マットレス選びって、実はけっこう難しいですよね。
「いろいろ種類があるけど、結局どれを選べばいいの?」「自分に合うマットレスを見つけたい!」。こんな悩みがある人も多いのでは?
ここでは、8種類のマットレスについて、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そしてどのような人におすすめなのかを解説します。自分に合うマットレスの選び方についても説明しているので、ぜひ使いやすいマットレスを見つけるために役立ててください。
マットレス8種類の特徴とメリット・デメリットについて解説!
目次
マットレスは細かく分けると全部で8種類あり、それぞれ「寝心地・通気性・耐久性・費用」が異なります。
まずは、各マットレスの特徴とメリット・デメリット、どんな人に合うマットレスなのかをご説明します。
スプリングマットレス|バネで体を支える
スプリングマットレスとは、マットレスの内部がスプリング(バネ)で構成されているマットレスのことです。
スプリングマットレスの特徴は、高価格である一方、耐久性に優れていることです。平均的には10年程度使い続けることができるでしょう。
スプリングマットレスは大きく分けて2種類あり、それぞれ寝心地や費用が異なります。
ポケットコイルマットレス|独立したスプリングで体を支える
ポケットコイルマットレスは一つひとつのスプリングを袋に入れ、それを敷き詰めた作りになっています。スプリングが独立していることが特徴です。
ポケットコイルマットレスのメリットは、独立したスプリングが身体の曲線に合わせて支えてくれるため、身体にかかる圧力が分散されることです。体圧分散性に優れており、肩や腰への負担を和らげてくれます。そして、理想の寝姿勢である自然なS字カーブを描いた背骨の状態を維持でき、心地よい眠りが促されます。
一方、ポケットコイルマットレスにはデメリットもあります。それぞれのスプリングが不織布で包まれているため、他のコイルマットレスと比べるとやや通気性に劣ること、またスプリングマットレスのなかでも高価格帯であることです。
ボンネルコイルマットレス|面で体を支える
ボンネルコイルマットレスは、複数のコイルを繋ぎ合わせて一つの土台となるように作られています。コイル全体で身体を支えるため、横たわるとマットレス全体が沈むのが特徴です。
ボンネルコイルマットレスのメリットは、寝心地が硬めなためスムーズに寝返りしやすく、体にかかる負担が軽減できることです。さらに、通気性が良いためムレを感じにくいこともメリットの一つと言えます。
デメリットとしては、体圧分散性に劣り、腰や肩に負担がかかりやすいことです。また、横揺れが伝わりやすく、隣で寝ている人の寝返りの振動が伝わってしまうこともデメリットです。
ウレタンマットレス|お手頃かつ種類が豊富
ウレタン素材は、他のマットレスと比べて価格的にお手頃な製品が豊富です。また、横揺れの心配がないため、パートナーや家族と一緒に寝る場合にもおすすめです。しかし通気性に劣るため、「ムレが気になる」という人もいます。
そんなウレタン素材のマットレスを4種類ご紹介します。
低反発ウレタン|沈み込んで体にフィットする
低反発ウレタンマットレスは体圧分散性に優れ、身体にフィットするのが特徴です。
ただ、反発力が低く体が沈み込むため、寝返りしづらいというのが難点です。人によっては腰痛が悪化する恐れもあります。
低反発ウレタンマットレスは「柔らかめの寝心地が好き」「痩せ型の体型、横向きに寝ることが多い」という人におすすめのマットレスです。
高反発ウレタン|カタめで寝返りしやすい
低反発に比べ、高反発ウレタンのマットレスは体が沈み込みすぎず、寝返りしやすいのが特徴です。しかし、小柄で体重が少なめの人は硬すぎると感じることもあるでしょう。
高反発素材は「やや硬めの寝心地が好き」「低反発が合わない」という人におすすめのマットレスです。
低反発と高反発のハイブリッド|低反発x高反発のイイとこ取り
ウレタン素材のマットレスの中には、低反発と高反発を組み合わせた「ハイブリッドタイプ」もあります。このタイプのマットレスの特徴は、低反発と高反発のそれぞれのメリットを活かせるという点です。
一般的に、ハイブリッドタイプのウレタンマットレスは、上・中・下の3層構造など、複数の素材を組み合わせた複層になっています。
たとえば上層部には体を包み込む低反発素材、中間層には振動をバランスよく吸収するクッション素材、下層部には身体の沈み込みを防ぐ高反発素材など、異なった素材を使うことで、それぞれの長所を引き出します。
また、一般的にウレタン素材は通気性に劣るとされていますが、ハイブリッドタイプのマットレスの中には、素材に気泡や通気孔を追加することで通気性を高めたタイプもあります。
このタイプのマットレスは、床に直置きすることはできず、ベッドフレームやベッドベースが必要になります。一般的には重いものが多く、移動や持ち運びにも適していません。
「現在、低反発素材のマットレスを使っており、「朝起きた時に腰が痛い人」や「家族と寝ていてベッドの振動が気になる人」におすすめです。
c|柔軟性がありフィットする
体にフィットする体圧分散性を備えながらも、反発弾性があり、体が沈み込みにくいのが高弾性ウレタンマットレスの特徴です。しかし、重量があるため持ち運びや収納には不向きです。また、ウレタン素材のマットレスの中では高価格です。
「多少出費がかさんでも、良質なマットレスを使いたい」と考えている人や「パートナーの寝相を気にせずに眠りたい」という人におすすめのマットレスです。
高反発ファイバー|通気性に優れる
高反発ファイバータイプは通気性に優れており、加えて弾力性もあるためスムーズに寝返りできます。樹脂でできており、簡単に丸洗いできることから、小さな子どもやペットのいるファミリーにおすすめです。
ダニやカビなどの衛生面が気になる人や、体の大きな人に向いています。寝心地が硬めのため、小柄や痩せ型の場合はあまり適していません。また、多少横揺れしやすいので、ベッドの振動に敏感な方には向いていません。
ラテックス(ゴムの木の樹液)|ダニを寄せ付けにくい
ラテックスの特徴は、一層構造にもかかわらず、体圧分散性と弾力性を兼ね備えていることです。
硬すぎることなく、しかも沈み込み過ぎない素材のため、身体にフィットしつつもスムーズに寝返りできます。また振動が伝わりづらいため、横揺れの心配も少ないでしょう。
デメリットとしては、かなり高価なことと通気性が悪いことです。さらに、重量が重いことから、移動や持ち運びに適しておらず、ベッドフレームも必要です。
注意点としては、ゴムアレルギーのある人は、天然ゴムを原料としたラテックスマットレスは避けてください。
マットレスの種類を知っておこう!自分に合わないマットレスを使った場合の体への悪影響とは?
合わないマットレスを使っていると、心身にさまざまな悪影響があります。単なる睡眠不足だけではなく、日中の体のダルさやパフォーマンスの低下、そして肌トラブルにまで関わってくるのです。
自分に合わないマットレスを使った場合の体への悪影響を5つ解説します。
睡眠不足や不眠症の原因に
合わないマットレスは睡眠の質の低下につながります。
十分な睡眠がとれない状態が続くと不眠症につながり、日中、ダルさや眠気などの体調不良に悩まされやすくなります。
不眠症になってしまうと心身に悪影響があり、さらに不眠症が悪化するという負のループに陥ってしまうこともあります。
肩こり・腰痛・体のダルさにつながる
マットレスは硬すぎたり、柔らかすぎたりしてはいけません。頭・背中・腰・脚の体全体にバランスよく体圧がかかっている状態がベストです。
硬すぎるマットレスは、肩やお尻など、マットレスと接触する箇所だけに圧力がかかります。その結果、肩や腰などに負担が集中し、肩こりや腰痛の原因となります。
反対に、柔らかすぎるマットレスを使っていると、寝返りが打ちにくくなります。すると体の同じ部分だけに体重がかかってしまい、結果として血行が妨げられ、腰痛や体のだるさにつながります。
日中たまった疲労を回復できない
睡眠中に分泌される成長ホルモンには、筋肉・骨・内臓・皮膚などのダメージを修復し、疲労を回復する効果があります。
成長ホルモンは眠り始めの3時間、熟睡している間に大量に分泌されます。
合わないマットレスを使っていると、深い睡眠状態に入ることができず、成長ホルモンが分泌されにくくなります。すると日中にたまった疲労を十分に回復できなくなってしまうのです。
ストレスの影響を受けやすくなる
睡眠不足はストレスに対して弱くなる可能性があります。
ストレスを感じると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールはストレス環境に対処する役割があります。
睡眠不足の状態が続くと、睡眠中に分泌されるコルチゾールが少なくなり、ストレスに対して脆弱な体質になってしまうのです。
シワやくすみ、肌荒れのもとになる
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、古くなった細胞を再生する働きがあり、肌の健康を保つためには欠かせません。
一般的に、健康な肌は28日周期で新しい肌に生まれ変わりますが、睡眠不足になるとその周期が遅れます。すると、古い角質が肌に残されたままになるため、肌の表面が硬くなります。これが、シワやくすみ、ニキビや吹出物など肌トラブルの原因を引き起こすのです。
自分に合うマットレスの選び方・基準とは?
次に紹介する5つの基準をもとに考えると、「自分に合うマットレス」が見つかるでしょう。
「正しい寝姿勢」を保てる | 身体にかかる負担を軽減してくれる
人が立っている状態のとき、頭から腰までを結ぶ背骨は緩やかなS字カーブを描いています。寝ているときもこのS字カーブを維持できている状態が「正しい寝姿勢」です。
では、正しい寝姿勢を保つためにはどのようなマットレスを選べばいいのでしょうか。
ポイントは、マットレスに寝た状態で「満遍なく、広い範囲で体圧が分散されているか」です。下記のような配分で体圧が分散されていると理想的です。
・頭部:8%
・背中:33%
・腰:44%
・脚:15%
マットレスを試してみるときには、「満遍なく、広い範囲で体圧が分散されているか」を確認しましょう。
「振動吸収性」の高いもの | 隣の人の寝返りが気にならない
パートナーや家族と一緒に寝る場合は、振動吸収性も重要です。
振動吸収性が低いマットレスは、同じベッドで寝ている人の寝返りやちょっとした身動きの振動も伝わり、眠りを妨げてしまいます。
振動吸収性が高いと、隣で寝ている人の動きが気にならず、朝までぐっすり眠れるでしょう。
「快適な湿度」を保てる | 快適な眠りにつながる
通気性に優れているマットレスは快適な眠りにつながります。
人は一晩で約一コップ分の汗をかくと言われています。夏は特に汗をかく季節ですが、厚い布団や毛布を使う冬も案外寝汗をかいているものです。このため、季節を問わずマットレスの通気性はとても重要です。
通気性に優れたマットレスを使えば、睡眠中もムレにくく、快適な眠りが期待できます。
「体圧分散」ができる | 腰痛予防につながる
朝起きた時、腰に痛みを感じるのなら、適切に体圧分散されていない可能性があります。
腰が沈み込み過ぎるマットレスや、硬すぎるマットレスを使っていると、身体の一定の部分にだけ負担が集中し、腰痛につながります。
このため、腰痛が気になったり、腰痛を予防したいという場合は、体圧分散性に優れたマットレスを選ぶ必要があります。
これについては「【腰痛の人向け】腰痛を防ぐにはどんなマットレスを選べば良い?」で詳しく説明しています。
「適度な寝返り」を促す | 寝返りが十分でないと肩こりなどの原因に
寝返りには血液の循環を促す役割があります。寝返りを適度に打てないと血行が悪化し、肩こりの原因になります。
「寝返りしやすさ」のポイントになるのはマットレスの弾力性です。弾力性がなく、沈み込みすぎるマットレスは寝返りしづらいのです。
マットレスを試す際は、「余計な力を使わずスムーズに寝返りが打てるか」をチェックしましょう。
【腰痛の人向け】腰痛を防ぐにはどんなマットレスを選べば良い?
「朝起きると腰が痛い」という人はマットレスが合っていない可能性があります。腰痛が起きる原因と、腰痛を防ぐためのマットレスの選び方について詳しく見てみましょう。
起きたら腰が痛い?腰痛とマットレスの関連性とは
腰痛が起きる原因には、マットレスの硬さが影響している可能性があります。
柔らかすぎるマットレスは、腰部分が沈み込み、不自然な寝姿勢になってしまったり、寝返りしづらいため、腰の筋肉に負担がかかってしまったりします。
逆に、マットレスが硬すぎる場合は、腰がアーチ状に浮いて負荷がかかっている可能性があります。
つまり、腰痛を防ぐには「適度な硬さがあり、沈み込みすぎない」マットレスを選ぶ必要があります。
腰痛の人におすすめのマットレスとは?
新しくマットレスを選ぶなら、現在使っているマットレスをもとに考えてみると良いでしょう。
現在、柔らかめの沈み込みすぎるマットレスを使っている方は、【かため】か【ふつう】のマットレスを選んでみて下さい。反対に、硬めのマットレスを使っている方は、【柔らかめ】か【ふつう】のマットレスを試してみてください。
【かため】
・ボンネルコイル
・高反発ウレタン
・高反発ファイバー
【ふつう】
・高密度スプリング
・低反発と高反発のハイブリッド
・高弾性ウレタン
・ラテックス
【柔らかめ】
・ポケットコイル
・低反発ウレタン
まとめ:各マットレスの特徴を知り、自分に合うマットレスを探してみよう!
さまざまなマットレスの種類と特徴について、詳しく説明しました。けれども「実際に使ってみないと、自分に合うかどうかわからない」という人も多いでしょう。
マットレスを扱うメーカーの中には、返金返品保証つきのトライアル期間を設けているところもあります。マットレスという大きな買い物をするのに不安という場合は、このようなサービスを利用すれば安心です。
自分にぴったりのマットレスを見つけることができれば、腰痛や体のダルさ、不眠を解決できるかもしれません。まずはこの記事を参考に、気になった素材のマットレスを試してみるのもいいでしょう。