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監修者

松岡 雄治
地方国立大学医学部卒業後、横浜市内で初期臨床研修を経て、関東の基幹病院で勤務中。
資格:医師国家試験合格、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級
寝具を買い替えるとき、マットレスと敷布団のどちらが自分に向いているのか、迷う方もいるのではないでしょうか。マットレスと敷布団は、体を支える素材や構造に加え、使い方や収納のしやすさが異なります。
選ぶ際は、横になったときの寝心地だけでなく、毎日の片づけやお手入れを無理なく続けられるかも大切です。部屋の広さや生活スタイルに照らし合わせると、自分に合う寝具を選びやすくなります。
この記事では、マットレスと敷布団の主な違いと、暮らしに合わせた選び方を解説します。引っ越しや買い替えを機に、自分に合う寝具を選びたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
マットレスと敷布団の主な違い
マットレスと敷布団は、どちらも眠っているあいだの体を支える寝具です。素材や構造だけでなく、収納のしやすさやお手入れの方法にも違いがあります。ここでは、寝具を選ぶときに知っておきたい違いを、4つの観点から紹介します。
1. 構造と素材
マットレスには、スプリングやウレタンなどを使ったものがあります。スプリング式はばねに詰め物を重ねて体を支え、ウレタン式はウレタンフォームのクッション性を利用する構造です。
一方、敷布団は中わたを生地で包んだものが基本です。中わたには綿や羊毛、ポリエステルなどが使われ、素材や詰め物の量によって、感触や扱い方が異なります。
| 寝具 | 代表的な中身 | 確認したい点 |
| マットレス | スプリング・ウレタン | 構造や硬さ、沈み込み方 |
| 敷布団 | 綿・羊毛・ポリエステル | 中わたの素材と量、クッション性 |
素材名や厚さだけでは、自分に合う寝心地かどうかは判断しにくいものです。品質表示で中身を確認したうえで、できれば実際に横になって比べましょう。
2. 使い方と収納
ベッド用のマットレスは、フレームに載せて寝床を常設する使い方が一般的です。敷布団は床や畳に敷き、使ったあとにたたんで収納できるため、日中は部屋を広く使えます。
ただし、マットレスにも折りたためる製品があります。収納したい場合は、折りたたみの可否や、たたんだときの寸法を確認しましょう。一体式のスプリングマットレスなど、折りたたみを想定していない製品を無理に曲げると内部のスプリングが破損してしまうため注意してください。
敷布団も、収納場所に収まるかに加えて、自分で持ち運べる重さかを確認しておくと安心です。毎日片づけるなら、押し入れまでの移動や出し入れを無理なく続けられるかも考えて選びましょう。
3. 寝心地と体への負担
寝心地は、マットレスか敷布団かという違いだけで決まるものではありません。体に合う硬さと沈み込み方で、楽な寝姿勢を保てるかが大切です。
やわらかすぎる寝具では腰や胸が深く沈み、硬すぎる寝具では骨の出た部分に圧迫感が生じることがあります。横になったときに、腰が沈みすぎないか、肩やお尻に痛みを感じないかを確かめましょう。
店頭で試す際は、あおむけだけでなく、普段よく眠る姿勢になってみてください。左右へ自然に寝返りを打てるか、床の硬さが気にならないかも確認すると、使い心地を想像しやすくなります。
腰や肩の痛みが続く場合は、寝具だけが原因と考えず、医師にも相談しましょう。
腰痛にはマットレスと敷布団、どちらが良いかというのは多くの方のお悩みです。大切なのは、腰が深く沈み込みすぎない「体圧分散性」です。薄い敷布団で底付き感があると痛みが悪化しやすいため、腰痛にお悩みならしっかりと厚みのあるマットレスがおすすめです。実際にマットレスを選定する際には、横になってみて寝返りの打ちやすさを確認するとよいでしょう。
4. お手入れと寿命
マットレスも敷布団も、湿気を逃がすお手入れが欠かせません。マットレスは取扱説明書に沿って風を通し、敷布団は素材に合う方法で干したり、対応する布団乾燥機を使ったりして乾燥させましょう。
カバーやシーツはこまめに洗濯し、本体のほこりも取り除きます。日干しや乾燥機の使用が適さない製品もあるため、お手入れ前に表示を確認してください。
買い替えの時期は、素材や使用状況によって異なります。日本ふとん協会では、敷布団の一般的な買い替え目安を、綿・羊毛は約3年、ポリエステルは約5年としています。綿の敷布団は、中わたをほぐす「打ち直し」で再び使える場合もあります。
年数はあくまで目安です。マットレスも含めて、へこみや詰め物の偏り、寝心地の変化が気になるときは、販売店やメーカーに相談し、買い替えを検討しましょう。
どっちが向いている?タイプ別の選び方
寝具を選ぶときは、寝心地に加えて、部屋の使い方や毎日の片づけやすさも考えましょう。ベッドを常設したい人と、日中は床を空けたい人では、使いやすい寝具が異なります。
敷布団が向く人
日中は部屋を広く使いたい人や、来客時だけ寝床を用意したい人には、収納できる敷布団が向いています。寝室と居間を兼ねる部屋でも、朝に片づければ、床のスペースを別の用途に使えます。
毎日使う場合は、たたみやすさと持ち運びやすさを確認しましょう。収納場所に収まるか、自分で干せる重さかに加えて、干す場所まで無理なく運べるかも大切です。
外干しが難しい場合は、室内での干し方や布団乾燥機への対応を確認しておくと、お手入れの見通しが立ちます。
来客用など長く収納する敷布団は、十分に乾燥させてから湿気の少ない場所へしまいましょう。久しぶりに使うときも、湿りや汚れがないかを確認し、寝床を整えてください。
マットレスが向く人
ベッドを置くスペースがあり、毎日の布団の上げ下ろしを減らしたい人には、ベッド用マットレスが向いています。寝床を常設できるため、帰宅が遅い日や疲れている日も、布団を広げる手間を省けます。
購入前には、ベッドを置けるかだけでなく、次の点も確認しておきましょう。
- ベッドを置いても、通路や収納扉を使えるか
- シーツ交換や掃除に必要なスペースがあるか
- 寝具に風を通すなどのお手入れを続けられるか
- 玄関や廊下、階段を通って寝室まで搬入できるか
大型のマットレスは、移動や持ち上げに負担がかかることもあります。寸法と重さを確認し、設置後のお手入れまで考えて選んでください。
マットレス・敷布団を使うときの注意点
寝具を重ねたり床に直接置いたりすると、寝心地や湿気のたまり方が変わります。自己判断で使い方を変える前に、製品が対応しているかを確認しましょう。
1. マットレスの上に敷布団を重ねない
単体で使うことを前提にしたマットレスには、自己判断で敷布団を重ねるのは本来の寝心地や体圧分散の効果を損なってしまうため、基本的にはおすすめしません。ただし、すべての組み合わせが使えないわけではなく、重ね使いの可否は製品によって異なります。
敷布団を足すと、寝面の硬さや体の沈み込み方が変わります。やわらかくなりすぎれば、腰などが深く沈んで、楽な寝姿勢を保ちにくくなる場合もあるでしょう。寝心地が気になるときは、厚さを足す前に、今のマットレスにへたりがないかを確認してください。
重ねて使う場合は、下側の寝具の湿気にも注意が必要です。対応する組み合わせでも敷いたままにせず、それぞれの取扱方法に沿って乾燥させましょう。
汚れを防ぎたい場合は、マットレスに対応するカバーや敷きパッドを使う方法があります。何を重ねてよいかわからないときは、製品名と使い方をメーカーや販売店へ伝えて確認してください。
2. フローリング直置きは湿気がこもりやすい
マットレスや敷布団をフローリングに直接置くと、床との間に湿気がたまりやすくなります。敷きっぱなしにせず、寝具の裏側と床面を乾燥させることが大切です。日本ふとん協会も、床や畳で使う布団は基本的に毎日上げ下ろしするよう案内しています。
マットレスの場合は、そもそも直置きに対応しているかを購入前に確認しましょう。対応する製品でも、取扱説明書に沿って立てかけるなど、湿気を逃がすお手入れが必要です。
お手入れの際は、床の湿りや寝具の裏側の変色も確認してください。床を拭いたあとは十分に乾かしてから寝具を戻し、湿気を残さないようにしましょう。
フローリングに寝具を直置きにしておくと、体温で温まった寝具と冷たい床との間に結露が生じ、あっという間にカビやダニが繁殖してアレルギーの原因になります。直置きする場合は必ず下にすのこや除湿シートを敷き、朝起きたら壁に立てかけて、底面に風を通す(陰干しする)習慣を大事にしてください。
敷布団とマットレスを選ぶときのポイント
敷布団とマットレスを比べるときは、楽に横になれることと、日々のお手入れを続けられることを基準にしましょう。素材名や手触りだけでなく、普段の寝姿勢で使い心地を確かめることが大切です。
購入前には、次の4点を確認してみてください。
- 寝心地:肩や腰に圧迫感がなく、体が沈みすぎないか
- 寝返り:無理なく左右へ向きを変えられるか
- 湿気対策:風を通したり、乾燥させたりしやすいか
- 扱いやすさ:重さや収納方法、お手入れの方法が生活に合うか
硬さの表示は、製品を比べる手がかりになります。ただし、同じような表示でも寝心地は異なるため、数字や区分だけで決めないようにしましょう。
試せる場合は、枕も合わせて使うと、首や肩の収まりまで確かめられます。あおむけと横向きの両方で、無理のない姿勢を保てるかを確認してください。
使い始めてからは、夜中に体の痛みや蒸れが気にならないか、朝に休めたと感じるかも振り返りましょう。寝具とあわせて室温や光、音も調整すると、落ち着いて眠れる環境を整えやすくなります。
敷布団とマットレスに関するよくある質問
マットレスと敷布団の併用や、赤ちゃん用の寝具選びについて、よくある疑問に答えます。
Q1. 敷布団とマットレスは併用はできる?
同じ寝床に重ねて使えるかは、製品によって異なります。取扱説明書で、組み合わせる寝具や重ねる順番を確認してください。
重ねることで寝面の硬さや沈み込み方が変わるため、厚くすれば寝心地がよくなるとは限りません。対応する組み合わせでも、体が沈みすぎないかを確かめ、寝具を分けて乾燥させるなどのお手入れを続けましょう。
説明書だけでは判断できない場合は、メーカーや販売店へ相談してください。自分用はベッド、来客用は敷布団というように、用途を分けて両方を使う方法もあります。
Q2. 赤ちゃんにはどっちがいい?
赤ちゃんには、マットレスか敷布団かという名称よりも、体が沈み込まない硬めで平らな乳児用の寝具を選ぶことが大切です。やわらかい寝具に顔が埋まると、口や鼻がふさがれ、窒息するおそれがあります。
大人が心地よいと感じるやわらかさを、そのまま赤ちゃん用の基準にしないようにしましょう。クッションなどを足して寝床をやわらかくせず、赤ちゃんの周囲には枕やぬいぐるみ、タオルなどを置かないでください。
寝かせるときは、医学上の理由で医師から別の指示がある場合を除き、あおむけが基本です。赤ちゃん用の寝床を用意し、寝具の硬さと周囲の環境の両方を確認しましょう。
まとめ:自分の暮らしに合う寝具で睡眠の質を上げよう
マットレスと敷布団は、素材や構造に加えて、使い方や収納のしやすさが異なります。ベッドを常設したいならマットレス、日中は部屋を広く使いたいなら敷布団を候補にすると、自分の暮らしに合うものを探しやすくなるでしょう。
購入前には、次のポイントを確認してみてください。
- 体が沈みすぎず、楽な寝姿勢を保てるか
- 無理なく寝返りを打てるか
- 収納や移動、お手入れを続けられるか
- 重ね使いや直置きなど、予定している使い方に対応しているか
どちらを選ぶ場合も、寝心地と毎日の扱いやすさを合わせて考えることが大切です。実際に横になって確かめ、使い始めてからも湿気を逃がすお手入れを続けましょう。自分の体と生活に合う寝具を選び、心地よく休める環境を整えてください。











