目次
監修者

本多 洋介
群馬大学医学部卒業。
伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院(いずれも循環器内科)を経て、Myクリニック本多内科医院院長。
- 免許・資格
総合内科専門医、循環器内科専門医、日本心血管インターベンション学会専門医、軽カテーテル的大動脈弁植え込み術指導医(Sapienシリーズ、Evolutシリーズ)
冬の夜、「暖房をずっとつけっぱなしにして寝てもいいのだろうか」「電気代が高くなってしまわないだろうか」「寝室が乾燥して喉が痛くなる」「朝起きたら部屋が寒くて布団から出るのがつらい」といった悩みを抱えていませんか。
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、寝る時の暖房について、World Health Organization(WHO)が推奨基準や電気代を抑えながら暖房をうまく使う具体的な試算、そして健康や睡眠の質に与える影響を解説します。
寝る時の暖房使用を判断する3つの基準

冬の夜に暖房をつけたまま眠るべきかどうかは室温や体調、住んでいる環境によって判断が変わります。
まずは、暖房を使うかどうかを判断するための3つの基準を順番に説明します。
1. 室温18度未満は健康リスク!WHOが推奨する最低室温
冬の寝室環境を考えるうえで、まず注目すべき指標がWHOの「室温18度以上」という強い勧告です。※1
18度を下回る環境では血圧が上昇しやすくなり、体が冷えることによる睡眠の質低下で免疫機能が低下すると報告されています。夜間でも寝室の温度が18度を下回らない環境づくりが重要です。
2. 年齢・体調によって変わる適正室温
室温18度以上という基準はあくまでも目安であり、すべての年齢層に適しているわけではありません。
例えば赤ちゃんは体温調節機能が未熟で、少し寒いだけでも負担が大きくなるため、20〜22度前後の安定した室温が必要とされています。高齢者も加齢によって寒さを感じにくくなり、体温低下によって高まる心血管系のリスクに気づきにくくなるため、就寝時でも20度以上を維持することが望まれます。喘息や心疾患がある人も低温環境が症状を悪化させやすいため、一定の暖かさを保つ方が安全です。
このように、年齢や体調も考慮した室温管理が重要です。
3. 住環境によって変わる暖房の必要性
暖房を使うべきかどうかは、住宅の断熱性能や住んでいる地域によっても大きく左右されます。
断熱性の低い戸建て住宅では、夜間に室温が下がりやすく、暖房なしで眠るのは難しい環境であることが少なくありません。マンションは構造的に上階や隣室からの熱の影響で比較的暖差を維持しやすい傾向がありますが、それでも築年数や構造によっては室内が寒い場合があります。
また、北海道や東北のような寒冷地方は、地域の気象の特性差を踏まえた暖房設定が必要です。
目安として寝室は18〜20度、湿度は50〜60%を意識し、エアコンはタイマーや加湿器、あたたかい寝具と組み合わせて「ほどよい暖かさ」を保ちましょう。
20〜50代は仕事や家事でつい自分の眠りを後回しにしがちですが、快適な冬の睡眠環境づくりは将来の健康への投資です。
寒さや乾燥でつらい夜が続くときは、一人で我慢せず睡眠の専門医にも相談してみてください。
暖房の電気代を月4,800円に抑える5つの方法

暖房を使う必要性を理解したうえで、多くの人が気にするのが冬場の電気代です。特にエアコン暖房は使用時間が長くなるほど負担が大きくなりやすいため、無理のない範囲でコストを抑えたいという声がよく聞かれます。
電気代を抑えながら快適さを損なわずに眠るには、設定温度やタイマーの使い方だけでなく、湿度管理や空気循環、日常のメンテナンスを丁寧に行うことが大切です。
ここでは、月の暖房費を4,800円程度に抑えるための5つの具体策を、試算データをもとに詳しく紹介していきます。
1. 設定温度は20度で年間1,650円節約
エアコン暖房の電気代を抑えるうえで、もっとも効果が大きいのが設定温度の調整です。冬の室温を20度程度に保つことを推奨しており、21度から20度に下げるだけで暖房期の5.5ヶ月間で約1,650円の節約が期待できるとの試算がされています。※2
設定温度を1度下げると電気代が約10%削減されるという報告もあり、気温変化が大きい夜間こそ、小さな温度調整が年間の出費に大きく影響すると言えるでしょう。寝具やパジャマで十分に快適さを補えるため、20度設定は無理のない節約手段として取り入れやすい方法です。
2. タイマー設定で無駄な運転を防ぐ
効率良く暖房を使いたい場合は、タイマーの活用が有効です。就寝後は体温が自然に下がるため、暖房をつけ続けなくても眠りには影響しにくい傾向があります。
例えば、寝てから2〜3時間後にオフタイマーを設定し、起床の約1時間前にオンタイマーをセットすると、寒さを感じるタイミングだけ暖房を動かせます。特に朝の室温が低いと布団から出るのがつらくなるため、起床前の自動運転は快適性と節電を両立させる有効な手段のひとつです。
必要な時間帯に必要なだけ稼働させることで、つけっぱなしの場合と比べて電気代を確実に減らせるでしょう。
3. 加湿器併用で体感温度アップ
室温が同じでも、湿度が適切に保たれていると体感温度は上がって暖かく感じやすいです。
湿度が30%台まで下がると空気が乾燥し、体から熱が奪われて寒さを強く感じますが、湿度を50〜60%に保つと体感温度が上がるため、設定温度を下げても快適さを失いにくいのです。
加湿器を利用したり、濡れタオルを干したり、植物を置いたりするだけでも湿度改善につながります。湿度管理は睡眠中の喉の乾燥予防にも役立つため、暖房効率と健康面の両方においてメリットは大きいでしょう。
4. サーキュレーターで暖房効率30%向上
エアコンから出る暖かい空気は天井付近に溜まりやすいため、部屋の上部と足元の温度差が大きくなりがちです。サーキュレーターを併用して空気をゆっくり循環させると、部屋全体で温度が均一に保たれ、低い設定温度でも十分に暖かさを感じられます。
メーカーの試算では、空気循環によって暖房効率が最大30%ほど向上するとされており、電気代を抑える効果が大きい方法です。※3
風を直接体に当てず、天井に向けて回すように使うとより効果的で、冬でも負担を感じずに使えます。
5. フィルター掃除で電気代25%削減
エアコンはフィルターにほこりが溜まるだけで風量が落ち、暖めるまでの時間が長引いて無駄な電力を消費します。
フィルターがきれいな状態であれば空気の循環がスムーズになって暖房効率を上げることができます。
月に1〜2回の簡単な掃除で効果が大きく変わるため、冬の電気代を抑えたい人にとって最もコストパフォーマンスの高い節約方法と言えます。暖房を使い始める前にはフィルターを掃除しておいて、効率よく部屋を暖めましょう。
つけっぱなし vs タイマー|睡眠の質を高める暖房の使い方

エアコンをずっとつけっぱなしにして安心感を優先するのか、それともタイマーで制御して電気代と健康面のバランスを取るのかは、睡眠のステージによって最適な方法が異なります。
入眠から深い眠り、そして明け方の覚醒に至るまで、人の体は室温の影響を受け続けているため、それぞれの時間帯に合った運転方法を理解しておくと睡眠の質の向上に役立ちます。
ここでは研究データを踏まえながら、つけっぱなしとタイマー運転の違いを整理し、よりよい眠りをつくるための暖房の活用法を紹介します。
就寝前30分の予備暖房が入眠をスムーズに
眠りに入る直前は体温が自然に下がる過程が必要ですが、部屋が冷え切っていると末梢血管が収縮してしまい、体温調節に負担がかかって入眠が遅れやすくなると言われています。
そこで、就寝の30分ほど前から寝室を軽く暖めておく予備暖房が効果的です。部屋だけでなく布団もほんのり温まるため、体温低下のプロセスがスムーズに進み、自然に眠りへ移行しやすくなります。
暖房のつけっぱなしに不安を感じる人でも、この短時間の予備暖房なら安心して取り入れられるのではないでしょうか。
睡眠中の室温変化と中途覚醒の関係
眠っている間の体は外部環境の影響を敏感に受けやすく、特に深夜から明け方にかけて室温が大きく下がると中途覚醒が増えることが研究で示されています。
睡眠の途中で目が覚めてしまったり、浅い眠りが続いたりするのは、布団の中と室内の温度差が大きくなることが関係しているためです。
つけっぱなし運転は一定の室温を維持しやすく睡眠の質を保てますが、電気代がかかりやすいという弱点があります。一方で完全にオフにしてしまうと急激な冷え込みで睡眠を妨げる可能性が高くなるため、タイマーを活用しながら適温を保つ方法で体への負担を減らしましょう。
起床時の温度差による健康リスクと対策
朝の起床時に暖かい布団から冷えた部屋へ移動すると、体が急激な温度変化を受けて血圧が大きく上昇しやすいです。この現象が続くと自律神経への負担が増え、ヒートショックと呼ばれる重大な健康リスクにつながりかねません。起床の1時間ほど前から暖房を自動で稼働させ、部屋を緩やかに温めておくとリスク回避になります。
暖房をつけっぱなしにする方法でも温度差を減らせますが、電気代を抑えたい場合はオンタイマーを利用しましょう。朝の温度差を最小限にすることが、快適な目覚めと健康維持の両方をカバーします。
暖房による乾燥対策|喉の痛みを防ぐ3つの工夫

冬の夜に暖房を使うと、どうしても空気が乾燥しやすくなり、喉が痛くなったり風邪をひきやすくなったりします。乾燥は睡眠の質を下げるだけでなく、朝の不快感にもつながるため、暖房の使い方と合わせて湿度管理を考えることが大切です。
ここでは、寝室の乾燥を防ぎながら快適に眠るための3つの具体的な対策を紹介しますので、実践しやすい方法を検討してみてください。
1. 湿度50〜60%を保つ加湿方法
冬の室内では湿度が40%を下回り乾燥しがちですが、この状態が続くとウイルスの活性が高まり、喉の粘膜がダメージを受けやすくなります。
理想的な湿度とされる50〜60%の範囲に保つと、暖房による乾燥を抑えつつ体感温度が上がるため、部屋の暖かさを感じやすいです。※4
加湿器を使う方法がもっとも効率的ですが、蒸気式や超音波式など種類によって特徴が異なるため、部屋の広さや安全性を考慮して選びましょう。
加湿器を使わない場合でも、濡れタオルを室内に干したり、観葉植物を寝室に置いたりして自然に湿度が上がるよう工夫すると、手軽に乾燥対策できます。
2. マスク着用で呼吸器の保護
寝ている間に喉が乾燥しやすい人は、就寝時にマスクをつけて呼吸器まわりの湿度を保つのがおすすめです。喉や鼻の粘膜を保湿する効果があり、朝起きたときのヒリつきや痛みを軽減します。
特に口呼吸になりやすい人や、暖房を弱められない家族構成の場合に役立つ方法です。息苦しさが気になる場合は、睡眠を妨げにくい薄手で蒸れにくい素材を選びましょう。
3. 水分補給のタイミングと量
暖房によって空気が乾燥すると、寝ている間に気づかないうちに体の水分が失われ、軽い脱水状態になりやすくなります。
脱水は眠りの質を下げるだけでなく、朝の喉の痛みやだるさを引き起こす原因にもなるため、就寝前と起床時の水分補給を習慣にすると起床時のだるさが軽減できます。寝る前にコップ1杯の水を飲んで夜間の乾燥から喉を守りましょう。朝は起床後に1杯水を飲むと、睡眠中に失われた水分を補えます。
温かい白湯をゆっくり飲むと、内臓が目覚める感覚が得られ、寒い冬の朝でも快適に動き出しやすいでしょう。
冬の快眠は室温18度以上と適切な暖房管理から

室温管理・電気代対策・乾燥予防という3つの視点から、冬の睡眠環境づくりについて説明してきました。眠りを快適に保つためには、まず寝室の室温を18度以上に維持し、年齢や体調に応じて20度前後に調整するのが望ましいです。
暖房を効率よく使うためには、タイマー運転や加湿、サーキュレーターの併用、フィルター清掃などの工夫を組み合わせて電気代を抑えましょう。また、乾燥対策として湿度管理やマスクの着用、就寝前後の水分補給を意識すると、喉の痛みや風邪のリスクを減らしながら安定した眠りにつながります。
暖房の工夫だけでは補いきれない部分もあるため、寝具の保温性が睡眠の質に大きく関わります。より快適な冬の睡眠環境を整えたい方は、当社が展開するマットレスの詳細もご覧いただき、体をしっかり支える寝具選びの参考にしてみてください。
<おうちでしっかり納得するまで120日間お試し!>https://jp.koala.com/pages/120-night-trial?utm_source=blog
温度と湿度のバランスを整えながら、質の高い睡眠を手に入れて心地よい冬を過ごしていただければ幸いです。
・参考
※1 WHO Housing and health guidelines(2018)|World Health Organization
※2 【省エネ豆知識】エアコン暖房の設定温度を1度下げるとどのくらい節電できるの?|東京電力パワーグリッド
※3 冬はエアコン暖房とサーキュレーターの併用がおすすめ!暖房効果を高める置き場所や使い方をご紹介 | Panasonic
※4 部屋の湿度は何%が適正? | うるおいライフ










