寝付きが悪い人の特徴とは?原因と今日からできる改善策を解説
睡眠コラム by 石川 恭子2026年5月26日読了目安時間: 7

寝付きが悪い人の特徴とは?原因と今日からできる改善策を解説

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

布団に入ってもなかなか眠れない、寝つくまでに毎晩時間がかかる、やっと眠れても朝まで何度も目が覚めてしまう。そんな状態が続くと「自分は不眠症なのではないか」「性格や生活習慣に何か問題があるのではないか」と不安になりますね。何をどう改善すればよいのか分からず、悩みが深くなりがちです。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、寝つきが悪い人に見られやすい特徴を、性格傾向・ストレス状態・生活習慣・就寝前の行動という観点から整理して解説します。あわせて、入眠障害との違い、不眠が続くときに考えたい原因、寝つきを悪化させやすい行動パターンも分かりやすく紹介します。

寝付きが悪い人の特徴

石川 恭子
石川 恭子
寝つきの悪さは、主に日々の行動や心身の状態が積み重なって生じるもので、決して珍しい悩みではありません。

厚生労働省 e-ヘルスネットによると、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を経験しているとされています。※1

寝つきが悪い人の特徴をまとめましたので、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。

特徴1. 布団に入っても考え事や不安で頭が休まらない

寝つきが悪い人によく見られる特徴の一つが、布団に入った途端に仕事のことや人間関係、将来への不安が頭の中をぐるぐると巡る状態になることです。日中は忙しさのなかで押し込められていた心配事が、静かになった夜に一気に浮かび上がってきてしまいます。

e-ヘルスネットでは、神経質で几帳面な性格の人はストレスをより強く感じやすく、不眠症になりやすい傾向があると指摘されています。※1

「完璧にやらなければ」「失敗できない」という考え方のクセを持つ人は、緊張が抜けにくく、就寝時にも脳が覚醒状態を保ちやすいのです。

また、一度寝つきの悪さを経験すると、「今夜も眠れないかもしれない」という不安が新たなストレスになり、さらに寝つきを悪化させるという悪循環に陥ることがあります。布団の中で時計を何度も確認してしまう行動も、このパターンの典型的な症状の一つです。

特徴2. 寝る前にスマホやカフェインなど刺激を取り込んでいる

就寝直前にスマホやパソコンを長時間使ったり、コーヒーや緑茶などを飲む習慣があると、寝つきが悪くなりやすいです。スマホのLEDから発せられるブルーライトは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、脳を昼間と同じ覚醒状態に保つと言われています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、寝室にスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが睡眠の質を高めるうえで重要と明記されています。※2

カフェインは、摂取後も数時間にわたって体内に残り続け、睡眠を妨げる作用を持ちます。同ガイドでは、夕方以降のカフェイン摂取は夜間の睡眠に影響しやすいため控えめにするよう推奨しています。※2

寝つきをよくしようとお酒を飲むのも、安眠には逆効果です。アルコールは一時的に寝つきを促進するように感じられますが、睡眠の後半にかけて眠りの質が顕著に悪化することが明らかになっているのです。※2

就寝前はこうした刺激物をできるだけ避けることが、スムーズな入眠につながります。

特徴3. 生活リズムが乱れ日中の活動量も少ない

平日と休日で起床・就寝時刻が大きくズレていたり、夜更かしが続いていたりする人は、体内時計が狂いやすく、寝たいと思っても眠気がやってこない状態になりやすいです。体内時計は毎朝の光で24時間にリセットされる仕組みを持っていますが、朝に外出せず光を浴びる機会が少ないと、リセット調整が機能しにくくなります。

また、デスクワーク中心の生活や運動不足によって日中の活動量が少ない場合、体に適度な疲れが生じていないため、夜になっても強い眠気を感じにくいです。適度な身体的疲労は自然な眠気を促す重要な要素ですから、日中に体を動かす機会を意識的につくると夜の寝つきを改善しやすいでしょう。

関連記事:今夜から変わる!寝つきを改善する科学的アプローチ10選

そもそも寝付きが悪いとはどんな状態か

「寝つきが悪い」とひと口に言っても、その度合いはさまざまです。誰でも緊張した翌日や心配事があるときに一時的に眠れないことはありますので、習慣的な不眠とはどう違うのかを理解しておくことが大切です。

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入眠困難の定義と不眠症の判断基準について解説します。

入眠までにかかる時間の目安

健康な成人が布団に入ってから眠りにつくまでの時間(入眠潜時)は、一般的に10〜20分程度が目安とされています。入眠潜時が30分を超える状態が続く場合、専門的には入眠困難、つまり「寝つきが悪い」と判断されるケースが目立ちます。

もちろん、前日の疲労度や心理状態によって多少の差はありますが、毎晩30分以上かかることが習慣化していたり、布団の中でぼんやりと1時間以上過ごすことが増えてきたりしているなら、何らかの対策を考える必要があるでしょう。

不眠症との違い

一時的な寝つきの悪さと治療が必要な不眠症の大きな違いは、継続期間と日中への影響にあります。国立精神・神経医療研究センターによると、不眠症とは「週3日以上、3か月以上続く不眠であり、日中に活力の低下や気分の落ち込み、仕事の効率低下などの支障が生じている状態」です。※3

つまり、夜眠れないだけでなく、昼間の生活にも悪影響が出ている場合は、不眠症として治療の対象になる可能性があります。たまに寝つきが悪い日がある程度であれば、生活習慣の見直しで改善できることも多いです。

ただし、自己判断で「自分は不眠症だ」と決めつけることは避けてください。気になる症状が続く場合は、医療機関で診断してもらうことが重要です。

寝付きが悪い人に多い原因

寝つきの悪さは、一つの原因から生じることは少なく、複数の要素が絡み合って引き起こされることがほとんどです。心理的な要因、身体的な要因、生活習慣や睡眠環境など、それぞれの観点から自分に当てはまる原因を探ってみましょう。

原因1. 自律神経の乱れ(交感神経が優位なまま)

人は、昼間は活動を支える交感神経が優位に働き、夜になると休息を促す副交感神経へと切り替わることで自然な眠気が生まれるというリズムで生活しています。しかし、強いストレスや精神的な緊張が続くと、夜になっても交感神経が働き続け、心拍数や血圧が下がらず、体がリラックスモードに入れない状態になります。

この状態では、体が「まだ活動中」だと判断し、脳も覚醒したまま布団に入ることになるため、眠気がなかなかやってきません。自律神経の乱れは、不規則な生活、過労、慢性的なストレスなどによっても引き起こされます。まず体を落ち着かせることを意識するだけでも、自然な入眠への助けになるでしょう。

原因2. 体内時計(概日リズム)の乱れ

人の体内時計は約24時間のリズムで動いており、朝の光を浴びることで毎日リセットされます。このリズムが整っていると、夜になると自然にメラトニンが分泌され、眠気が生まれます。しかし、夜更かしや朝寝坊の繰り返し、シフト勤務、海外旅行による時差などで生活リズムが崩れると、体内時計が後ろ倒しになり、本来眠るべき時間になっても眠気が来なくなります。

休日に大幅に起床時間をずらす「社会的時差ぼけ(ソーシャルジェットラグ)」も、平日の寝つきを悪化させる要因の一つです。体内リズムを整えるための基本として、毎朝できるだけ同じ時間に起床し、光を浴びる習慣をつけましょう。

原因3. 精神的ストレス・不安

仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安など、精神的なストレスは入眠を妨げる最も一般的な要因の一つです。ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されると、脳は危険に備えて覚醒状態を保とうとするため、眠れなくなります。

さらに、眠れない状態が続くと「また今夜も眠れないかもしれない」という不眠恐怖が生まれると、就寝時間になるほど不安が高まるという悪循環に陥ってしまうことは少なくありません。

原因4. 身体的な不調(痛み・かゆみ・頻尿など)

腰痛や肩こり、アレルギーによる皮膚のかゆみ、鼻づまり、夜間頻尿など、身体的な不快感も入眠を大きく妨げます。特に夜間頻尿は中高年以降に多く、何度もトイレに起きることで睡眠が細切れになります。

これらの身体的な問題は、根本となる疾患の治療や症状の緩和によって改善が見込まれる可能性があります。「たかが腰痛」「かゆいだけ」と放置せず、専門医への相談を検討しましょう。

原因5. 加齢による睡眠の変化

加齢とともに深い眠りの時間は徐々に減り、眠りが浅くなる傾向があります。e-ヘルスネットによると、60歳以上では半数以上に何らかの不眠症状が認められるのだそうです。※1

高齢になるにつれて入眠に時間がかかったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることは、ある程度自然な変化ですが、だからといって放置してよいわけではありません。睡眠の質が低下すると、日中の活力や認知機能にも影響を及ぼすため、年齢に合った睡眠環境の整備や生活習慣の見直しが重要です。

原因6. 疾患の可能性

寝つきの悪さが続く場合、何らかの疾患が背景にあることもあります。代表的なものとして、不眠症・睡眠時無呼吸症候群・むずむず脚症候群・うつ病や不安障害・ADHDなどが挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群では、夜中に何度も呼吸が止まることで睡眠が途切れ、翌朝も疲れが抜けない状態が続きます。むずむず脚症候群は、夜になると脚にむずむずとした不快感が生じてじっとしていられなくなり、なかなか眠れません。これらは生活習慣の改善だけでは解決しないため、疑いがある場合は医療機関での診察が必要です。

関連記事:【医師監修】メラトニンと睡眠の関係とは?体内時計を整えて寝つき・中途覚醒を改善する方法

寝付きが悪いときに見直したい行動

寝つきの悪さを改善するためには、薬に頼る前にまず日常の行動を見直すことが有効です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、生活習慣の改善が睡眠問題への対策の基本として位置づけられています。※2

石川 恭子
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今日から実践できる5つの行動を紹介します。

行動1. 朝の光と日中の活動で体内リズムを整える

体内時計をリセットし、夜に自然な眠気をつくり出すための重要な習慣のひとつが、起床後にカーテンを開けて朝の光を浴びることです。朝の光が目に入ることで、脳内のメラトニン分泌が抑制され、その約14〜16時間後に再び分泌が始まり、自然な眠気が生じるという仕組みです。

また、日中に適度な運動や外出を取り入れましょう。ウォーキングや軽いジョギングなど、体を動かす機会を意識的に設けることで、夜の眠気が深まりやすくなります。朝の行動が夜の睡眠に直結していることを意識してみてください。

行動2. 夕方以降はカフェイン・アルコールを控える

コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、摂取後4〜6時間ほどは覚醒作用が持続します。夕方以降のカフェイン摂取は、就寝時にも脳が活性化した状態を保たせてしまうため、なるべく午後3時以降は控えることが望ましいです。厚生労働省のガイドでは、カフェインの1日の摂取量はコーヒー換算で約4杯(400mg)を超えないよう推奨されています。※2

アルコールの摂取も逆効果です。アルコールは入眠を一時的に助けるように感じられますが、睡眠の後半にかけてレム睡眠(浅い眠り)が増え、中途覚醒が起きやすくなるなど、睡眠の質を全体的に低下させます。※2

翌朝に疲れが抜けていないと感じるのは、こうしたアルコールの影響によるものかもしれません。

行動3. 就寝前はスマホを置いてリラックスタイムに切り替える

スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制します。また、SNSのチェックやニュースの閲読、ゲームなどは脳を刺激し続けるため、眠気を妨げやすいです。就寝の1〜2時間前からは、スマホやパソコンの使用を控え、リラックスできる時間をつくりましょう。

代わりに取り入れたい行動として、ぬるめのお湯(38〜40℃程度)での入浴、軽いストレッチ、腹式呼吸、電子書籍ではなく紙の本での読書などが挙げられます。これらの習慣を毎晩続けることで、体が「リラックスタイムは眠くなる時間」とパターンを覚え、眠りに入りやすくなる効果が期待できます。

行動4. 無理に寝ようとせず眠くなってから布団に入る

「早く寝なければ」と焦れば焦るほど、交感神経が刺激されて目が覚めてしまうことがあります。布団の中で長時間目を覚ましたまま過ごすことは、「布団は眠れない場所だ」という意識を強めてしまい、入眠をさらに難しくします。

厚生労働省の睡眠ガイドでも、「就寝前にはリラックスし、無理に寝ようとしないこと」が推奨されています。※2

眠気が来ていないときは布団に入らず、別の部屋で静かに読書をしたり、深呼吸をしながらリラックスしたりしてから、眠くなったタイミングで布団に入る習慣をつけましょう。

行動5. 寝室の光・温度・音と寝具を整える

快適な睡眠環境を整えることも、寝つきの改善に大きく関わります。寝室は暗めに保つことが基本で、照明を電球色の間接照明にしたり、遮光カーテンで外光を遮断したりするとより効果的です。

室温は、夏は26℃前後、冬は16〜19℃程度が快適な睡眠に適した目安とされています。湿度は50〜60%程度を保つと、蒸れにくく眠りやすいでしょう。外の騒音が気になる場合は、耳栓や防音カーテンを活用することも一つの手段です。

体型に合わない枕や寝心地の悪いマットレスは、寝返りが打ちにくくなったり体の特定部位に負荷がかかったりして、知らず知らずのうちに睡眠の質を下げます。長年使用している寝具の見直しも、睡眠環境を整えるうえで重要な視点です。

受診を考えたほうがよいサイン

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寝つきの悪さが一時的なものではなく、日常的に続いていると感じる場合は、早めに医療機関への相談を検討することが大切です。

国立精神・神経医療研究センターの定義によると、入眠まで30分以上かかる状態が週3日以上、3か月以上続いている場合は、不眠症として治療の対象になる可能性が高いそうです。※3

また、夜間の症状だけでなく、日中に強い倦怠感や集中力の低下、仕事や家事のパフォーマンス低下が現れている場合も、身体が限界に近いサインとして受診を考えるべきタイミングです。

加えて、睡眠中に大きないびきをかく・呼吸が止まると指摘されたことがある・夜間に脚のむずむず感で目が覚める・寝ても寝ても疲れが取れないといった症状がある場合は、不眠症以外の睡眠障害が背景にある可能性も捨てきれません。これらは生活習慣の改善だけでは改善しにくいため、早めの受診が重要です。

受診する場合は、まずは内科や心療内科に相談しましょう。精神的なストレスや不安が強い場合は心療内科や精神科、身体的な不調が気になる場合は内科で診てもらうとスムーズです。「どこに行けばよいか分からない」という場合は、睡眠専門外来を設けているクリニックや病院を探すと安心です。自己判断で市販の睡眠補助薬を長期間使い続けることは、根本原因を見落とす可能性があるため注意してください。

寝付きが悪い人の特徴を知り自分に合う対策から始めよう

ここまで解説してきたように、寝つきが悪い人の特徴は性格の問題に限らず、生活習慣・ストレス・睡眠環境・体内リズムの乱れ・身体的な不調など、複数の要因が重なって生じることがほとんどです。

一般成人の30〜40%が不眠症状を経験しているというデータが示すとおり、寝つきの悩みは多くの人に共通する課題です。※1

令和5年の国民健康・栄養調査でも、1日の平均睡眠時間が6時間未満の者の割合は男性38.5%、女性43.6%に達しており、日本社会全体で睡眠の問題が広く存在していることが分かります。※4

日中の集中力低下や気力の減退が続くようであれば、放置せずに対策を考えることが重要です。

まずは自分に当てはまりそうな特徴や原因を一つ確認し、今日から実践できる行動を一つだけ変えてみることから始めてみましょう。就寝1時間前にスマホを置く、毎朝同じ時間に起きてカーテンを開ける、夕食後のコーヒーをやめてみる、どの方法でもかまいません。小さな変化の積み重ねが、睡眠の質を少しずつ取り戻す力になります。

症状が続く場合や日中の生活への影響が大きい場合は、一人で抱え込まずに医療機関を頼りましょう。自分に合う対策を見つけ、毎朝すっきりと目覚められる生活を取り戻してくださいね。

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・参考

※1 不眠症 | 厚生労働省 e-ヘルスネット
※2 健康づくりのための睡眠ガイド2023 | 厚生労働省
※3 不眠症 | 国立精神・神経医療研究センター
※4 令和5年国民健康・栄養調査 | 日本生活習慣病予防協会