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監修者
石川 恭子
コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。
「寝方を変えるだけで痩せるって本当?」「仰向け・横向き・うつ伏せのどれがダイエットにいいの?」と気になっている人は多いのではないでしょうか。食事制限や運動を頑張ってもなかなか続かないと、寝ている時間をうまく活用して少しでも痩せやすい体を目指したいと思うものです。SNSや動画では「この寝方で痩せる」といった情報も多く、何を信じればいいのか迷いやすいですね。
寝る姿勢そのものが直接体重を大きく減らすわけではありませんが、体への負担を減らして睡眠の質を整えることは、代謝やホルモンバランス、日中の活動量にも関係します。本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、「痩せる寝方」と言われる姿勢や睡眠習慣について、仰向け・横向き・うつ伏せそれぞれの特徴を体への負担と呼吸のしやすさの観点から整理しながら解説します。
睡眠中もエネルギーは消費される
「睡眠中は何もしていないからカロリーが消費されない」というのは正確ではありません。寝ている間も心臓は拍動を続け、呼吸が自律的に行われ、体温調節や細胞の修復、ホルモン分泌といった生命維持活動がたえず続いています。こうした活動を支えるために睡眠中も消費されるエネルギー(カロリー)が「基礎代謝」です。
睡眠中の基礎代謝の仕組みと、睡眠不足が体重や食欲にどのような影響を与えるかについて詳しく見ていきましょう。
睡眠中の基礎代謝と消費カロリー
年齢や性別、体重、体組成によって異なりますが、一般的に基礎代謝は1日の総エネルギー消費量の約60〜70%を占めるとされています。睡眠中もその一部を担っているため、就寝しているからエネルギー消費がゼロになるわけではありません。
ただし、睡眠中のエネルギー消費量だけで体重が大きく変わるわけではありません。睡眠が「痩せる寝方」として語られる背景には、直接的なカロリー消費よりも、睡眠の質と量が代謝やホルモンバランスを介して体重管理に影響するというメカニズムを示唆する意図があると考えられます。
成長ホルモンの働きと深い睡眠
睡眠中に特に重要な役割を果たすのが成長ホルモンです。成長ホルモンは、入眠後最初のノンレム睡眠(深い眠り)の段階で多く分泌されます。成長ホルモンには、たんぱく質の合成を促して筋肉を維持・修復する働きや、脂肪を分解してエネルギーとして利用しやすくする働きがあります。つまり、質のよい深い睡眠をとれているかどうかが、体の代謝や脂肪燃焼に間接的に関係しているわけです。
逆に、睡眠が浅かったり睡眠時間が足りなかったりすると、成長ホルモンの分泌が乱れ、体の修復や代謝機能に影響を与える可能性があります。
食欲ホルモン(レプチン・グレリン)への影響
睡眠と体重の関係を語るうえで避けて通れないのが、食欲に関わるホルモンの話です。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、睡眠不足が数日続くだけでも、食欲を抑える「レプチン」が減少し、食欲を高める「グレリン」が増えることが報告されています。その結果、翌日の食欲が増大し、高カロリーな食品への欲求が高まりやすくなります。※1
さらに、睡眠不足によってインスリンの作用が現れにくくなり、同じ食事でも血糖値が高くなりやすいことも示されています。血糖値の乱れは体脂肪の蓄積につながりやすいため、睡眠不足は「食べすぎ」と「代謝の低下」の両方から体重増加につながるリスクがあると考えられています。
日本人データが示す短時間睡眠と肥満リスク
厚生労働科学研究の報告によると、日本人男性労働者約4万人を7年間追跡した調査では、睡眠時間が1日5時間未満の人は5時間以上の人と比べ、7年間で肥満になるリスクが1.13倍、メタボリックシンドローム発症リスクが1.08倍に上昇したことが報告されました。※2
「寝方を変えれば直接痩せる」という単純な話ではなく、睡眠の量と質を整えることが、太りにくい体づくりの土台になることを示しています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠不足を含む睡眠の問題が慢性化すると、肥満・高血圧・2型糖尿病・心疾患・脳血管障害などのリスク上昇に関連すると説明されていました。成人の場合、「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保すること」や「食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直し、睡眠休養感を高めること」が推奨されています。※3
やせるにはどの体勢で寝るといい?
「仰向けで寝ると代謝が上がる」「右向きより左向きの方が痩せやすい」などの情報を目にすることがありますが、寝る体勢が直接的に体重を大きく減らすというエビデンスは、現時点では確認されていません。一方で、寝方によって体への負担や呼吸のしやすさ、睡眠の質に違いが出ることはわかっています。
そこで、仰向け・横向き・うつ伏せそれぞれの特徴を「体への負担」と「呼吸のしやすさ」の観点から整理しました。自分に合った寝方を選び、睡眠の質を守って太りにくい体づくりを目指しましょう。
1. 仰向け
仰向けは、背中の広い面で体重を支えるため、体圧が全体に分散されやすいという特徴があります。特定の部位に荷重が集中しにくいため、肩や腰、骨盤への局所的な負担を軽減しやすい、基本的な寝姿勢です。日本人間工学会の研究でも、睡眠時の体圧分散と姿勢の維持が睡眠の質に影響することが示されており、仰臥位(仰向け)は体圧分布のバランスが取りやすい体勢として言及されています。※4
また、仰向けは気道が真っすぐに近い状態を保ちやすく、呼吸を妨げにくい姿勢です。ただし、枕の高さが合っていないと首が反りすぎたり前に曲がりすぎたりして、寝苦しさや頸部の不快感につながることがあります。自分の頸椎のカーブに合った高さの枕を選ぶことが、仰向けで快適に眠るポイントです。
なお、いびきや睡眠時無呼吸症候群が疑われる人の場合は、仰向けで寝ると舌根が下がりやすく気道が狭くなることがあるため、「痩せる寝方」よりも呼吸のしやすさを優先し、専門家への相談を検討しましょう。
2. 横向き
横向き寝は、いびきが気になる人にとっては有効な寝方のひとつです。J-STAGEに掲載された原著論文によると、睡眠時無呼吸症において仰臥位(仰向け)では無呼吸低呼吸指数(AHI)が悪化し、側臥位(横向き)で改善することが報告されています。※5
気道の確保という観点では、いびきや無呼吸が頻繁な人には横向きが合う場合があるといえます。
一方で、横向き寝では体の片側だけが長時間マットレスに接触するため、下になる側の肩関節や骨盤まわりに体圧が集中しやすいという点があります。長時間同じ方向の横向きで寝続けると、下になった側の肩や骨盤にかかる負担が大きくなるため、適度に自然な寝返りを打ちながら両側を入れ替えられるのが理想的です。
また、横向きで寝る際には、仰向けのときとは異なる枕の高さ調整が必要です。頭と肩の間の距離を補える高さの枕を選ぶことが、首や肩への負担を減らすうえでは重要で、e-ヘルスネットでも、快眠のためには睡眠中の姿勢を支えるための枕・マットレスの選択が大切と紹介されています。※6
3. うつ伏せ
うつ伏せ寝は、首を左右どちらかにひねった状態を長時間維持するため、頸椎や首の筋肉への負担が大きくなりやすい体勢です。また、胸部や腹部がマットレスに圧迫されるため、呼吸がしにくくなることがあります。特に深呼吸や横隔膜の動きが制限されやすく、睡眠中の呼吸の質に影響することもあるでしょう。
「うつ伏せで寝るとお腹が引き締まる」「脚が細くなる」といった情報を目にすることがありますが、こうした効果を示す信頼性の高いエビデンスは現時点では確認されていません。やせることを目的としてうつ伏せで無理に寝続けるのは、首や呼吸への負担の観点から推奨できません。もともとうつ伏せが自然に快適と感じている人については、首の向きを時々変えるなどの工夫をしながら、体への負担に注意してください。
関連記事:寝心地がよい快適なマットレスの選び方とは?タイプやサイズ別に徹底解説!
痩せやすい体をつくるための睡眠の整え方
寝方そのものを変えることよりも、睡眠の質と量を整えることのほうが、代謝や体づくりに大きく関わります。睡眠中の成長ホルモン分泌を妨げず、食欲ホルモンのバランスを崩さないためにも、毎日の生活習慣を見直しましょう。睡眠の質を高めるために取り入れやすい習慣を4つ紹介します。
1. 自分に合った睡眠時間を確保する
「何時間寝れば十分か」は、年齢・体質・生活スタイルによって個人差があります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人に対して「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保すること」が推奨されていますが、これはあくまで目安であり、9時間必要な人もいれば7時間で十分な人もいます。※3
大切なのは、「翌日に眠気が残らないか」「日中に集中して活動できるか」を自分で確認しながら、適した睡眠時間を把握することです。睡眠不足が続くと食欲ホルモンのバランスが崩れやすくなるため、無理に短い睡眠で過ごすことはダイエットにとっても逆効果になりかねません。
特に、休日にまとめて寝て平日の睡眠不足を補おうとする生活パターンは体内時計の乱れにつながりやすいため、毎日できるだけ一定の時間に就寝・起床することが理想的です。
2. 就寝前の食事は早めに済ませる
就寝直前に食事をとると、胃腸が消化活動のために活発に動き続け、体が「休息モード」に入りにくくなります。その結果、眠りが浅くなったり寝つきが悪くなったりすることがあります。睡眠の質が下がると、先に述べた成長ホルモンの分泌や食欲ホルモンへの影響が出やすくなるため、就寝前の食事タイミングは意識的に管理することが大切です。
夕食は就寝の2〜3時間前には済ませましょう。遅い時間に食事をとらざるを得ない場合は、消化しやすい食品を少量にとどめると、胃腸への負担を軽減しやすいです。また、就寝前のアルコール摂取は入眠しやすく感じる一方で睡眠の後半に眠りが浅くなりやすいため、深い睡眠を得たい場合は避けてください。
3. 入浴は就寝1〜2時間前にする
快適な眠りに入るには、体の深部体温が自然に下がっていくタイミングと睡眠のタイミングを合わせることが効果的です。入浴によって深部体温がいったん上昇すると、その後1〜2時間かけて体温が下がっていく際に眠気が促されやすくなります。この体温リズムを活用するとスムーズに入眠できます。
就寝の1〜2時間前に38〜40℃程度のぬるめのお湯でゆっくり入浴しましょう。シャワーだけで済ませる場合も、就寝直前より少し前に入ることで、体温の自然な低下を利用できます。就寝直前の熱い入浴は深部体温を高めすぎて逆に目が冴えやすくなるため、タイミングと温度の調整が大切です。
4. 寝具・寝室環境を整える
良質な睡眠のためには、寝具と寝室の環境も重要です。日本人間工学会に掲載された研究によると、睡眠時に身体に直接触れる寝具は、支持性・クッション性・正しい姿勢を保てること・寝返りがしやすいことが睡眠に影響するとされています。※4
体圧を適切に分散し、自然な寝返りを妨げないマットレスと枕を選ぶことが、睡眠の質を保ちやすい条件です。
特に重視したいのが枕の高さです。高すぎる枕は首を前に曲げた状態を作りやすく、低すぎる枕は首が後ろに反りすぎるため、頸椎の自然なカーブを保てる高さのものを選びましょう。
また、寝室の温度・湿度・照明・騒音なども睡眠の質に影響します。深い睡眠を得るための土台づくりとして、寝室を快適な環境に整えましょう。なお、やせる効果のある寝具は存在しませんが、自分に合った寝具を選ぶことで睡眠の質を高め、代謝やホルモンバランスを整える土台をつくることができます。
関連記事:【上級睡眠健康指導士監修】マットレスに直接寝るのがNGな理由4つ|きれいに保つための正しい使い方を解説
やせる寝方に関してよくある質問
寝方やダイエットについて調べていると、さまざまな疑問が出てくることがあります。ここでは、よく検索される質問に対して、信頼性の高い情報をもとに誠実にお答えします。
Q1. 寝るだけでやせることはある?
結論から言うと、寝るだけで体重が大きく減ることはありません。睡眠中も基礎代謝によってエネルギーは消費されますが、それだけで体脂肪が顕著に減るわけではありません。
ただし、睡眠は食事・運動と並んで体づくりを支える重要な柱のひとつです。良質な睡眠が確保されていると、成長ホルモンの分泌が整い、食欲ホルモンのバランスが保たれ、翌日の活動量にも好影響をもたらします。
逆に慢性的な睡眠不足は食欲を増進させ、代謝の乱れにつながることが報告されています。「寝るだけで痩せる」ではなく、「良質な睡眠が太りにくい体づくりをサポートする」という理解が正しいです。
Q2. 足や顔のむくみが気になるときの寝方は?
足のむくみが気になる場合は、就寝中に足を少し高くすることで、血液やリンパ液の流れを促しやすくなるとされています。薄いクッションやタオルを重ねて足の位置を心臓よりやや高くすると、重力の助けで足の余分な水分が体の中心へ戻りやすいです。ただし、足を高くしすぎると腰に負担がかかることがあるため、無理のない高さに調整してください。
顔のむくみについては、枕の高さが関係することがあります。枕が低すぎると頭部に血液が滞留しやすくなるため、適度な高さの枕を使って頭と体の高さのバランスを整えることがむくみ防止になる場合があります。
なお、これらの対策は一時的なむくみ(水分の偏り)に対するものであり、体脂肪を減らすこととは別の話です。むくみが慢性的に続く場合や、他の症状を伴う場合は、心臓・腎臓・甲状腺などの疾患が関係していることもあるため、医療機関への相談をおすすめします。
Q3. 寝る時間帯は関係ある?
「22時〜2時がゴールデンタイムで、その時間帯に寝ると成長ホルモンが多く出る」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし現在の科学的な理解では、成長ホルモンの分泌量は時刻よりも「最初のノンレム睡眠(深い眠り)の深さ」に関係するとされています。
つまり、必ずしも22時に就寝しなければならないわけではなく、自分の生活リズムに合った時間帯に十分な睡眠時間と深い眠りを確保することが重要なのです。ただし、就寝時刻が極端に遅くなる生活が続くと、体内時計(サーカディアンリズム)が乱れ、睡眠の質が下がりやすくなることがある点に注意しましょう。規則正しい時間に就寝・起床する習慣が、睡眠の質を安定させる基本になります。※3
まとめ:寝方だけに頼らず、睡眠の質と生活全体で整えよう
この記事では、「やせる寝方」について、仰向け・横向き・うつ伏せそれぞれの体への影響を整理しながら、睡眠と体づくりの関係をお伝えしました。
寝方が直接的に体脂肪を大幅に減らすという根拠は現時点では乏しいものの、睡眠の質は食欲ホルモン・代謝・成長ホルモン分泌と密接につながっており、良質な睡眠を継続することは太りにくい体づくりの土台になり得ます。
仰向けは体圧分散に優れた基本姿勢、横向きはいびきが気になる人に選択肢になりうる姿勢、うつ伏せは首や呼吸への負担が大きく積極的にはすすめられない姿勢として整理できます。自分の体の状態に合わせて、快適に眠れる体勢を選ぶことが最優先です。
そのうえで、十分な睡眠時間の確保・就寝前の食事のタイミング・入浴習慣・寝具環境の整備といった生活習慣を少しずつ見直していきましょう。寝方だけに頼らない意識を持つことが、健康的に痩せやすい体に近づくポイントといえます。
・参考
※1 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」 | 厚生労働省
※2 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 総括研究報告書 | 厚生労働省
※3 健康づくりのための睡眠ガイド2023 | 厚生労働省
※4 ベッドマットレスの硬さが寝心地と睡眠に与える影響 | 日本人間工学会
※5 閉塞性睡眠時無呼吸症患者における睡眠中の体位変換に関する検討 | 藤田正臣ほか
※6 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」 | 厚生労働省










