睡眠コラム by 南 茂幸2025年9月29日読了目安時間: 6

細切れ睡眠の主な5つの原因と7つの改善方法

南 茂幸
理学療法士/睡眠コンサルタント

理学療法士の資格を持つ睡眠コンサルタント。睡眠について数名から100名以上の規模でセミナー講師として登壇、他にもコンサルティング、ラジオ出演、睡眠グッズ監修等幅広く活躍。「睡眠の質が人生の質」と捉え、睡眠は自分への投資であると考え、現在出版準備中。

「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝起きても疲れが取れない」「まとまった睡眠が取れずに日中眠い」。このような細切れ睡眠に悩まされていませんか?

子育て中のママは授乳で何度も起きなければならず、シフトワーカーは不規則な生活リズムで睡眠が分断されがちです。実際、一般社団法人日本リカバリー協会の調査によると、日本人の約24.7%、つまり約4人に1人が中途覚醒を経験しており、細切れ睡眠に悩んでいるというデータがあります。※1

また「睡眠で休養がとれている」と答えた人は73.1%にとどまり、約4人に1人が睡眠の質に満足できていません。※2

そこで本記事では、細切れ睡眠(中途覚醒)の原因を科学的に解説し、改善のための具体的な方法を紹介します。さらに、睡眠の質を高めるために重要な「体圧分散」という考え方にも触れ、快眠のための実践的なヒントをまとめました。日中の疲労回復や集中力向上につながり、ひいては生活の質を大きく高める第一歩となる睡眠改善に向けて、是非参考にしてください。

細切れ睡眠(中途覚醒)とは?日本人の4人に1人が悩む睡眠障害

細切れ睡眠とは、夜中に何度も目が覚めてしまい、連続した睡眠がとれない状態を指します。医学的には「中途覚醒」と呼ばれ、不眠症の一形態とされています。中途覚醒は単なる「夜中に起きること」ではなく、再び眠りにつけない、熟眠感が得られないといった深刻な影響を伴うことが少なくありません。その結果、日中の眠気や疲労感が強くなり、仕事や家事、子育てに支障をきたしやすくなります。

近年、日本人の生活リズムの乱れやストレス増加に伴い、中途覚醒を体験する人が増えていると言われています。実際4人に1人は中途覚醒を経験しており、睡眠の質低下につながる問題として知られつつあるのです

細切れ睡眠の定義と症状

厚生労働省によれば、中途覚醒は「夜中に途中で何度も起きる」が典型例とされています。また、以下のような症状が見られることが多いです。※3

  • 夜中に2回以上起きてしまう
  • 目が覚めた後、なかなか眠れない
  • 朝早く目が覚めてしまい二度寝できない(早朝覚醒)
  • 朝起きても疲れが取れず、熟眠感がない

こうした状態が続く場合、単なる一時的な寝不足ではなく、慢性的な睡眠障害の可能性があると考えられます。

日本人の細切れ睡眠の実態:最新データで見る深刻な状況

日本人の24.7%が中途覚醒を経験していることは前述しましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。

中途覚醒が有る人の割合は疲れている人(高頻度)で39.7%、元気な人で8.1%と4.9倍も多くなっています。一方で、中途覚醒が無い人の割合は疲れている人(高頻度)で60.3%、元気な人で91.9%となっており、睡眠の質が疲労度合いと密接な関係があり、大きな影響を与えていることがわかります。※1

また、睡眠の質が良い人と悪い人を比較すると、経済的損失額は年間76万円にのぼるという試算もあります。睡眠不足が健康だけでなく、社会的なコストにも直結していることを示しています。※4

 

関連記事:【医師監修】眠くなる方法10選と眠くなりやすい体をつくる4つの習慣

なぜ夜中に目が覚める?細切れ睡眠の5つの主な原因

夜中に目が覚めてしまう中途覚醒の背景には、複数の要因が絡み合っています。細切れ睡眠につながる5つの原因を取り上げ、それぞれのメカニズムを解説します。

1. ストレスと自律神経の乱れ

現代人に最も多いのがストレスによる中途覚醒です。強いストレスを受けると交感神経が優位になり、体が覚醒モードに切り替わってしまいます。本来、夜は副交感神経が優位になってリラックスすべき時間ですが、仕事や人間関係の悩みを抱えたまま眠ると、浅い眠りになり夜中にふと目が覚めやすくなります。

2. 加齢によるメラトニン分泌の減少

「メラトニン」という睡眠ホルモンは、加齢とともに分泌量が減少し、眠りが浅くなって夜中や早朝に目が覚めやすくなります。高齢者に中途覚醒や早朝覚醒が多く見られるのはメラトニンの減少が要因のひとつです。

3. 不適切な睡眠環境(温度・湿度・光・音)

寝室環境も睡眠に大きな影響を与えます。快適な睡眠のために推奨される室温は、季節にもよりますが平均18〜25℃、湿度は40〜60%とされており、この範囲を外れると不快感が増して睡眠の質が低下しやすいです。照明の光や外の騒音も睡眠を妨げる原因となりやすく、特に都市部のマンションでは、車の音や隣室の生活音によって眠りが分断されるケースも多く報告されています。

4. カフェイン・アルコールなどの嗜好品

カフェインは摂取から3〜7時間作用が続くため、夕方以降のコーヒーやお茶は夜の睡眠を妨げます。「寝酒」として飲むアルコールも要注意です。入眠を助ける一方で、量が多いとかえって睡眠を浅くし、中途覚醒が起こりやすくなってしまいます。

5. 寝具の不適合による体圧集中

自分に合わないマットレスや枕は、体の一部に圧力を集中させ、血流を妨げます。その結果体が不快感を覚え、夜中に目が覚める原因になります。特に腰痛や肩こりを持つ人は、寝具の見直しもいいかもしれません。

関連記事:【医師監修 】寝ても寝ても眠い女性必見!原因と改善策を徹底解説 

今夜から実践!細切れ睡眠を改善する7つの方法

細切れ睡眠になる原因を理解していただけたでしょうか。改善の第一歩は具体的な行動に移すことです。今夜から実践できる睡眠の質向上に有効な7つの方法を紹介します。

1. 就寝・起床時間を一定にする

体内時計を安定させるためには、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることが重要です。特に起床時間を固定することが効果的で、週末の「寝だめ」は体内リズムを乱し、かえって中途覚醒を招きやすいです。毎日起床時間を揃えることで睡眠リズムが安定します。

2. 寝室環境を整える(温度・湿度・光・音)

エアコンで室温を一定に保ち、加湿器で乾燥を防ぎましょう。遮光カーテンを使えば外の光を遮断できますが、1級だと真っ暗になり交感神経が優位になるよう刺激を与える朝の光を浴びるのが難しくなるため、2級から3級の遮光カーテンを選びましょう。また、窓ガラスを複層タイプにするなどの防音対策も有効です。もっと手軽に試したいなら、耳栓やアイマスクを使用するのもよいでしょう。

3. 就寝前のリラックスタイムを設ける

入浴を就寝の約90分前に完了させると、深部体温の低下によって自然に眠気が訪れるようになります。ストレッチや瞑想、読書などで心身を落ち着かせ、副交感神経を優位にすることが大切です。

4. カフェイン・アルコールの摂取を控える

カフェインは15時以降は控え、1日の摂取量が400mg(ドリップコーヒーでカップ4杯分約700cc相当)を超えないようにしましょう。アルコールを飲む時は就寝3時間前までに留め、代わりにノンカフェインのお茶やハーブティーを取り入れるのが理想的です。

5. 適度な運動習慣を身につける

日中に軽い有酸素運動を取り入れることで、夜の睡眠が深くなりやすくなります。ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経を刺激するため、寝る3時間前までに済ませましょう。

6. ストレス管理を行う

ストレスは睡眠の大敵です。日記を書く、信頼できる人に相談する、マインドフルネスを実践するなど、自分に合ったストレス軽減法を見つけ習慣化すると効果的です。

7. 体圧分散に優れた寝具を選ぶ

マットレスや枕は睡眠の質に直結します。体圧を分散し、寝返りをしやすい寝具を選ぶことで、中途覚醒を防ぐ効果が期待できます。

 

細切れ睡眠改善のカギは「体圧分散」にあった?!

近年注目されているのが、寝具における「体圧分散」の重要性です。人は寝ている間に何度も寝返りを打ちますが、これは体にかかる圧力を分散させ、血流を保つための自然な反応です。体圧が集中すると血流が悪化し、不快感から覚醒につながるため、寝返りを打てる寝具を選ぶことが重要です。

なぜ体圧集中が中途覚醒を引き起こすのか、血流や神経への影響を含めて詳しく解説します。また、理想的なマットレスの選び方についても紹介します。

体圧集中が引き起こす中途覚醒のメカニズム

硬すぎるマットレスでは肩や腰に圧力が集中し、場合によっては痛みを生じます。逆に柔らかすぎるマットレスでは体が沈み込みすぎて腰痛の原因や寝返りが困難になりやすいです。

自分に合った硬さのマットレスを選ばないと、血行不良や圧迫感が生じ、夜中に何度も目が覚めてしまうのです。

                    

※ふたば接骨院HPより画像を参照

理想的な体圧分散を実現するマットレスの条件

マットレスは、適度な硬さで体のカーブに沿ってサポートする機能があるのに加えて、通気性にも優れていることが理想的です。通気性に優れていると熱が篭らないため、寝心地がよくスムーズな入眠をアシストしてくれます。また、寝返りがしやすい構造であることも重要です。

コアラマットレスのクラウドセル™が実現する快適な眠り

コアラマットレスの「クラウドセル™」技術は、低反発と高反発のバランスを実現し、体圧分散に優れた構造を持っています。さらにゾーニング技術によって肩・腰など部位ごとに最適なサポートを提供するだけでなく、振動吸収性も高いためパートナーの寝返りによる影響も軽減されます。

優れた通気性も持っているため寝苦しさがなく、中途覚醒の防止が期待できます。120日間トライアル制度を活用して、納得がいくまで自宅でじっくり体験してみるとよいでしょう。

 

まとめ

細切れ睡眠(中途覚醒)は、単に夜中に目が覚めることではなく、睡眠の質を低下させ、日中の疲労感や健康リスクを高める深刻な問題です。原因はストレス、加齢、環境要因、嗜好品、寝具の不適合など多岐にわたります。

正しく原因を理解したうえで、規則正しい生活リズムの維持や快適な寝室環境の整備、ストレス管理、そして体圧分散に優れた寝具の選択といった対策をすることで中途覚醒を改善しましょう。今日から少しずつできることから取り入れてみてください。

夜中に目が覚めない深い眠りと、朝のすっきりとした目覚めを手に入れられますように。

参考

※1 一般社団法人日本リカバリー協会 日本の疲労状況2025

※2 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要

※3 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023

※4 ブレインスリープ 睡眠偏差値BIZ 調査結果2024