夏の夜は気温や湿度が高く、寝苦しさを感じる人も多いのではないでしょうか。またそれによって、深部体温が下がりにくいことで入眠に時間がかかったり、夜中に何度も目が覚めたりすることも増えます。
そこで本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、暑くて寝れない原因について詳しく解説するとともに、快適な睡眠を得るための対策法や生活習慣のポイントも紹介します。
夏場に限らず、体温調節をスムーズにする工夫は睡眠の質を高めるうえでも有効です。この記事を参考に、暑い夜でもぐっすりと眠れるように睡眠環境を整えてみてください。
暑いときに眠れないのはなぜ?
まずは、暑さが睡眠に与える影響や眠りにくくなる原因を知っておきましょう。
寝つきを良くするには、深部体温を下げる仕組みをしっかり機能させる必要があります。ところが、気温や湿度が高いと熱が体外に放散されにくく、体温調節が乱れて睡眠の質が低下しやすくなります。
体の循環機能や自律神経は、温度の変化に敏感です。室温や湿度、日々の生活リズムから受ける影響は意外に大きいため、特に夏場は寝苦しさだけではなく、翌日の疲労感や集中力低下にもつながります。
暑さ対策はエアコンや扇風機だけに頼るのではなく、朝と夜の行動習慣全体を見直すことも重要です。ここでは、暑いとどうして眠れなくなるのかを3つのポイントに分けて深掘りしていきます。
1. 体温調節がうまくいかない
人間の体は、深部体温をゆっくりと下げることで自然に眠気が来るようになっています。しかし、外気温が高い状態が続くと体内からの放熱がうまくいかず、深部体温が下がりにくいのです。
また、頭部や首まわりは熱がこもりやすいため、そのままでは寝つきが悪くなりやすい傾向があります。冷却シートやアイス枕などでピンポイントに冷やすとある程度改善する場合がありますが、根本的には室温の管理や汗をかいても蒸発しやすい環境づくりが重要です。
こうした体温調節の乱れは、自律神経にも負担をかけ、寝ても疲れが取れにくい状態を招きます。夏場は特に水分補給や室内の空気循環などを意識して、体温の上がりすぎを防ぎましょう。
2. 室内環境(室温・湿度)の影響
寝室が蒸し暑いと汗が蒸発しにくく、肌表面の温度が下がらないため、体温が下がりにくくなります。さらに、寝具の通気性や湿度コントロールが不十分だと余計に不快感が強まってしまいます。
エアコンや扇風機、除湿機を適切に連動させ、なるべく室温を27~28℃前後、湿度を40~60%ほどに保つと快適に眠りやすくなります。過度に冷やしすぎると体調を崩すこともあるため、温度と体感のバランスを取りましょう。
就寝前に部屋を一度冷やしておく方法は効果的です。寝始めに深く眠りにつくためにも、寝る直前までに適度に室内を涼しくしておき、余計な寝苦しさを軽減するとスムーズな睡眠につながります。
3. 夏特有の生活リズムの乱れ
夏の長い日照時間や休暇の解放感から、夜更かしや不規則な生活リズムが続きやすくなります。生活リズムが乱れると眠りにつくタイミングもずれ、暑さも影響してさらに寝つきが悪くなりがちです。
また、激しい運動をしたあとにすぐ寝ようとすると、体の熱がなかなか収まらず入眠までに時間がかかる要因にもなります。特に夕方以降の過度な運動やカフェイン摂取は睡眠に悪影響を及ぼします。
旅行やイベントでいつものスケジュールが前後しがちな夏こそ、朝起きる時間や夜寝る時間を一定に保つ工夫をすることが大切です。規則正しい生活リズムのうえに適度な運動や休養をバランスよく組み合わせると、体調管理がしやすくなります。
暑くて寝れないときの対処法
天候や地域環境の条件はすぐには変えられませんが、身近なアイテムやちょっとした工夫を行うだけでも、寝苦しさを緩和できることがあります。ここでは、知っておきたい暑さ対策を見ていきましょう。
まずは体を効果的に冷やす方法や寝具の選び方など、取り入れやすいものから試すと良いでしょう。睡眠の質が上がると、翌朝の目覚めもスッキリして日中の集中力や活動量が向上します。
また、気温変化の激しい夏こそ、体への負担を抑えることが大切です。無理なく続けられる対策を少しずつ取り入れ、理想の睡眠環境を整えていきましょう。
1. 頭や後頭部を効果的に冷やす
熱がこもりやすい頭や首まわりを冷やすと、寝つきが良くなることがあります。氷枕やソフトタイプの冷却パッドを使うと、寝返りのときも邪魔になりにくいでしょう。さらに、顔まわりの暑苦しさを軽減できるので、寝苦しさのストレスも減らせます。
ただし、冷やしすぎは血行を妨げる恐れもあるので、適度な温度を保ちながら快適なクール感を目指すと良いでしょう。あわせて枕カバーやシーツの素材を通気性の良いものに変えると、効果も倍増します。
2. エアコン・扇風機・除湿機の上手な活用
エアコンは、温度と湿度を同時に調整できる便利な家電です。暑いときは27~28℃前後、湿度は40~60%を目安に調整しましょう。除湿機を併用することで、じっとりした寝苦しさを減らす効果が期待できます。
扇風機は部屋全体の空気を循環させるのに役立ちます。直接風を当てると体が冷えすぎる可能性があるため、壁や天井に風を向けて、冷房効率を高めると快適に過ごせます。
寝る前にエアコンを一定時間つけて部屋を冷やしておくのも睡眠環境づくりに有効です。夜中は弱モードやタイマー設定を活用し、寝冷えを起こさないように注意しながら気温をコントロールしましょう。
3. ひんやり寝具や快適パジャマを選ぶコツ 
寝具は直接肌に触れるものなので、通気性や吸放湿性が高い素材を選ぶと寝苦しさが軽減されます。冷感機能のある敷きパッドやシーツなどを導入するだけで、ひんやりとした感触を得られます。
たとえばコアラマットレスには、ひんやりした肌触りが気持ちいい「コアラマットレス保護カバー(クール)」や、布団の中を涼しく保って夏の寝苦しさを和らげる「ウルトラライト掛け布団」といった、暑い夜を快適に過ごすための寝具も充実しています。
また、寝具は定期的に洗濯したり乾燥させたりして清潔に保ち、肌に触れるシーツやカバーもこまめに交換することが大切です。衛生面はもちろん、快適な寝心地にもつながります。
寝具と同じように、パジャマも綿やリネンなど汗を吸いやすい素材を選ぶと良いでしょう。快適な衣類を身に着けることで、余計な発汗を防ぎつつ寝返りによる不快感を最小限に抑えることができます。
4. 夏でも湯船につかるメリット
暑い日が続くと、シャワーだけで済ませる人が多くなりますが、あえてぬるめのお湯にしっかりと浸かるのがおすすめです。湯船で体を温めることで入浴後に体温がゆっくりと下がり、深部体温を自然に低下させることができます。
ぬるま湯でゆったりとした時間を過ごすと、自律神経がリラックスモードに切り替わり、副交感神経が優位になります。これによって入眠までの過程がスムーズになり、睡眠の質を高めやすくなります。
ただし、高温のお湯に長時間つかると逆に体温が下がりにくくなり、暑さを感じやすくなる可能性があります。38~40℃程度のぬるめのお湯で10〜15分程度の半身浴を習慣にすると、夏の睡眠をサポートしやすくなります。
暑い夜でもぐっすり眠るための生活習慣
夏こそ規則正しい生活リズムが重要です。適度に体温変化を生み出すために、朝と夜の習慣を見直すことが熱帯夜を乗り切るカギになります。
良質な睡眠には、深部体温の変化をスムーズにするホルモンの働きが欠かせません。朝日を浴びて体内時計を整え、昼間には適度な活動を行い、夜には交感神経の過剰な刺激を抑えると、自然と眠りが深くなります。
ここからは、夏でも快適な睡眠を得るための生活習慣について、大事なポイントを3つに分けて整理します。
1. 朝の太陽光で体内時計をリセット
朝起きたらできるだけ早く窓を開けて日光を浴びると、脳が覚醒して体内時計がリセットされます。これによって夕方から夜にかけて睡眠に必要なホルモンの分泌が促進され、スムーズに寝つきやすくなります。
特に夏は日が早く昇るので、朝の時間帯を有効活用しやすいのが利点です。深呼吸をしながら軽く体を動かしたり、ウォーキングなどを取り入れたりすると代謝も上がって、一日の活力が湧いてきます。
日中にしっかり活動すると夜には自然な眠気を感じられ、暑さで体温が下がりにくい状況でも眠りに入りやすくなります。無理のない範囲で続けて、生活リズムを整えましょう。
2. 夕方以降の昼寝やカフェイン・スマホ使用を控える
夜の睡眠に備えるためには、夕方以降の昼寝は控えめにしましょう。睡眠のパターンが乱れると深いノンレム睡眠のタイミングに影響を与え、暑さと相まって寝付きが悪化しがちです。
また、カフェイン飲料やスマートフォン・タブレットの光刺激は交感神経を興奮させ、睡眠を妨げる原因になります。就寝1〜2時間前はできるだけ静かな環境で過ごし、強い光を浴びないように注意しましょう。
夕食後にリラックスできる時間を確保すると、副交感神経を優位にさせ、体温が自然に下がっていく過程をサポートできます。眠れない時は無理に目を閉じずに、軽いストレッチやリラクゼーション法を取り入れてみるのもおすすめです。
3. 就寝前の水分補給と食事に注意
汗をかきやすい夏場は、水分補給が欠かせません。しかし、寝る直前に大量に水を飲むと睡眠中にトイレに行きたくなって、睡眠を妨げることがあります。適度なタイミングと量を心がけましょう。
食事も同様に、就寝直前の重い食事は消化にエネルギーを使い、体温が上がりやすくなるため注意が必要です。寝る2〜3時間前までに食事を済ませると、胃腸にも負担をかけにくくなります。
カフェインやアルコールも深部体温を下げるリズムを乱す場合があるので、特に暑い夜は控えめにするほうがベターです。適切な水分管理と食事コントロールが、夜の寝苦しさを軽減する大きなポイントになります。
まとめ|熱帯夜に負けない快適な睡眠を手に入れよう
暑い夜に眠れない理由は、深部体温を下げにくい環境や生活リズムの乱れなど、複数の要因が関係しています。しかし、ポイントを押さえた対策を生活習慣に取り入れることで、暑い夜でもぐっすり眠れるようになります。
まずは頭や後頭部を冷やす、エアコンや除湿機などで室温と湿度を整える、寝具やパジャマを変えてみるといった具体的な対策から始めてみましょう。また、朝の太陽光で体内時計をリセットすることや、夜のカフェインやスマートフォンの利用を控えることも大切です。
こうした対策で生活リズムや睡眠環境が整うと、熱帯夜でも安心して眠りにつくことができます。暑さに負けず、睡眠の質を保って元気に夏を乗り切りましょう。
お客様の声
2週間前
期待以上!
とても満足しています。私は九州出身なのですが、最近は春が短いこともあり、5月には早くも出番を迎えます。なるべく冷房は使いたくないのですが、毛布のような生地だと近年の熱帯夜には耐えられないので、この掛け布団は重宝しています。
2ヶ月前
5 Stars
軽くて通気性も良い。
9ヶ月前
軽すぎずちょうど良い重量感。
製品名通り布団は軽く、大半の人がちょうど良いと思える軽さなのではないかと思います。
軽すぎるのが苦手な人も問題なく利用できる重量感で、布団に包まれるのが好きな方にもピッタリだと思います。
冷房をつけながら寝ても寒くなく、エアコンを使わない時期も快適に使えそうな布団だと思います。