高反発と低反発マットレスの違いは?向いている人と向いていない人・選び方を解説
寝具コラム by 石川 恭子2026年8月23日読了目安時間: 5

高反発と低反発マットレスの違いは?向いている人と向いていない人・選び方を解説

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

マットレス選びでお店やネットショップを覗いた際、高反発や低反発という文字を見てどちらを選ぶべきか迷った経験はありませんか? 私自身も以前は名前のイメージだけでなんとなくマットレスを選んでしまい、体に合わずに朝起きたときに違和感を覚えて何度も買い替えを検討したことがあります。

自分に合う一枚を見つけるためには、名前の響きや流行だけに流されず、沈み込みの深さや寝返りのしやすさといった睡眠時の具体的な体の動きに目を向ける姿勢が重要です。さらに、素材ごとの硬さを示す数値やご自身の体型、普段の寝姿勢との相性をひとつずつ紐解いていくことで、毎日の眠りを快適に支えてくれる理想の寝具へ一歩ずつ近づくことができます。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、高反発と低反発の特性の違いやそれぞれのタイプが向いている方の特徴、失敗しないための具体的な選び方のポイントまで詳しく分かりやすく解説していきます。

高反発と低反発マットレスの違い

石川 恭子
石川 恭子
高反発と低反発という言葉は、素材が体を押し返す力(反発性)の強さを表した呼び方です。

一般的に、押した指を離したときにすぐ元の形へ戻るものが高反発、じわじわと時間をかけて戻るものが低反発と呼ばれています。この性質の差が、寝たときの沈み方や寝返りのしやすさに表れます。まずは主な項目を並べて、全体像をつかんでみましょう。

比較する項目 高反発マットレス 低反発マットレス
沈み方 沈み込みを抑えて押し返します 荷重に合わせてゆっくり沈みます
寝心地の印象 面で支えられている感覚があります 包み込まれる感覚があります
寝返り 反発力を利用しやすく動かしやすい傾向です 深く沈むと力が必要になる場合があります
フィット感 体の凹凸には沿いにくい傾向です 体の凹凸に沿いやすい傾向です
注意したい点 硬すぎると肩や腰に圧迫を感じる場合があります 沈みすぎると寝姿勢を保ちにくい場合があります

ここで注意したいのは、この違いはあくまで傾向であり、優劣を示すものではないという点です。

実際の寝心地は、反発性の区分だけでなく、硬さ・厚み・素材・内部の構造、そして使う人の体格によって大きく変わります。同じ「高反発」と書かれた製品でも、厚みが薄ければ底付きを感じますし、低反発でも表層だけに使われていれば深く沈み込むとは限りません。

どちらか一方が必ず体圧分散に優れるわけではなく、それぞれ一長一短がありますので、「自分に合うかどうか」を基準に選ぶことが大切です。

なお、反発性の強さは反発弾性という指標で数値化されており、試験片の上へ高さ50cmから鋼球を落とし、跳ね返った高さの割合を測る方法がJIS K6400-3として定められています。※1 

業界では反発弾性率が15%未満のものを低反発、50%以上のものを高反発と呼び分けていますが、法令で統一された表示ルールではなく、あくまで目安です。

関連記事:自分に合うマットレスは柔らかめ?硬め?上級睡眠健康指導士がじっくり解説!

高反発マットレスが向いている人

石川 恭子
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比較表で全体像をつかんだところで、ではそれぞれがどのような人に向きやすいのかを具体的に見ていきましょう。

高反発マットレスは、体が深く沈み込む寝心地が苦手な方、寝返りのしやすさを重視する方、しっかり支えられている感覚を好む方に向きやすいタイプです。沈み込みが抑えられるぶん、仰向けで寝たときに腰が落ち込みにくく、体格のよい方でも姿勢を保ちやすい傾向があります。

夜のあいだに何度も体勢を変える方や、朝起きたときに体が固まったように感じる方にとっては、動きやすさが判断材料になります。

ただし、高反発だから体に合うとは限りません。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、敷き寝具は背骨の2つのS字カーブをバランスよく支えられる適度な硬さが必要であり、硬すぎる場合には骨が当たって痛みが生じたり、血流が妨げられたりすると説明されています。※2

名称のイメージだけで判断せず、仰向けと横向きの両方で試して、肩や腰に強い圧迫感が出ないかを確かめてください。特に横向きでは、肩幅のぶんだけ体が接する面積が狭くなるため、硬さの影響を感じやすくなります。

低反発マットレスが向いている人

石川 恭子
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一方で、押し返される感覚よりも、体に沿ってくれる感覚を求める方には、低反発マットレスが向いていることが多いです。

低反発マットレスは、包み込まれるような寝心地や体の凹凸に沿うフィット感を重視する方に向きやすいタイプです。荷重のかかった部分がゆっくり沈むため、体の一点に圧力が集中しにくく、静かに体を預けられる安心感があります。また、振動が伝わりにくい性質があるため、同じベッドで眠る相手の寝返りが気になる方が選ぶこともあります。

気をつけたいのは、体が深く沈んだときの影響です。沈み込みが大きくなると、寝返りを打つのに余分な力が必要になったり、腰が落ち込んで体に負担の少ない姿勢を保ちにくくなったりする場合があります。

e-ヘルスネットでも、柔らかすぎる敷き寝具は腰痛の原因になり得ると指摘されています。※2

購入前に実際に横になり、腰が沈みすぎていないか、力を入れずに左右へ体を返せるかを必ず確認しておきましょう。

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高反発・低反発マットレスの選び方

石川 恭子
石川 恭子
実際の売り場やネット通販には、同じ表示の製品が数えきれないほど並んでいます。

そこで役立つのが、反発性という区分の外側にある判断材料です。失敗を減らすために確認したい4つの視点を順番に紹介します。

1. 反発性だけでなく硬さを確認する

高反発だから硬い、低反発だから柔らかい、とは限りません。反発性は元の形へ戻る速さを表す性質であり、押したときの手ごたえを表す硬さとは別の指標です。

硬さを客観的に確かめる手がかりになるのが、品質表示に記載されたニュートン(N)の数値です。消費者庁が示すウレタンフォームマットレスの表示基準では、75N未満が「やわらかめ」、75N以上110N未満が「ふつう」、110N以上が「かため」と区分されています。※1

数値が大きいほど、沈み込ませるために強い力が必要になると考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、この数値は素材そのものの性質を示すものであり、体との相性を保証するものではありません。製品同士を比べるための共通のものさしとして活用し、最終的な判断は実際の寝心地と組み合わせて行ってください。

2. 体が沈みすぎず寝返りしやすいものを選ぶ

数値で候補を絞り込めたら、次は自分の体を当てはめて確認する段階に進みます。ここで見るのは、寝姿勢寝返りの2点です。

仰向けで横になったときは、腰が深く沈み込んでいないか、逆に腰の下にすき間ができて浮いていないかを確かめます。横向きになったときは、肩や腰に強い圧迫感がないかを確認しましょう。

あわせて、力を入れなくても左右へ自然に寝返りが打てるかを試してみてください。e-ヘルスネットでは、敷き寝具は自分にとって楽で快適な寝相を保ちやすいものがよいとされています。※2

高反発か低反発かという名称よりも、体に負担の少ない寝姿勢を無理なく保てることを優先して選ぶ姿勢が、買い替えの満足度を左右します。

3. 通気性・手入れ方法を確認する

寝心地に納得できたとしても、長く使ううえでは衛生面の確認が欠かせません。日本の気候では、湿気とどう付き合うかが寝具の寿命に直結します。

通気性や蒸れやすさは、ウレタンフォームやファイバーといった素材の違いに加え、波形・平形・不定形といった内部構造によっても変わります。消費者庁の表示基準では、材料や構造に加えて、寸法・硬さ・復元率・外装生地の組成・使用上の注意などを表示するのだそうです。※1

高反発だから通気性が高いと決めつけず、素材と構造、そしてカバーが洗えるかどうか、陰干しや立てかけといった手入れの方法まで購入前に読み込みましょう。なお、e-ヘルスネットによれば、快適とされる寝床内の環境は温度33℃・湿度50%程度とされています。※2

4. 実際の寝心地を確かめる

ここまでの3つを踏まえたうえで、最後に意識しておきたいのが「情報だけでは決めきれない」という壁です。

同じ高反発、同じ低反発という表示でも、硬さ・厚み・素材・構造の組み合わせによって寝心地は驚くほど異なります。そのため、可能であれば店頭で普段の寝姿勢のまま横になり、沈み込み具合・圧迫感・寝返りのしやすさを自分の感覚で確かめてください。数分ではなく、できるだけ長く寝転がってみると印象が変わることもあります。

ネット通販で購入する場合は、返品・交換の可否や試用期間の条件を購入前に確認しておきましょう。何日以内に申し出る必要があるのか、送料の負担はどちらなのかまで把握しておけば、万一体に合わなかったときの選び直しがしやすくなります。

関連記事:マットレス8種類の特徴やメリット・デメリットを解説!後悔しない選び方とは

高反発・低反発マットレスに関するよくある質問

最後に、高反発と低反発について検討中の方から寄せられることの多い疑問を3つ取り上げ、判断の材料になるようにお答えします。

Q1. 高反発と低反発は硬さの違いですか?

高反発と低反発は、体を押し返す性質、つまり反発性に関する呼び方であり、硬さと同じ意味ではありません。反発性が高くても柔らかく感じる製品もあれば、低反発でも厚みや構造によってしっかりした手ごたえに感じる製品もあります。

反発性と硬さを別々の項目として見比べることが、名称のイメージに振り回されないコツです。硬さを確かめたいときは、品質表示に記載されたニュートンの数値と、75N未満が「やわらかめ」、75N以上110N未満が「ふつう」、110N以上が「かため」という区分を参考にしてください。※1

Q2. 高反発と低反発を重ねて使ってもよいですか?

組み合わせて使いたいという相談はよくありますが、異なるマットレスやトッパーを重ねると、それぞれの反発性が打ち消し合って想定した寝心地にならないことがあるため、注意が必要です。また、重ねた面がずれて寝ている間に動いたり、あいだに湿気がこもってカビの原因になったりする場合もあります。

まずはメーカーがその組み合わせを認めているか、取扱説明書や公式サイトで確認しましょう。上下の順番によっても寝心地は変わりますので、自己判断で重ね方を決めず、指定された使い方に沿って使用することをおすすめします。

Q3. 枕にも高反発と低反発の違いがありますか?

枕にも高反発・低反発と表示されたウレタン製品があり、頭が沈み込む速さや押し返される感覚が異なります。ただし、枕選びで優先したいのは反発性よりも高さです。

e-ヘルスネットによれば、枕は敷き寝具と後頭部から首にかけてのすき間を埋めて立ち姿勢に近い自然な体勢を保つためのもので、首のすき間の深さには1cmから6cmという個人差があるのだそうです。※2

あわせて、仰向けでは首が5度から15度ほど前傾する高さで首の痛みや疲れが軽減されるという報告があり、横向きで眠る場合は肩先から側頭部までを支える奥行きが必要とも説明されています。※2

仰向けと横向きの両方で試し、首に無理のない高さかどうかを基準に選んでください。

まとめ:高反発と低反発は反発性だけでなく実際の寝心地で選ぼう

高反発と低反発の違いは、体を押し返す力の強さにあります。高反発は沈み込みを抑えて面で支えやすく、低反発は荷重に合わせてゆっくり沈んで体に沿いやすいという傾向があります。ただし、これはあくまで傾向であり、どちらかが一方的に優れているという関係ではありません

選ぶときは、名称よりも中身を見ることが近道です。硬さはニュートンの数値と「やわらかめ・ふつう・かため」の区分で確かめ、仰向けと横向きの両方で腰が沈みすぎないか、力を入れずに寝返りが打てるかを試してください。

素材や構造による通気性の違い、カバーの洗濯可否といった手入れのしやすさも、長く使ううえで見逃せない条件です。枕を選ぶ場合は、反発性よりも首に合う高さを優先しましょう。※2

体に合った寝具は、毎日の眠りを静かに支えてくれる土台です。高反発か低反発かという二択で迷い続けるのではなく、自分の体重・寝姿勢・季節の過ごし方まで含めて、実際に横になったときの感覚を最後の決め手にしてみてください。あなたにとって心地よい一枚が見つかることを願っています。

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・参考

※1 ウレタンフォームマットレス | 消費者庁
※2 快眠のためのテクニック | e-ヘルスネット(厚生労働省)