睡眠コラム by Koala JP•2026年8月3日•読了目安時間: 2 分

【医師監修】お盆期間の帰省ラッシュ疲れ、眠りでリセットする方法

五藤 良将
竹内内科小児科医院 院長

千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。

  • 免許・資格

医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、スポーツドクター、日本美容内科学会評議員

2026年のお盆休みは8月13日(木)〜16日(日)が中心。下りの帰省ラッシュは13日、上りのUターンラッシュは14日〜16日に集中する見込みです。長距離移動、慣れない実家の布団、いつもと違う生活リズム・・・お盆休みは「休んだはずなのに、なぜか疲れが取れない」という状態になりやすい時期でもあります。

今回は、帰省による睡眠の乱れがなぜ起きるのか、そしてその影響を最小限にする方法をご紹介します。

「実家の布団で眠れない」には理由がある

初めて泊まる場所や、久しぶりに戻る実家で寝つきが悪くなるのは、気のせいではありません。人には、慣れない環境では脳の一部が完全には休まず、無意識に周囲を警戒し続けるという性質があります。これは「第一夜効果」と呼ばれ、旅行や帰省の初日に眠りが浅くなりやすいのはこのためです。

普段と違う枕の高さやマットレスの硬さ、部屋の明るさや物音も、寝つきにくさに拍車をかけます。特にお盆は気温も高いため、環境の変化と暑さのダブルパンチで、休んでいるはずなのに疲れが抜けにくくなりがちです。

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長距離移動そのものが「睡眠負債」を生む

高速道路の渋滞や満員の新幹線での移動は、座っているだけでも想像以上に体力を消耗します。長時間同じ姿勢でいることによる血行不良や、車内の温度差、移動中の緊張感は、知らないうちに疲労として蓄積していきます。

さらに移動疲れがある状態で慣れない環境に泊まると、疲れているのに深く眠れないという悪循環に陥りやすくなります。「移動で疲れているから、実家に着いたらぐっすり眠れるはず」とは限らない、ということを知っておくだけでも対策が変わってきます。

移動中・滞在先でできる仮眠のコツ4選

  • 新幹線・車内では首を支える工夫を:ネックピローやクッションで頭が左右に揺れないようにするだけで、短時間でも質の良い仮眠が取りやすくなります。
  • 仮眠は20〜30分を目安に:長時間の仮眠はかえって体を重くしたり、夜の睡眠に影響したりすることがあります。移動中の仮眠は短めを意識しましょう。
  • 実家の寝室は温度・光を軽く整える:使っていない扇風機を借りる、遮光できるものをカーテン代わりに使うなど、ちょっとした工夫で寝つきやすさが変わります。
  • 枕が変わって寝にくいときはタオルで代用:バスタオルを丸めて高さを調整するだけでも、違和感がやわらぐことがあります。
五藤良将 医師
五藤良将 医師
お盆の帰省で「休んだのに疲れが取れない」と感じるのは、生理学的に説明できる現象です。記事にある「第一夜効果」は、不慣れな環境で脳の一部が覚醒水準を保ち続けることで生じる浅眠傾向を指し、医学的にも確認されています。加えて長時間の移動による血行不良や自律神経系への負荷が重なることで、疲労はより蓄積しやすくなります。

対策として示されている「仮眠20?30分」「起床時刻から生活リズムを戻す」は、いずれも睡眠医学の原則に沿った適切なアプローチです。就寝時刻の調整より起床時刻と光曝露を優先する方が、体内時計の同調は早く進みます。

一点補足するなら、高齢の家族と帰省する場合は、環境変化の影響がご本人以上に高齢者側に出やすいため、室温・寝具にも配慮いただくと安心です。

無理のない範囲で、今回の工夫を取り入れていただければと思います。

帰省後、いつもの睡眠リズムに戻す方法4選

お盆休みが明けると、多くの人が「休み疲れ」を感じます。これは休み中の生活リズムの乱れが原因であることが多く、次のような点を意識すると回復が早まります。

  • 休み明け初日から、起床時間を普段通りに戻す
  • 朝、太陽の光を浴びて体内時計をリセットする
  • 休み中に遅くなった就寝時間を、1日1回だけ無理に戻そうとせず、数日かけて徐々に調整する
  • 休み明け最初の夜は、いつもより少し早めに布団に入る

持ち運べる快眠グッズを取り入れよう

帰省や旅行が多い時期は、普段使っている寝具を持ち運べないぶん、コンパクトな快眠アイテムが役立ちます。トラベル用のネックピローや、肌触りの良い薄手のブランケットなど、「いつもの安心感」を再現できる小さなアイテムを一つ持っておくと、環境が変わる不安をやわらげてくれます。

まとめ

  • お盆の移動は思っている以上に体力を消耗する
  • 慣れない環境で眠りが浅くなるのは自然な反応
  • 仮眠は20〜30分程度を目安に
  • 休み明けは起床時間から普段のリズムに戻す

楽しい帰省を、疲れを溜め込まずに過ごすために。移動中や滞在先でのちょっとした工夫を、ぜひ取り入れてみてください。

※お盆の日程・混雑予測は執筆時点の予測情報です。公開前に最新の交通情報(NEXCO各社・JR各社)をご確認ください。