マットレスから嫌な臭いがすると、その臭いが気になってぐっすり眠れないのではないでしょうか。マットレスが臭う原因は主に6つあり、それぞれの原因に適した方法でないと効果的に臭いを取ることができません。
そこでこの記事では、マットレスの臭いの原因6つと臭いを取る方法5つについて、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が詳しく解説していきます。
マットレスの臭いの原因6つ
マットレスの臭いの原因には、主に以下の6つがあります。効果的に臭いを取り除くためにも、まずは原因を把握しましょう。
【マットレスの臭いの原因6つ】
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化学物質(アミン)による臭い
新品のマットレスの臭いが気になる場合、その原因は製造時に使われるアミンという化学物質の可能性があります。このケースは、部屋の窓を開けたり換気扇を回したりして空気を入れ替えることで、時間の経過とともに臭いが気にならなくなっていきます。
なお新品のマットレスに付いているアミンは、健康に影響を与える量ではないため心配する必要はありません。
ペットやお子様のおねしょによる臭い
ペットのトイレトラブルやお子様のおねしょの場合、マットレスの表面に多少シミが付いた程度であれば、消臭効果のあるクエン酸を使うことで臭いが取れることもあります。
しかしマットレス内部まで染み込んでしまった場合は、ファイバーマットレスや一部のウレタンマットレスなどの水洗いできる製品を除き、対処ができません。放っておくと臭いだけでなくカビの原因になることもあるため、マットレスの買い替えをご検討ください。
マットレスの処分方法については「マットレスの処分方法7パターンについて解説!処分しやすいマットレスも紹介」の記事で詳しく解説しています。
皮脂や寝汗による臭い
マットレスから酸っぱい臭いがする場合、その主な原因は汗や皮脂です。人間は就寝中にコップ1杯程度の汗をかいているため、その汗がマットレス本体やカバーに染み込むことで、嫌な臭いを発生させます。
また、シーツなどのカバーは肌に触れる寝具のため、皮脂が付着し臭いの原因となることもあります。皮脂や寝汗による臭いには、重曹を使うと消臭効果が期待できます。
カビによる臭い
マットレスを直接床に置いていたり、陰干しなどのお手入れを怠ったりすると、マットレスにはカビが生えてしまいます。マットレス表面に問題がなくとも、裏面を見るとカビが発生している場合があります。
マットレスに生えたカビは呼吸器系のアレルギーや気管支ぜんそくなどの健康被害につながることもあるため、カビを除去するか買い替えるといった対策が必要です。
対処方法については「マットレスのカビ対策について解説|除去法4選と今日からできる予防法5選」の記事で詳しく解説しています。
嘔吐物による臭い
嘔吐物による臭いは、重曹を使うと消臭できることがあります。嘔吐物は酸性のため、アルカリ性の重曹を使うと中和させることができます。
ただし、嘔吐物がマットレス内部まで浸透していると、先述のような水洗いできるマットレスを除いては対処法がないため、後々カビが生えてくる可能性が高くなります。
カビが生えたマットレスは呼吸器系のアレルギーや気管支ぜんそくを引き起こすことがあるため、マットレスの買い替えをご検討ください。
タバコによる臭い
喫煙者がマットレスで寝ることで、タバコの臭いが付くことがあります。タバコの臭いはマットレス本体のカバー(側生地)やシーツを洗濯することで取り除ける場合があります。
ただし、マットレス本体にタバコの臭いが染みついている場合は、マットレス本体に重曹を振りかけるか消臭スプレーを吹きかけて臭いを取るようにしましょう。
マットレスの臭いの取り方5つ
マットレスの臭いの原因に合わせた対策をおこなうことで、嫌な臭いを効果的に取り除くことができます。
【効果的なマットレスの臭いの取り方】
効果的な臭いの取り方 | 対象となる臭いの原因 |
部屋を換気する/風通しのよい場所で陰干しする |
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水で丸洗いする |
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クエン酸を使う |
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重曹を使う |
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消臭スプレーを吹きかける |
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部屋を換気する/風通しのよい場所で陰干しする
新品のマットレスの臭い(アミンの臭い)については、開封してから自然に消えていくため、部屋の換気が対策になります。もし時間が経っても臭いが無くならない場合は、窓を2か所開けて風通しをよくしたり、扇風機で風を当てたりして臭いを取り除きましょう。
注意点として、マットレスは熱に弱く劣化する恐れがあるため、日の当たる場所で干すことは避けてください。
水で丸洗いする
ファイバーやウレタン素材のマットレスのなかには水で丸洗いできる製品があります。
【マットレスの水洗いについて(素材別)】
マットレスの素材 | 水洗いについて |
ファイバー | 水で丸洗いできる製品が多い |
ウレタン | 一部、水で丸洗いできる製品がある |
コイル(スプリング) | 水洗いできない |
ラテックス | 水洗いできない |
マットレスの水洗いの大まかな手順は下記のとおりです。詳しい手順は、製品の表示ラベルや取扱説明書を確認してください。
【マットレスの水洗いの手順】
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注意すべきポイントは「水の温度」と「乾かし方」です。ファイバーやウレタン素材は熱に当たると劣化することがあるため、水を流す際は冷水にしてください。また、乾かす際も直射日光は避け、陰干しするようにしましょう。
クエン酸を使う
ペットのトイレトラブルやお子様のおねしょには、クエン酸を使うと消臭効果が期待できます。ただし、おねしょがマットレスの内部まで浸透している場合は消臭することが困難なため、マットレスの処分をご検討ください。
クエン酸を使った消臭方法は以下のとおりです。ただし、クエン酸の使用によるマットレスの劣化は保証の対象外になるため、自己責任で実施してください。
【用意するもの】
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【手順】
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重曹を使う
重曹はアルカリ性のため、酸性である皮脂や寝汗、嘔吐物による臭いを取るのに効果的です。また、タバコの臭いは酸性とアルカリ性が混在しているため、クエン酸で消臭しきれない場合は、重曹を使うと消臭できることがあります。
重曹を使った方法は下記の2通りあるので、マットレスの状態に合わせて実施してください。ただし、重曹の使用によるマットレスの劣化は保証の対象外になるため、自己責任で実施してください。
【重曹を使った2つの消臭方法】
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【A. 重曹を振りかける方法】
用意するもの |
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手順 |
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【B. 重曹水を使う方法】
用意するもの |
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手順 |
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消臭スプレーを吹きかける
消臭スプレーは皮脂や寝汗、タバコが原因の臭いに消臭効果が期待できます。
ただしマットレスのカバーや本体についた汚れ自体を取り除かなければ臭いが再発するため、その原因となる汚れを洗濯などで取り除くことも同時におこないましょう。
また、消臭スプレーを使うことでマットレスを傷めてしまう可能性もあるため、使用前に製品情報を確認してください。
マットレスの臭い取りはクリーニング業者に依頼できる
マットレスに付いた嫌な臭いを取るのに、マットレスのクリーニング業者に依頼することもできます。
ただし、使用しているマットレスがウレタンやラテックス素材の場合は、クリーニングを受け付けてもらえないケースがほとんどです。業者はクリーニング作業で高温スチームを使いますが、ウレタンやラテックス素材は熱に弱いことから同機器を使用できないためです。
マットレスのクリーニングについては「マットレスのクリーニング代の相場は?サービス内容や所要時間についても解説」の記事で詳しく解説しています。
マットレスの臭いが取れない場合は買い替えも検討しよう|買い替えの目安とは?
おねしょや嘔吐物がマットレス内部まで浸透している場合や、内部にカビが生えてしまっているケースは臭いが取れないことがあります。また、マットレス内部に残ったおねしょや嘔吐物は、時間が経つとカビを発生させます。
カビが発生したマットレスを使っていると、呼吸器系のアレルギーや気管支ぜんそくなどの健康被害につながりかねないため、マットレスの買い替えをご検討ください。
マットレスの嫌な臭いを予防する方法7つ
ここからはマットレスの嫌な臭いを予防する方法について紹介していきます。マットレスの嫌な臭いに悩まされず、清潔な状態を保つためにも、ぜひ取り入れてみましょう。
【マットレスの嫌な臭いを予防する方法7つ】
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毎日30分ほど部屋を換気する
マットレスに限らず、部屋を閉め切った状態ではハウスダストがたまり、嫌な臭いの発生につながります。
毎日部屋の窓を開けて新鮮な空気を取り込み、快適な睡眠空間を整えましょう。
毎日掛け布団をめくった状態にしておく
朝起きると掛け布団をかけた状態にする人も多いと思いますが、カビの発生を予防するためには、めくった状態にしておきましょう。
掛け布団をかけた状態にしておくと、就寝中にかいた寝汗による湿気がたまったままとなり、カビの原因につながります。
週1回シーツなどのカバーを洗濯する
シーツは直接肌に触れるため、臭いの原因となる汗や皮脂汚れ、髪の毛などさまざまな汚れが付着しています。
週1回の頻度でシーツは洗濯し、清潔な睡眠環境を保ちましょう。
週1回掛け布団を干す
就寝中はコップ一杯程度の汗をかき、掛け布団も汗を吸収しているため、何もお手入れをしないとカビの発生につながります。
掛け布団は、両面を1〜2時間ずつ日光に当てて干すようにしましょう。
月1回マットレスを陰干しする
マットレスにも寝汗による湿気が溜まっているため、そのままにしておくとカビの発生リスクを高めてしまいます。月1回を目安に干しましょう。
ただし、マットレスは熱に弱いため日光を当てるのは避け、室内の風通しのよい場所に立てかけて陰干しをしてください。マットレスが重たくて移動させられない場合は、底を持ち上げて本などを挟み込み、底面に扇風機やサーキュレーターで風を当てましょう。
月1回マットレス表面に掃除機をかける
シーツをかけていても、マットレス表面にはカビのえさとなる髪の毛や人のアカなどの汚れがたまっています。
月1回を目安に、マットレス表面に掃除機や布団クリーナーをかけて嫌な臭いの原因となる汚れを取り除きましょう。掃除機をかける際は衛生面を考えて、アタッチメントを交換しましょう。
2~3か月に1回ベッドパッドを洗濯する
コイルマットレスを使用している場合、シーツとは別にベッドパッドという、シーツより厚手の寝具を重ねているかもしれません。
このベッドパッドについても、上からシーツをかけていても寝汗がたまってしまうため、洗濯が必要です。ただしシーツのように週1回洗濯する必要はなく、2〜3か月に1回の頻度で洗濯するようにしましょう。
マットレスの嫌な臭いの予防に役立つ寝具アイテム3つ
続いて、マットレスの嫌な臭いの予防に役立つ寝具アイテムを3つ紹介します。
【マットレスの嫌な臭いの予防に役立つ寝具アイテム3つ】
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通気性のよいベッドフレーム
ベッドフレームを使用している場合は、通気性のよいベッドフレームを選ぶことで、マットレスの嫌な臭いの予防につながります。
「すのこタイプ」は床板にすき間があることで、マットレスにたまる湿気を放出できるため、カビの発生リスクを抑えることができます。
高い通気性で湿気をしっかり逃す「コアラのベッドフレーム」
嫌な臭いを軽減する保護カバーやマットレスプロテクター
マットレスのアクセサリーには、保護カバーやマットレスプロテクターといった、マットレスを汚れから守る専用の寝具があります。
保護カバーやマットレスプロテクターは耐水加工がされている製品が多いため、お子様がおねしょをしたり嘔吐してしまったりしてもマットレスへの浸透を防ぐことができます。またそのなかには、カビの繁殖を防ぐ特殊な加工(Sanitized®️抗菌加工)が施されている製品もあります。
カビの増殖を防いで汚れや臭いを軽減「コアラマットレス保護カバー」
消臭機能のあるマットレス
マットレスのなかには、消臭機能をもつ製品もあります。たとえばコアラ®の「New コアラマットレスシリーズ」のマットレスには、ウレタンフォームの一部に消臭効果のある竹炭が練り込まれています。
就寝中はコップ一杯程度の汗をかくため、汗の臭いは気になりやすいものです。消臭効果のあるマットレスの選択も、臭い対策のひとつになります。
消臭効果のある竹炭をウレタンフォームに混合「New コアラマットレス BAMBOO」
まとめ:マットレスの臭いを取るには原因に合わせて対処しよう|臭いの予防も忘れずに
マットレスの臭いは、原因に合わせた対応で効果的に取り除きましょう。
【効果的なマットレスの臭いの取り方】
効果的な臭いの取り方 | 臭いの原因 |
部屋を換気する/風通しのよい場所で陰干しする |
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水で丸洗いする |
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クエン酸を使う |
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重曹を使う |
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消臭スプレーを吹きかける |
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また7つの臭いの予防法にもぜひ取り組んでください。
【マットレスの嫌な臭いを予防する方法7つ】
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質のよい睡眠を取るには、心身ともにリラックスできる睡眠環境が大切です。本記事を参考にしてマットレスの臭い対策をおこない、快適な睡眠環境を整えてください。
お客様からのメッセージ
2024年2月28日
★★★★★
便利です
カビや汗から保護してくれるので便利です。
2024年2月25日
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寝心地が変わりましたベッド本体とともにカバーも購入しました。
当然でしょうが、ベッドの大きさにぴったりとフィットしているため、シーツはずれるということがほとんどありませんません。
ベッド自体が快適である事は言うまでもなく、もっと早く買えばよかったと思っています
2023年3月26日
★★★★★
マットレスを大事に使いたいなら必須かもアラマットレス保護カバー・シングル(ホワイト)を購入しましたが、純正品らしくサイズもピッタリで、フィット感抜群です。マットレスを大事にしたい人は購入必須かと思います。
カビの増殖を防いで汚れや臭いを軽減「コアラマットレス保護カバー」