには使用できません。すき間に挟まって窒息するおそれがあるためです。赤ちゃん専用の寝床で寝かせましょう。

2. 寝ぐずりがひどいケース

寝ぐずりが続くときは、寝る前の行動を毎日同じ順番にしてみましょう。繰り返すうちに、この流れが眠る前の合図になることがあります。たとえば、次のような順番です。

  • お風呂に入る
  • 着替えとおむつ替えをする
  • 授乳する
  • 絵本を読んで、照明を落とす

夕方以降は強い光や激しい遊びを控え、寝る前は静かに過ごしましょう。

抱っこや授乳での寝かしつけがつらくなってきたら、家族と抱っこを交代するなど、続けやすい方法に変えていきましょう。横になって授乳し、赤ちゃんがそのまま眠ったときは、大人用ベッドに残さず、専用の寝床へ移してください。

抱っこや授乳での寝かしつけを見直すか迷うときは、ねんねトレーニングの考え方を解説した以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【医師監修】ネントレとは?日本の赤ちゃんの睡眠事情から考える「ねんねトレーニング」入門

3. 昼間に寝ないケース

昼間に寝なくなったときは、以前の昼寝の時刻や回数が、今の赤ちゃんに合っているかを見直しましょう。成長とともに起きていられる時間が延び、これまで眠っていた時間帯にも機嫌よく遊ぶようになることがあります。

昼寝が短くても、夜によく眠れて日中の機嫌もよければ、昼寝の回数が減っていく途中かもしれません。昼も夜も眠れずにぐずる日は、眠そうなしぐさが見えたところで遊びを切り上げ、静かな部屋で休ませましょう。

ただし、夕方遅くまで長く昼寝をすると、夜の寝つきが悪くなることがあります。夜に寝つけない日が続くときは、昼寝が夕方までずれ込んでいないかを確かめ、昼寝の時間帯を早めにずらしましょう。

Q. 日中寝ないのはなぜ?

生後8か月は体力がつき、これまでと同じ活動量では疲れきらず、夜に目覚めやすくなっていることもあります。日中に安全な場所でハイハイを促し、運動量を増やしてみましょう。また、午前中に日光を浴びることも、体内時計を整え、夜の深い睡眠につなげるために効果的です。

 

生後8か月の睡眠時間と昼寝の目安は?

生後8か月の睡眠時間は、昼寝を含めて1日12〜16時間が目安です。米国睡眠医学会は、生後4〜12か月の赤ちゃんに、この範囲の睡眠を推奨しています。夜中に起きていた時間は除き、昼寝の分も合わせて数えましょう。

昼寝は、生後6か月ごろから2〜4時間ほどを1日1〜2回とるようになり、9か月ごろには、1日の睡眠の7〜8割を夜にとるようになっていきます。

乳幼児期はもともと眠りが不安定になりやすく、必要な睡眠時間や昼寝の回数にも個人差があります。夜通し眠れたかだけでなく、日中に機嫌よく遊べているかもあわせて見てください。

 

何をしても寝ないときはどうする?

何をしても寝ないときは、赤ちゃんを安全な寝床に置いて一度その場を離れる、小児科や健診で相談するなど、保護者の気持ちのケアも優先しましょう。寝かしつけを続けて睡眠が削られると、疲れやイライラが強まり、赤ちゃんに落ち着いて接するのが難しくなります。

安全を確かめて一度その場を離れる

泣きやまず限界を感じたら、赤ちゃんを安全な寝床に置き、少しその場を離れて落ち着きましょう。離れるときは、次の点を確かめておきましょう。

  • あおむけに寝かせる
  • 体が沈まない硬めで平らな寝具の上に寝かせる
  • 周りにぬいぐるみやタオルなどを置かない

離れたあとは、少ししたら戻って赤ちゃんの様子を確かめます。泣き声にイライラしても、赤ちゃんを激しく揺さぶったり、口をふさいだりしないことが大切です。対応を代われる家族がいれば、交代しましょう。

保護者自身の寝不足への対策については、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【医師監修】育児中の寝不足はいつまで続く?原因と限界になる前にできる対策

続くときは小児科や健診で相談する

寝ない状態が長く続くときや、体重の増え方が気になるときは、かかりつけの小児科や健診で相談しましょう。発熱や嘔吐があるときは、健診の日を待たずに小児科へ連絡してください。

相談するときは、次のことを伝えると状況が伝わりやすくなります。

  • 眠らなくなった時期
  • 夜中に起きたときの様子
  • 昼寝を含めた1日の睡眠時間
  • 母乳やミルクの飲み方の変化

保護者が眠れずにつらいときは、そのことも健診や小児科で伝えましょう。家族の協力だけでは休めない場合は、自治体の保健師に利用できる支援を聞いてみてください。

 

まとめ:生後8か月で寝ないときは場面に合わせて対応しよう

生後8か月ごろは、ハイハイやつかまり立ち、後追いなどの発達に伴って、眠りが不安定になることがあります。寝ないときは、場面に合わせて次のように対応しましょう。

  • 夜中に起きて遊ぶとき:照明を消したまま、静かに見守る
  • 寝ぐずりが続くとき:寝る前の流れを毎日同じ順番にする
  • 昼間に寝ないとき:昼寝が夕方までずれ込んでいないかを確かめる

つかまり立ちが始まったら、ベビーベッドの床板を下げ、柵を上げて転落を防ぎましょう。大人用ベッドに取り付けるベッドガードは、生後18か月未満の赤ちゃんには使わないでください。

何をしても寝ずに限界を感じたときは、赤ちゃんを安全な寝床に置いて少し離れたり、家族と交代したりして休みましょう。寝ない状態が長く続くときや、体重の増え方が気になるときは、小児科や健診で相談してください。

 

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