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監修者
松本 恭
「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。
こたつ布団を使い続けているうちに、「そろそろ洗わなければ」と思いながら、どこから手をつければいいか分からずに先延ばしにしてしまった経験はないでしょうか。コアラマットレスのスタッフとして多くのお客様からご相談をいただく中で、「洗濯機に入れようとしたら入らなかった」「乾ききらずに臭いが出てしまった」という声を頻繁に耳にしますが、実は正しい手順さえ知っていれば、こたつ布団の洗濯はそれほど難しいものではありません。
こたつ布団の洗濯で失敗しないためには、洗濯表示を正しく読み取り、自分の環境(洗濯機・浴槽・コインランドリー)に合った方法を選ぶことが大切です。
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、洗濯表示の確認から、下準備、洗い方の手順、乾燥のコツ、そしてシーズン終わりの正しいしまい方まで、迷わず実行できる形でまとめています。
洗えるかは洗濯表示で判断する
こたつ布団を洗濯する前に、最初にやるべき作業が「洗濯表示(洗濯マーク)」の確認です。洗濯表示の読み間違いは、生地の縮みや中綿の偏りといった失敗を招く最大の要因です。消費者庁が定める公式の定義に基づき、家庭で洗えるのか、それともクリーニング店に任せるべきなのかを正確に見極めましょう。※1
洗濯表示には、水の温度や洗濯処理の強さ、手洗いの必要性、そして乾燥機の使用可否まで、布団を安全に扱うための情報が凝縮されています。まずは布団のタグを探し、記号を確認するところから始めましょう。
洗濯表示の見方で家庭洗濯と手洗いを切り分ける
洗濯表示を確認する際は、特に「桶(おけ)」のマークに注目してください。桶の中に数字が書いてある場合は、その温度を上限として家庭の洗濯機で洗うことが可能です。桶の中に「手」の形が描かれている場合は、洗濯機ではなく手洗いでの洗濯を指定しています。桶のマークに大きな「×」がついている場合は、家庭での洗濯はできません。専門のクリーニング店に相談しましょう。
また、四角の中に丸が描かれた「タンブル乾燥」のマークも確認が必要です。ここに×がついている布団は、コインランドリーの乾燥機にかけると生地が縮んだり素材が変質したりする恐れがあるため、自然乾燥を選んでください。記号の見方に慣れていない方は、消費者庁が公開している公式の早見表を活用すると、正確な判断ができます。
タグがないときに確認すべきこと
長年愛用しているこたつ布団や、タグが擦れて読み取れなくなっている場合は、無理に洗うことは避けましょう。まず購入時の取扱説明書を探すか、メーカーの公式サイトで素材と洗濯方法を確認してください。一般的に、ポリエステル100%の素材は洗いやすいことが多いですが、正確な情報がわからないまま洗濯機に入れると、中綿が寄って元に戻らなくなるリスクがあります。
判断がつかない場合に「とりあえずコインランドリーの乾燥機だけ使えばいい」という判断も危険です。熱によって素材が溶けたり変質したりする恐れがあるため、確証がないときは表面の拭き掃除や天日干しなどのお手入れに留めるか、クリーニング店に相談してみてください。
洗濯前の準備で失敗を防ぐ
前準備を丁寧に行うかどうかが、洗い上がりの品質と乾燥スピードを大きく左右します。厚みのあるこたつ布団は汚れが奥に入り込みやすいため、洗濯機に入れる前のひと手間が清潔さを保つ鍵となります。
準備を怠ると、汚れが落ちきらない、脱水中に洗濯機が止まるといった原因になりかねません。以下の手順を確認してから作業に取りかかりましょう。
ほこりと食べこぼしを落としてシミを前処理する
こたつ布団は家族が集まる場所で使うため、目に見えないほこりや食べかすがたまっています。水に濡らす前にベランダなどで軽く叩いたり、掃除機をかけたりして、表面のゴミを落としておきましょう。乾いた状態で落とせる汚れを先に除去しておくと、洗濯液が汚れを分解しやすくなります。
飲み物をこぼした跡などのシミがある場合は、中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)を薄めた液を布に含ませ、トントンと叩くようにして前処理を行ってください。前処理を行っておくと洗浄効果が高まり、仕上がりにも差が出ます。
たたみ方と洗濯ネットで型崩れを防ぐ
大きなこたつ布団をそのまま洗濯槽に入れると、水を含んだ重みで洗濯機が偏りを検知し、脱水エラーを起こすことがよくあります。布団を縦に3つ折りか4つ折りにしてから、端からくるくると屏風たたみにするのがコツです。
たたんだ布団は、必ず「布団用」の大型洗濯ネットに入れてください。ネットに入れることで、洗濯中の摩擦による生地の傷みや、中綿の偏りを防止できます。ネットのサイズが小さすぎると汚れが落ちにくいため、布団のボリュームに合った大きさを選びましょう。
洗う日と段取りを決めて乾燥不足を防ぐ
こたつ布団の洗濯で最も怖いのが「生乾き臭」や「カビ」です。これらを防ぐためには、必ず湿度が低くしっかり晴れる日を選ぶことが重要です。乾燥には丸一日かかることもあるため、午後から洗い始めるのは避け、早朝から作業を開始する段取りを立てましょう。
干す場所の確保も重要です。風通しの良い場所をあらかじめ確保しておき、万が一天候が崩れた場合のバックアップとして、近隣のコインランドリーの場所を事前に調べておきましょう。
自宅の洗濯機で洗う手順
しかし、こたつ布団は非常に水を吸いやすいため、洗濯機のパワーや容量を正しく把握しておかなければいけません。無理な詰め込みは洗浄力を落とすだけでなく、洗濯機の故障を招くリスクもあり、注意が必要です。
縦型洗濯機を中心に、安全に洗い上げるための手順を解説します。
洗濯機の容量の目安は洗濯槽の余裕で考える
洗濯機のスペックに「10kg」などの表記があっても、こたつ布団のようにかさばるものは注意が必要です。乾いた状態の布団を入れたときに、洗濯槽の6〜7割程度に収まっているかを目安にしてください。上から強く押し込まなければ入らないような状態であれば、その洗濯機での洗濯はおすすめできません。
無理に詰め込むと水が全体に行き渡らず汚れが落ちないばかりか、洗濯槽がうまく回らずモーターに過大な負荷がかかります。ご自宅の洗濯機の取扱説明書を確認し、毛布や布団の洗濯が何kgまで対応しているかを事前にチェックしましょう。
洗剤とコースと脱水の設定を決める
使用する洗剤は、生地を傷めにくい「中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)」が最適です。一般的な粉末洗剤や弱アルカリ性の液体洗剤は洗浄力が強い反面、布団の風合いを損ねることがあります。洗剤の量はボトルの表示に従って正しく計量してください。多すぎるとすすぎ残しの原因になり、新たな臭いや肌トラブルの元になります。
洗濯コースは「ふとんコース」や「毛布コース」を選択してください。たっぷりの水で優しく洗い、脱水も生地を傷めないよう調整されているコースです。脱水時間が長すぎるとシワや型崩れの原因になるため、個別に設定できる場合は短時間ずつ様子を見ながら脱水しましょう。
浴槽で踏み洗いして手洗いする
洗濯機の容量が足りない場合や、洗濯表示が手洗い指定になっている場合に有効なのが、浴槽を使った「踏み洗い」です。自分の足で優しく圧力をかけ、中綿の奥まで染み込んだ汚れを効率よく押し出せます。少し体力は使いますが、丁寧にお手入れしたいときに非常に効果的な方法です。
作業を始める前には、浴槽をきれいに掃除しておきましょう。
踏み洗いの手順をそのまま実行できる形にする
まず浴槽に、布団が浸かる程度のぬるま湯(30℃前後)を溜め、中性洗剤を溶かして洗剤液を作ります。そこにたたんだ状態のこたつ布団を浸し、全体に水が馴染んだら、手すりなどに掴まって体を支えながら、足の裏を使って中心から端まで均一に踏んでいきます。
「位置をずらしながら踏む」という動作を20〜30分ほど繰り返すことで、繊維の隙間から汚れが浮き出てきます。汚れがひどい場合は、途中で布団を裏返したりたたみ直したりして、全体に洗剤液が行き渡るようにしてください。
すすぎと水切りと干し方で生乾きを防ぐ
洗い終わったら、浴槽の栓を抜いて汚れた水を出し切ります。その後、再び綺麗な水を溜めて踏み洗いの要領ですすぎを行ってください。水の濁りがなくなるまで2〜3回は繰り返すのが目安です。洗剤が残っていると、乾燥した後にシミや臭いの原因になるため、丁寧に行いましょう。
すすぎが終わったら、浴槽のフチに布団をかけて、布団自体の重さを利用して水を切ります。こたつ布団は大量の水を吸っており、そのまま持ち上げるとかなりの重量です。腰を痛めるだけでなく、生地が重みで破れる可能性もあるため、1時間ほど放置して水が滴らなくなってから、外に運び出してください。
コインランドリーで洗うときの容量と料金の考え方
業務用の強力な洗濯機と乾燥機は、家庭用とは比較にならないほどのパワーがあります。ただし、機械の選び方を間違えると十分な効果が得られないばかりか、余計な費用がかかってしまうこともあります。
コインランドリーを賢く利用するために、容量と料金の考え方を把握しておきましょう。
機械の容量は詰め込み過ぎないサイズを選ぶ
コインランドリーの機械には「15kg」「22kg」といった容量が表示されています。ただし、「洗濯容量」と「乾燥容量」は別物だという点に注意しましょう。洗濯の際は15kg機で対応できても、乾燥の際は熱風を効率よく当てるために、一回り大きな機械を選んでください。ドラムの中に余裕がある状態で回すと、布団がしっかり広がり汚れが落ちやすくなると同時に、乾燥ムラも防げます。
料金の目安は、洗濯から乾燥まで一括で行うと1,500〜2,500円程度かかるのが一般的です。仕上がりの清潔さと時短効果を考えれば、コストパフォーマンスの高い選択です。
乾燥機を使える表示か確認して乾燥不足を回避する
コインランドリーの乾燥機は非常に高温になるため、事前に洗濯表示の「タンブル乾燥」が許可されているかを必ず確認しましょう。乾燥機NGの布団を無理に入れると、表面が溶けたり中綿が固まったりして布団を台無しにしてしまいます。
乾燥機を使える場合は、10〜20分おきに一度取り出して布団の向きを変えたりほぐしたりするのがコツです。中心部は特に乾きにくく、外側が乾いているように見えても中の湿気が残りやすいので、念入りにチェックしましょう。カビ防止のために、完全に乾いたことを確認してから持ち帰ってください。
関連記事:【上級睡眠健康指導士監修】マットレスの洗い方について解説!洗えない場合の汚れの落とし方についても
乾かし方と衛生対策で臭いとカビを防ぐ
せっかく綺麗に洗っても、乾燥が不十分だと雑菌が繁殖して嫌な臭いが発生します。こたつ布団のケアにおける本当の勝負は「干し」の工程にあります。また、乾燥後に適切な衛生対策を施すことで、ダニによるアレルギーのリスクを大幅に減らすことができます。
公的な情報を踏まえた、科学的な乾燥と衛生ケアの手順を以下で紹介します。
日陰干しを基本にして乾燥不足を起こさない
直射日光は生地の色褪せを招くことがあるため、できるだけ避けましょう。基本的には、風通しの良い場所での「日陰干し」を推奨します。干す際は、物干し竿を2本使い、その間に布団を渡す「M字干し」にすると、空気の通り道ができて乾燥スピードが飛躍的に上がります。
先ほども述べたように、表面が乾いているように感じても、中綿が湿っているケースは非常に多いです。特にキルティングの縫い目や端の部分は乾きにくいため、時折裏返しながら完全に水分が抜けるまで時間をかけてください。触って冷たさを感じなくなるまで干すのが、失敗を防ぐポイントです。
布団乾燥機は中心温度の条件を意識する
天日干しだけでは死滅しにくいダニの対策として、布団乾燥機は非常に有効な手段です。自治体の調査資料によると、ダニ対策には「布団の中央部が50℃以上」という条件を一定時間保つことが必要とされています。※2
布団乾燥機を使用する際は、表面だけを温めるのではなく、掛布団などを上から被せて熱を逃がさないように工夫してください。乾燥機だけで全ての汚れが落ちるわけではありませんが、洗濯後の仕上げとして使用することで、より清潔で安心な睡眠環境を整えられます。
乾燥後は掃除機でアレルゲンを減らす
洗濯と乾燥が終わったら、最後に必ず掃除機をかけましょう。東京都のアレルギー情報サイトでも指摘されている通り、ダニのフンや死骸といったアレルゲンは、干しただけでは布団から離れません。※2
これらを物理的に除去することが、アレルギー対策には不可欠です。
布団専用のノズルを使用し、1平方メートルあたり20秒ほど時間をかけてゆっくりと丁寧に掃除機を走らせてください。洗った直後なのにくしゃみが出るといった不快な症状を大幅に抑えられます。
洗濯頻度としまい方で清潔を保つ
こたつ布団をいつ洗うべきか迷う方も多いでしょう。理想的なのは「シーズン中に1回」と「収納前に1回」の計2回です。こたつは家族が長時間過ごし、食事をすることもある場所なので、見た目以上に汗や皮脂、食べこぼしによる汚れが蓄積しています。
来シーズンも気持ちよく使い始めるための保管のコツも合わせて紹介します。
シーズン中と収納前の洗いどきを決める
特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、汚れが目立つ前に定期的に洗うことをおすすめします。汚れを放置すると時間の経過とともに酸化して落ちにくくなり、黄ばみの原因になります。
また、春になってこたつを片付ける際は必ず「しまい洗い」を行ってください。目に見えない汚れが残ったまま保管すると、収納場所でカビやダニが増える恐れがあります。完全に乾燥させてからしまうことが、布団を長持ちさせる最大の秘訣です。
収納時は湿気を避けてカビを防ぐ
保管場所は、クローゼットや押し入れの上段など、できるだけ湿気が溜まりにくい場所を選びましょう。ビニール袋での密封は湿気がこもりやすくカビの原因になるため、通気性の良い「不織布」の収納ケースを使用するのが理想的です。
あわせて除湿剤や防虫剤を配置し、定期的に収納場所の換気を行っておきましょう。次の冬も、ふっくらとした清潔な状態で使い始められますよ。
関連記事:ベッドシーツは週1回洗うのが鉄則?シーツを清潔に保つ頻度と時短ケア完全攻略
まとめ:こたつ布団は表示確認と容量判断と乾燥が成功の鍵
こたつ布団の洗濯を成功させるための鍵は、「洗濯表示の正確な確認」「洗濯機・コインランドリーの容量選び」「乾燥の徹底」という3つのステップを丁寧に踏むことにあります。
まず洗濯表示で洗えるかどうかを判断し、洗える場合は洗濯ネットや屏風たたみで下準備をしっかり行ってください。自宅の洗濯機を使う場合は槽の6〜7割以内に収まるかを確認し、入らない場合は浴槽での踏み洗いやコインランドリーを選びましょう。コインランドリーでは、洗濯容量と乾燥容量の違いを把握し、余裕のあるサイズの機械を選ぶことが大切です。
洗い終えた後は風通しの良い場所でしっかり乾燥させ、布団乾燥機や掃除機を活用してダニのアレルゲンを減らすまでがワンセットの手順です。シーズン中に1回、収納前に1回の洗濯と、湿気を避けた正しい保管方法を習慣にして、毎年清潔に気持ちよく使い続けましょう。
・参考
※1 家庭用品の取扱い表示(洗濯表示)について | 消費者庁
※2 室内環境のダニ・アレルゲン対策 | 東京都保健医療局










