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監修者
松本 恭
「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。
朝、目が覚めたときに足がしびれていて、不安になったことはありませんか。同じ姿勢が長く続いた日に起こりやすく、体勢を変えているうちに自然と治まっていくことも少なくありません。
ただし、しびれの背景には、腰の神経の圧迫や、血糖値や血流の問題が隠れていることもあります。なかでも、片側の手足が突然しびれて力が入らない場合は、急いで対応しなければならない症状です。
本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の松本が、寝起きの足のしびれが起こるしくみと、その場でできる対処、受診を考えたい症状の見分け方を、寝具ブランドのコアラマットレスが睡眠環境の視点もまじえて解説していきます。
起きたときに足がしびれる主な原因
足のしびれは、感覚を伝える神経の経路のどこかに問題が起きたときや、足の血流が保てなくなったときに現れます。神経の経路は、脳から脊髄、腰の神経、そして足先の末梢神経まで長くつながっているため、どこで問題が起きているかによって、しびれ方や一緒に出る症状が変わります。※1
寝起きの足のしびれで考えられる原因を、4つに分けてご説明します。
1. 寝姿勢による圧迫
もっとも身近な原因は、寝ているあいだに同じ姿勢が続き、足の神経や血管が押さえつけられることです。正座を続けたあとに足がしびれるのと同じように、体重がかかった部分の神経が一時的に働きにくくなり、じんじんとした感覚や感覚の鈍さが生じます。※1
横向きで下になった側の脚や、うつ伏せで曲げたままになった膝の外側などは、圧迫を受けやすい場所です。
この場合は体勢を変えるとしだいに治まり、多くは数分のうちに元の感覚へ戻っていきます。ただし、起きて体勢を変えても続く場合や、毎朝のように繰り返す場合には、ほかの原因もあわせて考えてください。
2. 腰の神経の圧迫
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のように、腰の部分で神経が圧迫される病気でも、足のしびれが起こります。腰椎椎間板ヘルニアでは、お尻から脚に広がる痛みやしびれ、腰痛、足の脱力が主な症状として挙げられています。※2
腰部脊柱管狭窄症で特徴的なのは、歩いているうちに足のしびれや痛みが強まって歩き続けられなくなり、前かがみになって数分休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行」という症状です。※3
安静にしているあいだは症状が出にくいため、寝ているうちは気づきにくいこともあります。腰やお尻の痛みを伴う場合や、続けて歩ける距離が短くなってきたと感じる場合は、整形外科での相談を考えてください。
3. 糖尿病性神経障害
高血糖の状態が続くと、末梢神経の代謝に異常が起こり、神経を養う血管の血流も低下して、神経の働きが障害されます。これが糖尿病神経障害で、両足の先から左右対称にしびれや痛み、冷たい感じが現れるのが特徴です。※4
進行すると感覚が鈍くなり、靴ずれや低温やけどのような傷や熱さに気づきにくくなるため、足の状態を毎日見て確かめることがすすめられています。※4
ただし、両足がしびれるからといって糖尿病とは限りません。健康診断で血糖値を指摘されたことがある場合や、しびれが足先から左右同じように広がっている場合、内科や糖尿病内科へ相談する目安として考えてください。
4. 足の血流低下
足へ向かう動脈が細くなる末梢動脈疾患でも、しびれが現れます。血流が不足しはじめた段階では足が冷たい、しびれるといった症状から始まり、進行するとしばらく歩いたときに足が重くなったり痛んだりし、さらに進むとじっとしていても痛み、潰瘍や壊疽に至ることもあります。※5
左右で足の色や温度に差が出ていないか、小さな傷が治りにくくなっていないかをあわせて確認しましょう。喫煙や糖尿病、高血圧、脂質異常症がある場合は動脈硬化が進みやすいため、しびれと冷えが続くようであれば早めに病院に相談してください。※5
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起きたときにできる対処
寝起きに足がしびれていると、早く治したくて強くさすったり、あわてて立ち上がったりしがちです。けれども最初にすべきなのは、慌てずに体勢を変えながら、症状がどう変わるかを確かめることです。布団の中でできる2つの対処をご紹介します。
1. 体勢を変えて圧迫しない
まず、しびれている脚に自分の体重やもう一方の脚がのっていないかを確かめ、ゆっくりと体勢を変えましょう。圧迫が取れればしびれは軽減し、感覚が少しずつ戻っていきます。
このとき気をつけたいのが、立ち上がるタイミングです。感覚や力が戻りきらないうちに立ち上がると、膝折れや転倒につながりかねません。ベッドや布団の上に座って、足首や足の指を動かしながら感覚が戻るのを待ち、床に足をつけて体を支えられることを確かめてから立ち上がってください。
なお、しびれている部分を強くもんだり叩いたりする方法は避けましょう。
2. しびれの部位と続く時間を確認する
しびれが治まると、そのまま忘れてしまいがちですが、後日同じことが起きた場合を考えて、気づいたことを書き留めておくと役立ちます。
記録しておきたいのは、しびれた部位、左右どちらに出たか、始まった時刻と治まるまでにかかった時間、頻度、そして腰痛や脱力、歩きにくさなどしびれと一緒に出た症状などです。医療機関では、こうした情報が原因を絞り込む手がかりになります。スマートフォンのメモに数日分をためておけば、受診のときにそのまま見せられます。
足のしびれで注意したい症状
多くの場合、寝起きの足のしびれは体勢を変えるうちに治まります。ただし中には、すぐに救急車を呼ぶ必要がある症状や、早めに受診したい症状もあります。しびれが続いた時間の長さだけで判断せず、始まり方と、ほかに出ている症状を合わせて確認してください。
1. 片側だけ突然しびれる
片方の手足が突然しびれる、動かなくなる、顔の半分が動かない、ろれつが回らない、うまく言葉が出ないといった症状は、典型的な脳卒中の症状です。※6
足だけにしびれや脱力が出ることもあるため、突然始まったこれらの症状を軽く見ないでください。
脳卒中の治療には時間の制約があり、血栓を溶かす治療は発症から4時間半以内、血行を再建する治療は6時間以内が目安とされています。※6
そのため、症状が出た時刻あるいは最後に異常がなかった時刻を確かめたうえで、様子を見ずにすぐ119番へ連絡してください。自分で車を運転して向かうことは避けてください。
2. 足に力が入らない
しびれに加えて、足に力が入らない、立ち上がれない、つま先が上がらずつまずく、歩き方が変わったといった症状があるときは、神経に障害が起きている可能性があります。腰椎椎間板ヘルニアでも、痛みやしびれとともに足の脱力が症状として挙げられています。※2
突然現れた場合や、片側の手足や顔、言葉の異常を伴う場合は、脳卒中を考えて救急車を呼んでください。※6
数日から数週間かけて少しずつ悪くなっている場合も、自然に戻るのを待たずに整形外科や脳神経内科へ相談することをおすすめします。
3. 排尿・排便に異常がある
足のしびれや腰痛とともに、尿が出しにくい、残尿感がある、尿や便が漏れてしまう、股の周りやお尻の感覚が鈍いといった症状が出ている場合は、腰の神経が強く圧迫されているおそれがあります。
腰椎椎間板ヘルニアでは、排泄の障害を伴う場合に早急な手術での対処が必要です。腰部脊柱管狭窄症でも、頻尿や残尿感、排尿が始まりにくいといった症状が現れた場合は、保存的治療では限界があり、早期に手術で治療しないと完治しないと説明されています。※3
この組み合わせの症状が出たら、速やかに医療機関へ連絡してください。
4. しびれが続く・繰り返す
起きて体勢を変えてもしびれが治まらない、日中も残る、毎朝のように繰り返す、しびれる範囲が広がってきたという場合も、できれば日を置かずに受診を考えたい状況です。日本整形外科学会でも、一過性のもの以外は放置せずに整形外科医へ相談するようすすめられています。※7
また、足の冷えや左右の色の差、歩いているうちに強まる痛み、足先から左右対称に広がるしびれを伴うときは、末梢神経や血流の問題があるかもしれません。※4※5
しびれの原因は一つとは限りませんので、自分では判断しきれないと感じた時点で相談しましょう。
関連記事:【医師監修】足の裏が熱くて眠れないのは糖尿病や更年期と関係がある?原因別の解決策と快眠環境の作り方
足のしびれは何科を受診する?
受診しようと決めても、どの診療科へ行けばよいのか迷うことがあります。足のしびれは原因の幅が広いため、一緒に出ている症状を手がかりに選ぶと判断しやすいです。おおよその目安を、次の表に整理しました。
| 一緒に出ている症状 | 受診先の目安 |
| 片側の手足や顔が突然しびれる、ろれつが回らない、言葉が出にくい | 救急要請(119番)、脳神経内科や脳神経外科 |
| 腰やお尻の痛み、片脚に広がるしびれ、歩ける距離が短くなった | 整形外科 |
| 両足の先から左右対称にしびれる、血糖値を指摘されたことがある | 内科、糖尿病内科 |
| 足の冷えや色の変化、歩くと足が重くなり休むと治まる | 内科、血管外科 |
| しびれが続くが、どれにも当てはまらない | かかりつけ医、内科 |
迷ったら、まずかかりつけ医や内科へ相談しましょう。全身の状態を確認したうえで、必要に応じて専門の診療科へつないでもらえます。
受診の際は、先ほどご紹介した記録がそのまま役に立ちます。しびれた部位と左右、始まった時刻と続いた時間、頻度、伴っている症状に加えて、服用している薬やこれまでに指摘された持病を伝えると、診察がスムーズに進みます。症状が出ていないときに受診する場合でも、そのときの様子を具体的に話せると判断の助けになります。
寝姿勢と寝具を見直す
ここまでご紹介したような緊急性のある症状がなく、体勢を変えるとすぐに治まるのであれば、寝ているあいだの圧迫を減らせないかという視点で寝室を見直してみるのもひとつの方法です。
まず確認したいのは、同じ部位を長時間押さえつける姿勢になっていないかという点です。横向きで下になった側の腰や脚、うつ伏せで曲げたままの膝まわりは、体重が集中しやすい場所です。一晩じゅう同じ向きで眠っているように感じるなら、寝返りが打ちにくくなっている可能性があります。
寝返りのしやすさには、マットレスの状態も関わります。体が沈み込みすぎると寝返りに力がいるようになり、同じ姿勢が続きやすくなります。反対に硬すぎる場合は、お尻や肩など出っ張った部分に体重が集中します。使っているマットレスの上で、無理なく寝返りができるか、朝起きたときに特定の場所だけ重く感じないかを確かめてみてください。長く使ってへたりやくぼみが出ている場合は、買い替えも検討しましょう。
体圧を分散しながら寝返りのしやすさにも配慮した寝具を探しているなら、コアラマットレスのように、体格や好みに合わせて硬さを選べるモデルも参考になります。ただし、寝具の見直しはあくまで快適に眠るための工夫です。しびれが続く場合や繰り返す場合は、寝具を変えて様子を見るのではなく、医療機関へ相談してください。
まとめ:寝起きの足のしびれは症状の続き方にも注意しよう
起きたときの足のしびれは、寝ているあいだの圧迫によって起こり、体勢を変えるうちに治まっていくことが少なくありません。一方で、腰の神経の圧迫や糖尿病神経障害、足の血流の低下など、別の原因が関わっている場合もあります。※1
判断の手がかりになるのは、しびれの消え方と広がり方です。片側の手足や顔が突然しびれる、ろれつが回らないといった症状があれば、時刻を確かめてすぐに救急車を呼んでください。※6
排尿や排便の異常を伴う場合も、速やかな相談が必要です。そして、体勢を変えても治まらない、毎朝繰り返す、範囲が広がるという場合は、後日でよいので受診を考えてください。※7
緊急性のある症状がなければ、寝姿勢と寝具を見直して、圧迫が一か所に集中しない環境を整えていきましょう。あなたの朝が、安心して始められるものになりますように。
・参考
※1 しびれの原因は? | 国立長寿医療研究センター
※2 腰部椎間板ヘルニア | 国立病院機構 村山医療センター
※3 腰部脊柱管狭窄症とは | 国立病院機構 村山医療センター
※4 神経障害 | 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター
※5 大血管症 | 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター
※6 脳血管障害・脳卒中 | 厚生労働省 e-ヘルスネット
※7 しびれ(上肢のしびれ) | 公益社団法人日本整形外科学会











