睡眠コラム by 松本 恭•2026年9月25日•読了目安時間: 5 分

赤ちゃんの昼寝はどのくらいの明るさがいい?月齢別の考え方と環境の整え方

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

赤ちゃんを昼寝させるとき、部屋をどのくらい暗くすればよいのか迷っていませんか。明るいリビングのままで寝かせてよいのか、寝室のカーテンを閉めたほうがよいのか、判断に迷う場面は少なくありません。

先にお伝えすると、家庭で健康な赤ちゃんが昼寝をするときの明るさについて一律の基準は公的資料に示されていません。目安になるのは数値ではなく、月齢と赤ちゃんの眠り方です。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の松本が、寝具ブランドのコアラマットレスが、昼寝の明るさの考え方から、暗くできないときの工夫、室温や寝具の整え方までを続けて解説していきます。

赤ちゃんの昼寝の明るさに一律の基準はない

松本 恭
松本 恭
昼寝のたびに部屋を真っ暗にしなければならない、という決まりはありません。

基本として考えたいのは、日中であることが分かる程度に自然光が入る環境です。

そのうえで意識したいのが、昼と夜の明暗差です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、赤ちゃんの睡眠・覚醒リズムの確立を助けるために、夜は部屋を暗くし、朝になったらカーテンを開けて部屋を明るくすることがすすめられています。※1

夜に暗さをつくることが前提にあるため、日中まで同じ暗さにそろえる必要はないという考え方です。

イギリスの国民保健サービス(NHS)の医療機関が公開している情報でも、日中は暗くした部屋での長い昼寝を避け、カーテンを開けた明るい部屋で眠らせるという考え方が紹介されています。※2

静かで暗い場所は夜の眠り、明るい場所は日中の眠りというように、赤ちゃんが環境の違いを手がかりにできるためです。

とはいえ、光が気になって目を覚ましてしまう赤ちゃんもいます。寝つきにくそうな様子があれば、カーテンなどで少し暗くして調整するとよいでしょう。赤ちゃんの様子を見ながら明るさを調整するという考えを持つと、迷いにくくなります。

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月齢別に見る赤ちゃんの昼寝の明るさ

松本 恭
松本 恭
赤ちゃんの睡眠と覚醒のリズムは、生まれてから少しずつ発達していくものです。

そのため、昼寝の明るさの考え方も月齢によって異なります。は時期ごとの目安を見ていきますが、発達のスピードには個人差が大きいため、月齢はあくまで参考としてお読みください。

新生児期から生後2〜3か月ごろまで

生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜を問わず数時間おきに寝たり起きたりを繰り返します。この時期はまだ昼夜のリズムがはっきりしていないため、昼寝のために部屋を暗くする必要性は高くありません。むしろ、日中は自然光を取り入れ、夜は暗くするという生活のほうが、これから始まるリズムづくりを支えてくれます。

生後6週、9週、12週の乳児56人を家庭で観察した研究では、夜によく眠っていた赤ちゃんは、午後の早い時間帯により多くの光を浴びていたことが報告されました。※3

ただし、これは家庭での生活を観察した研究であり、光を浴びれば必ず夜によく眠るようになると断定はできません。日中の光を取り入れることは、あくまでリズムづくりを後押しする一つの要素として考えてください。

生後3か月ごろから

厚生労働省は、数時間おきに寝たり起きたりしていた赤ちゃんも、生後数週間が経過すると徐々に夜に眠る時間が延び、昼間に起きている時間が長くなって、大人の睡眠・覚醒リズムに近づいていくと説明しています。※1

体内時計の発達を示す指標についても報告があり、乳児163人を対象にした研究では、病院で生まれた満期産の単胎児で、生後9〜15週ごろに睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌リズムが現れたそうです。※4

こうしたことから、生後3か月ごろは昼夜のリズムが整い始める時期のひとつと考えられます。昼寝の寝つきが悪い、すぐに目を覚ますといった様子があれば、少し暗さをつくって試してみるとよいでしょう。ただし、発達には個人差がありますので、月齢にこだわらず目の前の赤ちゃんの眠り方を優先してください。

関連記事:【医師監修】睡眠退行とは?赤ちゃんの睡眠リズムへの影響と対策

昼寝する場所に合わせて明るさを調整する

松本 恭
松本 恭
次に考えたいのが、昼寝をする場所です。

リビングと寝室では、窓から入る光の量も、室内の照明や生活音の条件も違います。部屋を完全に暗くすることを目的にせず、その場所で赤ちゃんがどう眠れているかを見ながら調整していきましょう。

なお、暗い部屋に慣れると外出先や保育園で眠れなくなるのではないかと心配される方もいます。必要以上に暗さをつくり込まず、明るい場所でも眠れる状態を残しておくと、環境が変わったときにも対応しやすいです。

リビングで昼寝する場合

リビングで寝かせる場合は、昼間の自然な明るさをそのまま残すことを基本としてください。日中であることが分かる環境で眠ることが、昼と夜の区別をつける助けになります。

気をつけたいのは、窓からの日差しです。まぶしさで目を覚ましてしまうときは、レースカーテンやブラインドで光をやわらげたり、寝床の位置を窓から少し離したりして調整しましょう。

年上のきょうだいがいるご家庭では、リビングを静かな状態に保つことは難しいですから、昼寝のたびにリビング全体を真っ暗にしたり、家族全員が生活を止めたりする必要はありません。※2

無理なく続けられる範囲で整えていきましょう。

寝室で昼寝する場合

寝室で昼寝をする場合も、基本的にはリビングでの昼寝と同じです。カーテンを開けた状態で試し、寝つきにくい、短時間で目を覚ますといった様子が続くようなら、少しずつ暗さを足していく流れがおすすめです。

また、寝室の環境は光だけで決まるものではありません。夏は室温が上がりすぎないようエアコンで調整すると、眠りが安定しやすいです。※1

寝具の見直しも効果的です。赤ちゃんと同じ部屋で眠る時期は保護者の眠りも細切れになりやすいため、大人用の寝具の見直しをしておくと安心です。

そして、赤ちゃんの寝かせ方と寝具の安全面として、赤ちゃんが自分で寝返りできるようになる1歳ごろまでは柔らかすぎる寝具を避け、あおむけで寝かせることを意識しましょう。

明るい部屋で昼寝できないときの対処

明るさが原因で眠れていないように見えるときは、外から入る日差しと、室内の光や視覚的な刺激を分けて考えます。順番に見ていきましょう。

1. カーテンで日差しを抑える

まず調整したいのが、窓から入る日差しです。日差しが強い時間帯は、レースカーテンやブラインドを閉めて光をやわらげるところから試してみましょう。

それでも光で目を覚ましてしまうなら、遮光カーテンを使って少しずつ暗くしていきます。一気に真っ暗にするのではなく、寝つきや目覚め方の変化を見ながらカーテンを閉めていくと、その赤ちゃんに合う明るさを見つけやすいでしょう。遮光カーテンを使う日は、起きたあとにカーテンを開けて部屋を明るくすることも忘れないでください。

2. テレビを消しておもちゃを片づける

日差しを抑えても落ち着かないときは、室内の光と視界に入るものを見直します。テレビやスマートフォンの画面、天井照明の光が寝床から直接見えている場合は、画面や照明を消してみてください。

おもちゃに気を取られてなかなか眠れないようであれば、寝床から見えない場所へ移すか収納しましょう。枕やぬいぐるみ、クッションのような柔らかいものを寝床まわりに置かないことは、窒息などのリスクを減らす観点からも推奨されています。※5

赤ちゃんの昼寝の明るさに関するよくある質問

最後に、昼寝の明るさや環境について保護者から寄せられることの多い疑問にお答えします。

Q1. 昼寝はいつから寝室でする?

昼寝を寝室へ移す時期について、一律の月齢基準はありません。リビングで安全な寝床を確保しにくい場合や、周囲の光で目を覚ましやすくなってきた場合など、家庭の環境と赤ちゃんの眠り方に合わせて検討して構いません。

ただし、部屋を分けるかどうかとは別に、押さえておきたい推奨があります。日本小児科学会が紹介している米国小児科学会の推奨では、理想的には少なくとも生後6か月ごろまでは、保護者と同じ部屋の中で、保護者のベッドの近くに置いた乳児用の別の寝床で寝かせることがすすめられています。※5

寝室を使う場合も、赤ちゃんだけを別の部屋で寝かせることは避けてください。

Q2. 昼寝中は生活音をなくしたほうがよい?

昼寝のために家庭内のすべての音をなくす必要はありません。NHSの医療機関が公開している情報では、日中の眠りは普段どおりの生活音の中でとることもできるという考え方が紹介されています。※6

通常の会話や家事の音まで止めようとすると、保護者の負担が大きくなってしまいます。

一方で、突然の大きな音やテレビの大音量など、明らかに眠りを妨げている音があれば抑えてあげてください。音を完全になくすのではなく、眠りを邪魔している音だけを減らすと考えると、無理なく続けられます。

まとめ:赤ちゃんの昼寝は月齢と眠り方に合わせて明るさを調整しよう

赤ちゃんの昼寝の明るさに、一律の数値基準はありません。日中であることが分かる程度の明るさを基本にしつつ、光で目を覚ますようなら少しずつ暗くしていくという進め方で十分です。新生児期から生後2〜3か月ごろまでは自然光を取り入れ、生後3か月ごろからは寝つき方を見ながら暗さを足していきましょう。※1※3※4

明るさが気になるときは、まずカーテンで日差しを抑え、次にテレビやおもちゃなどの視覚的な刺激を減らします。あわせて、あおむけで寝かせる、柔らかすぎる寝具を避けるといったことも実践してみてください。※1※5

光を整えたら、室温や湿度、そして寝具を整えていくという流れで取り組んでみましょう。ご家族みんなが心地よく眠れる部屋になりますように。

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参考文献

※1 健康づくりのための睡眠ガイド2023 | 厚生労働省
※2 Sleep (infants 0-12 months) | Newcastle Hospitals NHS Foundation Trust
※3 The relationship between daytime exposure to light and night-time sleep in 6-12-week-old infants | Journal of Sleep Research
※4 Factors influencing the development of melatonin rhythmicity in humans | The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
※5 乳児の安全な睡眠環境の確保について | 公益社団法人日本小児科学会
※6 Understanding your baby’s sleep | Bradford District Care NHS Fou