睡眠コラム by 本多 洋介2025年8月31日読了目安時間: 8

【医師監修】ココアのカフェイン量は?コーヒー・紅茶との比較【眠れない人向け】

コーヒーが喝を入れる飲み物だとしたら、ココアって真逆で、ほっとする飲み物ですよね。とろりとしていて、一日の終わりに飲むと疲れを取り去って甘やかしてくれるような気さえします。子どもたちも大好きなココアですが、最近「飲みたいけど、ココアってカフェイン入ってるんだよね?」という声も耳にします。カフェインは覚醒作用があることで知られているだけに、寝る前に飲んでいいのかどうかが気になるものです。

この記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、ココアのカフェイン量と睡眠への影響、安全な摂取目安を専門データに基づいてわかりやすく解説します。また、寝る前に飲む際の注意点や、テオブロミンによるリラックス・美肌効果など、睡眠の質を高めるヒントも紹介。心地よくココアを楽しむための情報をお届けします。

ココアに含まれるカフェイン量とは?他の飲み物との比較

冒頭で述べたとおり、ココアにはカフェインがわずかながら含まれています。カフェインが気になる人にとっては、身体には影響がない量と言われても含まれていること自体に不安を感じますね。そもそも他の飲み物と比べて、ココアに含まれているカフェインの量が多いのか少ないのかもわからないのが本当のところではないでしょうか。

そこで、文部科学省「日本食品標準成分表」のデータをもとに、ココアに含まれるカフェイン量について、コーヒー・緑茶・紅茶などよく飲まれる他の飲み物と比較してみます。ココアがカフェインを控えたい方にとってどれほど安心できる選択肢なのかを、表形式でわかりやすく解説します。

「ピュアココアとミルクココアの違いって何?」という疑問も素朴な疑問も解消できますよ。

ピュアココアとミルクココアのカフェイン量の違い

ココアとひと口に言っても、「ピュアココア」と「ミルクココア」は違う種類の製品です。

ピュアココアとは、カカオ豆から脂肪分を除いた「ココアパウダー」のみで構成された純粋なココアです。砂糖や乳成分などは一切含まれていません。 そのままでは非常に苦味が強く粉っぽさもあるため、少量の砂糖と水またはミルクで練ってから温めた牛乳を加えるなど、調理して飲用に仕立てる必要があります。また、製菓材料としても広く使われています。

ミルクココアは、ピュアココアに砂糖・粉乳・香料などを加えて飲みやすく加工された製品で、甘く手軽に楽しめるのが特長です。お湯やミルクに溶かすだけで飲めるため、調理の手間はほとんどありません。

このように、2種類のココアは成分に大きな違いがあり、カフェインの含有量の差も歴然としています。文部科学省「日本食品標準成分表」によると、ピュアココアには100gあたり約200mgのカフェインが含まれている一方で、ココアパウダーの使用量が少ないミルクココアに含まれるカフェインは「微量」とされているのです。

では、実際に1杯分(約5gのココアパウダーを使用)でどれほどのカフェインを摂取することになるのでしょうか。実はピュアココア1杯あたりのカフェインは約10mgと、コーヒーの1/6以下です。そしてミルクココアに含まれるカフェインの量はさらに微量です。1)

文部科学省の日本食品標準成分表をもとに、100gあたりと1杯分(約5g使用)でのカフェイン量を比較してみました。2)

 

種類 カフェイン量(100gあたり) 1杯分(約5g使用) 備考 具体的な製品例
ピュアココア 約200mg 約10mg 純粋なココアパウダー。調理が必要 バンホーテン ピュアココア、森永 純ココア
ミルクココア 微量(数mg未満) 約1mg未満 砂糖・粉乳などを含む加工品。そのまま飲める 森永 ミルクココア、トップバリュ ミルクココア

ピュアココアは、濃厚な風味でカカオ含有量も高い分カフェインも多く含まれています。ただし、1杯分で換算すると約10mg程度と、コーヒーや紅茶に比べてかなり控えめです。

ミルクココアはココアパウダーの含有量が少ないため、カフェインはほとんど気にする必要がないレベルといえます。カフェイン摂取を控えたい方にとっては、ミルクココアの方がより安心して楽しめる選択肢と言えるでしょう。

コーヒー・お茶と比較したココアのカフェイン量

次に、食品安全委員会「カフェインに関するファクトシート」を元によく飲まれている飲み物とココアのカフェイン量を比較してみましょう。

 

【コーヒー・お茶・ココアのカフェイン濃度比較(100mlあたり)】

飲料名 カフェイン濃度(100mlあたり) 抽出条件
コーヒー 60mg/100ml コーヒー粉10gを150mlの熱湯で抽出
紅茶 30mg/100ml 茶葉5gを360mlの熱湯で1.5〜4分抽出
緑茶 20mg/100ml 茶葉10gを90℃の湯430mlで1分抽出
ウーロン茶 20mg/100ml 茶葉15gを90℃の湯650mlで0.5分抽出
ミルクココア 1㎎未満/100ml 製品により異なるが、一般的に低濃度で安定している

 

この表からもわかるように、ココアは主要な飲料の中でもカフェイン濃度が非常に低く、コーヒーの約1/6〜1/12、緑茶や紅茶よりもさらに控えめです。そのため、カフェインの摂取を控えたい方にとって、ココアは安心して選べる飲料といえます。

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本多洋介 医師
本多洋介 医師
ココアはカフェインがごく少なく、就寝前でも安心して飲める穏やかな飲み物です。特にミルクココアはリラックス作用のあるテオブロミンを含み、血流を促して心を落ち着ける効果があります。飲むなら就寝2〜3時間前、ぬるめで甘さ控えめがおすすめです。冷え性の方や眠りが浅い方にも向いており、体をやさしく温めながら自然な眠気を誘います。1日の終わりに、ココアで心と体をゆるめる時間をつくってみてはいかがでしょうか。

 

ココアが睡眠に与える影響:テオブロミンの効果とは

日々の睡眠の質は実にさまざまな要因に影響されます。それだけに、覚醒作用がないものや神経系を刺激しないものを夜間は飲むことが大切です。ココアは先ほども述べたようにカフェイン量が比較的少ないのですが、さらに独自の成分「テオブロミン」を含むため、睡眠前の飲料として注目されています。

日本チョコレート・ココア協会によると、ココア特有の成分であるテオブロミンは自律神経をバランスを整え、リラックスを促すとされています。4)

「ココアを飲むとほっとする」と多くの人が思うのも、テオブロミンの作用かもしれません。文部科学省の食品成分データベースによれば、ココアには100gあたり約1.7gのテオブロミンが含まれており、一般的なココア飲料1杯(約20g使用)の場合約340mgに相当します。この量は、神経系への過度な刺激を避けつつ、適度なリラックス効果を期待できる範囲とされています。

ココアが睡眠を妨げるどころか、むしろ良質な睡眠をサポートする飲料として注目される理由は、こうした成分構成と作用だからなのです。ココアに含まれるカフェインとテオブロミンについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

カフェインの睡眠への影響と適切な摂取時間

カフェインは中枢神経を刺激し、覚醒作用をもたらすことで知られています。朝や仕事の休憩時間にコーヒーを飲むと爽快な気分になるのはそのためで、適量なら集中力や気分の改善に役立ちます。一方で、摂取タイミングによっては睡眠の質に影響を及ぼす場合があります。「ココアはカフェインが含まれているから、寝る前に飲むのはホントはよくないんじゃない?」と思われる理由もこのためでしょう。

でも、安心してください。ココアに含まれるカフェイン量は非常に少なく、コーヒー1杯(約100mg)と比較してもごく微量です。就寝前に飲んでも睡眠への影響は最小限と考えられます。

どうしても気になる場合は、睡眠専門機関である国立精神・神経医療研究センター病院(NCNP病院)のアドバイスに従いましょう。5)

カフェインの半減期は約2〜8時間とされており、個人差や体質によって体内に留まる時間が大きく異なります。特に妊娠中の方や子どもでは代謝が遅く、影響が長引く傾向があるため、就寝の6時間前までにはカフェインの摂取を控えることが推奨されています。例えば、夜23時に就寝する場合は、夕方17時以降のカフェイン摂取を避けるのが望ましいということですから、飲む時間帯に配慮すれば問題ありません。

テオブロミンがもたらすリラックス効果

ココアに含まれるテオブロミンは、カフェインと同じメチルキサンチン類に分類される成分ですが、その作用はより穏やかで、睡眠を妨げにくいです。テオブロミンには次のような特長があります。

  • 血管拡張作用:末梢血管を拡張し、血流を促進することで体温の維持に寄与します。冷え性の改善や手足の温まりを感じやすくなるとされています。
  • リラックス効果:中枢神経への刺激はカフェインよりも弱く、むしろ副交感神経を優位にすることで、心身の緊張を和らげる効果が期待されます。特に就寝前の摂取では、穏やかな気分の誘導に役立ちます。
  • 利尿作用と代謝促進:軽度の利尿作用を持ち、体内の水分代謝を促すことで、むくみの軽減にもつながります。

つまり、テオブロミンはカフェインが持つような強い覚醒効果がなく、睡眠の質を損なうリスクが低いのです。実際、テオブロミンはカフェインよりも中枢神経への影響が緩やかで、持続時間も短いため、夜間の摂取でも安心感があります

ピュアココアを一般的な1杯の量で飲んだ場合、テオブロミンを約85mg程度摂取することになりますが、カフェインの覚醒閾値を大きく下回る量です。就寝前の温かいココアは、むしろリラックスを促す飲み物といえるでしょう。

睡眠と食事・飲み物の関係について網羅的に知りたい方はこちら→「睡眠と食事・飲み物の関係|寝る前に避けるべきもの・積極的に摂りたいもの

年齢・状況別ココアの安全な摂取目安

ココアは香りや味わいの豊かさから、幅広い世代に親しまれている飲み物です。しかし、妊娠中・授乳中の方や子どもは、カフェインに対する感受性が高く、摂取量の目安を知っておくことが安心につながります。

そこで、厚生労働省が公表している年齢別のカフェイン摂取上限値、および食品安全委員会がまとめた国際機関の推奨摂取量をもとに、ココア1杯(ピュアココア約5g使用、カフェイン約10mg)を基準として、各層における「安心して楽しめる量」を具体的に換算してみました。妊婦・授乳中の方、子ども(年齢別)、そして健康な成人それぞれにとっての安全な摂取目安を提示していますので、日常的にココアを取り入れる際の参考にしてみてください。1)・6)

妊婦・授乳中の方の摂取目安

厚生労働省の資料によれば、妊娠中・授乳期の女性に推奨される1日のカフェイン摂取上限は300mgです。これをピュアココア1杯で換算すると、理論上は1日20〜30杯ものココアを摂取してもよいということになりますが、1日1〜2杯程度にとどめるのが現実的です。

また、いくつかの注意点があります。

まず、ココア以外の食品や飲料にもカフェインが含まれている可能性があるため、1日のカフェイン摂取量総計が知らない間に上限を超えることがあります。コーヒーは避けるとしても、紅茶や緑茶、チョコレートなどにもカフェインが含まれている点に注意しましょう。また、カフェインの代謝速度には個人差があります。特に胎児はカフェインを分解できないため、お母さんが過剰摂取してしまうと低出生体重や発育への影響が懸念されます。ココアは少量でも十分に風味を楽しめるので、嗜好品として適度に楽しみ、習慣的な過剰摂取を防ぎましょう。

子どもの年齢別摂取目安

子どもはカフェインに対する感受性が高く、飲みすぎによって不眠や興奮、胃腸症状などの影響が出ることがあります。厚生労働省が紹介するカナダ保健省の基準では、年齢別に以下のような1日あたりのカフェイン摂取上限が設定されています。6)

ピュアココア1杯(約5g使用)には約10mgのカフェインが含まれているため、各年齢層における「安心して楽しめる杯数」を以下の表にまとめました。

 

[年齢別カフェイン摂取上限とココア換算(1杯=約10mg)]

年齢 1日あたりのカフェイン摂取上限 ココア換算(1杯=約10mg)
4〜6歳 45mg/日 約4〜5杯まで
7〜9歳 62.5mg/日 約6杯まで
10〜12歳 85mg/日 約8杯まで

上限まで飲んでも心配はありませんが、カフェインの摂取量を抑えたいなら1〜3杯程度に抑えるのが安心です。特に夕方以降の摂取は睡眠に影響する可能性があるため、時間帯にも配慮しましょう。

 

寝る前のココアで睡眠の質を高める方法

心を落ち着ける香りとやさしい甘さがあるココアは、就寝前のリラックスタイムにぴったりの飲み物です。特にミルクココアは、温かい牛乳の効果とテオブロミンの穏やかな作用が合わさり、心身をゆるめる手助けになります。ただし、含まれるカフェインの影響を最小限に抑えるためには、飲むタイミングと量に注意が必要です。

国立精神・神経医療研究センターによると、カフェインは摂取後30分〜2時間で血中濃度が最大となり、効果が半減するまでに2〜8時間かかるのだそうです。5)

どのようなタイミング・濃さ・温度で飲めばよいのか、実際に使えるコツとともに、ココアがもたらす睡眠への効果について、改めておさらいしてみましょう。

睡眠を妨げない飲み方のコツ

睡眠専門クリニックの推奨によれば、ココアは就寝2〜3時間前に、ぬるめ(約40〜50℃)で、甘さ・濃さ控えめに飲むのが理想的です。7)

ピュアココアは1杯約10mgのカフェインを含むため、量にも注意が必要です。どうしても寝る直前に飲みたい場合は、カフェインレスココアを選ぶと睡眠への影響を避けられます。また、「ココアを飲まないと眠れる気がしない……」など、習慣化して気持ちの上で依存してしまうのを避ける意味でも、週数回の習慣として取り入れるのが安心です。

ココアがもたらす睡眠への良い効果

就寝前に温かいココアを飲むことで、心身の準備が整い、自然な入眠を促す効果が得られるのはなぜなのでしょうか。

温かいココアを飲むことは、夜に体温が一時的に上昇した後緩やかに下がる過程で眠気が訪れるという生理的メカニズムと同じ効果があります。そして、ココアに含まれるテオブロミンには血管拡張作用があるため、末梢の血流を促進して冷えを和らげ、心身をリラックスさせる効果も得られます。

また、ココアにはポリフェノールやマグネシウムなどの栄養素が含まれており、抗酸化作用や筋肉の緊張緩和、代謝の安定化に寄与します。これらは、睡眠中の肌の修復や再生を助ける美肌効果にもつながるとされており、特に女性にとっては嬉しいメリットです。

スコットランドの5つ星ホテル「グレンイーグルス・ホテル」や、ダイアナ妃も利用していたロンドンの「ホテル・カフェ・ロイヤル」など、リラクゼーションや快眠を重視する一流ホテルでは、ナイトキャップ(寝酒)の代わりにココアを提供することもあるのだそうです。アルコールではなく、ココアのリラックス効果や体温調整、美容・腸内環境への好影響が、宿泊客の睡眠の質の向上に寄与すると考えられているのでしょう。

 

良質な睡眠のためにココアを上手に活用しよう

ココアは、カフェインの少なさとテオブロミンの穏やかな作用により、睡眠前のリラックス飲料として理想的です。ここまで触れてきた内容を、改めてまとめます。

 

  • ココアのカフェイン量は少ない:ピュアココア1杯(約5g)に含まれるカフェイン量は約10mgで、コーヒーの1/6以下。ミルクココアはさらに微量。 
  • テオブロミンによるリラックス効果:血管拡張や副交感神経の活性化により、心身を穏やかに整える。
  • 睡眠前の摂取にも適している:カフェイン量が少なく、テオブロミンの作用で入眠を妨げにくい。
  • 温かいココアは体温調整に有効:一時的な体温上昇が深部体温の低下を促し、自然な眠気を誘導。
  • 美肌・代謝サポートにも寄与:ポリフェノールやマグネシウムが睡眠中の肌の修復や代謝を助ける。
  • 摂取タイミングが重要:就寝2〜3時間前、ぬるめ(40〜50℃)で甘さ控えめが理想的。
  • 年齢・体質に応じた摂取量の配慮が必要:特に妊娠中・授乳中・子どもはカフェイン感受性が高いため注意。
  • ヨーロッパのホテルでも快眠目的で提供される事例あり:ナイトキャップ代わりにココアを出す文化が存在。

 

さらに、寝具環境を整えることで、ココアのリラックス効果は一層高まります。コアラマットレスのクラウドセル™なら、体圧分散と通気性に優れ、寝返りのしやすさと快適な温度調整を実現できます。

ココアのリラックス効果とクラウドセル™の寝心地が組み合わさることで、心身ともに深く休まる理想的な睡眠環境が整います。ココアとコアラ、この組み合わせでぐっすり眠って、身体の疲れがまったく残っていないリフレッシュされた朝を迎えられますように。

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参考

1)食品安全協会 食品中のカフェイン

https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf

2)文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/attach/1299203.htm

3)食品安全委員会 カフェインに関するファクトシート

https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf

4)日本チョコレート・ココア協会

http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/q12/

5)国立精神・神経医療研究センター病院(NCNP病院) カフェインと睡眠

https://www.ncnp.go.jp/hospital/guide/sleep-column14.html

6)厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

7)睡眠プライマリケアクリニック カフェインに対する向き合い方~15時以降のカフェイン摂取を避けよう~

https://sleep1.jp/_caffeine/

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