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監修者

南 茂幸
理学療法士の資格を持つ睡眠コンサルタント。睡眠について数名から100名以上の規模でセミナー講師として登壇、他にもコンサルティング、ラジオ出演、睡眠グッズ監修等幅広く活躍。「睡眠の質が人生の質」と捉え、睡眠は自分への投資であると考え、現在出版準備中。
朝起きてもスッキリしない、夜なかなか寝つけない、休日になると生活リズムが崩れてしまう―こうした悩みを抱えている方は少なくありません。そんな中で注目されているのが「朝日を浴びる」というシンプルな習慣です。
朝の光は、ただ気持ちがいいだけでなく、睡眠や体内時計、さらには日中の集中力や気分にも影響を与えることが知られています。本記事では、朝日を浴びる効果を厚生労働省など公的な知見に基づいて整理しながら、具体的な取り入れ方や注意点、夜の過ごし方との関係までわかりやすく解説します。
朝日を浴びるとよいと言われる理由
朝日を浴びる効果は、「体内時計」「覚醒」「睡眠」の3つが連動している点にあります。特に体内時計は1,000ルクス以上の照度の光を浴びることで調整されます。※1
朝の光は目から入り、脳の中枢にある体内時計に直接働きかけます。その結果、眠気や覚醒に関わるホルモンの分泌が調整され、生活リズム全体が整いやすくなります。
体内時計が朝の光でリセットされる仕組み
人の体内時計は約24時間より少し長い周期で動いているため、体内時計を整えないと少しずつ後ろにずれていきます。※2
そこで重要になるのが、起床後に浴びる朝の光です。
朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、「今日のスタート」が脳に刻まれます。逆に、起きてから暗い環境で長く過ごすと、このリセットが遅れ、生活リズム全体が後ろにずれやすくなります。また、就寝前にLED照明やブルーライトの光を浴びると体内時計が乱れてしまいます。
※2:一般社団法人 日本睡眠学会 睡眠環境(光環境・温熱環境)
メラトニンとセロトニンにどう関わるか
朝の光は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑え、覚醒を促します。同時に、日中の活動や気分に関わるセロトニンの働きも高まりやすくなります。この流れによって、「朝はスムーズに目が覚め、日中には集中力や気分が安定し、夜になると自然な眠気が訪れる」という一連のリズムが作られていきます。
朝日を浴びることで期待できる主なメリット
朝日を浴びることにはさまざまなメリットがあります。主なメリットについて解説します。
朝の目覚めが整いやすくなる
朝日を浴びると、脳の覚醒度が高まり、「起きるスイッチ」が入りやすくなります。朝のだるさやぼんやり感が軽減され、活動モードへの切り替えがスムーズになります。
夜の寝つきや睡眠リズムの安定につながる
朝の光はその日の夜の眠気にも影響します。朝日を浴びた朝に体内時計が整うことで、夜になると自然にメラトニンが分泌されやすくなり、寝つきが良くなります。
日中の集中や気分の安定を支えやすい
セロトニンの働きが整うことで、気分の落ち込みやイライラが起こりにくくなります。また、集中力が高まりパフォーマンス向上にもつながります。
朝日を浴びるときのポイント
朝日を浴びるタイミングを工夫し、習慣化することで、より効果を実感しやすくなるでしょう。ここでは、日々の生活で取り入れやすい朝日を浴びるときのポイントを紹介します。
朝日は起床後できるだけ早く取り入れる
起きたらまずカーテンを開ける、ベランダに出るなど、すぐに光を取り入れることが重要です。5〜20分ほど光を浴びるように意識しましょう。体内時計のリセットは早いほど効果的です。
曇りや冬でも朝の光を取り入れる工夫
曇りの日でも朝の光には意味があります。外に出られない場合でも、窓際で過ごすだけで光の刺激は得られます。晴れの日より光の強さが弱くなるため、15〜20分ほど浴びることが理想です。ですが、完璧を求めず、まずは毎日続けられるようにしましょう。
朝食や軽い活動とセットで習慣化する
朝食を摂るとる、軽く散歩する、ゴミ出しをするなど、既存の行動と組み合わせると習慣化しやすくなります。
特に朝食でトリプトファンというアミノ酸を摂るとよいとされています ことが重要です。トリプトファンはセロトニンを合成するための材料になります。
朝日を浴びても整わない人が見直したいこと
朝日を浴びている、浴びるように行動しているけどなかなか中々効果を感じられない方は他に原因があるかもしれません。次に紹介することに当てはまっていないか確認しましょう。
関連記事:【医師監修】メラトニンと睡眠の関係とは?体内時計を整えて寝つき・中途覚醒を改善する方法
休日の寝だめでリズムが後ろにずれている
平日と休日で起床時間が大きく違うと、体内時計が乱れやすくなります。特に2時間以上乖離すると、入眠困難、日中の眠気、疲労感、イライラ等生じるのだそうです。※3
休日に遅い時間まで寝るのではなく、できるだけ同じ時間に起きてリズムを整えましょう。
※3:平日と休日の起床時刻の乖離と眠気、心身健康、学業成績の低下との関連
夜の明るい照明やスマホで夜型化している
夜の強い光は体内時計を遅らせる原因になります。部屋の照明、パソコンやブルーライトは体内時計に影響します。また、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を減少させてしまいます。
就寝前は照明を落とし、スマホの使用も控えめにすることが大切です。
日中も暗い環境で過ごしている
朝だけでなく、日中の光も重要です。在宅勤務などで室内にいる時間が長い場合は、意識的に散歩の時間を作るなどして明るい場所で過ごしましょう。
よくある疑問にまとめて答える
ここでは、朝日の浴びる効果に関してよくある質問に回答します。
曇りや雨の日でも朝日を浴びる意味はある?
あります。曇りでも10,000ルクス以上の光を浴びることができます。晴天ほどではなくても、朝の光は十分に体内時計に影響しますから、できるだけ毎日続けましょう。
朝日は窓越しで浴びてもよい?
問題ありません。理想は屋外ですが、まずは室内でも光を取り入れることが大切です。カーテンを開けて、5分でもいいので光を浴びることから始めましょう。
朝日は何分くらいを目安に浴びればよいですか?
5〜20分程度が目安とされますが、短時間でも毎日続けることの方が重要です。
まとめ:朝日を浴びる習慣は睡眠と生活リズムを整える第一歩
朝日を浴びることは、体内時計を整え、目覚めと夜の眠りの質を高めるシンプルで効果的な習慣です。
- 起床後すぐに光を取り入れる
- 休日も起床時間を大きくずらさない
- 夜の光を控える
この3つを意識することで、生活リズムは整いやすくなります。まずは「朝カーテンを開ける」ことから始めてみてください。










