睡眠コラム by 松岡 雄治•2026年9月24日•読了目安時間: 4 分

生後5か月の赤ちゃんが寝ないのはなぜ?寝返りが始まる時期の原因と対処法

これまでよく寝ていた赤ちゃんが、生後5か月ごろから急に夜中に何度も起きたり、寝かしつけに時間がかかったりすると、何か悪いことが起きているのではと不安になるものです。

生後5か月の赤ちゃんが寝ない背景には、睡眠のサイクルの変化や、寝返りなどの発達が関わることがあります。乳幼児期は眠りが不安定になりやすい時期で、以前より目が覚めるようになっても、多くは成長の過程で起こる変化です。

この記事では、生後5か月ごろに眠りが変わる理由と、泣き方や寝ている姿勢に合わせた対処法、寝床の整え方を解説します。今夜からできる対応を知り、落ち着いて育児をしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

生後5か月の赤ちゃんに起こる3つの変化

生後5か月ごろに赤ちゃんが寝なくなる背景には、睡眠のサイクルの変化、寝返りの開始、離乳食の開始という3つの変化があります。これまでの寝かしつけで眠らなくなったときは、最近できるようになったことにも目を向けてみましょう。

1. 睡眠のサイクルがはっきりしてくる

生後5か月ごろの赤ちゃんは、眠りが深くなったり浅くなったりするサイクルのなかで、浅くなったタイミングに目を覚ますことがあります。

赤ちゃんの睡眠は脳の発達と深く関わっていて、新生児期には約半分を占めていたレム睡眠が成長とともに減るなど、眠りの構成が変わっていく時期です。浅い眠りのときは、少し声を出したり、もぞもぞ動いたりする姿も見られます。

ただし、夜中に動きや声が増えても、ずっと起きているわけではありません。声を出したあとに眠ったのか、目を開けて泣き続けているのかを分けて見ると、眠り方を捉えやすくなります。

夜に続けて眠った時間だけでなく、昼寝も含めた1日全体と起きているときの様子を合わせて確認すると、眠りが足りているかを判断しやすくなります。

2. 寝返りが始まる

生後5か月ごろは寝返りを覚える赤ちゃんもいて、眠っている間にも体を動かすようになるため、眠りが浅くなったときに姿勢が変わっていることがあります。

夜に泣いて目が覚めたときは、寝返りをしたあとにうまく姿勢を戻せず困っていないかも確認してみてください。動き方を見ておくと、泣いているときにどんな手助けが必要かがわかりやすくなります。

なお、寝返りを覚える時期には個人差があります。まだ寝返りをしていなくても、乳幼児期は眠りが不安定になりやすいため、寝返りだけを理由と決めつけず、様子を見守りましょう。

うつ伏せ寝の方がよく寝る子も出てきますが、自分で仰向けに戻れない時期のうつ伏せ寝には窒息リスクもあります。顔が沈み込まないような硬めのベビーベッドを使用して、顔周りにタオルなどを置かないようにしましょう。

3. 離乳食が始まる

生後5〜6か月ごろは離乳食を始める目安の時期で、授乳中心だった1日の流れが変わると、授乳や昼寝のタイミングが以前とずれ、眠りにも影響することがあります。厚生労働省の資料でも、離乳期は食事や生活のリズムが形づくられていく時期とされています。

始めたばかりの離乳食は、飲み込むことや味・舌ざわりに慣れることが主な目的です。母乳やミルクは引き続き必要なので、欲しがる様子に合わせてあげましょう。睡眠習慣が乱れたときは、離乳食を始めてから授乳や昼寝の時間がずれていないかを振り返ってみましょう。

 

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生後5か月の赤ちゃんが寝ないときの対処法

生後5か月の赤ちゃんが寝ないときは、まず安全と体調を確かめたうえで、そのときの様子に合う方法を選びます。泣き続けて眠れない寝ぐずりなのか、うつ伏せになってしまうのか、夜中に何度も目を覚ますのかで、試したい対応が変わります。

1. 泣きすぎて寝られないケース

眠そうなのに泣き続けるときは、決まった方法にこだわらず、赤ちゃんが欲しがっていそうなことをひとつずつ確かめます。

こども家庭庁の資料でも、ミルクやおむつ、抱っこ、暑がっていないかなどを確認し、それでも泣くならおくるみで包む、「シー」という音を聞かせるなど、いろいろ試してみるよう案内されています。

また、寝る前の流れを毎日おおよそ同じ順番にしておくと、家族が交代したときも同じように寝かしつけられる場合があります。

泣き声にイライラしてきたら、赤ちゃんを安全な寝床にあおむけで寝かせ、その場を少し離れて構いません。泣きやませようと激しく揺さぶったり、口をふさいだりするのは危険です。深呼吸などで気持ちを落ち着けてから戻って様子を確認し、それでも落ち着かないときは無理せず家族に交代してもらいましょう。

2. うつ伏せでしか寝ないケース

うつ伏せのほうが寝つきやすい子もいるかもしれませんが、寝かせるときはあおむけが基本です。

医学上の理由で医師からうつ伏せ寝を勧められている場合を除き、1歳になるまではあおむけに寝かせましょう。あおむけで寝かせたほうが、原因がわからないまま睡眠中に亡くなる病気(SIDS:乳幼児突然死症候群)の発症率が低いことがわかっています。

寝返りを始めると眠っている間に姿勢が変わるため、こども家庭庁が示す窒息を防ぐ寝床の整え方も確認しておきましょう。

  • 敷き寝具は、体が沈み込まない硬めで平坦なものを使う
  • 掛け布団は使わず、スリーパーなどの着るものや空調で温度を調整する
  • 枕やタオル、ぬいぐるみなどを寝床に置かない

寝床をこのように整えておくと、寝返りでうつ伏せになっても口や鼻がふさがれにくくなります。寝返りをしたあとに自分で姿勢を戻せず泣いているときは、手助けしてあげましょう。

3. 夜中に何度も起きるケース

夜中に何度も起きるときは、日中と夜の明るさに差をつけながら、目覚めたときの状態を確認しましょう。朝はなるべく起きる時間を決めて、夜は照明を落として静かに過ごします。

寝床で声を出していても、安全と体調に問題がなく、空腹などで親を求める様子がなければ、すぐに抱き上げずに見守って構いません。

厚生労働省の睡眠ガイドでも、しばらく対応せずに様子を見るほうがそのまま眠れることが増え、夜泣きが減るという研究が紹介されています。また、あやしてもなかなか寝つかないときは、一呼吸おいてみるのもひとつの方法です。

泣き続けている場合や授乳を求めている場合は、待たずに対応してください。夜間の授乳やおむつ替えも、できる範囲で明るさを落とした照明で静かに行いましょう。

これまでよく寝ていた子が急に夜中に何度も起きるようになる現象は『睡眠退行』と呼ばれ、脳が成長しているサインです。すぐに寝かせてあげたいと思うのは無理もないことですが、安全を確認した上で、そのまま見守ってみることが役立つこともあります。

 

生後5か月で寝ないのは発達障害と関係ある?

「夜寝ないこと=発達障害」と直結させて心配する必要はありません。生後5か月で夜中に何度も起きるのはこの時期によく見られることで、乳幼児期は睡眠が不安定になりやすいためです。

発達については、日々の動きや周囲への反応も含めて、健診の機会などに医師と相談しながら経過を見ていきましょう。

医師に相談する目安

寝ないことに加えて体調の変化があるときは、発達に伴う眠りの変化ではなく病気や不快感が隠れていることもあるため、かかりつけの小児科に相談してください。日本小児科学会が監修する「こどもの救急」では、赤ちゃんが泣き止まないときに次のような症状があれば受診の目安としています。

  • 38℃以上の発熱がある
  • 嘔吐や血便が出ている
  • 抱っこしてあやしても1時間以上泣き止まない
  • 泣いていたのに、急に泣き止んでぐったりした

さらに、元気がなくぐったりしている、呼吸があらく苦しそう、顔色や皮膚の色が悪いといった様子があるときは、救急車を呼びましょう。また、母乳やミルクの飲み方がいつもと違う、体重が思うように増えていないといった変化は、次の健診を待たずに小児科で相談してみましょう。

睡眠以外の発達も気になる場合は、健診や受診の機会に普段の様子を伝えると、必要な評価や支援につながります。

家族で分担して親も休む

赤ちゃんが夜中に何度も起きる時期は、赤ちゃんだけでなく親もきちんと休むことが大切です。細切れの睡眠が続くと疲れがたまり、気持ちの余裕を保ちにくくなります。

たとえば、次のような方法があります。

  • 夜の前半と明け方で担当を替える
  • 母乳をあげる場合は、授乳以外は家族に担当してもらう
  • 日中の家事を引き受けてもらう

家族の協力を得にくいときは、自治体の保健センターに産後ケアなど利用できる支援がないか相談してみましょう。赤ちゃんの眠りが整うまでの時期を乗り切るには、親自身が休む時間も欠かせません。

「赤ちゃんがギャン泣きして全然寝ない日が続いて、こちらもイライラしてばかりで…。」と悩まれる方はたくさんいます。睡眠不足は、家族の精神的余裕も奪い、自分を追い詰めてしまうのです。しかし、赤ちゃんが寝ないのは、脳の発達のために起こる自然なことです。この時期に寝ないのは育て方の問題ではありません、どうかおひとりで抱え込まずに、少しでも休める体制を作ってください。

 

まとめ:生後5か月の「寝ない」は変化の時期のサイン

生後5か月の赤ちゃんが寝ないのは、睡眠のサイクルの変化、寝返りの開始、離乳食の開始という、この時期ならではの変化が重なるためです。乳幼児期は眠りが不安定になりやすく、夜の目覚めが増えても多くは成長の過程で起こります。

寝ないときは、まずは赤ちゃんの様子に合わせて対応を選びましょう。寝かせるときはあおむけを基本にし、硬めで平坦な寝具と何も置かない寝床に整えておくと、寝返りが始まっても安心です。

なお、発熱や嘔吐など体調の変化があれば小児科に相談し、ぐったりして呼吸が苦しそうなときは救急車を呼びましょう。また、赤ちゃんの眠りが整うまでは、親自身もきちんと休む時間を確保することが大切です。