睡眠コラム by 石川 恭子•2026年9月26日•読了目安時間: 5 分

不眠症のセルフチェック方法は?主な症状と受診の目安を解説

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

「寝つくまでに1時間以上かかる日が続いてる…これって不眠症?」
「夜中に何度も目が覚めるけれど、これ病院に行ったほうがいい?」
「不眠症かどうかのセルフチェック方法があれば知りたい!」

不眠症は、ただ夜眠れないだけでなく、日中の生活にも不調が出ている状態を指します。たとえ眠りが浅く感じても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。※1

セルフチェックだけで、不眠症の完全な診断はできません。しかしセルフチェックをして今の睡眠状態を振り返ることで、医師へ相談するかの判断材料を得られます。

この記事では、不眠症とされる状態の目安や「アテネ不眠尺度」を使ったセルフチェック、受診を考えたい目安と相談先を解説します。

「不眠症かも…」と悩む方は記事を最後まで読み、状況に応じて適切な対応をしましょう。

不眠症とは?一時的に眠れない状態との違い

「不眠症」とは、睡眠の環境が整っていても眠れず、日中の生活にも支障が出ている状態です。不眠症の症状は、寝つけないこと、夜中に何度も目が覚めること、朝早く目が覚めることの3つに分かれます。※2

また、主な日中の不調として挙げられているのは、以下のような症状です。※1

  • 倦怠感
  • 意欲低下
  • 集中力低下
  • 食欲低下

不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3か月以上続く場合は慢性不眠症、3か月未満の場合は短期不眠症と診断されます。※1

一方で、緊張する予定の前夜に眠れない、環境が変わって数日眠りにくいといった状態は、一時的な不眠と考えられます。

不眠症の4つのタイプ

不眠症の症状は、以下の4分類に分けて説明されるのが一般的です。

タイプ 状態
入眠困難 寝床に入ってから寝つくまでに時間がかかる
中途覚醒 夜中に目が覚めて、再び眠りにくい
早朝覚醒 希望する起床時間より早く目が覚め、それ以降眠れない
熟眠障害 睡眠時間を確保しても、熟睡した感覚が得られない

この4分類は、一般的な整理として使われているものです。

不眠症は、複数の症状が重なることもありますので、どのタイプかを決めることより、どの症状がいつから、週に何日あるかを把握し対策を取ることが大切です。

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アテネ不眠尺度とは?不眠症のセルフチェック方法

「アテネ不眠尺度」とは、睡眠の状態を以下8つの項目から評価するセルフチェック方法です。※3

  1. 寝床についてから寝つくまでにかかった時間
  2. 夜間、睡眠の途中で目が覚めたか
  3. 希望する起床時間より早く目覚め、それ以降眠れなかったか
  4. 夜の眠りと昼寝を合わせて睡眠時間は足りていたか
  5. 全体的な睡眠の質に満足しているか
  6. 日中の気分
  7. 日中の身体的および精神的な活動の状態
  8. 日中の眠気

前半の5項目で寝つきや夜間の目覚め、睡眠時間、睡眠の質を確認し、後半の3項目で日中の気分・活動・眠気を確認します。

各項目は0〜3点で、0点が「いつもどおり」、3点が「非常に強い、あるいは全く眠れなかった」にあたり、最大24点です。合計点の読み方は、厚生労働省の資料に次のように示されています。

合計点 判定の目安
1〜3点 睡眠はとれている
4〜5点 不眠症の疑いが少しある
6点以上 不眠症の可能性が高い

実際に回答するときは、質問文と選択肢が掲載されている厚生労働省の資料を使いましょう。※3

合計6点未満なら、不眠症の可能性は低いと考えて差し支えありません。学術論文では、6点未満だった人は99%の確率で不眠症でないことが報告されています。※4

6点以上なら、医師への相談も考慮しましょう。点数だけでは詳しい症状を判別できないため、専門家に診断してもらうのがおすすめです。

不眠症で受診を考えたい目安

不眠症で受診を考える際は、以下2つの目安を基準にしてください。

  1. 日中の生活に支障が出ている
  2. 睡眠障害が疑われる症状がある

1. 日中の生活に支障が出ている

不眠が仕事や学業、家事に悪影響を及ぼしているなら、迷わず医師に相談しましょう。眠れないのはもちろん、眠れても休めた感覚がない方も同様です。

慢性不眠症の目安期間は3か月とされていますが、不眠の影響が出ているのであれば、待たずに受診しましょう。※1

受診前に、就寝・起床時刻や夜中に目が覚めた回数、日中の眠気などを1〜2週間分メモしておくことをおすすめします。

2. 睡眠障害が疑われる症状がある

不眠症には、別の睡眠障害が隠れていることもあります。

たとえば、大きないびきや無呼吸を伴う「閉塞性睡眠時無呼吸」は、眠りを浅くさせる睡眠障害です。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、閉塞性睡眠時無呼吸で睡眠中に気道が狭くなり、日中の眠気や睡眠休養感の低下、不眠などの症状が現れるとしています。※2

別の睡眠障害を疑う手がかりとして、以下の内容も参考にしてください。

症状 疑われる睡眠障害
寝床に入ると脚がむずむずして動かさずにいられない むずむず脚症候群
極端な遅寝遅起きで、朝どうしても起きられない 睡眠・覚醒相後退障害
極端な早寝早起きで、深夜から早朝に目が覚める 睡眠・覚醒相前進障害

または、うつ病や不安症などの精神疾患の初期症状や併存症として現れることも多くあります。※2

寝つきの悪さだけで自己判断せず、心当たりがあれば専門医へ相談してください。

不眠症は何科を受診する?

不眠症は、症状によって受診科目が異なります。まずは身近なかかりつけ医へ相談し、症状や地域の医療体制に応じて専門機関に案内してもらいましょう。

症状ごとの主な相談先は、以下のとおりです。

症状 主な相談先
・気分の落ち込み
・強い不安
・精神科
・心療内科
・強い日中の眠気
・いびき
・睡眠中の異常
睡眠外来など睡眠障害を扱う医療機関
上のどちらにも当てはまらない ・かかりつけ医
・脳神経内科

医療機関によって、対応する症状や検査は異なります。受診前に、診療内容や睡眠障害の検査に対応しているかを確認しておきましょう。

不眠の改善に向けて見直したい習慣と寝室環境

生活習慣や寝室環境を見直すことで、不眠の症状は軽減できることがあります。まず見直したいのは、以下の4つです。

  1. 起床時刻を決めて朝に光を浴びる
  2. 夕方以降のカフェインと寝酒を控える
  3. 眠れないまま寝床にとどまらない
  4. 寝室環境と寝具を見直す

1. 起床時刻を決めて朝に光を浴びる

まずは毎日同じ時間に起き、朝にしっかり日光を浴びることから始めましょう。起床後に朝日の光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠・覚醒リズムが整います。※2

また、日中に光を多く浴びると、入眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌量が増えて眠りやすくなります。

昨晩よく眠れなかった日も、起床時刻を大きく遅らせないようにしましょう。休日の起床時間も、なるべく平日とそろえてください。

2. 夕方以降のカフェインと寝酒を控える

カフェインには覚醒作用があり、寝つきの悪化や中途覚醒の増加につながります。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について1日の摂取量を400mg(ドリップコーヒーでカップ4杯分)以内にし、夕方以降はカフェインを含む食品・飲料を控えることを勧めています。※2

具体的な対策としては、麦茶やそば茶、黒豆茶、デカフェコーヒーなどカフェインを含まない飲み物に置き換えるのがおすすめです。

また、寝酒も見直したい習慣です。アルコールは一時的に寝つきを良くしますが、睡眠の質が悪化するほか、飲酒量が増えるほど中途覚醒の回数が増えます。※2

寝るために飲む習慣が続いている方は、医師に相談してください。自力で急にやめると、離脱症状でかえって眠れなくなることがある点に注意が必要です。※2

なお、寝る前のほかの習慣も見直したい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

関連記事:実はNG?!入眠を妨げる就寝前の行動5選|今日から見直したい快眠習慣

3. 眠れないまま寝床にとどまらない

眠れないときに寝床で長く過ごすと、寝室にいること自体がストレスになってしまいます。厚生労働省のガイドでは、不眠が続くと眠れないことへの不安や緊張、寝室に対する恐怖感が強まっていくとしているためです。※2

眠れないときはいったん寝床を離れ、眠くなってから改めて寝床に入りましょう。暗く静かな場所で落ち着いて過ごせば、自然と眠気が訪れやすくなります。

なお、時計を何度も確認すると焦りが強まります。寝るときは、時計は基本的に見えない位置に置いてください。

4. 寝室環境と寝具を見直す

寝室環境で見直すべきは、光・音・温度・寝具の4つです。※2 ※5

見直す点 詳細
光 就寝の約2時間前から、スマホやパソコンの光を抑える
音 ・防音・遮光カーテンに替える
・寝床を窓から離す
温度 暑すぎず寒すぎない温度に保つ(夏は室温が上がると睡眠効率が落ちる)
寝具 寝返りを妨げず、寝床内に熱や湿気がこもらないものを選ぶ

光の影響がとくに大きいのは、就寝前の2時間です。入眠を促すホルモン「メラトニン」が出はじめる時間帯にあたり、このタイミングで強い光を浴びると分泌が抑えられてしまいます。

厚生労働省のガイドでは、寝室にスマホやタブレットを持ち込まないことを勧めています。難しい場合は、使用時間と画面の明るさを抑えるところから始めてください。※2

また、寝床内は温度33℃・湿度50%の環境が最適とされています。※5

朝起きたときに蒸れを感じるなら、寝具を見直す手がかりになります。

そして、起きたときに首や肩がこっていたら枕が、腰が重ければマットレスや敷き布団が合っていないかもしれません。※5

ただし、寝具を替えたからといって不眠症が治るとは限りませんので、環境を整えてみても不眠の症状が続く場合は専門機関に相談しましょう。

関連記事:【上級睡眠健康指導士監修】寝具のおすすめをプロが解説!快眠につながる選び方

まとめ:不眠症チェックは受診を考えるきっかけにしよう

不眠症は、単に「夜の寝つきが悪い」という症状だけでなく、日中の生活への影響もあわせて判断されます。

夜眠れず、かつ不眠が日常に支障をきたしている場合は、不眠症の疑いがあります。まずは紹介した「アテネ不眠尺度」を試し、セルフチェックしてみてください。

セルフチェックで不眠症の可能性が高い方は、まず以下の内容を実践してみましょう。

  • 同じ時間に起きて朝日を浴びる
  • カフェインや寝酒を控える
  • 眠れないときは無理に寝床に入らない
  • 寝室・寝床の環境を整える

それでも症状が続くなら、自己判断で抱え込まず専門機関に相談してください。

なお、不眠症なのか単なる寝不足なのかを整理したい人は、次の記事も参考になります。

関連記事:寝不足になるとどんな症状が出る?主なサインと続いたときの影響を解説

寝室の環境から整えたい人は、コアラマットレス公式サイトも参考にしてください。対象商品には120日間のトライアル制度があるので、寝つきや途中で目が覚める回数の変化を、じっくり確かめられます。

・参考

※1 厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」
※2 厚生労働省「
健康づくりのための睡眠ガイド2023」
※3 厚生労働省「
長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル(日本語版アテネ不眠尺度)」※巻末に日本語版 アテネ不眠尺度があります。
※4 Soldatos CR, et al.「
The diagnostic validity of the Athens Insomnia Scale」Journal of Psychosomatic Research, 2003
※5 厚生労働省 e-ヘルスネット「
快眠のためのテクニック―よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」