寝具コラム by 石川 恭子2026年8月27日読了目安時間: 6

夏の寝具は何がいい?掛け寝具・敷きパッドの種類と選び方

「掛け布団を薄手に替えたのに、まだ寝苦しい」
「背中に汗をかいて、夜中に目が覚めてしまう」
「思い切って、敷きパッドやシーツまで替えたほうがいいのだろうか?」

夏の寝具は、体に掛けるものだけでなく、体と接する敷き寝具も併用することが重要です。また、併用する場合でも、掛け寝具だけを薄手に替えたのでは背中側に熱や湿気がこもり、寝苦しくなってしまいます。

この記事では、夏の掛け寝具と敷き寝具の種類や選ぶ4つのポイント、お手入れの方法を解説します。

冷房の有無や、暑がり・冷えやすいといった体感に合わせて選べるように構成しているので、ぜひ最後までご覧ください。

夏の寝具は掛け寝具と敷き寝具を組み合わせて選ぶ

夏の寝具は、冷えと背中側の熱や汗の両方に対応できる組み合わせを選ぶ必要があります。

掛け寝具には、冷房による冷えを調整しながら、肌に触れる汗を受け止める役割があります。一方、敷き寝具は、体とマットレスのあいだにこもる熱や汗への対策として有効です。

種類 主な種類 選ぶポイント
掛け寝具 ・肌掛け布団
・タオルケット
・ガーゼケット
・ダウンケット
・冷房の効き方
・保温性
・肌触り
敷き寝具 ・敷きパッド
・接触冷感パッド
・シーツ
・枕パッド
・吸湿性
・洗いやすさ
・肌触り

適した組み合わせは、冷房の有無と自分の体感で決まります。※1

冷房で冷えやすい方は掛け寝具に保温性を残し、暑がりの方は敷き寝具の吸湿性を優先するのがおすすめです。

ただし、エアコンの設定や体感によっては、夏でも全員が掛け寝具を使うべきとは限りません。寝室の環境と体感に合わせて、掛け寝具と敷き寝具のバランスを調整してください。

夏に使う掛け寝具の種類

夏の掛け寝具は、冷房の効き方や汗の量、好みの肌触りに合う種類を選びます。代表的なものは、以下の4つです。

  • 肌掛け布団
  • タオルケット
  • ガーゼケット
  • ダウンケット

1. 肌掛け布団

「肌掛け布団」は、一般的な掛け布団より中綿を少なくした薄手の寝具です。タオルケットなどでは寒く感じる方や、冷房を使う寝室で保温性も確保したい方の選択肢になります。

中綿や側生地の違いによって、次の点が変わります。

  • 体に掛けたときの重さ
  • 使用中の蒸れやすさ
  • 適した洗濯方法

購入する際は必ず商品表示を確認し、寝室の環境と手入れの方法に合うものを選びましょう

2. タオルケット

「タオルケット」は、タオルのようなパイルをもつ薄手の掛け寝具です。汗をかきやすい方や、タオルに近い肌触りを好む方に向いています。

綿を使用した製品が多いため、綿の吸水性によって寝汗によるべたつきを抑えやすくなりますが、厚みや織り方によって保温性や乾きやすさは異なります。※2

綿という素材名だけでは、実際の使用感までは判断できません。素材に加えて、製品全体の厚みや織り方もチェックしてください。

3. ガーゼケット

「ガーゼケット」は、ガーゼ生地を複数枚重ねた軽い掛け寝具です。軽さや柔らかな肌触りを重視する方に向いています。

重ねた生地が適度な空気を含むため、ふっくらとした感触になります。枚数や素材によって厚みと保温性は異なる点を覚えておきましょう。

また、通気性や洗濯後の風合いにも製品ごとの差があります。何重ガーゼかという表示だけで決めず、素材や洗濯表示もあわせて確認してください

4. ダウンケット

「ダウンケット」は、毛布の軽い掛け心地とある程度の保温性を備えた薄手の掛け布団です。※3 冷房で寒さを感じやすい方には、よい選択肢となります。

使用感を左右する主な仕様は、次のとおりです。※3

  • 使用されている羽毛の種類
  • 羽毛の充填量
  • 体に触れる側生地

家庭で洗えるかどうかも、製品によって異なります。商品表示で使用感に関わる仕様を確かめ、購入前に手入れの方法もチェックしましょう。夏の掛け寝具のタイプ別の使い分けや、替える時期の目安は別の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

関連記事:夏布団はどうしてる?かけ寝具の種類と選び方をタイプ別に解説

夏に使う敷き寝具の種類

夏の敷き寝具には、主に以下4つの種類があります。

  • 吸湿性を重視した敷きパッド
  • 接触冷感タイプの敷きパッド
  • シーツ・ベッドカバー
  • 枕パッド・枕カバー

名称や敷く順番は製品によって異なるため、使う際にはメーカーの使用方法を優先してください

1. 吸湿性を重視した敷きパッド

「吸湿性を重視した敷きパッド」は、体に触れる面で寝汗を受け止める寝具です。汗をかきやすい背中側のべたつきや、肌触りが気になる方に向いています。

表面には、綿や麻などの吸湿性が高い素材が使われています。麻はシャリ感があって肌に張り付きにくい一方、この触感が苦手な方もいます。※2

選ぶときは、表面の素材だけでなく次の点も確認しましょう。

  • 中綿の素材と厚み
  • 裏地の滑りにくさ
  • 家庭で洗えるか

可能であれば実物に触れ、肌触りが自分の好みに合うか確かめてください

2. 接触冷感タイプの敷きパッド

「接触冷感タイプの敷きパッド」は、触れた直後にひんやり感じる生地を使った寝具です。皮膚から生地へ熱が移動することで、冷たさを感じます。

ただし、冷房のように寝室の温度を下げるものではありません。※4

冷たさだけを考慮して選ぶと、期待する使用感とずれる場合があるので注意しましょう。また、選ぶ際は、以下の性能も確認してください。

  • 汗を受け止める吸湿性
  • 熱や湿気を逃がす通気性
  • 体に触れたときの肌触り

吸湿性と通気性、肌触りも確認しつつ、自分の体感に合うものを選択しましょう。

3. シーツ・ベッドカバー

「シーツ」や「ベッドカバー」は、汗や皮脂が寝具へ直接付着するのを減らす寝具です。夏は、洗濯や交換がしやすいものが適しています。

シーツやベッドカバーは、以下の違いによって肌触りが変わります。※5

  • 綿や麻などの素材
  • 生地の織り方
  • 表面の凹凸

洗い替えを2枚用意しておくと、汗をかいた日にもすぐ交換が可能です。購入時には、肌触りと手入れのしやすさも実際に確かめてみてください。

4. 枕パッド・枕カバー

「枕パッド」や「枕カバー」は、頭や首まわりの汗と皮脂を受け止める寝具です。吸水性のある素材や接触冷感タイプがあり、敷きパッドと同じ素材でそろえる選択肢もあります。

ただし、同じ素材名でも、織り方や加工が違えば肌触りが異なります。取り外しやすさと洗濯のしやすさに加えて、生地の仕様もチェックしてください。

頭をのせるため汗や皮脂が多く付着します。無理なく洗濯を続けられるものを選ぶのも大事です。

夏の寝具を選ぶ4つのポイント

夏用の寝具を選ぶポイントは、以下の4つです。

  • 冷房の有無と実際の室温に合わせる
  • 素材と生地の構造を確認する
  • 洗濯や交換のしやすさで選ぶ
  • 接触冷感はQ-max以外の性能も見る

1. 冷房の有無と実際の室温に合わせる

夏の寝具は、温度計で確認した室温と自分の体感に合うものを選びましょう。候補を絞り込む際の目安をまとめました。

  • 寝ている間に冷房の寒さを感じる方:保温性のある薄手の寝具
  • 全体的に冷えが気になる方:肌掛け布団やダウンケット
  • 暑さや寝汗が気になる方:タオルケットや敷きパッド

日本ふとん協会は、室温別の組み合わせとして、25℃以上なら綿毛布・タオルケットまたは夏掛けふとん、20〜25℃なら肌掛けふとんを挙げています。※5

ただし、体感には個人差があるため、絶対的な基準としては扱わず、実際の室温と自分の感じ方をもとに掛け寝具と敷き寝具を調整しましょう。

2. 素材と生地の構造を確認する

夏の寝具の性能は、繊維の種類と生地の構造を含む製品全体で判断します。たとえば、綿や麻といった一般的な繊維は、以下のような特徴をもちます。

  • 綿:吸水性があり、肌当たりがやわらかい ※2
  • 麻:吸湿性が高く、シャリ感があって張り付きにくい ※2

ただし、通気性や乾きやすさは、繊維の種類だけでは決まりません。寝具の性能は、織り方や編み方、厚み、中綿、加工によっても変わります。

「天然素材なら必ず涼しい」「ポリエステルのような化学繊維は蒸れる」と一括りにせず、個々の製品を確認してください。※6

3. 洗濯や交換のしやすさで選ぶ

夏の寝具は、汗や皮脂が付着しても洗えるものが適しています。清潔に保てることは、実際に使い続けるうえで重要となります。とくに購入前に確認しておくべき点は、以下の3つです。

  • 家庭で洗濯できるか
  • 洗濯後に乾きやすいか
  • カバーだけを取り外せるか

たとえ丸洗いできる製品でも、漂白剤や乾燥機が使用できない可能性があります。洗濯表示とメーカーの取扱説明を必ず確認し、その指示を優先してください。※7

4. 接触冷感はQ-max以外の性能も見る

Q-max値とは、生地に触れた直後に、肌から生地へ移動する熱量を示す数値です。数値が大きいほど、触れた瞬間に強い冷たさを感じやすくなります。

測定方法は「JIS L 1927」規格に定められており、室温より10℃高く加熱した測定部を試料へ接触させて測ります。同規格では、Q-max値0.100W/cm²以上を接触冷感性がある目安とする評価例が示されています。※8

ただし、Q-max値から判断できるのは、主に触れた瞬間の冷たさです。次のような性能を直接示すものではありません。

  • 冷たさが続く時間
  • 汗の吸いやすさ
  • 蒸れにくさ
  • 洗濯のしやすさ

接触冷感寝具は、Q-max値だけで優劣を決めず、吸湿性・通気性や肌触り、手入れのしやすさまで含めて選んでください

寝室が暑いときは寝具だけで調整しない

寝室が暑いときは寝具のみの調整に頼らず、エアコンなどで寝室を涼しく保つと暑さ対策に有効です。

夏の寝室では、室温が上昇すると睡眠時間が短くなり、睡眠の効率が低下することが報告されています。※1

加えて、接触冷感の寝具や薄い掛け寝具を使用しても、寝室そのものの温度は下がりません。また、室内でも熱中症は起こるため、寝苦しい場合は我慢せずエアコンなどを使いましょう。※9

快適に感じる温度には個人差があります。「28℃」など一律の温度に決めず、温度計で室温を確かめながら、体感と体調に合わせて調整してください。

夏の寝具のお手入れ方法

夏の寝具のお手入れは、洗濯表示を守り、使用後の湿気を残さないことが基本です。この点を踏まえたうえで、以下2点のポイントを解説します。

  • カバーやパッドを洗濯する
  • 使用後は湿気を逃がしてから収納する

1. カバーやパッドを洗濯する

シーツや枕カバー、敷きパッドは、使っているうちに汗の量や汚れ、においが付着します。洗濯する際は、洗濯頻度を一律に決めず、使用状況と製品の洗濯表示に合わせて判断してください。※7

洗えない掛け寝具の場合、カバーを使用して汚れが直接付着する割合を減らしましょう。カバーだけをこまめに洗う運用にすると、掛け寝具を清潔に保ちやすく、手入れの負担も軽いです

2. 使用後は湿気を逃がしてから収納する

敷き寝具や掛け寝具は、取扱表示に従って十分に湿気を逃がしてから収納してください。※10

干す、立てかけるなど、製品に適した方法を選びましょう。

素材によって、天日干しと陰干しの適否は異なります。すべての寝具を同じように直射日光へ当てると、材質が劣化する可能性もあるので注意してください。

また、シーズン終わりには、汚れを落として十分に乾燥させてから収納します。乾ききらないまま押し入れへ入れると、翌シーズンに使う際、カビやにおいが発生する可能性があります。

夏の寝具は掛け・敷き・寝室環境を組み合わせよう

夏の寝具を選ぶときは、まず寝室の温度を確かめ、冷え・寝汗・蒸れのどれが気になるのかを整理しましょう。原因に応じた見直し方法をまとめたので、参考にしてください。

  • 冷房による冷えが気になる:肌掛け布団やダウンケットなど、薄手で保温性のある掛け寝具を選ぶ
  • 背中の汗や蒸れが気になる:吸湿性や通気性のある敷きパッド・シーツへ替える
  • 寝入りの暑さをやわらげたい:接触冷感寝具を取り入れ、Q-max以外の性能も確認する

寝室自体が暑い場合は、寝具だけで対応しようとせず、エアコンなどで室温を調整してください。そのうえで、掛け寝具と敷き寝具を自分の体感に合わせると、冷えと蒸れの両方を調整しやすいです。

また、夏の寝具は汗や皮脂が付着しやすいため、家庭で洗えるか、乾きやすいかも大切な選択基準です。洗濯表示に従って手入れし、使用後は湿気を十分に逃がしましょう。

敷きパッドやシーツを替えても寝心地に違和感が残る場合は、その下にあるマットレスの沈み込みや寝返りのしやすさも確認してみてください。

マットレスまで見直したい方は、コアラマットレス公式サイトも参考になります。マットレスなどの対象商品には120日間のトライアル制度があり、自宅の寝室で寝心地を確かめてから判断できます。

興味がある方は、ぜひお試しから寝心地をチェックしてみてください。

・参考

※1 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023
※2 一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)「
繊維の知識|植物繊維
※3 一般財団法人日本ふとん協会「
羽毛・羽根 素材の特徴
※4 一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)「
接触冷感性
※5 一般財団法人日本ふとん協会「
ふとんの選び方
※6 一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)「
繊維の知識|合成繊維
※7 消費者庁「
洗濯表示
※8 一般財団法人カケンテストセンター「
接触冷感性試験(JIS L 1927)
※9 総務省消防庁「
熱中症予防広報メッセージ
※10 一般財団法人日本ふとん協会「
ふとんのお手入れ方法