睡眠コラム by 松本 恭2025年6月29日読了目安時間: 9

今夜から変わる!科学的根拠に基づくすぐに眠れる方法10選

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

読者の皆様は布団の中に入ってから眠るまでに、何分くらいかかるでしょうか?

「目を閉じた瞬間、気絶をしてしまうように意識が消えてしまう。」という方もいれば、「布団に入ってから考え事をしてしまい、なかなか寝つくことができない…」「ついつい寝転がってからスマホをいじってしまい、目が冴えてしまう…」という方もいるかもしれません。このような状況が続いてしまうと、だんだん眠れないことに焦ってきてしまい、「明日も早いし早く寝なきゃ!」と考えると余計に焦ってしまい、また眠れなくなるという悪循環に陥ります。

本記事では、そのようになかなか眠れないことに悩んでいる方に向けた、今夜から試すことができる、科学的な根拠に基づくすぐに眠れる方法を10種類紹介します。呼吸法や瞑想といった体一つでできることから、アロマや寝具の選び方といったアイテムの活用など、10種類の入眠テクニックで快眠を実現しましょう!

すぐに眠れる時間の目安

布団に入って目を閉じてから、すぐに眠れることはとても良いことと思う方が多いでしょう。ですが、実際には目を閉じてから寝つくまでに10分程度かかるのが正常です。その理由は脳のクールダウンにその程度の時間を要するからです。30分以上目を閉じてから眠れない状態が続くと不眠の傾向が疑われます。逆に、目を閉じてから寝落ちのようにすぐ眠れてしまうようであれば、睡眠不足の傾向が疑われます。

今回の記事は一瞬で寝落ちするような魔法のようなメソッドではなく、科学的な根拠に基づいた10分前後でスムーズに入眠するための方法をご紹介します。

呼吸で心を落ち着かせる!4-7-8呼吸法

誰もが比較的取り組みやすい方法で最初に挙げられるのは「呼吸法」です。呼吸法は何か購入する必要もなく、コストゼロで始められることがポイントです。呼吸は息を吸う時には交感神経を刺激し、吐くことで副交感神経を有意に働かせます。これを意識しながら行うことで意図的に副交感神経を優位に働かせるということになります。

中でも4-7-8呼吸法はリラックスに重要な副交感神経のスイッチをONにしてくれます。4-7-8呼吸法を用いたランダム化比較試験(RCT)も行われており、通常の深呼吸に比べて優位に不安のレベルを軽減することが報告されています。この不安軽減はすぐに眠れるようになるためには非常に重要です。※1

具体的な方法

4-7-8呼吸法は下記の手順で行うのが一般的です。リラックスできる状態で自身の呼吸を意識しながら行いましょう。また4-7-8は秒数ではなくカウントを基準に行うと良いでしょう。自分のやりやすいペースでカウントしながら行ってください。まずはこれを4セットほど繰り返してみましょう。

1.背筋を伸ばし鼻から4秒大きく息を吸う。お腹を大きく膨らませるようにして腹式呼吸を意識する。

2.大きく吸った息を止めた状態で7カウント止める。

3.口をすぼめ8秒かけてゆっくり吐く。

これを4セット行います。息を吐く時間を長くすると副交感神経が優位になります。寝る直前に、布団の中で横になりながらでもできるので、取り入れやすく寝つきに悩む方には非常に効果的です。

深部体温をコントロール

 

スムーズな入眠には深部体温の調節が肝心です。深部体温は日中には高い状態を保ち、睡眠時に低くなり明け方に深部体温が一番低くなります。起床に向けて徐々に深部体温は上がっていきます。この仕組みを利用して、就床時に深部体温がしっかり下がるような行動をするとスムーズに入眠することができ、この深部体温が高い状態から急降下するときに眠気が強くなります。深部体温を上げて、急降下させ眠気を促すためには温浴とそのタイミングが重要になります。

就寝1〜2時間前の温浴戦略

就寝1〜2時間前に40〜42℃の湯船へ10分入浴すると、上がった深部体温が放熱で急降下し、それにより眠気が誘発されます。この入浴に関する研究結果はいくつも報告されており、17件のメタ分析では入眠時間が平均10分短縮されたことがわかっています。ポイントは適切な時間・適切な温度を守り、体温調整の自然なリズムを後押しすることです。また入浴そのものが副交感神経を優位にするため、リラックス効果も期待できます。※2

湯船が難しい場合はシャワーや足湯で代替可能

日中忙しくて湯船が難しい場合は、43℃前後の熱めのシャワーを5分浴びても放熱効果の7割は得られます。ただし寝る直前の高温でのシャワーは交感神経を刺激し、逆に覚醒する可能性があるので避けた方が無難です。また足湯も深部体温のコントロールをする上ではとても有効であり、多くの報告がありますが40℃の足湯を20分程度行うことが負荷も少なく試しやすいでしょう。※3

漸進的筋弛緩法でリラックス

漸進的筋弛緩法とは、不眠症に有効とされている認知行動療法の中でも使われるリラックス技法です。無意識に入ってしまっている身体の力を抜くことがリラックス技法には必要です。筋肉を緊張させ、直後に弛緩させることでその部位が脱力してリラックスを感じる手法の一つです。

漸進的筋弛緩法は身体一つあればどこでも行うことができ、簡単に試すことができる手法です。これを8週間実施した研究結果では睡眠の質の改善効果が報告されています。※4

手順と行う際の注意点

漸進的筋弛緩は布団の中で仰向けになりながら行ったり、椅子などを利用して座位で行ったりできます。姿勢や部位によって多少力の入れ方が変わることはありますが、主に以下の手順で行います。

1.意識する部位に力を入れて7割程度の力を使い緊張させる。

2.力を入れて5秒〜7秒キープしたら、一気に脱力させる。

3.脱力した時に力を入れていた時の違いや余韻を感じる。

これを両手両足・顔面・腹部など自身で順番を決めて行うと良いでしょう。過去に大きなケガをしていたり、身体的に問題がある場合はその部分の力を加える度合いをコントロールすることや、他の部位を中心に行いましょう。

マインドフルネス瞑想で思考をリセット

 

マインドフルネス瞑想とは、呼吸や身体の感覚に意識を向けながら雑念を受け流す心のトレーニングです。過度な不安や緊張を和らげることを目的としたものであり、睡眠の改善にも有効な研究がいくつも報告されています。

マインドフルネス瞑想の介入が睡眠に及ぼす効果を評価したシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、睡眠を中程度に改善する可能性は示唆されているものの、単体エビデンスは中程度のため、他の方法と組み合わせるのが有効とされています。※5

具体的な手順

それではマインドフルネス瞑想の具体的な手順を説明します。

1.静かな場所で楽な姿勢をとります。

2.軽く目を閉じ、呼吸に注意を向けます。

3.吸う息と吐く息の感覚を丁寧に観察します。

4.雑念が浮かんだら評価せずに流します。

5.意識が呼吸に戻るよう優しく導きます。

マインドフルネス瞑想も身体一つで今日からすぐに行うことができます。ぜひマインドフルネス瞑想を用いて、心を落ち着かせる習慣を取り入れてみましょう。

遮光・照明コントロールで睡眠環境を最適にサポート

良い睡眠をとる上で光のコントロールは非常に大切です。日中に明るい光を浴びることも大切ですが、夜間に光を浴びすぎないことも同じくらい重要です。近代の住居に利用される蛍光灯でも約150lux(ルクス)とされ、就寝前に過ごす寝室の明るさとしては少し明るすぎる環境です。夜間にはメラトニンと呼ばれる体内時計に関わるホルモンが分泌され睡眠を促してくれますが、明るい環境だとメラトニンの分泌が阻害されがちで睡眠が妨げられてしまいます。昼間と夜間でリビングの照明を変え、夜間は照度の低い暖色系の照明を利用すること、より強い光を発するテレビやスマートフォンなどの電子機器の利用はなるべく控えることが重要です。朝日が入る方角に窓がある場合は、その窓に遮光カーテンをかけることも環境調整には有効です。

夜間の照明は体重増加に繋がる?

この夜間の環境はメラトニンの分泌を抑制してしまいますが、これにより睡眠が妨げられてしまい、体重の増加につながるという研究結果が報告されています。直接的な関係があるかどうかは分かりませんが、夜間の照明が肥満の危険因子だと示唆されています。ダイエットや体重管理をしている方は意識してみると良いでしょう。※6

ブルーライトカットと就寝前デジタルデトックス

先ほど明るいとメラトニンの分泌が抑制されてしまうことを書きました。「寝る前のスマートフォンの利用はなるべく控えましょう!」というのは耳にしたことがありますよね。とはいえ、現実的に現代ではほとんどのことをスマートフォンでこなしているため、なかなか難しいと思われるかもしれません。

ブルーライトとはスマートフォンやテレビなどの電子機器などから発せられる光ですが、夜間の睡眠に悪影響を及ぼすといわれています。実際に2週間iPadのLEDバックライトを用いた研究では、メラトニン分泌が優位に減少し、それにより寝つくまでの時間が長くなり、翌朝の眠気、注意力の低下に繋がったことが報告されています。※7

特に注意したいのが「寝スマホ」

夜にデジタルデバイスを利用する時に多いのはベッドに入り寝ながらスマートフォンを利用することではないでしょうか?いわゆる「寝スマホ」はスマホと顔の距離が近くなりやすく、メラトニンの分泌を抑制するのに十分な光の量を浴びやすくなってしまいます。寝転びながらの操作に気をつけ、スマホとの距離感を考えることを習慣づけると良いでしょう。

ツボ押しによるリラックス方法

ツボを押すことによるリラックス方法も睡眠には有効です。ツボ押しにはアキュプレッシャーとも呼ばれるものがあり、入眠までの時間を短縮させる効果や、不安の軽減にも効果があるという研究結果が報告されています。専門器具など必要なく、自らの手で行えることが、今日からでも簡単に取り組みを開始できます。※8

押しやすいツボをご紹介

では押しやすいツボを3つご紹介します。押す強さは“痛気持ちいい”と感じる程度で、5~7 秒かけてゆっくり押すことを数回繰り返しましょう。

・神門(手首横シワの小指側端、尺骨茎状突起のすぐ手前。)

・内関(手のひら側、手首横シワから指3本分上。腱の間で押しやすいくぼみ。)

・太谿(内くるぶしの頂点とアキレス腱との間のくぼみ。)

心を落ち着かせたり、ホルモンバランスを整えたりするのに有効なので、ぜひ一度お試しください。

香りを用いた芳香浴の勧め

リラックスといえば良い香りも効果がありそうに思いませんか?

その通りでアロマオイル(精油)などを利用した芳香浴もリラックス効果があり、ぐっすりと眠るにはとても良い方法です。睡眠衛生指導と組み合わせた研究ではありますが、5日間の実施で睡眠の質が優位に改善し、起床時の爽快感も向上したという報告があります。※9

ラベンダー以外のおすすめの香り

睡眠に関してポジティブな効果が見られている香りにはこのような種類のものがあります。

・カモミール

カモミール精油の利用で、不眠症の重症度が低下したという研究報告があります。

・ベルガモット

夜間のベルガモットの精油の利用が心理的ストレスを軽減。睡眠の質と起床時の爽快感を向上させることが報告されています。

・シダーウッド

高齢者に対するアロマテラピーで睡眠障害の症状が改善したという報告があります。

この辺りの芳香浴や精油・ハーブティなども活用することで、よりリラックスができるでしょう。※10-1、10-2

寝具のアップグレード!マットレスと枕の選び

睡眠においてどのような環境で眠るかも大切です。先ほど光環境について触れましたが、寝具や枕など、自分に合ったものを選ぶこともスムーズに入眠するためには考慮して良いポイントです。特にマットレスは大きな買い物になるので事前によく調べてから検討しましょう。特に下記の3つをよくチェックしてみてください。

・素材(どのような素材が触り心地が良いか、メンテナンス性が良いか)

・硬さ(自分の体型にフィットして、身体的に負担がないか)

・サイズ(部屋のサイズと何人で利用するかなど)

寝具の新調で満足度向上

また寝具を新調(新しいマットレスに変更)すると、背中の痛みが約48%減少し、睡眠の質が55%改善されたという結果が報告されています。またストレス関連症状についても、研究後に19.5%〜21.5%減少したことが報告されています。この研究では5年以上使用した古いベッドから新調した場合の睡眠における改善効果を検証しています。5年以上同じマットレスを使っている方、またはいつ購入したのか覚えていないという方は、これを機に寝具の新調を検討して見ても良いかもしれません。※11

眠れない時は無理に寝ようとしない

眠れなくて焦ってしまう。でも体は疲れている。横になってごろごろしていると考え事が出てきてしまったり、また眠れないという状況になってしまいますよね。このような場合は無理に寝ようとしないことも非常に重要です。

「逆説的意図法(パラドキシカル・インテンション)」は、認知行動療法のひとつの手法とされています。実際に眠ろうとしないことを意図的に続けることで、寝つきへの不安を大幅に低減し、主観的睡眠の質も改善したと報告されています。※12

勇気を持って寝床から出るのもポイント

眠れない状況に焦らない。というのが大切です。いつまでも布団に入って眠れないという方は、その状況から抜け出すためにも一度寝床から出るのも有効です。ただでさえ眠れないのに寝る時間を削ろうとしていいのか!と焦るかもしれませんが、この逆説的な方法もなかなか眠れない方にはおすすめです。目安としては30分以上目を瞑ってから時間が経ってしまったら一度試してみると良いでしょう。

組み合わせも有効!自分だけの入眠のパターン

ここまでにお伝えした10個のアクションプランがありますが、これらを複数組み合わせることでもより効果が得られるかもしれません。

例えば呼吸法に漸進的筋弛緩方法とマインドフルネス瞑想を組み合わせる方法は「米軍式睡眠法」とも呼ばれ、SNSなどでもよく取り上げられています。米軍式睡眠法は、第二次世界大戦中にパイロット向けに教官が編み出したとされる入眠のルーティンで、2分で入眠ができると言われています。2分で眠れることに関しての真偽はありますが、米軍式睡眠法のような組み合わせは入眠ルーティンとしては非常に有効でしょう。

また寝室環境を暗く設定したら、ブルーライトを発生させるデジタルデバイスの利用は控える、ラベンダーの香りを嗅ぎながらツボ押しを行うといった、自分に合う取り組みやすいアクションプランをぜひ考えてみてください!

また、すぐに効果は出なくても習慣に取り入れることで、気がついたら熟睡できるようになっていた、ということも十分にあり得ます。即効性を求めずに、できることから徐々に取り組んでいきましょう!

参考

  • ※1 The Effect of Deep Breathing Exercise and 4-7-8 Breathing Techniques Applied to Patients After Bariatric Surgery on Anxiety and Quality of Life

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36480101/

  • ※2 Shahab Haghayegh et al . 2019 . Sleep Med Rev.

Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31102877/

  • ※3 Wen-Chun Liao et al . 2013 . Int J Nurs Stud.

Effect of a warm footbath before bedtime on body temperature and sleep in older adults with good and poor sleep: an experimental crossover trial

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23669188/

  • ※4 Cansu Sucu 1, Elif Tuğçe Çitil . 2024

The effect of progressive muscle relaxation exercises on postmenopausal sleep quality and fatigue: a single-blind randomized controlled study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39058233/

  • ※5 Heather L. Rusch et al. 2019. Ann N Y Acad Sci.

The effect of mindfulness meditation on sleep quality: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30575050/

  • ※6 Yong-Moon Mark Park et al. 2019 . JAMA Intern Med.

Association of Exposure to Artificial Light at Night While Sleeping With Risk of Obesity in Women

https://www.nih.gov/news-events/news-releases/sleeping-artificial-light-night-associated-weight-gain-women

  • ※7 Chang A-M et al. 2015 

Evening use of light-emitting e-Readers negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness

https://hms.harvard.edu/news/e-readers-foil-good-nights-sleep

  • ※8 Weihong Ling et al . 2025 . Nurs Health Sci. 

Effectiveness of Acupressure on Sleep Quality Among Inpatients: A Systematic Review and Meta‐Analysis

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11884929/

  • ※9 Angela Smith Lillehei et al . 2015 . J Altern Complement Med

Effect of Inhaled Lavender and Sleep Hygiene on Self-Reported Sleep Issues: A Randomized Controlled Trial

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4505755/?

  • ※10-1  Deepa et al . 2024

Int J Psychiatry Med.

Effects of chamomile oil inhalation on sleep quality in young adults with insomnia: A randomized controlled trial

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39545336/

  • ※10-2 Nobuyuki Wakui et al . 2023 . Complement Ther Med.

Relieving psychological stress and improving sleep quality by bergamot essential oil use before bedtime and upon awakening: A randomized crossover trial

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37625623/

  • ※11 Bert H. Jacobson et al. 2009 Journal of Chiropractic Medicine

Changes in back pain, sleep quality, and perceived stress after introduction of new bedding systems

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2697581/

  • ※12 Markus Jansson-Fröjmark et al . 2022 J Sleep Res.

Paradoxical intention for insomnia: A systematic review and meta-analysis

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34405469/

 

3種類のコアラマットレスを比較