レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?90分周期を活用した理想の睡眠法
睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年11月28日読了目安時間: 10

【医師監修】レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?90分周期を活用した理想の睡眠法

五藤 良将
竹内内科小児科医院 院長

千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。

  • 免許・資格

医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、スポーツドクター、日本美容内科学会評議員

朝起きたときに「たくさん寝たはずなのに、どうもスッキリしない」と感じていた頃、私はなんとなく「睡眠時間さえ確保しておけば大丈夫」だと思い込んでいました。

ところが睡眠について調べ始めてみると、レム睡眠とノンレム睡眠という二つの睡眠状態が一定のリズムで入れ替わり、そのバランスやタイミングによって朝の目覚めや日中のコンディションが大きく変わることを知り、考え方がガラリと変わりました。

レム睡眠は夢を見やすく脳が活発に働く時間で、ノンレム睡眠は脳と身体をしっかり休ませる深い眠りへとつながる時間です。この二つが90分前後の周期で交互に現れながら、一晩の睡眠サイクルが形づくられます。

つまり「何時間寝たか」だけでなく「どのタイミングで眠り、どのタイミングで起きるか」が、睡眠の質や目覚めの爽快感を左右していると考えられます。

本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、レム睡眠とノンレム睡眠の基本的な違いから、90分周期を目安にした起床時間の考え方、年代別の理想的な睡眠時間、そして今日から実践できる睡眠の質を高める工夫までをまとめていきます。

さらに、レム睡眠行動障害や睡眠時無呼吸症候群、金縛りなど、睡眠サイクルの乱れがサインとなる代表的な睡眠障害にも触れながら、長く健康を守るための「理想の眠り方」をわかりやすく解説します。

レム睡眠とノンレム睡眠の基本的な違いとは

レム睡眠とノンレム睡眠の基本的な違いとは

私たちの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの状態が一定のリズムで交互に現れることで成り立っています。両者は脳の働きや身体の反応が大きく異なり、それぞれが心身の回復に独自の役割を果たしています。

こうした違いを理解すると睡眠の質を高めるヒントが得やすくなるため、まずは基本的な特徴から整理していきましょう。

レム睡眠とは、急速眼球運動(REM: Rapid Eye Movement)がみられる睡眠段階であり、脳波が覚醒時に近いほど活発になる一方、筋肉は深く弛緩するのが大きな特徴です。夢を見る確率が高まるのもこの段階で、記憶の整理や情緒の調整が進むと考えられています。※1

一方、ノンレム睡眠とは、眼球運動がほとんど見られず脳波がゆっくりとした波形へ移行する状態で、深さによってN1、N2、N3の3段階に分類されます。特にN3にあたる深い睡眠では、脳と身体の休息が最大化され、成長ホルモンの分泌や免疫機能の向上が活発になります。※2

レム睡眠の特徴と身体への影響

レム睡眠では脳波が覚醒状態に近いほど活発になり、眼球が急速に動く特有の現象が続きます。さらに、2021年の研究では、レム睡眠中に脳の毛細血管の血流量が覚醒時の2二倍に増加するという結果が報告されました。血流が増えることで老廃物の排出や神経細胞のメンテナンスが進み、脳のリフレッシュ機能が強く働くと考えられています。※3

身体の筋肉は大きく弛緩して動きにくくなりますが、これは夢に合わせて身体が反応しないように脳が制御しているためとという考えが一般的です。

ノンレム睡眠の3つのステージと役割

ノンレム睡眠は、睡眠の深さに応じてN1、N2、N3の3段階に分かれます。N1は意識がゆっくり遠のいていく浅い睡眠で、周囲の刺激に反応して目が覚めやすい段階です。

N2では脳波がさらに安定し、外部からの刺激に対して反応が鈍くなります。睡眠全体の中で最も長い割合を占める段階でもあり、身体の緊張がほどけて心拍数や呼吸がより安定していきます。

最深部にあたるN3は「徐波睡眠」と呼ばれ、脳波がゆっくり大きな波形へ変化する段階です。成長ホルモンの分泌が活発になり、筋肉や細胞の修復が進みます。また、免疫機能が整い、日中に蓄積した身体の疲労や脳の負担が回復に向かいます。

ノンレム睡眠がしっかり確保されることで、翌日の集中力や身体のコンディションが大きく変わるため、深い睡眠をいかに安定させるかが良質な睡眠のポイントとなります。

両者の違いを理解することの重要性

レム睡眠とノンレム睡眠がどのように働き、それぞれがどの役割を担っているかを理解しておくと、自分に合った睡眠改善の方法を選びやすくなります。たとえば、起床のタイミングを浅い睡眠に合わせると、寝起きのだるさを軽減できるのはよく知られた事実です。

また、深い睡眠が不足すると記憶の定着や体力の回復に影響が出やすく、レム睡眠が乱れると情緒の安定にも影響が及ぶ可能性があります。

さらに近年では、睡眠の質と認知症リスクの関連性が注目されており、特にアルツハイマー病との関連を示す研究も報告されました。深い睡眠が不足すると脳内の老廃物が排出されにくくなり、長期的な健康に影響する可能性が指摘されています。

こうした観点からも、睡眠構造を理解することは、日常のコンディションだけでなく将来的な健康にもつながると考えられるのです。

睡眠サイクルの仕組み:90分周期の真実

睡眠サイクルの仕組み:90分周期の真実

私たちの睡眠は、単に深く眠って朝に起きるという直線的な流れではなく、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に入れ替わる周期的なパターンを繰り返すことで成り立っています。

この周期はおよそ90〜120分とされており、一晩のあいだに4〜6回ほど循環します。前半は深いノンレム睡眠が中心となり、後半に向かうにつれてレム睡眠が増えていく構造が特徴的です。

こうした流れを理解することで、睡眠の質を高める方法や自分に合った起床タイミングを見つけやすくなるため、まずは睡眠サイクルの全体像から順を追って整理していきましょう。

前述した通り、睡眠サイクルはレム睡眠とノンレム睡眠の組み合わせによって形成されます。ノンレム睡眠では脳と身体の休息が進み、レム睡眠では記憶の整理や脳の活性化が見られます。

平均的にはおよそ90分で一巡すると説明されることが多いですが、実際には個人の体質や年齢、生活リズムによって60〜110分と大きな幅があります。

こうした個人差に配慮しながら自分のサイクルを理解していくと、睡眠の質改善につながるヒントが見つかりやすくなるでしょう。

ここからは、夜の睡眠がどのように変化していくのかを、さらに詳しく見ていきます。

一晩の睡眠サイクルの変化パターン

入眠直後の睡眠は深まりやすく、ノンレム睡眠の中でも特に深い段階であるN3が多く出現します。深い睡眠では脳波がゆっくりとした徐波に変わり、成長ホルモンの分泌や身体の修復が活発に進みます。この前半の時間帯は、日中の疲労を大きく回復させる基盤です。

一方、睡眠が後半へ進むにつれて深いノンレム睡眠は減少し、レム睡眠が増える傾向が強まります。レム睡眠では脳が覚醒に近い状態となり、夢を見やすくなるほか、記憶の整理や翌日に向けた認知機能の準備が進みます。

朝方に自然と目を覚ましやすくなるのは、このレム睡眠の割合が高まることと関係していると考えられます。

このように、一晩のあいだで睡眠の質と役割が切り替わりながら進行する点を理解しておくと、自分の睡眠パターンをより正確に把握しやすくなるでしょう。

90分サイクルを活用した起床時間の計算法

理論上、睡眠サイクルが約90分であると仮定すると、レム睡眠のタイミングで起きると覚醒しやすいと考えられています。就寝時間から90分の倍数で起床時刻を設定すると、比較的スムーズに目覚めやすくなるという計算です。

たとえば23時に眠りにつく場合、90分ごとに区切ると0時30分、2時、3時30分、5時、6時30分といった起床時間が候補となります。この中から生活リズムに合う時刻を選べば、起床時のだるさが軽減される可能性が高まるでしょう。

ただし、あくまで一般的な目安にすぎず、すべての人が同じ90分周期で眠るわけではありません。実際には睡眠の深まり方や入眠のしやすさが日によって変動するため、自分のリズムに合わせて調整する必要があります。

個人差を考慮したサイクルの見つけ方

睡眠サイクルは人それぞれで、60〜110分の範囲に収まるといわれています。この幅を踏まえると、一般的な90分の倍数で睡眠を設計するだけでは十分に適合しない場合もあります。

自分のサイクルを把握するための方法として役立つのが、睡眠時間や入眠時刻、起床時の体調を記録する睡眠日誌です。毎日の変化を見比べることで、眠りが深まるタイミングや起きやすい時間帯が徐々に見えてきます。

さらに、スマートウォッチや睡眠アプリを活用すると、睡眠の深さやレム睡眠の出現タイミングを客観的に確認しやすいです。

こうしたデータを重ねていくことで、自分に最適な睡眠パターンが明確になり、無理なく質の高い睡眠を得やすくなるでしょう。生活リズムに合った睡眠サイクルを把握することは、長期的な睡眠改善への大きなステップのひとつです。

五藤良将 医師
五藤良将 医師
「たくさん寝たのに疲れが取れない」――その原因は、睡眠時間ではなく「睡眠の“中身”」にあるかもしれません。
レム睡眠とノンレム睡眠は、脳と身体を回復させるために欠かせない“二本柱”であり、そのリズムが整うことで、朝の目覚めも日中の集中力も大きく変わります。

90分サイクルはあくまで目安ですが、自分の睡眠を知る“入口”としては非常に有効です。起きる時間を意識する、朝の光を浴びる、寝室環境を整える――どれも今日から始められる小さな一歩です。

睡眠は、削るものではなく整えるもの。質の高い眠りは、明日のパフォーマンスだけでなく、10年後・20年後の健康を支える土台になります。
ぜひ今夜から、ご自身の睡眠を「大切に扱う習慣」を始めてみてください。

年代別の理想的な睡眠時間とレム・ノンレム睡眠の割合

年代別の理想的な睡眠時間とレム・ノンレム睡眠の割合

年齢によって必要な睡眠時間やレム睡眠とノンレム睡眠の割合は変化し、身体の成長段階や脳の成熟度、加齢による調整機能の低下などが影響するとされています。

厚生労働省のガイドラインでは、年齢に応じた睡眠時間の目安が明確に示されており、十分な休息が取れることがその年代の健康維持に直結します。※4

加齢とともに深いノンレム睡眠が減る傾向があるため、年代ごとに睡眠の役割がどのように変わるかを理解しておくと、日常生活の改善ポイントが見つけやすいです。

子どもでは成長と発達のために長い睡眠時間が求められ、成人では日中のパフォーマンスを維持するために適切な休息が必要となります。

高齢者では睡眠の構造そのものが変化し、深い睡眠が減ることで眠りが浅く感じられることが多くなります。こうした変化を踏まえ、ここからは年代別に理想的な睡眠時間と睡眠構造の特徴を詳しく見ていきましょう。

成人(20〜64歳)の適正な睡眠時間

成人に求められる睡眠時間は一般的に6〜8時間とされています。最もパフォーマンスを維持しやすい時間帯として、実際に研究で示されている時間です。

十分な睡眠が得られない場合、健康リスクが上昇する傾向があり、睡眠不足では肥満の発症率が1.13倍に高まり、心疾患のリスクが4.95倍に増えるといった報告があります。※5

これは睡眠不足が自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れを引き起こし、代謝と循環機能に影響を与えるためと考えられています。

また、睡眠の長さだけでなく「朝起きたときにしっかり休めたと感じるか」という睡眠休養感も重視したい要素です。必要な睡眠時間には個人差があり、6時間で十分に回復できる人もいれば、8時間近く眠らないと翌日に疲れを持ち越してしまう人もいます。

このため、自分の体調の変化を観察しながら適切な睡眠時間を見つけていくことが大切です。続いて、より成長が活発な年代の睡眠について考えていきましょう。

子ども・思春期(6〜18歳)の必要睡眠時間

子どもや思春期の年代では、脳と身体の発達が急速に進むため、成人よりも長い睡眠時間が必要です。

小学生では9〜12時間、中学生・高校生では8〜10時間が推奨されています。十分な睡眠が確保されることで成長ホルモンの分泌が促進され、学習に必要な記憶の定着が進みます。

睡眠が不足すると集中力が低下し、学校でのパフォーマンスに影響が出るだけでなく、夜更かしによって生活リズムが崩れ、朝の眠気が強くなる悪循環につながりかねません。

特に注意したいのが、思春期では体内時計が後ろにずれやすいという特性です。就寝時刻が遅くなりやすいにもかかわらず、学校の始業時間は変わらないため、慢性的な睡眠不足に陥りやすくなります。

適切な睡眠時間を確保することは、学業成績の向上だけでなく、情緒の安定にも重要な役割を果たすと言えるでしょう。次に、加齢による睡眠の変化が顕著な高齢者の睡眠について見ていきます。

高齢者(65歳以上)の睡眠パターンの変化

高齢者の睡眠は加齢の影響を受けやすく、深いノンレム睡眠が減少し、眠りが浅く感じられる傾向があります。必要な睡眠時間はおよそ6時間とされ、若い頃より短くなることが一般的です。

さらに早朝に目が覚めやすい早朝覚醒が起こりやすく、本人が「よく眠れていない」と感じることも多くなります。

床についている時間(床上時間)は8時間以内が推奨されており、長く布団にいるほど睡眠が分断されやすくなるため、適度に活動量を保つことが望ましいです。

深い睡眠が減ることで脳の老廃物排出が効率的に行われなくなる可能性があるため、認知症予防の観点からも睡眠の質を保つことが重要とされています。

軽い運動や日中の光を浴びる習慣を取り入れると体内時計が整いやすくなり、睡眠の改善につながりやすいでしょう。

睡眠の質を高める5つの実践的方法

睡眠の質を高める5つの実践的方法

質の高い睡眠を得るには、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを整えることが欠かせません。日々の生活習慣や寝室の整え方を見直し、睡眠の質を大きく向上させると、朝の目覚めや日中の集中力に良い変化が生まれるでしょう。

ここからは睡眠の質を高める実践的な方法を五つ取り上げ、それぞれの仕組みと効果を詳しく見ていきます。

1. 規則正しい睡眠リズムの確立

毎日同じ時刻に就寝し、同じ時刻に起きる生活を続けると、体内時計が安定しやすいです。睡眠リズムが整うことで、自然な入眠とすっきりした覚醒が得られやすくなり、日中のパフォーマンスにも良い影響が出ます。

一方で、週末に平日の睡眠不足を補おうと長く寝る習慣があると、平日との時間差が生まれ、いわゆる社会的時差ボケが起こりやすいです。これは体内時計と実際の生活時間にずれが生じることで、翌週の眠気や集中力の低下につながります。

規則的なリズムを維持することが、安定した睡眠の第一歩です。

2. 朝の光を浴びて体内時計をリセット

朝の光を浴びると、脳内の体内時計がリセットされ、夜の適切なタイミングで眠気を促すメラトニンの分泌が整います。朝日を浴びた瞬間から覚醒が促され、体の活動スイッチが入るため、一日のリズムが自然に整いやすくなるのです。推奨される日光浴の時間は15〜30分程度で、屋外に出られない場合は窓辺で自然光を浴びるだけでも効果があります。

こうした朝の習慣が身につくと、就寝時刻が安定し、夜の入眠がスムーズに進みやすくなるでしょう。

3. 適度な運動習慣の確立

日中にしっかり身体を動かす習慣があると、深いノンレム睡眠が増えやすくなります。運動によって体温が上昇し、その後自然と体温が下がる過程で眠気が強まり、入眠がスムーズになると考えられているためです。推奨される身体活動量は1日あたり60分以上とされており、ウォーキングや軽いジョギングなど継続しやすい運動が効果的です。

ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経が高ぶり、かえって眠りにくくなるため、夕方までに終えることが望ましいです。適度な運動が睡眠の質向上に直結する点を理解しておくと、日中の行動を変えやすいでしょう。

4. 寝室環境の最適化

質の高い睡眠を得るには、寝室の環境を整えることが重要です。理想的な温度は16〜26度、湿度は50〜60%が目安とされ、過度な暑さや寒さ、乾燥は眠りを妨げる要因になりかねません。照明を控えめにし、できるだけ静かな環境を整えることで入眠がスムーズになり、夜間の中途覚醒も減りやすくなります。

さらに、体をしっかり支えてくれるマットレスや頭の高さが合った枕を選ぶと、寝姿勢が安定し、深い睡眠が得られやすいです。寝具選びについては関連記事で詳しく紹介しているため、より快適な環境づくりの参考にしてください。

5. 就寝前のデジタルデトックス

スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトには、眠気を引き起こすメラトニンの分泌を抑える作用があるため、就寝前に長時間のスクリーン使用を続けると入眠が難しくなります。

質の良い睡眠を得るには、就寝の少なくとも2時間前からデジタル機器の使用を控えましょう。代わりに読書やストレッチ、深呼吸などのリラックスできる行動を取り入れると、副交感神経が優位になり、自然と眠気が訪れやすくなります。

こうした夜の習慣が整うことで、睡眠の質が次第に安定していきます。

レム睡眠・ノンレム睡眠の異常が示す睡眠障害のサイン

レム睡眠・ノンレム睡眠の異常が示す睡眠障害のサイン

レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れたり、睡眠サイクルに異常が生じたりすると、身体や脳の回復が十分に行われず、さまざまな睡眠障害が現れやすくなります。

いびきや無呼吸、レム睡眠中の異常行動などは軽視されがちですが、背後には神経疾患や心血管疾患のリスクが潜んでいる場合もあり、早期の気づきと対処が重要です。

睡眠の質が低下した状態を放置すると、日中の集中力や感情の安定にも影響し、生活の質全体が揺らぎやすくなるため、症状の特徴を知ることが健康管理の第一歩につながります。

ここからは、代表的な睡眠障害とその背景にある仕組みを詳しく見ていきましょう。

レム睡眠行動障害とパーキンソン病の関係

レム睡眠行動障害は、レム睡眠中に本来働くはずの筋肉弛緩が十分に保てず、夢の内容に合わせて体が動いてしまう障害です。

寝言が増えるだけでなく、走る、パンチをする、叫ぶなど、夢の世界での行動が現実で再現されるため、周囲の人が驚くことも少なくありません。

この障害は神経系の変化と関連が深く、発症した人の一部は10年以内にパーキンソン病などの神経変性疾患を発症する可能性があると報告されています。※6

2024年にはレム睡眠中に働く神経回路の異常が症状の背景にあることが示され、脳幹の特定領域が筋肉弛緩の維持に重要な役割を果たすことが明らかになりました。

この障害を早期に発見し、適切な治療を受けると、将来の神経疾患のリスクを管理しやすくなる点が注目されています。

睡眠時無呼吸症候群による睡眠サイクルの乱れ

睡眠時無呼吸症候群は、眠っているあいだに呼吸が何度も止まり、そのたびに覚醒反応が起きて睡眠が分断される疾患です。※7

大きないびきが前兆として現れ、無呼吸と合わせて深いノンレム睡眠が減少し、レム睡眠も不安定になりやすいのが特徴です。その結果睡眠サイクルが十分に進まず、日中の強い眠気や集中力の低下が続きやすくなります。

無呼吸の発生には肥満が強く関係しています。首まわりの脂肪増加による気道の圧迫は重大なリスク要因のひとつです。自宅で簡単に確認する方法として、就寝中に呼吸が止まっていないか家族に観察してもらったり、朝起きたときに頭痛や極端な眠気が続いていないかを確認したりすることが、早期発見につながりやすくなります。無呼吸症状が疑われる場合は、医療機関での検査を早めに受けましょう。

金縛りのメカニズムと対処法

金縛りは、レム睡眠中に意識だけが先に覚醒し、体の筋肉弛緩が続いたまま動けなくなることで起こる現象です。科学的には睡眠麻痺と呼ばれ、強いストレスや寝不足、生活リズムの乱れによって引き起こされることが多いとされています。

眼は動くのに体が動かず、幻覚を伴う場合もあるため恐怖を感じやすいのですが、生命にかかわるものではありません。

予防には規則的な睡眠習慣の確立が効果的であり、特に就寝時間と起床時間を安定させることで発生頻度が減るとされています。ストレスの蓄積が引き金になるケースも多いため、リラックスできる夜のルーチンを取り入れることが重要です。

金縛りが頻繁に起こる場合は、睡眠障害が隠れている可能性もあるため、専門機関へ早めに相談してみてください。

今日から始める、質の高い睡眠への第一歩

今日から始める、質の高い睡眠への第一歩

レム睡眠とノンレム睡眠の違いや睡眠サイクルの仕組みを理解すると、毎日の睡眠がより深い意味を持ち始めます。とくに90分サイクルや睡眠段階の特徴を把握しておくことは、起床のタイミングを整えたり、眠りの質を高めたりするための実践的な工夫として有効です。

今日から取り入れられる方法として、まずは睡眠日誌をつけて自分の睡眠パターンを記録したり、90分サイクルを参考に起床時間を調整したり、寝室環境を見直したりするとよいでしょう。

小さな取り組みでも、続けることで睡眠の質は確実に変わっていきます。日中の気分や集中力が安定し、長期的には心身の健康にも良い影響が広がっていくでしょう。直接体が触れるマットレスの新調も検討してみてはいかがでしょうか。

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・参考

※1 レム睡眠 記事・用語辞典 | 厚生労働省
※2 ノンレム睡眠 記事・用語辞典 | 厚生労働省
※3 Brain refreshing: Why the dreaming phase matters | University of Tsukuba
※4 健康づくりのための睡眠ガイド 2023 | 厚生労働省
※5 睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※6 J-PPMIとは(REM睡眠行動異常症とパーキンソン病発症リスク)| 国立精神・神経医療研究センター
※7 睡眠時無呼吸症候群 | MSDマニュアル家庭版